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更新日:2020.05.22 / 掲載日:2020.05.22
SSTって何でしょう?-その他SST編-
各種SSTについて
カムシャフトプーリーをロックして空回りを防止する
カムシャフトロッキングツール
タイミングベルト脱着時、テンションを緩めてタイミングベルトを外した瞬間、バルブスプリングに押されてカムシャフトが回ることでカムシャフトプーリーの位置がズレてしまう。
それでもシングルカムなら位置合わせしつつベルトを組み付けることができるが、カムシャフトプーリーが2個あるDOHCの場合、位置合わせに難儀する。
そのDOHCのタイミングベルト脱着時、カムシャフトプーリーが回らないようロックすることで空回りを防止するSST。
それが「カムシャフトロッキングツール」だ。
連結シャフトと移動爪のロックボルトを緩めてカムシャフトプーリーにはめ込み、4つの爪がキッチリはまった状態でロックボルトを締め込む。
ガッチリはまったクランクプーリーがすんなり抜ける
クランクプーリープーラー
オルタネーターやパワステポンプ、A/Cコンプレッサーといった補機類はクランクシャフトの前端に取り付けられたクランクプーリーの回転力をベルトで伝達することで駆動されている。
つまり、クランクプーリーにはエンジンの回転力が直に加わるため、太いボルトでガッチリ固定されている。
かなり強く締まっていて外すのに難儀するが、クランクプーリー自体も硬く嵌合していて簡単には抜けないのだ。
そこで必要となるのが「クランクプーリープーラー」で、これを使用すればすんなり取り外すことができる。
クランクプーリーのサービスホールに合致するサービスボルトを使用して固定し、回り止めしつつセンターボルトを締め込む。
丸先端でシールやブーツを傷付けずに外せる
シール外し用ドライバー
キャリパーのピストンシールはシリンダー側面に設けられたミゾにはめ込まれており、取り外す時はミゾからこじり出す必要がある。
シリンダーを傷付けないよう先端を丸く加工したマイナスドライバーが「シール外し用ドライバー」で、ブーツを傷付けることなく外すことができる。
つぶれた冷却フィンが直せる
ラジエーターフィン修正ツール
飛び石などでつぶれたラジエーターやコンデンサーの冷却フィンを修正するSST。
冷却フィンの狭いすき間に差し込むだけと使い方は簡単で、これ1つで6、8、10、12、14、15の6種類のピッチに対応する。
なお、コアフィンのピッチは1インチの間にフィンが何枚あるかで分類する。
タイロッドエンドをスムーズに切り離す
タイロッドエンドプーラー
タイロッドエンドとフロントナックルアームの接続部はテーパーでガッチリ嵌合しているため、固定ナットを外しただけではビクともしない。
とはいえ、やみくもにハンマーで叩けばナックルアームや接続ボルトを変形させたり損傷させることになる。
このため、無理は禁物。
タイロッドエンドの切り離しに特化した専用プーラーの「タイロッドエンドプーラー」の使用が原則となる。
ただし、これを使用しても外れた瞬間、タイロッドやプーラー自体が反動で飛び跳ねるため、落下防止策が必須となるので注意する。
タイロッドの落下を防止するため、固定ナットはボルト端と面一になるまで緩めた状態のままタイロッドエンドプーラーをセットする。
固着したゴムホースをワンアクションで抜く
ホース脱着プライヤー
エンジン周りには冷却水や作動油、エアが流れているゴムホースが多用されている。
このゴムホース、年数が経過すると劣化し弾力が低下し、はめ込まれた形状のまま固まってしまう。
しかも、熱で貼り付いてしまうため、簡単には外れない。
回すようにして剥がし、力ずくで引き抜くしかない。
とはいえ、手が入るスペースがあればまだしも、接続部が奥まった部分で作業スペースが限られるとなると……。
そんな状況でもホース脱着プライヤーを使用すれば、固着を楽に引き抜くことができるのだ。
ホースバンドのロックを解除し、ホース端にはめ込んでグリップを握る。すると口先が広がることでホースが押し出されてくる。
ホースを挟み込んで一時的に液漏れを止める
ホースピンチャー
フューエルホースやブレーキホースを切り離す際、ホースを挟んで締め付けることで、一時的に漏れを止めることができるSST。
ホースを挟んでハンドルを握りしめるとカリカリとラチェット機構で徐々に締まっていき、解除レバーの操作で一気に解除できる。
カプラーにはめ込まれた端子のロックを解除!
ターミナルツール
複数の配線コードを1つにまとめたカプラーにはめ込まれた爪でロックされている専用端子を、傷付けることなくスムーズに抜き取ることができるSST。
ロック爪の解除穴に押し込むだけと使い方は簡単で、これ1つで丸型端子、平型端子など、6種類の端子に対応する。