新車試乗レポート
更新日:2018.11.29 / 掲載日:2018.11.29
MERCEDES-AMG E53 4MATIC+ 試乗インプレッション
EクラスAMGに、従来のV8ツインターボに加えて直6ターボが追加。マイルドハイブリッドの「ISG」を採用した新開発パワートレーンを積む最新AMGを早速チェックだ。
●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之
MERCEDES-AMG E53 4MATIC+[グレード追加]

●発売日:’18年9月6日
●価格:1202万円
●輸入元:メルセデス・ベンツ日本
●問い合わせ先:0120-190-610
主要諸元(E53 4マティック+)
●全長×全幅×全高(mm):4950×1850×1450●ホイールベース(mm):2940●車両重量(kg):1980●駆動方式:4WD●パワートレーン:2996cc直列6気筒DOHC直噴スーパーチャージャー(435PS/53.0kg・m)●トランスミッション:9速AT●JC08モード燃費(km/L):10.0●燃料タンク(L):66(プレミアム)●最小回転半径(m):6.0(左ハンドル)・5.9(右ハンドル)●タイヤサイズ:F=245/35R20 R=275/30R20●価格:1202万円 ※オプションを含まず
高性能なエンジンとサスが走りに余裕をもたらす
EクラスAMGに新たに加わったE53のパワートレーンには2つの特徴がある。重質で精度感に優れるエンジンフィールの直6、そしてISGである。ISGはパワーアシストや回生、つまりはマイルドハイブリッドを意味する。なお、ISG用バッテリーはリチウム電池を採用している。
つまりE53は走りの質とエコ性能が特徴となるが、それがAMGのキャラクターと見事に融合しているのが見所だ。最近のAMG車に共通する特徴として、「迫力」でドライバーや乗員に高性能を誇示するような部分がない。走行モードで「スポーツ・プラス」を選択すると各ギヤともレンジを高回転側に移行させるとともに変速時にアフターファイア音を発するように制御するが、演出を感じたのはこれくらい。それを過度と感じるかは個人の嗜好ではあるが。
「スポーツ・プラス」ではサス制御も最も硬くなるが、一般走行パターンでは存外に乗り心地がいい。「コンフォート」と比較しても著しい乗り心地の変化はない。もちろん、コーナリングなどの大きな入力ではきっちりと硬足になるのだが、必要な時だけという感じ。その切り替わりも自然だ。
使い道が不明なほどの全開加速時の速さを持ちながら、普通に走らせていれば静粛性や扱いやすさも含めて良質なプレミアムセダンであり、スペック的な高性能はそのまま余裕となる。ISGがもたらした小アクセル開度の洗練されたコントロール感もあり、パワートレーンもフットワークも共に懐深いスポーツ性を備えていた。

専用外装やデュアルツインエキゾースト、20インチAMGホイールがスポーティさを強調。従来のE63がV8ツインターボ・571PSであるのに対し、E53は新開発の直6スーパーチャージャー・435PSを搭載。連続可変トルク配分の4WDシステム「4マティック+」と「AMGライドコントロールスポーツサスペンション」と相まって、AMGらしいスポーティな走りを実現する。

Eクラスのラグジュアリー感はそのままに、AMGスポーツステアリングやステンレスペダル、メタルウィーヴパネルなどにより、メカニカルでスポーティなテイストをプラス。先進装備や快適装備はもちろんフル装着だ。
シートはステッチ入りのナッパレザー。写真のマキアートベージュのほか、黒系や茶系も選べる。後席もシートヒーター付きだ。

新開発の直6エンジンは、ISGによるモーターアシストや電動スーパーチャージャーにより、どの回転域でも応答性に優れ、力強い。

高効率な48V電装を採用。モーター兼発電機(16kW/250Nm=22PS/25.5kg・m)が回生やアシスト、変速時の回転合わせを行う。
提供元:月刊自家用車