車の最新技術
更新日:2019.10.10 / 掲載日:2019.10.10

世界初の運転支援技術「プロパイロット2.0」を解説【ニュースキャッチアップ】

文●ユニット・コンパス 写真●日産自動車
(掲載されている内容はグー本誌 2019年10月掲載の内容です)


今回は日産スカイラインに搭載された最新の運転支援技術「プロパイロット2.0」に注目。これまでの運転支援との違いや使用感、そしてそれを実現する技術についても深掘りします。

クルマが副操縦士のように運転操作を肩代わりする

 レベル2に相当する自動運転の技術はすでに多くの自動車メーカーが採用しているが、「プロパイロット2.0」がエポックメイキングな存在だと言えるのが、使い勝手のよさが格段に上がったこと。ちなみに、世界初となるのは、高速道路でのナビ連動ルート走行と同一車線でのハンズオフ(いわゆる手放し状態)の実現。
 使い方は簡単。ナビに目的地を設定し走行スタート。高速道路で条件が整うと、クルマからシステムが使用可能になったことが伝えられる。あとはステアリングのスイッチを押すだけ。機能の立ち上がりも素早く、車両制御も驚くほど自然だ。あとはドライバーは前方を監視するだけ。
 カーブや前走車への追従も自然で正確。まるで飛行機のオートパイロットのような新感覚だ。

2019年8月30日にマイナーチェンジを行ったスカイライン。「プロパイロット2.0」が搭載されるのはハイブリッドのみとなる。

「プロパイロット2.0」で運転はこう変わる!

 手放し運転が可能になったことに話題が集中しがちだが、もうひとつ注目したいのが、ナビゲーションの経路に連動した運転支援。
 たとえばインターチェンジで車線移動が必要な場合、ドライバーに音声や画面で指示を仰ぐ合図がクルマから発せられ、ドライバーがそれを承認すると、ハンドルに手を添えるだけで車線移動が完了。高速出口ではきちんと減速までするのだ。
 ドライバーの負担はかなり低減できるはずで、クルマでの行動範囲は劇的に広がるだろう。

クルマがドライバーに問い掛けるようなインターフェースとなっているのもプロパイロット2.0の特徴。遅いクルマがいる場合には、車線変更を提案してくれる。

キーテクノロジーは「3D高精度地図データ」 

 まるでベテランドライバーが運転するように、スムーズで正確な運転サポートを行うプロパイロット2.0。それを実現させるには数多くの技術が必要だったというが、とくに鍵となるのが「3D高精度地図データ」。
 これは、道路の形状を勾配も含めて立体的にデータ化したもの。これをGPSと組み合わせることで、5cmという高精度で車両を制御することに成功。コーナーへの追従性が飛躍的に向上し、さらに搭乗者が怖くないように速度をコントロールすることも可能になった。

高速道路の三次元形状をセンチメートルレベルで収録

 高速道路の細かな道路形状を収録した地図データはゼンリンが開発。これをGPSなどのセンサーと組み合わせている。トンネルや工事区間などでデータが不足すると、手放し運転はキャンセルされる。

スカイラインの高い運動性能が高精度な支援を可能とした

 高度な制御システムからの操作に対して、正確に反応するメカニズムが、プロパイロット2.0の実現に不可欠だと開発スタッフ。とくに電子式ステアリングを採用していることがプラスになったという。

車両周囲の状況を把握する360度センシング技術

 カメラだけでなく、レーダーやソナーをクルマを取り囲むように装着。周囲の状況を絶えず監視している。ほかのクルマの大きさや形状も認識しており、その様子はメーターパネルにも反映される。

非常時には自動通報も行うドライバーモニター

 ドライバーが前方を監視しているのか、居眠りやよそ見をしていないかをクルマがモニタリングする。システムが異常を感知すると警告。それでもドライバーが反応しない場合は自動停止し、緊急通報システムが作動する。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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