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更新日:2020.06.10 / 掲載日:2018.08.30

復活のホンダCR-Vは「3列シート」、「ハイブリッド」、「ホンダセンシング」で勝負!

新型CR-V

文●工藤貴宏  写真●ホンダ

 「おかえりなさい。」
 約2年という充電期間を経て日本市場に復活したCR-Vには、まずはそんな言葉を掛けたくなる。CR-VはミドルクラスのSUVで、ライバルはマツダCX-5、スバル・フォレスター、日産エクストレイル、そして三菱アウトランダーなど。初代登場は1995年で新型は5代目となる、SUVとしては歴史の長いモデルである。

 CR-Vは日本では先代が販売を終了してから約2年ぶりの復活となるが、北米では新型を約2年前から販売するなど世界的に見ると完全に休んでいたわけではなない。北米やアジアなどで新型をリリースしつつ日本仕様を煮詰め、満を持して日本市場へ投入されたというわけだ。

  • 初代

  • 2代目

  • 3代目

  • 4代目

ファミリーユースにも便利な3列シートSUV

 この2年間で日本のSUV市場もいろいろ変わったが、新型CR-Vの概要を見ると先代とはかなり変化していることにも気が付く。まずはそこから確認していこう。
 大注目は「3列モデル」と「ハイブリッド」の登場だ。日本でSUV需要が高まるにつれてニーズも幅広くなっているが、そのひとつが3列シートの要求。「多人数でも乗りたい」というわけである。
 もちろんミニバン、たとえばホンダでいうとコンパクトミニバンのフリードに比べても3列目は狭い。だから「常に3列目に人が座る」という使い方には適さない。しかし「年に数回ほど、短距離移動で3列目を使いたい」という希望であれば十分に満たせるのがポイント。最近はミニバンからSUVに乗り換える人も増えているが、3列を使うことが極めて少ないのであれば3列シートのSUVで事足りてしまうのだ。

  • 2列5人乗り仕様

  • 3列7人乗り仕様

  • SUVならではの高いアイポイントを実現

  • 燃料タンク位置を工夫することで3列目のスペースを創出

街中ではモーター中心、高速ではエンジンで走る「スポーツハイブリッドi-MMD」

ハイブリッド車は駆動用バッテリーをリヤのサブフレーム上に搭載する

 ハイブリッドの設定も、今の日本で求められている要素のひとつ。日本の新車事情を見るとハイブリッドはいまや当然の存在で、ホンダでもフィットなどでは今や販売は純エンジン車よりもハイブリッドのほうが多い。SUVだって同じでハイブリッドが増えていて、車種によってはハイブリッドのほうが販売比率は高いこともある。そこでCR-Vにもハイブリッドが用意されるのもごくごく自然な流れといえる。歴代はじめてCR-Vに搭載されるハイブリッドシステムは、2つのモーターを組み合わせた「スポーツハイブリッドi-MMD」と呼ばれるタイプ。ステップワゴンに搭載されているシステムと同じだ。
 特徴はモーターの力が強くて通常走行時はほぼモーターで生み出す動力で走ること。燃費がいいだけでなくEVと同じ爽快感のある加速が特徴(エンジンは発電機に徹する)を味わえるのだ。高速域だけエンジンの力を直接動力として活用して高速巡行時の燃費を稼ぐ仕掛けになっている。

ガソリン仕様は1.5LターボとCVTの組み合わせ

 いっぽうのガソリンエンジンも、実は従来とは違う。先代では2.0Lもしくは2.4Lの自然吸気エンジンを積んでいたが、新型は1.5Lターボへとダウンサイジング化を敢行。排気量が1.5Lでは力強さが心もとないと心配する人もいるかもしれないけれど、特徴は出力を高める機構の「ターボ」が付いていること。ターボのおかげで日常域の加速は2.4L自然吸気エンジン以上に力強く、それでいて燃費だってだっていいのだ。出力&トルクは190ps/240Nmと先代の「高出力版」だった2.4L自然吸気モデルに対して出力は同様でトルクは18Nmのアップ。しかも最大トルクの発生領域が2000回転という低回転からになっているから街中などでアクセル操作に対する反応がいい。すべての面において心配はいらないのだ。
 燃費もカタログ記載のJC08モード燃費で比べると、先代の低燃費仕様である2.0Lエンジン搭載のFF車が14.4km/Lだったのに対し、新型のガソリンFF車は15.4~15.8km/Lと優っている。実用燃費ではさらに差がつくだろう。先代よりもパワフルで運転しやすいうえに燃費もいい。それが新型のターボエンジンなのだ。

追従型クルーズコントロールを備える高度な運転支援システム

 またここ2年で大きく変化した事情といえば先進安全システムの搭載といえる。今や新車を買うなら誰もが自動ブレーキ付きを選ぶと思うけれど、もちろん新型CR-Vにも全車標準装備。「ホンダセンシング」と呼ぶホンダの先進安全システムの自動ブレーキは前を走るクルマや人はもちろんのこと、対向車が向かってきたときにだって自動ブレーキが作動するのも優れた部分だ(その状況で作動するシステムは他メーカーでは少ない)。また単に安全機能だけでなく、高速道路で前を走るクルマにあわせて速度を自動調整してくれる追従型クルーズコントロール(ACC)が備わっているのもうれしいところ。追従型クルーズコントロールは渋滞中にも活用できるのだから便利だ。

HVとガソリンそれぞれで装備レベルとFF・4WDが選択可能

 グレードは標準仕様の「EX」と上級仕様の「EXマスターピース」を設定。とはいえ「EX」でもカーナビやETC2.0車載器、運転席パワーシートなどを備える上級装備が自慢で、「EXマスターピース」になると本革シート、助手席パワーシート、サンルーフ、電動テールゲート、そしてルーフレールが追加される。
 どちらのグレードもパワートレインは純エンジン車とハイブリッドが選べ、駆動方式もFFと4WDを選択可能。ただし、3列シート車にはハイブリッドを組み合わせることができない。これはハイブリッドシステムを搭載するにあたってのスペース的な都合(ハイブリッドは3列目部分の床が高くなってしまう)によるものだ。

ホンダ CR-V HYBRID EX(FF・CVT)


全長×全幅×全高 4605×1855×1680mm
ホイールベース 2660mm
トレッド前 /後 1600/1615mm
車両重量 1610kg
エンジン 直列4気筒DOHC+モーター
総排気量 1993cc
エンジン最高出力 145ps /6200rpm
エンジン最大トルク 17.8kgm /4000rpm
モーター最高出力 184ps /5000-6000rpm
モーター最大トルク 32.1kgm /0-2000rpm
サスペンション前 /後 ストラット /マルチリンク
ブレーキ前 /後 Vディスク /ディスク
タイヤ前後 235/60R18

価格 323万280円~436万1040円(全グレード)
  • 3列目シートを収納することで大きな荷室空間が出現

  • 後席シートを畳めばフルフラットに(2列シート使用)

  • 超ハイテン材を構成比で36%使用しボディ剛性を確保

  • 上質な乗り心地を実現するためのメカニズムを採用

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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