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更新日:2020.11.26 / 掲載日:2020.11.26

【ランボルギーニ ウラカン STO】全身ほぼカーボン製。これは公道を走れるレーシングカー!

ウラカン STO

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文と写真●大音安弘

 アウトモビリ・ランボルギーニは、2020年11月20日、ウラカンの新型モデル「ウラカン STO(スーパー トロフェオ オモロガータ)」のジャパンプレミアを実施した。このモデルは、ウラカンの新たなカタログモデルであり、価格は4125万円となる。

 発表の舞台に選ばれたのは、東京・六本木に開設されたばかりのランボルギーニブランド施設「The Lounge Tokyo」だ。新型モデル「STO」は、前日にイタリア本国でワールドプレミアを迎えたばかり。発表の舞台となるのは日本が2か所目だが、驚くべきことに実車披露は世界初となる。まさにランボルギーニが日本市場を重要視していることが伺えるところだ。

 ランボルギーニの中核的モデルであるウラカンの新グレード「STO」は、ランボルギーニのGTレースでの経験が反映されたスーパースポーツモデルだ。具体的には、ランボルギーニのワンメイクレース用マシン「ウラカン スーパートロフェオ EVO」、そしてデイトナ24時間レース3連覇とセブリング12時間レースで2連覇を達成した「ウラカン GT3 EVO」のエッセンスを取り入れたロードカーとなる。

軽量化のためにボディパネルの75%をカーボン化。空気理性能も改良

ウラカン STO

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 その鍛え抜かれたエクステリアは、まさに攻撃的の一言。ボディのカラーリングも、レーシーな仕上げを基本としている。その装いは、性能の高さも示すものであり、空力特性の最適化と軽量化が実施されている。

 STOを他のウラカンと差別化する象徴的なアイテムが、「Cofango(コファンゴ)」と呼ぶフロントカウルだ。ボンネット、フェンダー、バンパーのフロントセクションを一体化。これは名車ミウラなどにもみられるスタイルだが、軽量化に加え、モータースポーツシーンでの整備時間の短縮の狙いもある。フロントボンネットには、ダクトを新設することでラジエーターへの気流を増し、エンジン冷却効率を向上されると共に、ダウンフォースも高めているという。さらに後方へとエアを導くフロントスプリッターも備えている。

 リヤセクションも、フロントに負けず個性的だ。リヤフェンダーには、NACAダクトを左右に設けることで、エンジンに風を送り込むことに一役買う。ボンネット上にも冷却用のダクトが設けられ、冷却効率を高めると共にレーシーな雰囲気を醸し出す。特に印象残るのが、ダクトと組み合わされるシャークフィンの存在だ。これは動的性能を高めるもので、特にコーナリング時のヨー安定性に効果を発揮する。同時に、新装備となる3段階の調整可能式リヤスポイラーへの気流を整える役目も果たす。リヤスポイラーは調整により最大13%の空力バランスを変化させることが出来るという。これらの徹底したエアロダイナミクスの追求により、全体的な空力効率が37%向上。ウラカン・ペルフォマンテと比較し、ダウンフォースが53%も増加されている。

 軽量化については、カーボンファイバーを多用。ボディパネルについては全体の75%以上がカーボンファイバー製となる。軽量かつ強固なカーボンファイバーボディにもメスが入れられ、リヤフェンダーでは航空宇宙産業で活用されるサンドイッチ構造を取り入れることで、カーボンファイバーの使用量を25%削減。さらにフロントガラスも軽量タイプへと変更。これらの努力の積み重ねにより、乾燥重量は、軽量なウラカン・ペルフォマンテよりもさらに43kgも軽い1339kgを実現させた。

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駆動方式はRWDでサスペンションセッティングも専用

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 ミッドシップに収まるパワーユニットは、自然吸気の5.2L V10DOHCエンジンを搭載。最高出力640馬力、最大トルク57.6kgmを発揮する。スペックはウラカン EVO譲りだが、RWD化と専用のサスペンションセッティングにより、レーシングカー的でありながら、快適な走行も楽しめる二面性を実現している。

特別なブレーキシステムに加え、タイヤも専用設計

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 足元には、ブレンボ製CCM-R(カーボン・セラミック・ローター)ブレーキシステムを新採用。F1でのフィードバックにより、優れた耐久性を実現。CCM-Rディスクは、従来のCCBと比べ、4倍の熱伝導率を備え、最大制動力が25%、減速性能は7%も向上。安定したブレーキ性能が得られ、サーキット走行の心強い味方となる。トピックのひとつがタイヤで、ブリヂストンとのコラボレーションを実現。これはランボルギーニ初となる試みだ。さらに各部の設定を変化させるドライブモード「ANIMA」もSTO専用仕様となる。デフォルトとなる「STO」は公道走行を意識した仕様だ。さらにドライのアスファルト路面でのラップタイムを意識した「トロフェオ」と雨モード「ピオッジャ」が備わっている。

サーキット走行をメインとしながらも公道走行を意識した「大人のトラック・トイ」

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 コクピットは、軽量かつレーシーなスタイルだ。全体的にカーボンファイバーが多用されており、座り心地にも優れたスポーツシートもフルカーボンファイバー製となる。そのこだわりは、フロアカーペットもカーボンファイバー製とするほど。ドアパネルも同様にフルカーボンの軽量仕上げで、ドアの開閉がベルト式となる。

 サーキットアタックのために生まれたアスリートでありながら、現地の移動までを守備範囲とする究極のロードカーに仕立てられたウラカン STO。インターフェイスも一新され、タッチスクリーン上で、ドライビングモードの変更、タイヤ空気圧やブレーキ温度のモニタリングなどを実現。スマートフォンアプリとの連携も行い、サーキット走行の分析も行えるというから面白い。その存在は、選ばれし大人の究極の玩具といえそうだ。

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ランボルギーニ ウラカン STO(7速AT・LDF)

■全長×全幅×全高:4549×1945×1220mm
■ホイールベース:2620mm
■車両重量:1339kg
■エンジン:V10
■総排気量:5204cc
■最高出力:640ps/8000rpm
■最大トルク:57.6kgm
■サスペンション前後:ダブルウィッシュボーン
■ブレーキ前後:Vディスク
■タイヤ前・後:245/30R20・305/30R20

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グーネットマガジン編集部

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