試乗記[2018.02.15 UP]

BMW X3 試乗レポート

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BMW X3

プレミアムSUV。その魅力を幅広い層にアピールし、人気拡大の立役者ともいえるのが、BMWの「X3」だ。走りを中心としたトータルバランスに優れた優等生が、3代目へと進化した。

洗練さに磨きをかけたプレミアムSUVの主役

 BMWはXシリーズをSUVではなくSAV(スポーツ・アクティビティ・ヴィークル)と呼ぶ。人も荷物もたっぷりと積み込んでアウトドアに出かけるというのがSUVの本質的な意味だが、それよりもスポーティにオンロードを駆け巡るイメージがSAVには込められている。

 初代X3などはまさにそれを体現していて、背の高さや車両重量など、意に介さないほどにスポーティでセダン系と変わらぬ俊敏な走りをみせた。ただし、それと引き替えに乗り心地は随分と硬かったものだ。

 そんなことを懐かしく思い出したのは、3代目となる新型X3が想像をはるかに超えて、とてつもなくコンフォートに仕上がっていることに隔世の感を抱いたからだ。BMWは7シリーズからCLARと呼ぶ新しいFRプラットフォームを用いている。これはサイズを自在に変換し、素材もモデルに合わせて適材適所に使い分けるフレキシブルなものだが、軽量・高剛性が真価だ。さらに先行している7シリーズや5シリーズでは極めて上質な乗り味を提供したが、それがX3でも実現していたのだ。

 ボディサイズは従来に比べると全長が60mmほど伸びたが、全幅と全高はほぼ変わらず。伸び代のほとんどはホイールベース延長に使われており、室内空間の拡大に繋がっている。エクステリアデザインは基本的にはキープコンセプト。それでもキドニーグリルの存在感が増したりライト類が近代的になったりして新しさはある。というか、従来型を並べると古く見える。

 インテリアも順調にアップデート。中央の横長のディスプレイはタッチパネル式になり、ジェスチャーコントロールも採用。ほんの少し前まで、BMWのインテリアは味気ないものだったが、いまではすっかりプレミアムな雰囲気が漂うようになった。

 ラインアップは現在のところ2Lガソリン・ターボの20iと同ディーゼル・ターボの20dの2本立てだが、今回試乗したのは後者でグレードはMスポーツだった。

BMW X3

 まず最初に実感したのが、ディーゼルであるにも関わらず高い静粛性を実現していることだ。エンジン自体も大幅に静かになっているが、車体の遮音・静音性も大したもの。加速時の振動もよく抑えられ、ディーゼルのネガはほとんど感じない。2L〜2.2L程度のディーゼルは他社にもあり、BMWはスペックで突出していないものの、ドライバビリティではダントツにいい。低回転域ではトルクフルでピックアップがよく、それでいて中・高回転域ではディーゼルとしては異例なほどスムーズかつシャープに回る。さすがはエンジン屋のBMWだ。組み合わされるZF製8速ATも相変わらずの絶品。他ブランドの多くのトランスミッション・エンジニアがベンチマークにしていることもうなずける。

 パワートレーン以上に感銘を受けるのがシャシーだ。BMWらしいシュアなハンドリングをキープしたうえで絶妙に洗練された乗り味であり、すべての動きが軽くてなめらか。ロールは程よく抑えられているが、かといってサスペンションの反発力が強すぎることもない。しなやかだが張りのある感触なのだ。パワーステアリングのフィーリングもベンチマークと呼べるほど高いレベルにある。コーナリングでは路面からのインフォメーションが豊かで、高速道路では自然と直進を保てる。

 あまりに快適で、宗旨替えしたのかと勘違いしそうだが、やはり本質は純度の高いドライバーズカーだ。生粋のBMWファンにとっても嬉しい進化を果たしたと言えるだろう。

文●石井昌道 写真●川崎泰輝、BMW
問い合わせ BMWカスタマー・インタラクション・センター TEL:0120-269-437

Detail Check

BMW X3

全体的により力強くなった新型。新しいグリル、サイドに入る2本のキャラクターライン、さらにL字型のLEDテールライトも効果的だ。

BMW X3(コックピット)

コックピット

センターには10.25インチのタッチパネル式コントロールディスプレイが収まる。機能性の高さは相変わらずだが、全体的に高級感が大きく増している。

BMW X3(インテリア)

インテリア

試乗車はクロス・レザー・コンビネーション・シートを装備。新型のプレミアム度アップに一役買っているシートは、ホールド感があって、たっぷりとしたボリュームを誇る。快適性も絶妙な形状だ。

BMW X3(エンジン)

エンジン

2L直4のディーゼルターボは全域で力強い。このクルマをより小さく、軽く感じさせてくれる優れもの。さすがはBMWだ。

BMW X3(ラゲッジスペース)

ラゲッジスペース

ラゲッジルームの容量は、通常時550Lを誇り、最大では1600Lに達する。後席の展開も軽い操作で行なえ、作りのよさが感じる。

X3 xDrive20d Mスポーツ(8速AT)

全長×全幅×全高 4720×1890×1675mm
ホイールベース 2865mm
トレッド前/後 1600/1615mm
車両重量 1860kg
エンジン 直4DOHCディーゼルターボ
総排気量 1995cc
最高出力 190ps/4000rpm
最大トルク 40.8kg m/1750-2500rpm
サスペンション前/後 ストラット/マルチリンク
ブレーキ前後 Vディスク
タイヤサイズ前後 245/50R19

全国メーカー希望小売価格(発売 2017年10月)

X3 xDrive20i (8速AT) 639万円
X3 xDrive20i xLine(8速AT) 684万円
X3 xDrive20i Mスポーツ(8速AT) 687万円
X3 xDrive20d (8速AT) 662万円
X3 xDrive20d xLine(8速AT) 707万円
X3 xDrive20d Mスポーツ(8速AT) 710万円

Body Color

 ブラックII
 テラ・ブラウン
 □アルピン・ホワイトII
 ブラック・サファイア
 ファイトニック・ブルー
 サン・ストーン

※ほか2色。


BMWらしい走りを楽しめる進化したディーゼルユニット

BMWらしい走りを楽しめる進化したディーゼルユニット

 新型X3の注目点のひとつは、人気のディーゼル。新世代の「BMW ツインパワー・ターボ・ディーゼル・エンジン」は、可変ジオメトリー・ターボチャージャーやコモンレール・ダイレクト・インジェクション・システムといった革新技術が採用されている。小排気量で大トルクという高い効率性を誇る。

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