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更新日:2020.01.28 / 掲載日:2020.01.28

自動運転中の事故はメーカーの責任?運転者の責任?レベルごとに解説!

自動運転中の事故はメーカーの責任?運転者の責任?レベルごとに解説!

グーネット編集チーム

自動運転技術の開発競争が各自動車メーカー間で激化しています。また、自動運転車の普及に伴い自動運転中の事故の責任についても法整備が進められています。
2019年12月1日に施行された道路交通法改正では、一定条件下ではシステムが運転の主体となり、緊急時には運転者が操作を引き継ぐレベル3の自動運転で発生した事故責任については、自動車の運転者が責任を負うことが明文化されました。

自動運転のレベルごとの責任の所在や、自動運転車で事故を起こしてしまった場合の損害賠償責任については、今後とも議論や法整備が必要な部分があります。ここでは、自動運転車の責任の所在について、自動運転レベルごとに解説します。

自動運転中の事故は誰の責任?レベルごとの責任について

自動運転中の事故は誰の責任?レベルごとの責任について

グーネット編集チーム

自動運転車による事故は、ドライバーの責任になるのか、システム・メーカーの責任になるのか議論されています。

レベル1(加速・ハンドル操作・ブレーキのいずれかをシステムが行う)の場合の責任

基本はドライバーが運転操作を行い、一部をシステムが運転支援するため、ドライバー主体のシステムであり、事故による責任はドライバーにあると判断されています。

レベル2(加速・ハンドル操作・ブレーキの複数の操作をシステムが行う)の場合の責任

基本はドライバーが運転操作を行い、加減速操作やハンドル操作など複数の操作をシステムが行うが、運転はドライバー主体のシステムです。事故による責任はドライバーにあると判断されています。

レベル3(加速・ハンドル操作・ブレーキ全てシステムが行うがドライバー対応も必要)の場合の責任

運転操作がドライバー主体からシステム主体に移行するのがレベル3です。車線変更や分岐なども自動で行うことができますが、システムから要請があればドライバーが対応しなければなりません。2019年現在、事故の責任はドライバーが負うという方針が決まっています。

レベル4以降はドライバーが全く関与しない

2019年現在、実用化されていない自動運転レベル4以降のシステムは、事故の責任はメーカーの責任とされています。道路環境の影響がある場合は、管轄する自治体の責任となる可能性も考えられます。

自動運転中の事故において責任の所在が難しい理由

自動運転車による事故の責任の所在は、レベルごとに決まっていますが、レベル2まではドライバーに責任があるとされています。レベル3は、システム主体の運転で、責任はシステムにありますが、システムからの要請があった場合には、ドライバーが対応し、システムがドライバーに要請後はドライバーに責任があります。

ドライバーが予知できない不具合が発生したことで事故が起きた場合は、メーカーの責任が問われます。事故による責任がドライバーにあるレベル3までの自動運転車を運転中の事故で、システムのトラブルでハンドル操作ができなくなったなどの不具合が明らかになればメーカーに責任を問うことが可能です。

しかし、レベル3の自動運転車の場合、事故の直前にシステムがドライバーに対応要請しても間に合わず、事故を起こしてしまうことになります。例えば、自動運転車が法定速度で走行中、急な自転車の飛び出しがあり、システムが自動でハンドルを切り事故を回避した後すぐに手動運転に切り替わり、その瞬間、隣車線の後ろから来た車と衝突事故を起こした場合などが挙げられます。

このように、自動運転車の回避作動や、ドライバーへの運転要請のタイミング、運転要請後の瞬間的な危機にドライバー対応が現実的に可能なのかなどを含め、自動運転車に関する責任の所在については、非常に判断が難しく、課題も多く存在するといえるでしょう。

自動運転中の事故において責任の所在を明らかにすることが普及の鍵

各メーカーでは、2020年から2025年にかけて自動運転レベル3、レベル4の自動運転車の実用化へ向けて開発を進めています。それと同時に、政府も自動運転実用化に向けての法整備と規制進めていく方針を固めています。

2019年5月に改正道路交通法が可決成立し、同年12月に施行されました。2019年12月に施行された法改正の内容は、スマートフォンや携帯電話の操作などの「ながら運転」の厳罰化です。しかし、レベル3の自動運転車では、運転者が緊急対応できる状態であれば、スマホ操作をしても構わないとされています。しかし、スマートフォンや携帯電話の操作しながら、緊急対応が可能かどうかという疑問も残されています。

当面は、レベル3の自動運転車を前提とした法整備と、システム主体の完全自動運転を目指した更なる自動運転車の技術開発が進められていくことが予想されます。自動運転車の普及には、自動運転車の発展はもちろんのこと、道路環境整備や法整備が求められています。

まとめ

自動運転車の事故の責任は、システムに不具合があった場合を除き、現在実用化されつつあるレベル3まではドライバーに責任があると判断されています。現在でも身近に存在している自動運転レベル1、レベル2の自動運転車を含め、自動運転車を運転する際には、システムを過信した運転を行わないことが大切といえるでしょう。

今後も自動運転車の技術の進歩にともなって、自動運転車で事故が発生した場合の責任所在をはじめ、さまざまな自動運転車に関する法規制の整備が進められていくことが予想されます。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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