新車値引き情報
更新日:2020.08.26 / 掲載日:2020.08.26

【新車購入】X氏の値引きにチャレンジ大作戦

トヨタ専売車廃止で大波乱! 慌てず騒がず、激闘5か月!! 骨肉の争いで50万円奪取!!!

【2003年9月】 この年は、米英軍がイラクを攻撃し、新型肺炎SARSが中国で猛威を振るい、株価はバブル崩壊後、最安値を記録する……など大荒れの1年でした。しかし、私にとって最大・最高の出来事は初めてクルマを買ったことです。新卒からコツコツと貯めてきたお金をすべてはたいて購入したのはトヨタのbB! 当時は時代の先端をいく、個性的でおしゃれなクルマでした(笑)。
 ともあれ、これ以降、bBは私の生活になくてはならないものとなりました。街乗りはもちろん、北は青森県から南は鹿児島県佐多岬まで走破。日本中(北海道と沖縄県以外ですが)bBとともに旅をしてきました。
 はっと気が付けば、17年の歳月が流れ、走行距離は18万km目前。新規登録から13年を過ぎたため、すでに自動車税は増額。いまやトヨタのラインナップからbBは消え去ってしまいましたが、ここまでくると愛着がいっそう強くなります。「自動車税が増えたくらいなんだ。いけるとこまでいくぞ!」と思っていました。
 ところが、待望の第一子を授かったとわかった途端に君子豹変。「生まれてくる我が子のために、買い替えるぞ!」(笑)。

【2019年8月末】 消費税増税と自動車税制の変更が予定されており、bBの車検は1年ほど残っているものの、今買い替えたほうが得ではないかと思って、近所のネッツ店にヴォクシーを見に行く。久々のクルマ選びに胸を躍らせながら入店。
X「今度、消費税増税と自動車税制が変わりますが、いつ購入するのがお得なんでしょうか?」
セ「増税前に買い替えたほうが得に決まってますよ。増税前に駆け込むためには9月末までに登録しなければいけないんです。ヴォクシーは納車に1か月程度かかるので、いますぐに契約しないと間に合いませんよ」
X「え~、クルマ選びを始めたばかりなので、いますぐには決断できませんね。ガソリンにするか、ハイブリッドにするか、まだ迷っていますし……」
セ「Xさん、出費が増えてもいいんですか? 迷う必要はありませんよ。ハイブリッドは1年間に2万kmくらいは走らないと元が取れません。ガソリン車でいきましょう。ヴォクシーはガソリン車のほうが売れてますよ」
 あれ? トヨタの特許技術が詰まったハイブリッド車を推してこない。この営業さん、押しが強くて、なんとなく波長が合わない。
 早々に引き上げた。
 結局、増税前の駆け込みには間に合いそうにないため、買い替えは先送りすることにした。

【2020年1月】 妻の産前休暇も近くなり、そろそろ買い替え問題に取り組まなくては……。
 そもそも、私は電車通勤で、クルマを通勤で使用するのは妻だ。子供が生まれれば、検診や保育園の送り迎えなど、さらに使用頻度が高まるので、チャイルドシートを装着しても快適に使用できるクルマに買い替えてやりたい。
 妻の希望は小回りがきく小型車。折しもライズ/ロッキーがデビュー。これを見た妻は「この新型、いいね!」と推してきた。流行のSUVで、おしゃれな雰囲気も気に入っているようだ。リッターカーといってもターボ付きなので走りもいいとの触れ込みだが、私は眉に唾をつけている(笑)。
 少し気は早いが、私としては第二子の誕生や双方の両親(生まれてくる子供たちの祖父母)も含めた家族三世代での旅行を考えて「ミニバンがいいのでは?」と考えている。
「新春初売り」のTV-CMに誘われて、ディーラーまわりにでかけることにした。
 まずはダイハツへ。一時期、クルマ屋さんのイメージを消して、「ダイハツカフェ」なんて銘打っていただけに、女性向けのおしゃれな店舗だ。
 早速、ロッキーに試乗してみると……素晴らしい! 3気筒1Lエンジンにもかかわらず、しっかりした加速! リッターカーには初代ヴィッツの「遅い」というイメージが残っていたため、正直、驚いた! 眉唾なんていって、すみません。
 ショールームに戻って、商談を開始。営業さんはロッキーの特徴をわかりやすく丁寧に説明してくれる。ガツガツした売り込みもなく好感度はUP。つくづく「こういう人から買いたいものだ」と思わせてくれた。
 ただし、値引きの話になると、にわかにトーンダウン。
セ「Xさん、すみません。ロッキーは売れ行き好調で、上から『値引きはするな!』と厳しくいわれています」
 提示してきた条件は5万円引き。「これ以上は難しい」とのこと。渋いとは聞いていたが、予想以上だ。この後、お得な買い方として「残価設定型クレジット」を説明してくれた。17年前にbBを購入したときにはこんなシステム、影も形もなかったけど……。
 続いてカローラ店へ。ライズを試乗。当然のことだがロッキーと差はない。ただし、妻は内装(とくにシートの赤色のワンポイント)が男性的でお気に召さなかったようだ。私はアクセントが利いていて悪くないと感じたが、これも好みの差なんだろう。
 ライズも発売したばかりということで値引きは5万円。ただし、メンテナンスパックや余計なオプションは一切なし。クルマの価格のみでの勝負という感じだ。営業さんは女性で、とても感じがいい。妻は働く仲間として親近感を覚えたようだ。

本命ライズ、強気の5万円、大穴ノア、一発回答35万円

【2~4月】 先日のカローラ店とは別系列のトヨタ店へ出向く。
 私が推しているミニバンも検討してみよういうことになり、エスクァイアに試乗。ライズに比べると、やはり内装も装備も充実している。両側スライドドアも使い勝手がいい。私たち夫婦はスノボが趣味で、冬は雪山にちょくちょく出かけるので、シートヒーターはありがたい。妻も大いに気に入ったようすだが、やはりボディが大きいし、価格も高い。かんたんに「こっちにしよう!」という気持ちにはなれないようだ。
 さて、値引き条件だが、いきなり25万円引きを提示。
セ「年度末の決算キャンペーンが始まっているので、最初から頑張りました!」
 しかも、まだまだいけそうな雰囲気。ミニバンに気持ちが大きく傾いてきた。
 再びカローラ店へ。妻のお気に入りの女性営業さんが応対。
X「ライズもいいけれど、ノアも検討することにしました」
セ「わかりました。とりあえず試乗してみてください」
 営業さんも同乗して出かける。
X「以前は若々しいヴォクシーのほうが好みだっんだけど、いまは落ち着いた雰囲気のノアのほうに魅かれています」
セ「ありがとうございます」
X「ライズに比べると、やっぱり車内が静かだね。ミニバンにしては乗り心地もソフトだし」
妻「そうだねー」
X「乗り比べてみたいので、もう一度、ライズに試乗させてくれますか?」
セ「わかりました。すぐにご用意します」
 ライズに試乗した後、ショールームに戻って商談開始。
X「ライズの切れのいい加速感は魅力的だけど、走行ノイズと硬い乗り心地がちょっと気になるね。今度は子供が乗るから、走りより乗り心地や静粛性を優先させたほうがいいと思うね」
妻「そうだね~。乗り比べてみて、よくわかった。子供のこと考えたら、ライズよりノアになるよね。でも、値段がなあ~」(笑)
X「そうだよなあ~、そこんとこ、大事だよなあ~。ま、とにかく見積もりを出してもらいましょう」
セ「わかりました。ほかにも何かお考えですか?」
X「ミニバンとなるとノアとヴォクシー、セレナの三択ですね」
セ「頑張ります!」
 いったん奥に引っ込んで、しばらくして戻ってきた。
セ「年度末の決算期ということもあって、最初から限界を出します。値引きは35万円です」
 エスクァイアより10万円も上乗せしてきた。
X「ところで、いま乗っているbBは車検が9月まで残っています。17年も乗ってきた愛着のあるクルマなのでできるだけ長く乗ってやりたいと思っています。bBの車検切れに合わせて、9月に登録・納車をしていただくことって可能ですか?」
セ「可能です。登録・納車はお客様のご要望に合わせて柔軟に対応させていただきます」
 決算期の登録を優先して断られると思っていたが、なんと、二つ返事でOKしてくれた。とても親切な売り方で、素晴らしい!
X「ありがとうございます。前向きに検討させていただきます」
 ノアが急浮上してきた。
 続いて日産へ。トヨタ車で入店するのはなんとなく気まずい(笑)
X「セレナを見に来ました」
セ「いらっしゃいませ! どうぞ、試乗してください」
 静粛性はノアと変わらないが、加速感はセレナのほうがいい感じだ。リヤのデザインもセレナのほうが好み。リヤのドアがガラス部分だけで開閉できるとこもGOOD! ただ、3列目のシートの格納方法はノア/ヴォクのほうがいいかも。
セ「他のおクルマも試乗されているんですか?」
X「ノアとエスクァイアにも試乗しました。ノアは見積り金額もよかったので有力候補ですね」
セ「なるほど。うちは来週から決算キャンペーンなので、値引きも大きく出せます。Xさん、ちょっと待っていてください」
 といって奥に引っ込む。しばらくして上司を連れて戻ってきた。
上司「ノアとセレナは同じクルマではありませんので、ノアより安くすることは難しいかもしれません。ただし、トヨタさんの見積書を持ってきていただければ、努力させていただきます」
 なるほど、そうきたか。とりあえず引き上げる。
 翌週、カローラ店へ。例の女性営業さんがにこやかに出迎えてくれるものと思っていたが、なぜか男性セールスさんが応対。提示してきた見積もりには前回と違う付属品が計上されている。しかも、乗ってきたbBの車検証を勝手にコピーしている。
セ「Xさんは、いくらをご希望ですか?」
X「そりゃ、安ければ安いほどいいですよね」
セ「はあ……」
 まったく波長が合わないため、早々に引き上げた。
 しばらくして第一子が誕生。子育てに忙しくなる。さらにコロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言もあったため、クルマ選びを一時中断した。

激突! カローラ店VSネッツ店。決め手は営業さんの人柄です

【5月】 感染拡大も落ち着いてきて緊急事態宣言も近々、解除されるようだ。そろそろクルマ選びを再開しようということになる。
 5月からトヨタの販売系列による専売車がなくなって、すべてのモデルがどこのトヨタでも買えることになった。そこで、近所のネッツ店を訪問してみる。昨年8月に出向いたときは、営業さんと波長が合わずに、商談らしい商談はしないで終わった店だ。
 今回は別の営業さんが応対。前回とは打って変わって感じがよく、売る気満々。やっぱり営業マンはこうでなくちゃ!
 これまでの経過を説明して、
X「トヨタは5月から専売車をやめたんですよね。私としてはこちらで専売だったヴォクシーよりもノアがいいんですけど……」
セ「はい、うちでもノアをお買い求めいただけます。ぜひ見積もりを出させてください」
 正直、期待していなかったが、見積もりを見てビックリ! 値引きは44万円! しかも車庫証明費用をカットしてくれている。しかし見積書の車名を見ると……、
X「あの~、これヴォクシーの見積もりですけど……」
セ「うちは長年、ヴォクシーを取り扱っていましたのでできればヴォクシーを買っていただきたいという気持ちなんです。実際、ノアよりヴォクシーのほうが売れていますし……」
X「昔は若向きのヴォクシーが好みでしたが、いまはノアのほうが落ち着いていていいかなと……それに妻がヴォクシーのシートのデザインに拒否反応を示しているんですよね」
セ「Xさん、ヴォクシーの在庫車だと、もう少し頑張れるかもしれません。在庫車はすぐに納車できますよ」
X「bBの車検は9月まで残っているんで取り立てて納車を急ぐ必要はないんですよね。9月になったっていいくらいですから。やはりヴォクシーよりノアを選びたいと思います」
セ「わかりました。ノアも同じ44万円引きにします。いますぐご契約いただければ、1か月程度で納車は可能です」
X「わかりました。すぐには決断できませんが、積極的な見積もりに感謝します。家族で少し相談させてください」
 よし、ここは勝負どころ!と捉え、カローラ店の女性営業さんに電話を入れた。
セ「Xさん、先日は私が対応できずに失礼しました」
X「私たちはあなたが担当としてついてくれるなら、ノアの購入を本気で考えたいと思っています」
セ「ありがとうございます。よろしくお願いします」
X「実は、ヴォクシーを取り扱っていたネッツ店さんでもノアを販売できるとのことで見積もりを出してもらったら、けっこう魅力的な値段を提示してくれました。で、カローラさんの最終条件も聞きたいので、明日、そちらにお伺いするつもりなんですけど……」
セ「お待ちしています!」
 翌日の午前中、カローラ店へ
X「ネッツさんが提示してきているノアの値引き額は44万円です。こちらはいかがでしょうか?」
セ「う~ん……店長に確認してまいります」
 しばらくして戻ってきた。
セ「Xさんが希望しているタイプがちょうど在庫であります。これなら同額で対応させていただきます。満タン納車とJAFの家族会員も1年間無料でお付けします。ただし、本日中のご決断でお願いします!」
X「わかりました。妻と相談の上、今日中に連絡します」
 その足でネッツ店に立ち寄る。担当営業さんが出てきたが、
セ「すみません。あいにく別のお客様と商談中で、いますぐ応対できない状況なんです。午後なら大丈夫ですけれど……」
X「実は、カローラさんがネッツさんと同条件を提示してきました。しかも満タン/JAF家族会員付きです。妻があちらの女性営業さんと意気投合していて『ノアならカローラ店で買いたい』みたいなことをいっているんです。ともかくここが正念場ですよ。午後一番で妻を連れてくるので最終価格を出しておいてください。見積もりをひと目見てカローラ店推しの妻がぐうの音も出ないような、凄い数字を提示してくれれば、その場で決めるつもりです。ちなみに、JAFは要らないので、その分、できるだけ安くしてくださいね」
セ「わかりました。頑張ります!」
 昼食後、妻を連れてネッツ店へ。
セ「奥様、ヴォクシーではいけませんか?」
妻「ごめんなさい、シートの縦縞が趣味に合わないんです。それにノアのほうがおとなしくて家族で使うにはぴったりですよね」
セ「わかりました。では、ノアでいきましょう。私なりにXさんのご要望を最大限に踏まえて見積もりを作ってみました」
 見積もりには車両本体/メーカーオプション(3万3000円)から25万円引き、付属品(41万
9650円)から25万1300円引きと記載されている。値引きの合計は50万1300円!
 なお、17年・18万kmのbBに3万9700円の下取り額が計上されているが、これには自動車税の戻り分2万9700円が含まれているので、実質的には1万円。下取り車関係の費用はいっさい計上されていないので納得です。
セ「これでいかがでしょうか?」
X「よろしくお願いします!」
 なお、bBを9月の車検切れまで乗るつもりでしたが、子供の百日祝いに間に合わせようということになり、納車を急いでもらうことにしました。


購入データ
From千葉県
TOYOTA ノア
Si W×B2(7人)
トータル値引き 50.1万円

値引き採点 5
トヨタ同士の争いにもち込んだ結果、最終的に車両本体/メーカーオプション(3万3000円)から25万円引き、付属品(41万9650円)から25万1300円引きとなった。値引き率は14.8%。


提供元:月刊自家用車

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