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更新日:2020.09.16 / 掲載日:2020.09.16

新型レヴォーグのすべて【5】インテリア解説&まとめ

ワゴンのよさ、質感、先進感が向上

前席がより疲れにくくなった のは嬉しいところ

 新型のインテリアの最大の特徴は中央に配された大型ディスプレイ。DAや車載ITなど機能面の進化だけでなく、インパネ周りの雰囲気を大きく変えた。ただし、外観を見ても分かるように居住スペースは従来車と大差ない。

 カタログ室内長は短くなっているが、これはメーター周りのデザインの影響であり、室内有効長は従来車とほとんど変わらない。スペース拡大のための工夫もあまり為されていないのだが、低い座面高でも男性4名が過ごすにも十分なスペースが確保されている。

 居心地に関わる改善点としては前席の座り心地が挙げられる。シート基本構造の大幅な変更はないが、サポート性向上の設計が施された。試乗した印象でも従来車では比較的小さな横Gでも座面やバックレストの面崩れ、シートの上で転がるような感覚があったが、新型では座面の水平が維持され、骨盤や腰椎を支持するようなサポート感を示す。要するに腕や脚で踏ん張る必要が減少したわけだ。土手盛りバケット型ではないので、窮屈な思いもなし。スポーツドライビング云々というより座り疲れしにくいのが嬉しい。

 土手盛り式サポートでないので乗降の邪魔にもならないが、現在の乗用車では低めの座面地上もあって、乗降時の脚捌きは気になる。ドア開口は十分とは言え、狭い場所での乗降に気を使うタイプ。レヴォーグの短所というわけではないが、実用系車種とは違うスポーティ系を意識する部分でもある。

 荷室は床下収納スペースの拡大が実用面の最も大きな改善点。荷室トリム形状の変更などで容量と積載最大サイズ、積み降ろし性の改善を図っているが、この辺りは小改良の範疇。対して床下収納は倍近い容量増が施された。常載品の整理しやすさよりも容量を優先した結果だが、少しでも積載容量を求めるユーザーには有り難い。

 適応用途を拡大するような改善ではなく、ユーティリティを求めて選ぶタイプでないのは従来と同じだが、実用面で着実に進化させたのはスバルの真面目さの表れだ。

icon STIスポーツ/STIスポーツ EX

  • インパネで横の安定感を、高めのシフトノブ位置などで腰回りの包まれ感を表現しつつ、センターパネルやエアコンのベンチレーションデザインなどで先進感を表している。

STI系はボルドー&ブラックの本革シート。横G負荷時に背中全体で身体を保持できるようフロントシートのホールド性を向上。姿勢保持もしやすいよう設計。

  • GT-H以上はアルミパッド付きのペダルとなる。

  • EXにのみ採用される12.3インチのフル液晶メーターならさらに先進感のあるインテリアとなる。

  • 新しいDシェイプステアリングを採用。断面をよりスポーティに変更。ホーンパッドは小型のもの。

トノカバーはラゲッジ床下に格納できる。現行型同様リヤシートを倒すスイッチがサイドにつけられており、後席格納も楽に操作できる。

GT-H以上にハンズフリーオープンパワーリヤゲートを標準装備。リヤのスバルエンブレムに手をかざせばオープンする。

4:2:4の分割可倒式リヤシートを採用して長尺物の積載に対応。ホイールエプロン幅のほか、開口幅、開口部高さなども現行型より拡大させて使い勝手を向上させている。

ポケッテリアについても、特別な工夫を凝らした物はないものの十分な数を用意していて、日常使いで困ることは少ないだろう。

icon GT-H EX

  • ブルースティッチ

GT-H系はインパネ、シートなど各部のステッチがブルーとなる。シートカラーはブラックで、トリコット/ファブリック。本革についてはメーカーオプションで選べる。

icon GT

  • シルバーステッチ

GT系もブラックのシートだが各部ステッチがシルバーに。写真はEXではないので通常のルミネセントメーターを搭載。オーディオレス仕様車は7インチのディスプレイが付く。

icon

  • コネクティッドサービスを採用

  • コネクティッドサービスを採用

    流行りの「繋がる機能」をEXに標準、その他にメーカーオプションで用意。SOSコールやセキュリティアラート機能などを備えている。

11.6インチのセンターインフォメーションディスプレイにはその大きさを生かし、細かなエアコン情報や走行モードの内容を表示・操作可能。

前席用に2個、後席用に2個のUSB電源を標準装備。11.6インチディスプレイ車の前席端子は通信用の機能も兼ねる。

  • スバルで初めて、次世代タイプのスマートリヤビューモニターを採用。カメラ、モニターともに高精細化されている(EXにメーカーオプション設定)。

満足度を高める「アクセサリー」も豊富に用意

 各グレードの「標準状態」でもスポーティの演出は明快だが、もっとスポーティを、もっと「STI」を主張したいユーザーには、純正アクセサリーとしてSTIをはじめとしたエアロパーツを用意。フロントリップスポイラーなど車体下端全周に配したスポイラーにより床下空力特性を改善。また、ルーフエンドのスポイラー後端には剥離を利用して乱流を最小限に留めるボルテックスジェネレーターを用意。要点を押さえた空力設計が、ツウ好みのハイパフォーマンス感を演出してくれる。

icon 1. Traditional Sporty

方向性が異なる3種類から選べるエアロ類を用意。こちらは一番伝統的かつ大人しい仕様。無論、セットでなく各アイテムを選べる。

icon 2. Dynamic & Stylish

標準より刺激的な仕様。ちなみに、記事上の標準グレード車にも付いている、フォグの上のLEDライナーもアクセサリーアイテムだ。

icon 3. STI Performance

もっとも尖った仕様。各エアロパーツとも、機能・性能を考慮し設計された物で、見た目だけでなく操縦安定性に寄与してくれる。

まとめ

使い勝手+スポーツ性を求めるならやはりオススメの存在

 経済性やスペース効率の改善によりレジャー向けモデルの本命はクロスオーバーSUVにシフト。スバル車の構成や販売にも表れている。その中でスポーツキャラとファントゥドライブを前面に出してワゴンの存在価値を再構築したレヴォーグは、ある意味とても現代的なワゴンと言える。その魅力を維持しながらこれから乗用車に求められる要素を取り入れたのが新型。パッケージングや基本コンセプトを変えていないので市場拡大は難しいかもしれないが、日常用途とスポーツ性の両立にこだわるユーザーには期待の星となるのは間違いない。

●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久/SUBARU/月刊自家用車編集部

提供元:月刊自家用車

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