新型車情報
更新日:2020.03.19 / 掲載日:2020.01.27

SUZUKI 新型ハスラー完全読本 メカニズム&装備

従来型はプラットフォームの切り替え時期に登場したこともあって先代ワゴンRがベース。一方、新型のプラットフォームは現行ワゴンRをベースに開発された新世代型に変更されている。ただし、現行ワゴンRと同等と考えるのは早計だ。スズキ車としては初となる構造用接着剤の採用や、フレーム周りの振動騒音を低減させる高減衰マスチックシーラーを軽自動車として初めて車体構造部に使用するなど、軽自動車としてはかなり贅沢な設計が与えられている。

FF車のリヤサスが変更されたことも見逃せない。従来型はFF/4WDともにリヤサスはアイソレーテッド・ トレーリング・リンク(ITL)式を採用していた。ITLはFFと4WDで共通化を図れることが利点だが、バネ下重量が重くなってしまう。そこで乗り心地と操安性の向上を目的に、新型のFF車では標準的なトーションビーム式を採用(4WD車は従来どおりITLを採用)。伸びストロークの実用性を考えれば、SUV用途には適している選択だ。

パワートレーンはNAとターボが設定されるが、NAは新開発エンジンが搭載される。R06Dと呼ばれるNAユニットは、スズキ軽自動車としては初となるデュアルインジェクションとクールドEGRを採用。高圧縮化と急速燃焼による大量クールドEGRをベースに熱効率向上を図った最新の設計が施されている。ミッションは従来どおりCVTを用いるが、こちらも高効率化と軽量化を図った新型だ。なお、全車ともISGと専用12Vリチウムイオンバッテリーを用いたマイルドハイブリッド仕様となる。

4WDシステムは従来同様にビスカス方式を採用。このシステムは後輪駆動力が前後輪の回転数差で発生するトルクに依存するため、4WDとしては簡易型の印象が強いが、新たにスノーモードを採用することで踏破性向上が図られている。降坂制御機能も備わるなど、一般的なSUV用途ならば十分に対応できる性能を持っている。

滑らかな骨格構造の採用、結合部やサスペンション部品などの最適化などで、基本性能の向上と軽量化を実現したスズキの新世代プラットフォーム。新型ハスラーの性能向上に多大な貢献を果たすのは間違いないだろう。

アプローチアングルは29°(従来型比+1°)、ディパーチャーアングルは50°(従来型比+4°)、最低地上高は180mm(従来型4WD車比+5mm)と、ある程度のラフロード適性を持つことも新型ハスラーの武器の一つ。

  • 構造用接着剤の採用により操縦安定性や乗り心地が改善されたほか、ルーフ部分に高減衰マスチックシーラーを使用することで、不快な音や振動も軽減している。

R06Aエンジン(ターボ)

ターボ車は従来のR06A型を引き続き採用するが、NA車はデュアルインジェクションシステムやクールドEGRが組み込まれた新開発のR06D型に変更することで、性能向上が図られている。

  • 新型はマイルドハイブリッドに全車を統一。旧モデルのS-エネチャージ仕様に比べると、モーター出力やバッテリー性能が幅に向上しており、駆動アシスト力も格段に高まっている。

急坂などでパワーが欲しいシーンにステアリングのパワーモードスイッチを押せば、ISG(モーター機能付発電機)からモーターアシストが働き、力強い加速を得ることができる。

CVTも、2ポートオイルポンプや高効率ベルト、低合成ダンパ(トルコン)などの新機構が組み込まれた新開発ユニットを採用。

安全運転支援は スズキ軽のナンバーワン

先進安全装備の普及は軽自動車が火付け役と言ってもよく、最新モデルとなる新型ハスラーにも上級クラス並みの装備が用意された。

まず基本機能となる衝突回避システムは、夜間歩行者にも対応したほか、ペダル踏み間違い衝突回避も後退時にも作動する。標識認識機能も一時停止と進入禁止が加わり、進入禁止に車体方向が向いている場合は注意喚起を行ってくれる。身近なシーンでの安全性も一段と高まっている。

ACCとLKAがスズキ軽自動車としては初採用されるなど、運転支援機能の充実も新型の強み。しかもACCは停車までサポートする全車速型を採用し、停止保持機能はないものの、渋滞時のノロノロ走行までカバーできるのは強味である。一方、LKAは車線逸脱の可能性が高い状況で操舵支援を行うタイプ。走行ライン制御型ほど滑らかではないが、不注意の車線逸脱を予防できるので、ACCと合わせて高速長距離も考慮しているユーザーには魅力的に映るだろう。

インフォテイメントの充実もポイントの一つ。従来型のナビシステムは社外タイプをディーラーOPで対応していたが、新型はメーカーOPとしてライン装着のメモリーナビが用意される。ディスプレイは9インチの大型高彩度タイプで、細部までくっきりはっきりと表示。スマートフォンを接続すればスマートデバイスリンク(SDL)にも対応するなど、なかなかの性能を持っている。さらにメーターには、多様かつ色彩豊かな表示を行う4.2インチのカラー液晶メーターを採用するなど、先進感を演出する要素も目白押しだ。

これら安全&運転支援機能やインフォテイメントの拡充は、新規ユーザーのみならず従来型のオーナーにも強いアピールポイントになるだろう。

スノーモード

急な下り坂でブレーキ操作なしに一定速度(約7km/h)で降坂できるヒルディセントコントール。ラフロードで便利に使える機能だ。

雪道やぬかるみなど片輪が空輪しそうな状況で、グリップ側の車輪に駆動力を集中させるグリップコントロールも引き続き採用されている。

エンジン出力を自動制御し、同時にブレーキ制御も併用することで、路面抵抗が低いスリップが頻発しそうな雪道で便利に使えるスノーモードを新採用。アイスバーンなどでもスムーズな発進を実現。

スマートファン連携ナビゲーション

  • メーカーOPのスマートフォン連携機能付のメモリーナビは、走行可能距離や燃費情報などの車両情報も表示される、従来のスズキ車のシステムとは異なるインフォテイメント機能が採用されている。

  • 7インチに比べると約1.7倍の表示領域を持つタッチパネル対応の9インチ液晶ディスプレイ。高精彩タイプのため地図画面もくっきり見やすい美点を持つ。

  • 純正メモリーナビは、日本の準天頂衛星「みちびき」の高精度な位置情報にも対応するなど高い測位率も実現する。ナビの性能面も申し分なし。

  • メーター右下には、スズキ軽モデル初となる、4.2インチカラー液晶メーターを採用。オープニングやナビ案内、走行モードなど、サブモニターとして様々な情報を分かりやすく表示してくれる。

スズキセーフティサポート

  • 単眼カメラとレーダーで前方障害物を検知するデュアルカメラブレーキサポートは、夜間歩行者検知型にアップデート。他にも標識認識機能や後退時ブレーキサポートも追加

  • スズキ軽モデル初採用となるACC(アダプティブクルーズコントロール)は、追従状態から停止状態まで対応できる全車速追従型。軽自動車としては最高レベルの内容を持つ。

走行時に車線を逸脱しそうな際にステアリング操舵で注意を喚起する、車線逸脱抑制機能もスズキ軽モデルとして初採用している。

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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