徹底分析中古車相場
更新日:2019.03.22 / 掲載日:2019.03.22
【ホンダ ヴェゼル】欲しかった人に朗報! 相場が下がっていよいよ買い時に
2013年12月にデビューしたホンダ ヴェゼル。流行りのコンパクトSUVスタイルにエッジの効いたデザインをまとい、発売以来人気はうなぎのぼりとなった。その後マツダCX-3やトヨタC-HRなども巻き込み、このジャンルに一大ブームがやってきたことを記憶している人も多いはず。ホンダのなかでもっとも小型なSUVということもあり、新車価格は200万円からと、このクルマ自体はとくに高額なわけではない。しかし、中古車相場がなかなか値崩れせず、登場から数年経っても200万円を割り込む物件は、わずかしか流通していなかった。前代未聞レベルの高値キープ現象が災いし、中古車として購入するメリットはしばらく低かったのだ。それゆえグーネットの当企画ではなかなか紹介できずにいたのだが、先日の調査で、そろそろ買ってもいいレベルにまで下がっていることが判明。登場から丸5年が過ぎてしまったが、中古車相場を分析していこうと思う。
ホンダ ヴェゼルってどんなクルマ?
全長4295mm、全幅1770mm、全高1605mmというコンパクトなボディのSUVがホンダ ヴェゼル。かつてのCR-Vを思わせるカジュアルな雰囲気を残しつつも、今風のスポーティ系デザインでまとめられているのが見どころだ。コンパクトとは言え、実車を目の当たりにすると意外と堂々とした佇まいで、近い時期に登場したマツダ CX-3と比べるとタフな造形。エンジンは1.5L 直4と、同じく1.5L 直4にモーターを組み合わせたハイブリッドも設定している。このサイズのSUVでハイブリッドが搭載されるのは初で、JC08モード燃費27.0km/L(デビュー時)というインパクトのある環境性能の高さも、ヴェゼル人気の追い風となった。
ホンダ ヴェゼルの世代別中古車相場は?
まずは、ヴェゼルの5年間におよぶ改良遍歴を振り返ってみたい。2013年12月の発売当時は、前述のとおり1.5Lと1.5Lハイブリッドという、2つのパワートレーンでスタートした。トランスミッションは、前者がCVT、後者は7速DCTの組み合わせとなる。2015年4月には一部改良が行われ、全車に赤外線カットガラスやプラズマクラスター搭載のフルオートエアコンを標準装備。また、足まわりには「振幅感応型ダンパー」を、フロントに加えてリヤにも装備して乗り心地をアップ(FF車)。上級グレードには本革巻ステアリングを採用するなど、主に快適性向上のテコ入れがなされた。
2016年2月に行われた2度目の改良では、衝突回避軽減ブレーキを含む先進安全技術「ホンダセンシング」を一部グレードに導入。また、スポーティモデル「RS」を追加するなど、商品力がさらに高まった。そして2018年2月には初の大掛かりなマイナーチェンジを実施。フロントバンパーが新デザインになり、インラインタイプのLEDヘッドライトを導入することで、より今風のルックスになったことがトピック。また先の改良で初導入された「ホンダセンシング」が、今回全車標準装備となったことも見逃せない。そのほか、静粛性の改善、エンジンの仕様変更によるガソリンモデルの燃費向上など、中身もしっかり進化している。
年式 | 中古車平均価格 |
2014年式 | 180万円 |
2015年式 | 194万円 |
2016年式 | 207万円 |
2017年式 | 219万円 |
2018年式 | 229万円 |
物件豊富な5年落ち(2014年式)がターゲット
冒頭でヴェゼルは安くなっていると述べたが、それは以前と比べてという注釈がつく。中古車市場でも需要が高いモデルゆえ、高年式は軒並み高値を掲げるお店がほとんどだ。しかし、デビュー翌年となる2014年式に注目すると、平均価格は180万円とまずまずの価格にまで下がっている。物件のボリュームはこの年式が圧倒的に多く、買いやすい。もう少し掘り下げると、2014年式では中古車の最低ラインがおよそ120万円。予算に少しゆとりを持たせて150万円(諸費用込みで170万円)ほど用意できれば、探せる物件候補が格段に増える。しかも、ヴェゼルは全体的に多走行&悪コンディションの個体は少ない傾向にあるから安心だ。
ホンダ ヴェゼルのグレード別中古車相場は?
ヴェゼルは、パワートレーンで分けると1.5Lと1.5Lハイブリッド、そして今年1月には1.5Lターボも登場した。それぞれに、装備の違いによって複数のグレードがある。たとえば、ガソリン1.5Lの最上級グレード「S」では、本革巻ステアリング、スポーツペダル、17インチアルミホイールなどが標準装備となるが、もっとも安い「G」はこれらの装備はもちろん、LEDヘッドライト、クルーズコントロールなどの装備も省かれ、ホイールもスチールになる。一方ハイブリッドは、手頃な「ハイブリッド」に加え、「ハイブリッドX」、「ハイブリッドZ」の順に装備が豪華になっていく。また、2016年に追加された「RS」は、両パワートレーンどちらも選べるスポーティ仕様。専用フロントグリルや18インチアルミホイール、ウルトラスウェード調表皮内装など、ヴェゼルのなかでもっとも贅沢な仕立てとなるのが特徴だ。それらを踏まえて、人気グレードを中心に中古車平均価格を見ていこう。
低価格かつ満足度が高い「ハイブリッドX」がオススメ
100万円台前半の限られた予算で探すなら、ハイブリッドには手が届かない。しかし、プラスアルファの予算を用意できれば、快適装備が揃った中間モデル「ハイブリッドX」がオススメだ。静かでパワフルな走りは価格相応の魅力があるし、今の人気を考えると数年後のリセールバリューも期待できる。そしてなにより、物件数が豊富で価格帯が広いのが魅力。コミコミ200万円以下で収まり、走行距離はさほど伸びたものが多くないのもオススメの理由だ。次いで物件が多いのは快適装備がさらに充実した「ハイブリッドZ」だが、こちらは100万円台の予算に限れば物件の選択肢は狭くなる。なお、非ハイブリッドとハイブリッドの比率は2対8。中古車は圧倒的に後者の方が多いことも、ぜひ知っておきたい。
ホンダ ヴェゼル中古車のまとめ
最後に、同クラスのライバルの中古車動向も見ておこう。ヴェゼルのおよそ1年後に登場したマツダCX-3は、クリーンディーゼル搭載と磨き上げた内外装のクオリティを全面に押し出し、プレミアム感あふれるコンパクトSUV。こちらの中古車平均価格は194万円となっており、ヴェゼル全体の平均価格よりもわずかに安い。それなりに高値をキープするが、こちらも以前に比べて買いやすくなったと言えそうだ。
また、2016年12月に登場したC-HR。こちらはデビューからあまり時間が経っていないこともあり、平均価格は250万円。新車価格帯はおよそ230万円~300万円だから、中古車購入のメリットが出てくるのはしばらく先となるだろう。いずれにしても、このジャンルは高値安定のため、お買い得感はそれほど高くない。そのなかでも、ヴェゼルは年式やグレードをうまく選べば、以前よりもグンと買いやすくなっているのは事実だ。