車のニュース
更新日:2021.03.22 / 掲載日:2021.03.22
フォルクスワーゲン プラットフォーム ロードマップを発表
フォルクスワーゲン グループは現地時間3月16日、すべてのグループブランドのハードウェア、ソフトウェア、バッテリー&充電、モビリティサービスを、将来的にほぼ標準化されたプラットフォームをベースとする構想を発表した。
グループが持つ各ブランドの強みを集結
同社では、電動化および完全なコネクテッド時代における、パーソナル モビリティのリーディング プロバイダーへの変革の一手として、プラットフォーム戦略を推進。
パーソナルモビリティを構成する重要な4要素――ハードウェア、ソフトウェア、バッテリー&充電、そしてモビリティサービス――をプラットフォーム化するというロードマップを打ち出すことで、電動化・デジタル化のペースを加速させ、リーディング プロバイダーとしての基盤を固める狙いだ。
これについて、ヘルベルト・ディース最高経営責任者(CEO)は「電動化とデジタル化により、車両はかつてないほど速いペースで、しかも根本的に変化している。スケールメリットは、電動化とデジタル化の両面にとって絶対的に重要。私たちのプラットフォーム ロードマップは、グループが連携することによる可能性をさらに広げるものとなる。各ブランドの強みを集結することにより、未来のテクノロジーをさらに迅速にスケールアップし、できるだけ多くの人々がその恩恵を受けられるようにしていく。」と、その意図を語った。
各要素でプラットフォーム化への具体的構想を提示
同社が採用する電気自動車専用プラットフォーム「モジュラー・エレクトリック・ドライブ・ツールキット(MEB)」はヨーロッパ、中国、そして米国へと展開され、世界中でスケールを拡大。2022年までに、グループ全体でMEBをベースにした27のモデルを導入する予定。さらに、早ければ来年にも「プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)」をベースとする、より優れた加速、長い航続距離、短い充電時間を特徴とする最初のモデルが発売される予定だという。
そして2020年代の半ばまでには、「スケーラブル・システム・プラットフォーム(SSP:拡張可能なプラットフォーム)」を開発したいという構想を持つ。これは、全ブランド及びセグメントのモデルに展開可能な、完全にデジタル化され、非常にスケーラブルな次世代の電気自動車用のプラットフォームになるという。
車載コネクティビティとソフトウェアについても、今後数年間ですべてのブランドでの採用を目指す。そのすべては、2020年に設立された「Car.Software-Org.」が提供する、「VW.OSオペレーティング システム」がベースとなる。
同システムのバージョン1.2は、PPEに対応するように設定。その後、バージョン2.0をSSPとともにグループ全体に展開する予定。それまでに、自動車用ソフトウェア開発の内製率を、現在の10%から60%に引き上げる計画としている。
バッテリー及び充電については、2023年から世界中に展開する統一規格のセルを導入予定。2030年までに統一規格のセルは、グループ傘下ブランドによる電気自動車の約80%に搭載される予定で、それにより、バッテリーセルのコストをエントリーレベルのセグメントで最大50%、ボリュームセグメントで最大30%削減できるという。
モビリティサービスやその他のサービスについては、すべてのブランドで利用できるサービスを拡充することで、プラットフォーム化を図る。主要なサービスに、MOIAライドプーリングサービス、WeShareカーシェアリング サービス、そしてフォルクスワーゲンバンクが提供する様々なサブスクリプション サービスが含まれる。