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更新日:2018.11.06 / 掲載日:2018.06.28

MAZDA新型ロードスターRFプロトタイプ試乗レポート

●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之

国産オープンスポーツカーとして独自の価値を持つロードスターに対し、今回のMCでパワーユニットに大きな手が加わった。標準系は伸びのある1.5Lエンジンの環境・燃費性能が向上。そして、今回試乗したハードトップのRF系にはさらに新たなるエンジンが載せられた。

icon MAZDA ロードスター/ロードスターRF

●発売日:7月26日●価格帯:255万4200~381万2400円●販売店:マツダ全店●問い合わせ先:0120-386919

主要諸元(ロードスターRF)
●全長×全幅×全高(mm):3915×1735×1245●ホイールベース(mm):2310●車両重量(kg):1130●駆動方式:FR●パワートレーン:1997cc直4DOHC(184PS/20.9kg・m)●トランスミッション:6AT●WLTCモード燃費:15.2(km/L)●燃料タンク容量(L):45[プレミアム]●最小回転半径(m):4.7

パワー特性が大きく変わった新エンジンを搭載
 最も重要な改良点はiアクティブセンスを全車に標準装着したこと。ACCやLKAは非採用ながら、衝突回避や誤発進抑制(AT車)、車線逸脱警報、BSMなどスポーツカーではトップレベルの安全&運転支援機能となった。とくにオープン走行を目的にロードスターを考えているユーザーには朗報といえよう。
 スポーツカーとしての見所は、ロードスターでは初採用となるテレスコピックステアリングとエンジン改良が挙げられる。前者は言うまでもなく、適切なドラポジを得るのに効果的。スペース面からドラポジの制限も多いスポーツカーでは効果大である。
 後者は性能そのものに関わるだけに見逃せない。1・5L車については若干のトルク増くらいだが、2L車(RF系)は大幅改良が加えられている。
 試乗したRFの印象は「別エンジン」と言ってもいいほど。まず、エンジンフィールが違っている。従来の排気音は鈍いというか、くぐもった感じでスポーツカーらしい冴えが乏しかったが、新型は抜けよく軽快である。音量そのものは控え気味なのに、アクセルを踏み込んだり高回転まで回す手応えや心地よさがあるのだ。
 パワー特性もその印象に違わない。従来は中膨らみのトルク特性で、巡航時の加減速コントロールには優れているが、回すほどに速いスポーツ感覚は希薄。これは標準系(1・5L車)に対するRF系の難点でもあった。新型は回す楽しみさでも標準系と同等以上。
 許容回転数は700回転増の7500回転となり、7000回転超までストレスがなく使える。ギヤレシオは従来車と共通なので、許容回転数の増加は変速を省略するかどうかなどシフトマネージメントの自由度も高める。
 ペダルストロークと加減速の一致感も高まり、コーナリング限界等の微妙なアクセルワークでのコントロール精度も向上。加減速による荷重移動が方向性の変化に現れやすい、いわばドライビングに正直なハンドリングだけにパワーコントロール性の変化は操縦性に与える影響も大きい。速くなっただけでなく、ファントゥドライブ全般が向上したのだ。
 従来までは操る面白さは標準系、速さと高速巡航ではRF系と言った棲み分けだったが、RF系が操る面白さを加えて、両系統の立ち位置も変わってきた。この改良によって全開オープンの乗車感やロードスターの原点に忠実な標準系、クーペ的なルックスと合わせて上級スポーツにステップアップしたRFの位置付けとなった。

  • 水平デザインを基調とした、包まれ感に定評のあるインパネ周りは、従来通り。大人二人が快適に過ごせる仕様に仕上がっている。

  • VSグレードの内装色に、写真の新色スポーツタンとブラックを追加。ドライバーの気分を明るくしたり、引き締める効果を狙っている。

  • 3連メーターの左側のマルチインフォメーションディスプレイには、リトラクタブルハードトップの開閉がアニメーションで表示される。

  • ステアリングは、従来のチルト機構に加え、前後方向に引き出せるテレスコピック機能を採用。より細かいドラポジ調整が可能になった。

ロードスターに特別仕様車キャラメルトップが登場

  • 標準系には特別仕様車としてブラウン系の幌と、新色スポーツタンのレザーシートを採用した、「キャラメルトップ」が登場。

SKYACTIV-G2.0が新技術で大幅進化

標準系1.5Lの加速の伸び感を、2.0Lの高トルクエンジンでも実現させた。最高回転数は従来の6800rpmから7500rpmとなった。

新技術を惜しみなくつぎ込んだ大改良を施した
試乗記で述べたとおり、ドライブフィールは1.5L車と同等以上に切れが良くなっているが、改良の狙いもそこにある。改良点はヘッド周り、ピストン、コンロッド、クランクシャフト、マフラーなど多岐にわたっている。ヘッド周りではバルブ駆動系は高回転型の設計とし、吸気ポートとインマニの形状を変更。排気ポートとエキマニも高回転域で流路抵抗の少ない形状とした。ピストンとコンロッドは形状変更で単気筒当たり68g軽量化。また、エンジンサウンドの改善のためには軽量型フライホイールや周波数分布を改善する新設計のマフラーを採用。これらのことから分かるようにMCでは異例と言えるほどの大改良が加えられているのだ。

スロットル径を2.5Lクラスにまで拡大。最高出力は184PS、最大トルクは20.9kg・mへと引き上げつつ、燃費・環境性能も向上。

  • 各所に革新的な新技術が導入され、徹底的な軽量化が図られた。コンロッドは現行型と比較して、41gも軽くなっている。

  • ピストンにも軽量化が施され、全体のショート化と面積縮小に取り組み、現行型に比べて27gの軽量化。レスポンス向上に役立っている。

  • クランクシャフトはカウンターウェイトの配置を最適化し、形状も調整。改良型ではバランスと高強度の両立を実現させている。

  • リニアに澄んだ力強いサウンドを目指し、メインサイレンサーの構造を変更した。音質のチューニングも行われている。




提供元:月刊自家用車



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