新車試乗レポート
更新日:2018.10.27 / 掲載日:2018.10.27
VOLKSWAGEN Tiguan TDI 4MOTION 試乗インプレッション
パサートTDIに続いて、新型ディーゼル「TDI」がティグアンとトゥーランに搭載。世界的にも厳しい日本のポスト新長期排ガス規制にも適合した、クリーンディーゼルの走りを体感した。
●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之
VOLKSWAGEN Tiguan TDI 4MOTION[タイプ追加]
VOLKSWAGEN Tiguan TDI 4MOTION[タイプ追加]
●発売日:’18年8月29日
●価格:408万6000~524万円
●輸入元:フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン
●問い合わせ先:0120-993-199
●エコカー減税:取得税100%、重量税100%
主要諸元(Tiguan TDI 4MOTION Highline)
●全長×全幅×全高(mm):4500×1840×1675●ホイールベース(mm):2675●車両重量(kg):1730●駆動方式:4WD●パワートレーン:1968cc直4DOHCターボ(150PS/34.7kg・m)●トランスミッション:7AT●JC08モード燃費(km/L):17.2●燃料タンク容量(L):63[軽油]●最小回転半径(m):5.4●タイヤサイズ:235/55R18●価格:494万円 ※オプションを含まず
ゆとりのある新型ディーゼルが幅広い状況に対応
ティグアンは、アウトドア趣味ありきとか悪路走破性ありきで開発された印象は薄い。ある意味ではとてもゴルフ的なSUVである。4モーションに用いられる4WDシステムは降坂制御や悪路走行モードを備えて、クロスオーバー系でも高い悪路対応力を有しているが、最低地上高は180mmであり、サスチューニングも高い重心高を抑える硬めの設定。高速ツーリングを性能の中心に置いた設定と言える。
新世代ディーゼル搭載のTDI車はとくにその傾向が強い。従来のディーゼル車では低回転域の踏み込み直後のトルク感を誇張した感じがあったが、新型は大トルクのゆとりを損ねることなく加速感に伸びやかさを加えている。歯切れ良く変速するDCTとの相性もよく、山岳も高速も心地よいドライビングが可能である。
また、ハイラインにはLKAや渋滞追従など実用性の高い先進運転支援機能も標準装着。キャビンは居住スペースと荷室のバランスがよく、カジュアルな内装に実用的なコンパクトワゴンの使い勝手を融合している。キャラや機能で突出した部分はないが全方位型優等生であり、ゴルフユーザーが乗り換えるには最適なSUVだ。
直線基調でスポーティなキャラクターライン。運転席からの見切りもよく、市街地での取り回しも良好。TDI4MOTIONには写真の「Highline」のほか、標準系の「Comfortline」と上級グレードの「R-Line」が用意される。
表示系は12.3インチ大型ディスプレイによるフルデジタルメーターを採用。好みに合わせてグラフィックをセレクトできる。
ダイヤルで走行モードを切り替え可能な、4MOTIONアクティブコントロール搭載。
ターボディーゼルエンジン「TDI」は最高出力150PS、最大トルク34.7kg・mを発揮し、優れた燃費性能も実現している。
ラゲッジスペースは615Lを確保。
6:4の分割可倒式のリヤシートを全て倒せば最大1655Lまで拡大する。
VOLKSWAGEN Golf Touran TDI[タイプ追加]
●発売日:’18年10月1日●価格:369万9000~407万9000円
主要諸元(Golf Touran TDI Highline)
●パワートレーン:1968cc直4DOHCターボ(150PS/34.7kg・m)
TDIが力強い加速と伸びを発揮
ワゴン型の車体に7名を上手に座らせるのがトゥーランの見所。セカンドシートを独立3座として限られたスペースながら居心地を配慮した設計。1BOX型のようにサードシートまでゆとりあるスペースというわけにはいかないが、肩寄せ合いながらも和気藹々というのがファミリーユース向けのモデルらしい。チャイルドシート機能を備えたセカンドシートを設定するのも同車のコンセプトを端的に表している。
そこに新たなバリエーションとして追加されたのが新世代ディーゼルのTDI仕様。同エンジンを搭載するティグアン同様にディーゼルの力強さに伸びやかさを加えて、街乗りから高速まで扱いやすさも向上。シャシー関連については従来車と大きく変わらず、空荷では硬めのサスチューンなど高速安定性重視の特性。シャシー面では対ゴルフで一世代前の印象もあるが、高速長距離向けミニバンでは頭ひとつ抜けた存在だ。
提供元:月刊自家用車