輸入車
更新日:2020.06.01 / 掲載日:2020.06.01

【試乗レポート MINI クラブマン】大人になったMINIはマイナーチェンジでさらに洗練

MINI クラブマン クーパーS ALL4

文●ユニット・コンパス 写真●澤田和久

 変わらないようで変わっている。MINIは一見、デビュー当時から同じデザイン、同じテイストを貫いているようにみえる。
 それはある意味で正解なのだが、正確には世代ごとに微妙な変化を重ねているのだ。それは、ただ商品力を維持するためのものではない。一流ファッションブランドのそれと同じように、時代時代にふさわしい装いを提供するために変わり続けているのだ。具体的にいえば、初代、2代目のときがポップでやんちゃな雰囲気だったのに対して、現行型の3代目は都会的な洗練を身につけている。MINIは2018年にブランドロゴを一新。従来の立体的でグラデーションを用いたものから、ハイコントラストなフラットデザインになっている。このようにMINIは、ブランド全体をアップデートし、時代の空気にマッチさせている。
 ラインアップにおいてそのトリガーとなったのが、3世代目のトップバッターとして2015年に登場したクラブマン。ボディサイズを拡大し、インテリアの質感も一気に高級感を増したクラブマンは、MINIブランドの変化の象徴でもある。
 そんなクラブマンが2019年10月にマイナーチェンジを受けた。となれば、その変わり様が気になるというものだ。

LEDライトの採用などでエクステリアはさらに洗練された

 エクステリアの変化は最小限にして効果的。登場時のイメージは保ったまま、灯火類とバンパーデザインが変更されたことで、さらにスタイリッシュになった。とくにユニオンジャックからインスパイアされたテールランプは、路上で多くのひと目を引くはず。ハッチバックにも同様の改良が施されたが、よりシックなイメージのあるクラブマンのそれは、より大人の遊び心を感じさせる。ヘッドライトとフォグランプはLEDを使ったもので、ヘッドライトの周囲をリング状のデイライトが飾る。これはウインカー使用時には黄色く点灯する。より先進的でデザインもシンプルになった。

  • 「ALL4」は4WDを示し、あらゆる路面状況での安定した走りを実現

  • エンジンは変更ないが、トランスミッションはトルコン式からデュアルクラッチ式へと変更された

  • よりスタイリッシュなMINIをつくるためのオプション郡「MINI Yours」にはイルミネーショントリムも用意

  • 試乗車のシート表皮は上質なレザーだった

  • リヤシートは3人分用意される。足元空間の広さはクラブマンの大きな美点

しっとりとした走りは、まさに大人のためのMINI

クーパーSは従来どおりトルコン式8速ATを採用。ワンとクーパーは7速DCTに

 マイナーチェンジでワンとクーパーのトランスミッションを7速DCTに変更したが、クーパーSは2L4気筒ターボのエンジンとともに変更なし。
 MINIといえば「ゴーカートフィーリング」がウリだが、クラブマンではハッチバックに比べて乗り味がしっとり系に調律されている。これはハッチバックに比べて後席環境を重視しているからだが、運転席や助手席ではより心地いい。若いころにMINIのハッチバックモデルに乗っていたユーザーがカムバックするのにもクラブマンはちょうどいいはず。
 車重1550kgのボディに2Lターボはまさに余裕たっぷり。SUVのクロスオーバーに比べて重心が明らかに低いため、高速での安定感も一枚上手で、コンパクトカーとは思えないほどの安定した走りを披露してくれた。クラブマンはラインアップのなかでは地味な存在ではあるが、輸入車のショートワゴンと考えると、このサイズとキャラクター性は希少で、改めて輝いて見えた。

乗ればわかる人気の理由。深くて広いMINIワールド

 多くのクルマが大型化し、取りまわしに気をつかうことが増えてきた昨今。5ナンバーよりちょっと余裕のあるMINIクラブマンのサイズ感は、日本の道路事情にもちょうどいい。 今回試乗したクラブマン クーパーS ALL4は、4WDシステムを備える安心感に加え、ボディサイズに大して大きめな2Lターボという余力のあるエンジンが相まって、日常をちょっと贅沢に彩ってくれる素敵なクルマだった。クーパーでも必要十分だが、このちょっとした違いは満足度に大きな差となって現れてくるはず。そうなると今度はオプション装備にも懲りたくなってくるが、気がつけばなかなかのお値段になってしまうのが難しいところ。逆に言えば、「ちょっといい道具」から「小さな高級車」まで自由自在にカスタマイズできるのもMINIの魅力。モデルチェンジでデザインやテイストが変化しても、自分だけの1台を作り上げるMINIの楽しさは、登場当初から変わっていない。


 
 MINI クラブマン クーパーS ALL4(8速AT)


全長×全幅×全高 4275×1800×1470mm
ホイールベース 2670mm
車両重量 1550kg
エンジン 直列4気筒DOHCターボ
総排気量 1998cc最高出力 192ps/5000rpm
最大トルク 28.6kgm/1350-4600rpm
サスペンション前/後 ストラット/マルチリンク
ブレーキ前/後 Vディスク/ディスク
タイヤ前/後 225/45R17

MINI クラブマン 新車価格帯 335万円から459万円(JCWを除く)




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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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