輸入車
更新日:2019.08.22 / 掲載日:2019.02.01

BMW 3シリーズがフルモデルチェンジ! AIを活用した音声入力や3眼カメラなど新技術多数

BMW 330i Mスポーツ

文と写真●内田俊一

 ビー・エム・ダブリュー(BMWジャパン)は、7世代目となる新型3シリーズを日本で発表した。発売は3月9日より。価格は452万円から。

日本の意見を重要視して開発

 BMW3シリーズは1975年に第1世代が登場して以来、全世界で1500万台以上を販売。そのうち50万台が日本とのことなので、その割合はおよそ3%だ。しかし、この3%の市場を重視し本国のBMW AGは3シリーズの企画に反映する主要な6大市場のひとつとして位置付けている。
 BMWジャパンBMWブランド・マネジメント・ディビジョンプロダクト・マネージャーの御舘康成氏によると、「多くの自動車メーカーを抱えて成熟したマーケットであるというだけではなく、日本のBMWのお客様が、BMWを心から愛し、その商品に対して多くの思いを持っているからです」とその理由を明かす。そして、「その思いをこの新型3シリーズが企画を始めた5年前より、積極的に日本のお客様のニーズを伝え、この新型に反映してきました」と話す。

 新型3シリーズのポイントは大きく3つ。先進的なデザイン、比類なきスポーツ性能、革新的な先進技術で、それぞれに日本の意見が盛り込まれた。
 特にデザイン面においては、「高い品質感とプレミアム性をぜひ実現してほしいと伝えました」と御舘氏。「日本では様々な事情から国内のセダン市場が縮小していますが、それでも多くのお客様がプレミアムセダンに憧れ、そして多くの買い替えが生じています。そのお客様がプレミアムセダンに乗っているという満足感を高めるために、デザインにおいても高い品質感とプレミアム性を是非新型では実現したいと考えたのです」という。
 そして走りでは、「導入のベースモデルとなる320iは日本専用モデルです。グローバルには320iは初期生産には含まれておらず、以降の導入となりますが、一刻も早く多くの日本のお客様にお届けしたいという要望から、強く専用エンジンの設定をお願いし実現したのです」と話す。 さらにMスポーツモデルの充実についても日本からの要望だった。「日本は世界で3番目にMスポーツの比率が高いマーケット(3シリーズ全体の約55%)で、日本のお客様がいかに3シリーズのスポーティな性能を重視しているかが分かります」とコメント。
 先進の安全技術について御舘氏は、「日本は世界でももっとも運転支援技術に対して感度の高いマーケットです。そこでリーディングベンチマークとして、より積極的な提案を行い実現しました」とし、高性能3眼カメラを使用した運転支援システムや、AIを活用したBMWインテリジェントパーソナルアシスタントなどが導入された。

ライブコクピットを採用し、使いやすく品質感もより高く

 大きな変化は特にインテリアで感じられる。それはフルディスプレイのBMWライブコクピットが採用された点で、全車に標準装備される。これは、ドライバーに必要な情報を適切なタイミングで伝えることをコンセプトにした表示/操作コンセプトで、10.25インチのコントロールディスプレイと、12.3インチのフルデジタルメーターパネルを、それぞれ自分用にカスタマイズすることを可能としている。コントロールディスプレイは、タッチ操作に対応して、より使いすく最適化されたメニュー表示により、様々な機能や設定にアクセスしやすくなる他、状況に応じて変化するコンテンツも装備されており、スポーツ走行時などに、コーナリングの際の横方向加速力を表示させる設定にすることも可能だ。
 新たに装備された12.3インチのディスプレイを備えたフルデジタルメーターパネルは、タコメーターを通常とは逆の反時計回りにすることで中央にスペースを作り出し、ナビゲーションの一部を表示可能とし、ドライバーは運転に集中しながらも必要な情報を受け取ることが可能となった。

2種類の2リッターエンジン

 走行性能を大幅に向上させるために40mm長くなったホイールベース(2,850m)や、フロントが43 mm、リアが21mmとトレッドを大幅に拡大。剛性が高く安定したボディと、10mm重心が下がったシャシー構造、さらに、約55kgもの軽量化を行ったことで、より高いレベルでの走行性能と快適性の両立をはかった。
 搭載されるエンジンは、同じ2リッターながら2種類が用意される。日本専用の320iには最高出力184馬力/5,000rpm、最大トルク30.6kgm /1,350-4,000rpmを発揮。330iは最高出力258馬力/5,000rpm、最大トルク40.8kgm/1,550-4,000rpmである。
 この330iはBMWツインパワーターボテクノロジーを集中的に改良することで、従来モデルのエンジンと比較して、ほぼ全ての常用回転域で5.1kgmもの大幅なトルク増を実現(最高出力は6馬力増)。さらに、インジェクションシステムにも改良が加えられた。燃料噴射圧力は従来から200bar高い350barとなり、燃料を直接燃焼室に噴射することで、燃焼効率が向上している。さらにこのエンジンでは、より軽量化したクランクシャフト、摩擦の低減、熱管理のさらなる最適化を進め、ノイズの低限や、レスポンス向上といった、BMWに求められるスポーティな走りを高い環境性能とともに実現しているという。
 Mスポーツではクイックかつダイレクトなハンドリングを実現するバリアブルスポーツステアリングを標準装備。330iMスポーツにはさらに強大なストッピングパワーを実現するMスポーツブレーキが標準装備となるほか、従来BMW M3に搭載されていた電子制御のMスポーツデファレンシャルがオプションで設定された。

3眼カメラを搭載し、より進化した運転支援システム

BMW 320i Mスポーツ

 運転支援システムでの最大のハイライトは高性能3眼カメラを国内販売モデルとして初採用したことにある。御舘氏は、「これまでの単眼カメラは中距離を見て、2眼カメラはそれを人間のように左右の目で見るとすると、3眼カメラは遠方、中距離、そして極めて近い距離をワイドに同時に捉えるイメージです」と説明。カメラそれぞれの役割を特化させたことによって、レーン保持性能をさらに向上させ、危険予測範囲についても幅広い範囲をカバーできるようになったという。

BMWも“OK BMW”

 BMW初となる、AI技術の活用によるBMWインテリジェントパーソナルアシスタントも随時導入される。これは、会話だけで車両操作や各種情報にアクセスできる機能で、従来のコマンド方式よりも、より自然な、クルマと会話するような形を実現させた。また、ドライバーがシステムの“名前”を自由に付けることが可能で、例えば、BMWインテリジェントパーソナルアシスタントを起動する際、「OK, BMW(オーケー・ビー・エム・ダブリュー)」だけでなく、「Hey 〇〇」とキーとなる言葉をユーザーが設定可能となっているのも特徴。また、学習機能が搭載されているものの、その学習期間が短かった場合など、AIとのコミュニケーションがうまく測れない場合には、「ドライバーがフラストレーションを溜めないように、BMWサポートデスクコンシェルジュサービスが標準で装備されているので、そこからシームレスにBMWのオペレーターにつなぎ、実際のサポートデスクのサポートを受けるという使い方も可能です」とのこと。

50mは軌跡にそって後退

 また、パーキングサポートシステムに特徴的なリバースアシストが装備された。これは8シリーズに搭載されたものと同じで、「直近で走った50mの軌道を覚えており、このシステムを作動させるとその軌跡に沿って戻るものです。このリバースアシストは35km/h以下になると自動的に軌跡を覚えていくので、事前に何の操作も必要がありません。従って突然すれ違いのクルマが来た時でも安心して戻ることができます」。これを装備した理由は全幅が1,800mmを超えたことも大きく起因している。「日本の道路環境を考慮すると車幅はセンシティブな問題です。実際に我々も前のモデルでは専用のボディパーツを起こして、車幅を1,800mmに留めました。今回は走行性能の大幅な改善のために車幅を1,825mmにしましたが、一方でそれを快適に日本のお客様に使ってもらうことを考慮し、リバースアシストを搭載したパーキングサポートを装備しました」とコメントした。

2019年は7やX7、Z4が登場

ビー・エム・ダブリュー代表取締役社長のペーター・クロンシュナーブル氏

 2018年、BMWグループは日本のインポーターとして4年連続で第1位となった。BMWは5万982台販売し、3年連続で5万台越えを達成。MINIは2万5,984台を販売し、9年連続での成長を記録した。そしてBMWモトラードは4,978台を販売した。
「日本における輸入車ベストセラーの上位10車種のうち5車種がBMWグループのクルマでした(MINI・3シリーズ・5シリーズ・2シリーズ・X1)」とビー・エム・ダブリュー代表取締役社長のペーター・クロンシュナーブル氏は好調さをアピールする。
 そして、「2019年もモデルの導入の勢いは続きます。新しいモデルラインナップとなる新型BMW X7は大きく力強さがあり、威風堂々とした存在感を放ち、新たなレベルのラグジュアリーを提供します。また、今年の夏にリリース予定のBMW 7シリーズは、新しいエクステリアデザインとともに、その高級感やステータス性を鮮明に印象付けるでしょう」。
 そのラグジュアリーモデルについては、「8シリーズには間もなく8シリーズカブリオレを届けられますし、数か月後には8シリーズグランクーペが追加される予定です」と明かした。
 また、Mパフォーマンスを含めたMモデルを上で紹介した全車に導入することも明言した。さらに2019年にはZ4も控えているほか、MINI60周年として、様々な記念モデルやイベントが行われる予定だという。

 そしてEVであるBMW i3もアップデートされるという。バッテリー容量をさらに増やし、「欧州仕様では日常の使用状況における実際の走行距離が最大260kmに達しています」と説明。
 2018年にはグループ全体で、14万台以上の電動化モデルを販売したBMW。その結果、「世界中で30万台を超える電動化モデルが走行しています。2021年までにはBMWグループは電気のみで走行するモデルを4車種、BMW i3、BMW iX3、BMW i4、そしてBMW iNEXTを導入し、2025年までにはその数は少なくとも12モデルまで増加することになるでしょう。プラグインハイブリッドを含めると、その数は25モデルになる予定です」とiシリーズを含めた電動化においてもさらに強化していくことを語った。

BMW 330i Mスポーツ(8速AT)


全長×全幅×全高 4715×1825×1430mm
ホイールベース 2850mm
エンジン 直4DOHCターボ
総排気量 1998cc
最高出力 258ps/5000rpm
最大トルク 40.8kgm/1550-4400rpm
ブレーキ前・後 Vディスク・ディスク
タイヤ前・後 225/45R18・255/40R18

販売価格 452万円~632万円(全グレード)



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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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