輸入車
更新日:2019.08.22 / 掲載日:2019.08.22

【海外試乗レポート MINI ジョンクーパーワークス クラブマン】306馬力の最強エンジン

MINI ジョンクーパーワークス クラブマン(欧州仕様)

文●九島辰也 写真●MINI

 2015年のフランクフルトモーターショーでデビューした現行型MINIクラブマン。2世代目となるそれは初代の3ドアハッチバックから派生したモデルとはまったくの別物であった。受け継がれたのは観音開きのリヤゲートくらいだろう。サイズは大きく、MINIとしては珍しく大人5名がしっかり座れるユーティリティを持った。
 そんなクラブマンが今年4月の上海モーターショーでマイナーチェンジを発表した。キープコンセプトながらグリルやライト類に手が入りイメージを一新する。リヤコンビネーションランプは兄弟車同様、英国国旗「ユニオンジャック」をモチーフにする。またコネクティビティをアップグレード。総合的なテレマティックスサービスを提供する。 そしてその翌月。今度は新型クラブマンをベースにしたJCWをヨーロッパで発表した。正式名称は、MINI ジョンクーパーワークス クラブマン。
 ということで、日本導入に先駆けてテストドライブをしてきた。場所はフランクフルトとその周辺。速度無制限のアウトバーンを使ってのコースが用意された。

  • 改良によってインフォテインメント機能がさらに充実した

  • トランスミッションは8速ATを採用している

  • フロントシート

  • クラブマンはシリーズのなかでも実用性に優れるキャラクター

シリーズ最強! 306馬力のハイチューンエンジンを搭載

MINI ジョンクーパーワークス クラブマンの最高出力は306馬力、最大トルク45.9kgm

 新型ジョンクーパーワークス・クラブマンの目玉は、なんといってもエンジンに他ならない。2L直4ターボというプロファイルはそのままに、最高出力は306馬力に達した。最大トルク45.9kgmとかなりのパフォーマンスだ。改良前からプラス75馬力。0-100km/h加速4.9秒というタイムも1.4秒縮めた数字となる。
 現地でエンジニアにインタビューしたところによると、ここに到達するまでにかなりパワートレーンに手を入れたそうだ。吸排気系ダクトとマニホールドの再設計はもちろん、コンプレッションレシオ、クランクシャフト、ターボ用タービンを大型化するなど、ブロック以外はかなり改良されている。パワーターボ全開といったところである。
 このエンジンはBMWブランドとも共有する。X2 M35iや今年5月にワールドプレミアされたM135i xDriveなどだ。MINIでいえば、クロスオーバーのJCW、3ドアハッチバックのJCW GP。つまり、FWDプラットフォームのハイパフォーマンス系御用達といった位置付けになる。
 トランスミッションはアイシン製8速ATのステップトロニックが組み合わされる。ZF社製のFWD用には9速ATがあるがそれは採用しなかった。インタビューでは9速の必要性は感じない、という答えだったが、スペースや重量も関係するだろう。ZF製のそれはレンジローバー・イヴォークやジープ・チェロキーに使われるから、クラブマンよりひとつ大きなカテゴリーに合うのかもしれない。フィアット500Xも新型では9速ATから6速デュアルクラッチにスイッチしている。
 このステップトロニックには、機械式のディファレンシャルロック機構が付いているのも忘れてはならない。これはDSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)と相互接続されていて、双方がトラクションのかかり具合を検知している。なので、滑りやすい路面状況でフロントの片側が空転しそうになるとすぐにトラクションをもう片方へ配分。コーナリング中ではクルマを安定させ、ステアリングを切った方向へ進もうとさせる。

最高速度は時速250km。加速フィールは絶品!

アウトバーンでは時速230kmでの走行も体験。トップスピードは時速250km(速度リミッター作動)

 それでは、実際に走らせた印象に話を移そう。
 ジョンクーパーワークス・クラブマンはとにかく速いクルマに仕上がっている。出だしから高速域まで全速度域でその速さを見せつけた。ドライブモードをスタンダードの「ミッド」にしていてもそうだし、「スポーツ」にすればなおさら。アクセルレスポンスは高まり、シフトアップのタイミングもかなり遅らせる。
 開発者からいちばん速く走らせるには、「スポーツ」モードにし、シフトレバーをM/Sのポジションにするように、と言われたのでそれも試した。パドルでのシフトアップを我慢し、ギリギリまでアクセルを踏み込むと各ギアでキレイに6000回転まで回りギアを上げる。すると確かに速い。無駄のないタイミングでグイグイ加速していく。それにこのときのエンジンフィールの気持ち良さは一級品だ。そのままアウトバーンの速度無制限エリアを駆ると、メーターが時速230kmを表示した。最高速度は時速250kmでリミッターがかかるそうだ。

新型JCWクラブマンは走り好きにはたまらない魅力を持つ

サスペンションはクーパーSよりもさらに10mmローダウンされている

 サスペンションは試乗車は機械式だったが、オプションで可変ダンパーも用意される。でもこのままでも乗り心地は悪くないし、クーパーSより10mm下がる車高はスタイリッシュでかっこいい。タイヤは18インチ。オプションでミシュランのスーパースポーツが選べる。そうしないとメーカーを指定できないが、コンチネンタルが多いのではという声も聞いた。
 といったのが今回フランクフルトで試乗したMINI ジョンクーパーワークス・クラブマンの詳細と印象。クルマ好きにはかなり興味深い味つけになっている。諸般の事情で2ドアクーペを所有できない方にピッタリの一台と言えそうだ。ある程度腕に自信のあるひとはより楽しめるに違いない。



 

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グーネットマガジン編集部

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