新車値引き情報
更新日:2021.02.10 / 掲載日:2018.03.26

【新車値引き購入事例】担当セールスとの交渉でエクストレイルを30万円以上値引き?

From愛知県
NISSAN エクストレイル
20X
37.6万円引き

【プロローグ】 愛車セレナ・ハイウェイスター(平成23年式)の車検が半年後に切れます。走行距離は3万kmとまだまだ走れますが、クルマの技術は日進月歩、昨今の新型車と比べると、さすがにメカニズムに古臭さを感じてきました。
 正直なところ、運転には多少の自信があった私も年を重ね、ヒヤッとすることが増えてきたため、今一番気になるのはもちろん「自動運転技術」。要するに、「安全装備が充実した最新型に買い替えたい!」というわけです(笑)。
 しかし、我が家には簡単には買い替えられない事情があります。そう、お察しの通り、奥様を説得することです(笑)。「子供たちも大きくなってきたので、そろそろスライドドアから卒業したいな」「やはり安全が第一だから、自動ブレーキやカメラ、レーダーを搭載したクルマがいいよね」「どうせ買うなら、カッコいいSUVにしたいなあ」
 かくのごとく、日夜、奥様にお願いした結果、ようやくOKがもらえました。選択の条件は、
1/ 下取り額を差し引いた追い金が150万円以内に収まること。
2/ 旅行やショッピングに使える広い荷室を持つこと。
3/ 安心・安全性能の充実。
4/ カッコいいスタイリング(これが一番重要かも?)
 これに当てはまるクルマを検討したところ、別記の5台が候補としてあがってきました。本命はエクストレイル、対抗はCX -5ですが、他の3車も条件しだいでは浮上してくるでしょう。

百戦錬磨の営業マンが激突!! マツダ「日本一安く売ります!」 日産「私は本部長と飲み友達!」

【交渉1日目】 本日は金曜日だが、祭日。新聞の折り込みチラシを見ると、近所のトヨタではフェアを開催中で「お菓子つかみ取り/スピードくじ/デザートバイキング」と、客寄せイベントが盛りだくさん。娘たちに「クルマ屋さんでこんなの、やってるよ」とチラシを見せると、即座に「行く!」。私の53回目の誕生日なので「良いことが起こりますように!」と願いつつ出かける。
 トヨタの駐車場に入るやいなや、紳士風のセールスさんがお出迎えをしてくれた。
 早速、候補のC-HRを試乗。室内空間にやや不満があるものの乗り心地はいい。十分な走りとハイブリッドの静寂感、さすがトヨタが誇る世界戦略車である。
 営業所に戻って商談開始。娘たちは大好きなお菓子をいただいて大喜び。すっかり機嫌を良くして、事前に頼んでおいた「このクルマ、かっこいいね!」をセールスさんに聞こえるようにしっかりやってくれた(笑)。
X「今回、家族で楽しめるクルマに買い替えることにしました。ホンダ日産もいいけど、娘たちはC-HRがお気に入りなんです」
セ「ありがとうございます」
X「付属品はフロアマットのみでお願いします」
フロアマットのみというと嫌な顔をされるかと思っていたが、クールに了承してくれた。
C-HR 値引き約24万円 下取り110万円 支払い総額150万円(メーカーオプション5万4000円/付属品2万3700円)
 おっ、いきなり24万円引きを提示してきた。支払い総額は予算の150万円ぴったりだ。ただし、下取り額は期待外れ。作戦会議で松本さんから「7年落ちなので厳しく査定すると100万円を割ると思いますが、走行距離が通常の半分以下で、状態もすごくいいので大幅な上乗せがききますよ。買い取り専門店を集めてガレージオークションをやれば、120万円を大きく超える可能性があります」といわれていたのだが……。
 その足で近くのホンダ店へ。ここでもフェア開催中で、娘たちは大はしゃぎ。お菓子をほおばり、ジュースを飲みながら、お目当てのヴェゼルを前に、
「このクルマ、かっこいい!」
「お父さん、これにしよう!」
 なかなかの名演技です(笑)。
X「娘たちも大きくなって海や山などにも行く機会が増えてきました。最近、ミニバンよりSUVに興味が出てきたようです。ヴェゼルはコンパクトなのに室内も広く、荷室も十分なので、妻も気に入っています。ただし、ほかにも魅力的な候補車があるので目移りして悩んでいます」
セ「ぜひホンダ車に乗っていただきたいと思います!」
ヴェゼル 値引き約14万円 下取り95万円 支払い総額160万円(付属品4万5900円を含む)
X「えっ、下取りは95万円ですか? 走行距離は3万kmですよ」
セ「7年落ちなので……中古車担当に相談してみますが、大幅な上乗せは難しそうです」
 ヴェゼルは車両価格が低いので「これなら予算の150万円を確実に下回る」と思っていたのに、完全にあてが外れた。
 本日の最後はスバル。さすがに3店舗目ともなると元気だった娘たちも少々疲れ気味でおとなしい。狙いのXVに試乗。荷室が狭いのが気になるが、走りは軽快だ。
X「安全性能ではスバルが一歩進んでいると思っていますが、他社のSUVも魅力的なので迷っています。予算が厳しいので、できるだけお値打ちにしてくださいね」
セ「スバルは値引きで売るのではなく、皆様に喜んでいただける性能と品質を備えたクルマを提供したいと考えています」
 あれ、警戒されたかな。
XV 値引き約8万円 下取り109万円 支払い総額174万円(付属品7万5060円を含む)
 うーん……厳しい。

トヨタの店長決裁が強力な武器に!  「無理しないでね」で無理します!?

【交渉2日目】 3日ほどしてからトヨタから電話が入る。
セ「店長と相談した結果、新しい金額をご提示できるようになりました。今日、見積書をお持ちします。ご不在の時は投函しておきますので、ご確認ください」
 帰宅すると、ポストに見積書が入っていた。
C-HR 値引き36万6660円 下取り110万円 支払い総額138万円(メーカーオプション5万4000円/付属品2万3700円)あ 値引きは予想を上回る数字だ。支払い総額は予算を12万円も下回った。早速、これをホンダとスバルのセールスさんに知らせると、どちらも「とても150万円を切るような数字は出せません」と白旗をあげてしまった。この時点でヴェゼルとXVは脱落。

【交渉3日目】 今日は火曜日だが、仕事は休みなので、いよいよ本命のエクストレイルとCX-5を攻めることにした。ちなみに、娘たちは学校なので、今回はサポーターなしの交渉となる。
 まずはマツダ。顔見知りのセールスさんにアポを取っておいたので、すぐさま対応してくれた。
X「セレナはまだ3万kmだけど、そろそろ自分の気に入ったクルマに乗り替えたいと思っています。CX-5の購入を本気で考えているので、できるだけお値打ちにしてくださいね」
セ「わかりました! 普段からお付き合いいただいているXさんのために頑張らせていただきます。うちはマツダ車を日本一安く売る店だと自負しているので、他のお店には絶対に負けません!」
 とても心強い言葉をいただいたので、C-HRの見積もりを見せて、一気に勝負に出てみる。
セ「えー値引き額がすごいですね! わかりました! こちらも見積もりを作成してみます。付属品がフロアマットのみになっていますが、CX-5の場合、ナビやオーディオは社外品を付けにくいと思うので、純正オプションをお勧めします」
X「純正品は割高なので、カーショップで社外品を取り付けようかと思っていたんですけど、お願いしたほうがいいかもしれないですね。純正品を付けるので、できるだけお値打ちにしてください」
セ「まかせてください! うちは日本一マツダ車を安く売る店ですからね」
 いったん席を離れて15分ほどで戻ってきた。
セ「お待たせしました。できる限りの数字を出しました!」
CX-5 値引き46万4793円 下取り120万円 支払い総額156万4200円(メーカーオプション6万4800円/付属品35万3943円を含む)
 すごい数字が飛び出した! たっぷりオプションを付けたのに支払い総額は150万円台だ。
セ「実は、CX-5は3月に一部改良があるので、現行モデルはもうすぐオーダーストップとなってしまいます。だから早めにご検討ください。改良後の新型となると、この数字はとても出せません」
 なるほど一部改良前なので、ここまでやってくれたのか……ともあれ、気持ちが大きく動いた。(本命エクストレイルはあきらめて、ここで手打ちしようか……)とも思ったが、ぐっと我慢した。
 いったん帰宅。子供たちも戻ってきたので「今日は外で食事をしよう!」と誘って、みんなで出かける。ただし、食事の前に日産へ乗り込む。ここはラフェスタ↓セレナとお世話になっている店で、担当セールスさんとは娘たちも顔見知りだ。
セ「皆さん、お待ちしておりました! これ、どうぞ!」
 到着するなり、おもちゃのくじ引きやキャンペーン用品をプレゼントされて、妻も娘も大喜び。
X「他車をいろいろ検討しているんですけど、やっぱりエクストレイルは外せませんよね」(笑)
セ「ほかはどんなおクルマを検討されましたか?」
 これまでの経過をかいつまんで話して、
X「今のところCX-5とC-HRが有力候補として残っています」
 マツダやトヨタの見積もりを取りだして見せた。
セ「なかなかすごい数字ですね! ともかく、うちも見積もりを出してみましょう」
 ここで妻がひと言。
妻「〇〇さんには長い間、お世話になってきているんで困らせるつもりはありません。もしも、他社のような条件を出すのが無理ならはっきりと断ってくれてもかまいませんよ」
セ「お気遣いは無用です。ここは腕の見せどころなので、頑張ってきます!」
 と言って奥に引っ込む。それから20分ほどして戻ってきた。
セ「大変お待たせしました。下取り額はマツダさんと同じ120万円にします。ご希望のエクストレイル20XにナビやドラレコなどCX-5と同様のオプションを付けると、総額は約349万円です。ここから下取り額120万円を差し引くと約229万円になります。CX-5の支払い総額は156万円なので数字を揃えようとすると、うちは70万円以上の値引きをしなければなりません。これはかなりと厳しいというか、正直、実現が不可能な数字です」
 うーん……やっぱりCX-5に決まりかな。
セ「Xさん、そこで相談があります。オプションは純正品にこだわりますか?」
X「いや、こだわりませんよ。マツダの場合、社外品が付けにくいというので純正品にしたのですが、そういう制約がないなら、割安な社外品でもかまいません、というか、社外品ですむならそのほうがいいという考え方です」
セ「うちはそういう制約はありません。こんなことを私が言うのはなんですが、ものによっては社外品を買ったほうがお値打ちになる場合もあります。そちらも検討してみてはいかがですか?」
X「そうですね。ナビはこの間、カーショップで見積もってもらったんだけど、新しいタイプが20万円くらいで揃えられそうでした。ドラレコやETC、ボディコーティングも割安に買えますね」
セ「では、ナビとドラレコ、ETC、ボディコーティングは見積もりから外させてください。付属品はサイドバイザーとフロアマットだけにします」
X「ところで、セレナは下取りに出さないで、ほかへ売却することがあってもかまいませんか?」
セ「大丈夫です。ともかく、マツダさんやトヨタさんに対抗するためには店長決裁では追いつきません。その上の本部長にでも頼まないととても太刀打ちできません。ともかく一度聞いてみます。実は、本部長は飲み友達なんですよ」
 なんとも頼もしい言葉が飛び出したところで、娘たちから「お腹が空いた!」の声がかかったので、本日はタイムアップ。

Cバック込みで47万円引き! Gオークションで5万円獲得!

【交渉4日目】 昨日、日産の担当セールスさんが「お話ししたいことがあります。明日の土曜日、いかがでしょうか?」と電話してきた。もちろん出向く。
セ「実は、まだ本部長には話を持っていっていません。お願いするには具体的な数字が必要なんです。そこでズバリとお訊ねしますが、値引きと下取り額を差し引いた支払い総額が135万円になったらお決めくださいますか? C-HRは138万円なので、これより安くしないと買ってもらえませんよね。さらに今なら10万円のキャッシュバックがございます。つまり、実質的な支払い総額は125万円になります。これでなんとかお願いします!」
 125万円なら予算を25万円も下回っているので、ナビなど社外品をカーショップで買ってもなんとかなりそうだ。
X「わかりました! そこまで言ってくれるなら、私も腹をくくります。その金額になるなら、責任をもって妻を説得します」
セ「承知しました! では、この時点で135万円+キャッシュバック10万円をお約束します」
X「わかりました。では、私もこの時点でマツダに断りの電話を入れますよ」

【交渉5日目】 日産と最後の交渉。
セ「無事に本部長の決裁が取れました。値引き額は36万8999円です。下取り額は中古車部に頑張ってもらって135万円までアップしました。これでお約束通り支払い総額は135万円とさせていただきます。もちろんキャッシュバック10万円もOKです」
X「ありがとうございます。では契約します。ただし、先日、お話ししたように、下取り車はほかに売却してもかまいませんか?」
セ「その件は了解を取ってあるので大丈夫です。Xさんは今回で3台目のご購入となるので破格の条件を出させていただきました。これからも末永くお付き合いのほど、よろしくお願いいたします」
X「こちらこそ、いつも無理なお願いばかりですみません。最後にもうひとつ、ガソリン満タンでお願いします!」
セ「もー本当に最後ですよ」(笑)
X「ありがとうございました!」

【番外交渉】 下取り額は135万円と予想外の高値が付いたが、どうしても試してみたいことがある。作戦会議の際、松本さんから伝授してもらったガレージオークションだ。
 インターネットの「買い取り一括査定サイト」に必要事項をアップして連絡を待つ。データを送ってから数分もしないうちに電話が鳴った。その後、ひっきりなしにかかってくる。松本さんから聞いてはいたが、その勢いにはびっくり。結局、買い取り業者7店からコンタクトがあった。
 各業者に「指定する日に、我が家のガレージでオークションを実施します」「最低価格は135万円で、これ以下では売却しません」と伝えた。すると、5店は「135万円は出せない」となったが、2店は「頑張ります!」と参加を宣言してくれた。
 そして、ガレージオークション開催日。集まった2店の担当者にじっくりと査定してもらう。
業者A「この年式だと状態が悪ければ70~80万円しか付けられません。でも、お客様のセレナは走行距離が3万km弱と少なく、色も装備も加点対象なので、高値で買い取りさせていただきます」
業者B「同等のセレナのオークションの相場は110万円前後ですね。ディーラーさんはすごく頑張った下取り額を出していますよ。でも、当社はネットを使ってタイムロスなく、全国店頭販売しています。だから他の業者よりも高く買い取る自信があります!」
 両店とも査定が終わったところで本部に連絡を入れて入札価格を決めている。とても緊張する時間だ。その結果、140万円を提示した業者Bが落札。あっけなく5万円を稼ぐことができた(皆さんも試してみたら如何でしょうか? やってみる価値ありです)
 その日のうちに日産に連絡。下取りなしの支払い総額270万円で購入することにした。最終的な値引き条件は車両本体とメーカーオプション32万7240円/付属品6万1857円から37万6499円引きとなっていた。

値引き採点 5
 交渉の順番が絶妙でした。最初に10年来の付き合いがある日産と商談していたら、こんな結果にはならなかったと思います。具体的な勝因は人気のC-HRからいきなり大幅な値引きを引き出したことでしょう。トヨタは「セレナのユーザーなので、へたな数字を出したら負けてしまう」と思ったようです。また、娘さんたちのサポートも効果的でした。これを武器にマツダを攻めて、これまた好条件を獲得。外堀をしっかり埋めてから本丸の日産を攻めたのが大いに効いています。担当者はマツダとトヨタの数字を知らされ、かなり焦ったようです。奥様の「困らさせるつもりはない。無理しなくてもいい」というセリフも高く評価します



提供元:月刊自家用車



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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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