新車値引き情報
更新日:2021.02.10 / 掲載日:2018.05.26

【新車値引き購入事例】奥様のサポートでN-BOXを20万円以上値引き?

【プロローグ】 狙いは“アラフィフ”の妻が安全かつ快適なカーライフを過ごせる軽自動車です。
 我が家は、ホンダ車2台(私用=フリード/娘用=N-WGN)を所有していますが、妻は担当のセールスさんの人柄をとても気に入っていて「できたらホンダにしたい!」という気持ちがあります。
 ところが「何を選ぶか?」で問題が発生。当初はN-ONEが候補にあがってきましたが、妻は「ヘッドライトが丸くて甘い感じのクルマには違和感がある」と却下。N-WGNは「娘や職場の同僚とかぶるので抵抗がある」とのことで、これまた却下です。
 実は、私としてはひそかに「最新の安全装備を備えた新型N-BOXにしたい」という気持ちを持っていたので、これ幸いと「じゃ、N-BOXにしよう!」と勧めました。ところが「価格が高すぎるし、自分ひとりで乗るには大きすぎる」とのこと……。
 さて、どうする? ここで素晴らしいアイディアを思いついた!
X「6年前、フリードを購入したとき、月刊自家用車の電話相談室でアドバイスをもらって、その通りに交渉したら、思ったより安く買えたよね」
妻「そうそう、安くなったね」
X「おまけに、レポートを書いて投稿したら、掲載されて5000円の謝礼までもらえたよね」
妻「あのご褒美で、家族で食事に行ったね」(笑)
X「実は、あの雑誌には「X氏の値引き大作戦」って企画があるんだ。これに応募して専門家からアドバイスを受けながら交渉すれば、N-BOXをかなり安く買える自信があるんだけど……」
妻「え~そうなの」
X「しかもご褒美は10万円!」
妻「えっ、そうなんだ! だったらいいかも。採用されたらN-BOXを買ってもいいよ」
X「よし、応募してみよう!」
 結果は……見事に採用! 
 本命はもちろんN-BOXですが、我が家の買い替えにタイミングを合わせたようにスペーシアがフルチェンし、タントもマイチェン。安全装備が充実してかなり魅力的なクルマになったので、十分にチャンスはあります。

大誤算!“鉄板ネタ”が効かない…… “馴れ合い”より本音をぶつけろ!  新型軽から奇跡の20万円引き!

【交渉1日目】 まずは「ホット客であることを印象づける」ため、候補車を扱うディーラーすべてに電話でアポをとって、試乗の予約も入れた。まわる順番も決めて、早速、妻と一緒に下取り車のeKワゴンに乗って出かける。ただし、今回は前哨戦なので、突っ込んだ値引き交渉はしないことにした。なお、妻には月刊自家用車のバックナンバーを渡して、X氏流の奥様サポート術を研究しておいてもらった。
 最初はダイハツ。日曜日とあって、ショールームにはお客さんがたくさんいる。アポをとってあったにもかかわらず30分も待たされてしまった。
 候補のタントに試乗。パノラマオープンドアは圧巻! 走りも力強い。発売から4年以上経過しているので多少なりとも古臭さを感じるとはいえ、さすが、このカテゴリーのパイオニア、魅力がたくさんちりばめられていた。
 営業所に戻って商談を開始。相手はベテランだったが、対応が今ひとつよくない。自己紹介もなければ、雰囲気を和らげる雑談もなし。おまけに、こちらの希望もきちんと聞くことなく、勝手に見積もりを作成してしまった。
タント
 車両本体値引き0 付属品(13万1047円)値引き1万50 00円 ナビ(13万9147円) 無料サービス 支払い総額  202万1357円
 ナビの無料サービスと付属品の割引を合わせると、額面は15万4147円引きとなるが、頼んでもいない付属品がてんこ盛りだし、諸費用もフルに計上されているので、末期モデルとしての割安感は薄い。現金購入と言っているのに、残価クレジットを勧めてくるし……人は良さそうなのだが、最後まで話がかみ合わなかった。
 営業所を出てから、妻がぼそっと「ボディに柱がないって、なんか危なくない?」とつぶやいた。おっしゃる通り(笑)。どうやらタントは脱落のようだ。
 気を取り直して日産へ。早速用意されていたデイズシリーズであるデイズルークスに試乗。アラウンドビューモニターには二人とも驚かされた。
 相手は笑顔が素敵な女性営業さん。若いけれど、気配り上手。そして何より売る気満々。その積極姿勢は感心させられた。
 続いてスズキへ。顔見知りの若い営業さんが応対してくれた。
 妻は新型スペーシアをひと目見て気に入った様子。とくに、内装のデザインはストライクゾーンで「おしゃれね」とのこと。ライバルをよく研究しているようで、魅力を感じる。ただし、乗り心地は少々硬め。それに着座位置も少々高めのようで、終始椅子に腰掛けているような感覚で長距離には向かないかもと思った。帰り際にフェアのお土産をいただき、妻は上機嫌(笑)。
 本日の最後はN-BOXのホンダA店。この店ではフリードとN-WGNの2台を購入している。担当の営業さんは私と同年配で、とても感じがいい。会話も上手で、我が家の女性軍には大人気だ。
X「スペーシアとルークス、それにタントを見てきました。どれもそれぞれ魅力がありますね」
セ「高い買い物ですからね~、悩みますよね~」
 あからさまにライバルをけなさないのが、この人のニクイところだ。それに販売台数1位の余裕を感じる。ともあれ、競合を意識させることはできた。
 こちら対象グレードはカスタムのNAモデルだが、試乗車はターボ。その動力性能の高さに正直、驚く。ひそかに「ターボにしたい!」という気持ちになる。暗くなり始めていたのでLEDヘッドライトの素晴らしさも体験できた。
 帰りの車中で、
妻「どこのクルマもうちのeKワゴンとは別ものね。13年の間に軽自動車ってすごく進歩したのね」
X「そう、走りも安全性も格段に向上しているよ」
妻「でも、値段も格段に上がってるのね」
 おっしゃる通り。さすがに「ターボに変更しよう」とは言い出せなかった(笑)。
 ちなみに、下取り車のeKワゴンは13年落ちで、しかも車検切れ間近とあって、どこも「査定はつかない」とのこと。

【交渉2日目】 妻も私も仕事が忙しく、商談が2週間ほど空いてしまった。本日は月曜日だが、妻も私もお休みなので、第2ラウンドを開始。まずはスズキへ。
 対象はスペーシア・カスタムハイブリッド。オプションは両側電動スライドドアとフロアマット、ナビを指定する。出てきた見積書には値引き額が記入されていない。
X「値引きはどれくらい?」
セ「新型なのでほとんどできないんです。みなさん、2万円引きとさせていただいております」
 って言われても「はい、そうですか」ってならんよ。ただし、いきなり厳しく値切るのも逆効果と思って“外堀”から埋めにいく。
X「見積もりに延長保証なんて入っているけど……」
セ「付けておくと安心ですよ」
X「それってナビにもきくんですか?」
セ「ナビは対象外ですね。ところで、ご予算はどれくらいでしょうか? 今日決めていただくなら、もう少し出せますが?」
 ここで妻が登場。
妻「予算は安ければ安いほうがいいです。まだ迷っているんで、今日決めるというわけにはいきません。その条件って、今日しか出せないんですか?」
 早速、月刊自家用車で研究した結果が出た。素晴らしい返し! なんだか某女性議員みたいでかっこいい(笑)。突っ込まれた営業さんは「はあ……絶対にダメというわけではないんですが……」。
 結局、はっきりした数字は出してこなかった。
 帰りのクルマの中で、
X「歯切れが悪くて、ちょっとイラってしたな」
妻「あの営業さん、若いから自分で特別な値引き条件を出すことはできそうにないわ。きっと店長さんに『今日決めてもらえるから上乗せしてください』って、頼むつもりだったんじゃないかな」
 おっしゃる通り(笑)。冷静な分析です。心強い!
 その足でホンダA店へ。しかし、例の担当さんはお休み。代わりに応対してくれた営業さんに値引きを聞いてみると「10万円くらい」とのことだった。
 夜、家族会議を開く。すると、この春から新社会人となる息子が「通勤にクルマが必要」と言い出した。そこで、私のフリードを譲り、今回購入する軽自動車を夫婦で共用することにする。
X「となると、どうしてもターボにしたいね。大阪に帰省するときや遠出となると、ノーマルエンジンではちょっときつい」
妻「そうね、私専用だったらターボはいらないけど、共用だったら多少高くなるのはしかたないかもね。でも、高くなるからなあ」
X「とりあえずノンターボで商談を進めて、値引きしだいではターボに変更しよう」
 なお、妻が通勤にクルマを使うので、この春から私は自転車で通勤することに。

ホンダ“本気のツッコミ”にタジタジ、 スズキ“本気炸裂!”と思いきや……

【交渉3日目】 私の経営している美容室に、ホンダA店の担当さんが訪ねてきた。
セ「先日は休んでいて失礼しました。見積もりをお持ちしました」
N-BOX
 値引き15万6814円 支払い総額199万円(付属品28万8356円)
X「あれ? 頼んでない冬用タイヤ/ホイールセット(5万円)が計上されているね。もう春なんで、すぐには必要ないよ」
セ「わかりました。外します。値引きはもう少し頑張ってみますが、あと1万円くらいかな~」
 値引きは15万円を超えたが、もしもターボに変更すると、支払い総額は200万円を大きく超えてしまう。1万円程度の上乗せではちょっとなあ~。

【交渉4日目】 夕方、仕事帰りに妻と合流。マツダに乗り込んだ。狙いはマツダ版スペーシアのフレアワゴン。穏やかで優しそうな営業さんと商談。ズバリと、スペーシアとの競合を伝えるが、提示してきた条件は、
フレアワゴン
 値引き5万1144円 支払い総額187万円(付属品14万1866円を含む)
セ「フレアはスズキから供給を受けているので、こちらに回してもらう台数とか、いろいろ制限がありまして……値引きもあまり出せないんですが、8万円くらいまでは頑張らせていただきます」
 なんだか言葉に力がない。
 帰り際、展示してあった赤のCX-5を見ながら、夫婦、口を揃えて「カッコイイ!」と言ったら、とたんに豹変。特長をじょう舌かつ力強くアピールしてきた(笑)。

あれれ……本命店がまさかの撤退!? 奥様の絶妙なサポートに拍手喝采!

【交渉5日目】 これまで商談していたホンダA店とは経営資本の異なるホンダB店へ向かう。
 応対してくれたのはベテランで、とても感じがいい。ここは小細工しないで単刀直入にいこう。これまでの経過を伝えて、
X「本命はN-BOXです。実は、ホンダA店でも商談してますが、条件が良ければ、こちらでの購入も本気で考えています」
 いきなりホンダ同士の競合をあおったが、さすが、ベテラン、顔色を変えずに「わかりました。少々お待ちください」。
 しばらくして戻ってきた。
N-BOX
 値引き10万5900円 支払 い総額200万円(付属品23万7600円を含む)
 値引き条件はホンダA店に及ばなかったが、営業さんは好印象だし、営業所の雰囲気もアットホームな感じ。「ここで買ってもいいかも」という気持ちにさせられた。
 その足で日産へ。女性の営業さんが提示してきた条件は、
デイズルークス
 車両本体値引き18万2996 円 付属品(20万6426円) 値引き5万円 支払い総額1 80万円
 値引きの合計は23万2996円! 軽自動車としては破格だと思うが、N-BOXやスペーシアに比べるとクルマとしての魅力がいまひとつだ。妻も同感とのこと。残念ながら、今回は脱落。
 日産との商談中にスズキから電話が入り、「ぜひ、ご来店を!」とのこと。いよいよ本気炸裂か! 大いに期待しながら訪問。ところが、提示してきた条件は、
スペーシア
 値引き5万4600円 支払 い総額196万3810円(付属品15万8220円を含む)
 夫婦揃って、ガックリ。
X「これで精一杯ですか?」
セ「前回お話しした通り、スペーシアは通常2万円が限界なんです。実は、スズキには正規ディーラー以外の販売店もありまして、そことの兼ね合いもあるので、あまりむちゃはできないんです」
X/妻「……」
セ「でも、今日決めていただけるなら、もう少し頑張ります」
 こないだもおんなじセリフ、聞いたで。さすがに妻もあきれたようで、今回はリアクションなし。
X「来週には決めようと思うので、それまでに条件が大きく変わるようであれば連絡をください」
 スズキとの商談中にも電話が入った。ホンダB店の営業さんだ。
セ「上司と相談した結果、値引き額を18万円まで頑張リます!」
 一気に8万円の上乗せ! 妻も私も大喜び! これでN-BOXが晴れて最終候補に。
 ホンダB店の条件を引っ提げてホンダA店へ。
X「ほかのホンダは思い切った値引き額を出してくれていますよ」
セ「以前にも他社と競合したことがあるんですが、うちは引かせていただきました」
 あれ? 普通は「ほかはいくらですか? うちも負けません!」とくるところだと思うのだが、逆に撤退をほのめかしてきた。どうやらこれまで2台を購入しているので「必ず買ってくれる」と思い込んでいるようだ。結局、上乗せがないまま終了。

【交渉6日目】 夕方、ホンダA店の営業さんが訪ねてきた。そこで、対象グレードをターボに変更することを申し出た。
X「値段の高い商品を買うんだから、値引きも上がるんでしょ?」
セ「グレードを変更しても値引きは変わらないんですよ」
X「ともかく、明日の午後、最終商談にお伺いします。好条件を期待していますよ」
 このあと、松本さんに連絡を入れてアドバイスをお願いした。
松「う~ん……ホンダA店が“同士討ち戦術”にのってこないのは誤算ですね。こうなったらホンダB店で購入するっていうのもアリじゃないですか。担当セールスさんはかなりのやり手のようだし、誠実な売り方をしていますよね。長く付き合えるタイプですよ」
X「あっ、そうですね。今の今まで付き合いのあるA店を最優先にしていましたが、その手もアリだと気がつきました」
松「B店には本音でぶつかるといいと思います。商談の際『これまで2台購入したA店で買おうと思っていたけど、こちらで買ってもいいと思うようになってきています。思い切った条件を出してくれたら、A店には行かないで、この場で決めます』などと言うと効果的でしょう」
 松本さんのアドバイスで吹っ切れた。随分と気が楽になる。

【交渉7日目】 いよいよ最終ラウンド。自分で自分の髪を切って気分一新する。
 午前中、ホンダB店へ。ターボへの変更を申し出てから、
X「ホンダA店には午後から行くことになっています。でも、相手はなじみの営業さんなので、行けば契約してしまいそうです。もしも、こちらが納得のいく条件を提示してくれれば、A店はお断りして、この場で契約しますよ」
セ「わかりました! 最大限やらせていただきますので、少々お待ちください」
 しばらくして戻ってきた。
 最終条件は車両本体価格から18万740円引き、付属品33万1020円から7740円引き、さらに査定ゼロだった下取り車に3万円の値段を付けてくれた。
 ここまで頑張ってくれたら決めないわけにはいかない。妻も納得してくれたので、注文書にサインをしようとしたそのとき、
妻「納車のときにはガソリン満タンにしてくださいね」
セ「わかりました!」
 またもや“研究の成果”をみせてくれた。ホンダA店に丁重なお断りを入れて一件落着。


値引き採点 5
「他社から好条件を引き出して、なじみのホンダにぶつける」という“鉄板の作戦”で楽勝! と思いきや、そう簡単にはいきませんでした。A店の担当者には「かならず買ってもらえる。だから無理する必要はない」との意識があったようです。実際、こういうケースでは“馴れ合い”に陥ることがあるので要注意。X氏はこれに気がつき、臨機応変に対応しています。また、要所でみせた奥様のサポートも評価します。夫婦で商談する場合、どちらかが“ツッコミ役”にまわると大きな効果が得られるでしょう。なお、下取り額は3万円となっていますが、リサイクル費用の戻し分と下取り費用を差し引くと、実質的な値引き分と考えていいのは約1万円です。



提供元:月刊自家用車



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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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