日産シルビアの中古車購入の際の選び方の参考ポイント

シルビアは、職人のたたき出し加工により実現した「クリスプカット」と名付けられた宝石のような煌びやかスタイリングを採り入れています。
1965年に誕生し、ベージュカラーのリクライニング式本革シートやウッドステアリング、5連メーターなどのラグジュアリーなインテリアを備える、元祖スペシャリティクーペとして位置付けられています。

しかしながら、当時スペシャリティクーペとしての需要も少なく、コスト高などさまざまな要因から約554台のみ製造されたセミハンドメイドモデルでした。現在ではその希少性から高値で取引され、名車として語り継がれています。

約7年のインターバルの後、1975年にリリースされた2代目モデルでは、正式名称を「ニューシルビア」と改めました。
サイドビューを飾る2本の大胆なキャラクターラインを備えた、未来的でアバンギャルドなエクステリア＆インテリアデザインを採用した5人乗り2ドアクーペとして開発されました。日産初の量産型スペシャリティクーペとして記念すべきモデルです。

3代目モデル以降、国内外のモータースポーツにも積極的に参戦するなど、スポーツカーとしてのイメージを強めながら、スペシャリティクーペとしてのラグジュアリーな側面も兼ね備え人気を高めていきます。

1988年にフルモデルチェンジを受けた5代目モデルでは、折からのスペシャリティクーペの人気からホンダ プレリュードとならびデートカーとして、若い世代のユーザーを中心に大ヒットとなりました。
さらに、全域にわたり豪快な動力性能を誇る2.0Lターボエンジンや優れた操舵性能を発揮する4輪操舵システム「SUPER HICAS」、後輪駆動など硬派なスポーツモデルとしても高い支持を集めました。

また、電動ソフトトップを備える4人乗りコンバーチブルモデルが後からラインナップに加わるなど、スペシャリティ度が濃い1台です。

グランツーリスモ性を重視し、3ナンバーサイズへ大きく変貌を遂げた6代目を経て、最終モデルとなる7代目モデルではボディサイズをダウンサイジングしました。本来のスポーツ性を高めたスポーティクーペとして1999年1月に発売されます。

エモーショナルな低く構えた安定感のあるスタイリングをはじめ、出力を高めたインタークーラー付ターボとクロスレシオ化された6速MTを搭載した、切れの良い伸びやかな走行性能など、販売終了から月日を経過しても高い人気を誇るモデルです。

ここではシルビア中古車購入の際の選び方の参考ポイントとして、主なグレードの特徴、維持費と燃費、中古車の価格相場や価格帯を取り上げてご紹介します。

・スペックS
2.0L自然吸気エンジンを搭載するベーシックグレードです。
NAエンジン搭載モデルは5速MTもしくは4速ATの設定となります。
ベーシックグレードながら、フロントカラードエアロバンパーやデュアルテールパイプフィニッシャー、電動格納式リモコンカラードドアミラーなどのスポーティなエクステリアをはじめ、チルトステアリング、リッド付センターコンソールボックス、前席スポーツシートなどのインテリアが施されるとともに、MTモデルにはスポーツサウンドマフラーが標準装備されます。

インテリアではウレタン巻3本スポークステアリングホイール、シルバーメーター（ブラックフィニッシャー）、マニュアルエアコン、オーディオレス、シートはブラックのジャージ地仕様となり、15インチタイヤ＆スチールホイールが装着されます。

・スペックS Gパッケージ
「スペックS」グレードに対し、レッドステッチが施された本革巻3本スポークステアリングホイール、本革巻シフトノブが装備され、オートエアコン仕様となります。
また、運転席＆助手席にバニティミラー、CD一体AM/FM電子チューナーラジオが追加されます。足回りは15インチタイヤ＆アルミホイール仕様となります。

・スペックS bパッケージ
「スペックS Gパッケージ」グレードに対し、本革巻シフトノブをはじめ、フロントシートがブルーのスウェードトリコット地を採用するなど、ブルー「b」をインテリアに採り入れたモデルです。
フロントバンパー組込みフォグランプやリモートコントロールエントリーシステムなどの快適・安全装備の追加をはじめ、インテリアではチタン調フィニッシャー付シルバーメーターへ変更されます。

・スペックS Lパッケージ
「スペックS bパッケージ」グレードに対し、シルバーオーナメント付プロジェクターランプをはじめ、質感の高い専用インテリア、アルミ製ペダルや本革フロントシートを備える上位グレードです。
ステアリングホイールはシルバーステッチ入りとなります。

・スペックS エアロ
「スペックS Gパッケージ」グレードに対し、ハイマウントストップランプ付大型リヤスポイラーやサイドシルプロテクターなどのスポーティなエアロパーツの装備に加え、ピラーメーター（油圧計）を装備したスポーティバージョンです。

・スペックR タイプB
2.0Lインタークーラー付ターボエンジンを搭載するベーシックグレードです。
ターボエンジン搭載モデルは6速MTと4速ATが設定されており、ブレーキブースターも大型化され、フロントには対向4ピストンブレーキが装着されます。
また、オーディオはレス仕様となります。

16インチタイヤ＆スチールホイールを装着し、ロングライフ撥水ドアガラスやチタンクリアドアミラー、トランクスルー機構を取り去るなど装備を簡素化したモータースポーツやカスタマイズを前提とした用途に最適なグレードです。

・スペックR
NAモデルの「スペックS Gパッケージ」の装備にほぼ準じます。
ピラー部にブースト計が装着され、足回りは16インチタイヤ＆アルミホイール仕様となります。

それ以外のターボモデルは、「スペックR」同様にNAモデルと同等の装備が施されています。

ここでは、シルビアの型式ごとの燃費の違いと、燃費に基づく年間の燃料代と自動車税からなる年間維持費用をまとめます。
同じ型式でも車両重量などにより若干の差異が生じることがあります。

なお、年間の走行距離は年間1万km、ガソリン単価は無鉛レギュラーガソリン135円/L、無鉛プレミアムガソリン145円/Lと仮定しています。また、自動車税は2018年7月時点で参照したものとなります。

・S14：2.0L/4AT/FRモデル
使用燃料：無鉛プレミアムガソリン
10モード/10・15モード燃費：10.0km/L
年間ガソリン代：約145,000円（1000.0L×145円） ※1
自動車税：年間39,500円 ※2
年間維持費：約184,500円 ※3

・S14：2.0L/5MT/FR/ターボモデル
使用燃料：無鉛プレミアムガソリン
10モード/10・15モード燃費：11.4km/L
年間ガソリン代：約127,192円（877.2L×145円） ※1
自動車税：年間39,500円 ※2
年間維持費：約166,692円 ※3

・S15：2.0L/5MT/FRモデル
使用燃料：無鉛プレミアムガソリン
10モード/10・15モード燃費：12.0km/L
年間ガソリン代：約120,833円（833.3L×145円） ※1
自動車税：年間39,500円 ※2
年間維持費：約160,333円 ※3

・S15：2.0L/4AT/FR/ターボモデル
使用燃料：無鉛プレミアムガソリン
10モード/10・15モード燃費：8.9km/L
年間ガソリン代：約162,921円（1123.5L×145円） ※1
自動車税：年間39,500円 ※2
年間維持費：約202,421円 ※3

※1．ガソリン単価は無鉛レギュラーガソリン135円/L、無鉛プレミアムガソリン145円/Lと仮定しております。
※2．自動車税は2018年7月時点で参照したものとなります。
※3．年間の走行距離は年間1万kmと仮定して1年間のガソリン代を算出し、自動車税を合算して、年間維持費として計算をしております。

6代目 日産 シルビア S14系：28～248万円
S14：26～199万円

Q’sエアロ：42～128万円
Q’s エアロ SE：40～145万円
K’sエアロ：79～189万円
K’sエアロ SE：49～159.9万円

7代目 日産 シルビア S15系：25.8～329.8万円
S15：25.8～348.9万円

スペックS：27.5～248万円
スペックS Gパッケージ：25.8～259万円
スペックS Vパッケージ：55～146.2万円
スペックS Lパッケージ：35～95万円
スペックS エアロ：35～230万円
スペックR：59.9～348.9万円
スペックR エアロ：99.8～269万円
オーテックバージョン：49～198万円
ヴァリエッタ：75.6～320万円

シルビアは、1965年発売のセミハンドメイドの2シータースポーツクーペから始まり、長らく日産を代表するFR駆動4人乗りスペシャリティクーペとして、高い人気を獲得したモデルです。
パワフルなエンジンを搭載する2ドアスポーツモデルの需要の減少から、2002年で販売を終了してしまいますが、今なお根強いファンにより状態の良い車両は高値で取引される人気車種です。

1999年10月から2002年1月まで販売された6代目モデルでは、28～248万円の価格帯でオリジナルからカスタマイズ車両まで数多くの登録車が見受けられます。
1999年1月に発売された最終モデルにあたる7代目モデルでは、低走行でフルエアロを装備したターボモデルや電動メタルルーフを装備したモデルなどに対して、希少性から200万円以上のプライスタグが付いている傾向があります。走行距離もガレージで保管されているような1000kmにも満たない車両から10万kmを超えた年式相応の車両まで、90万円台を中心に数多くの車両が登録されています（上記中古価格帯については、2018年7月18日時点での数値となっています）。

年式やグレード、オプション装備をはじめ、走行距離や程度、ボディカラーなどで個々の中古車販売価格が異なりますので、中古車を価格で選ぶ際には、最新の価格をチェックするようにしましょう。