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更新日:2019.01.27 / 掲載日:2017.12.02
小さいけれど大きく進化! ラクティス
そこがとっても気になる!! フィットを超えているのか?
現代男子がほしがるスポーティなSグレード フォグランプなどを装着し、よりスポーティに
【本記事は2010年12月にベストカーに掲載された記事となります。】「広い室内空間が命」。2Lクラスのミニバンの話ではない。コンパクトカーの世界では“小さいのに広い室内”、この一点だけにしのぎを削っているといっていいほど、室内空間バトルが繰り広げられている。5年ぶりのFMC、2代目トヨタラクティスはまさに“室内空間命”を地でいくクルマ。「コンパクトのなかでフィットも気にならないといえば嘘になります」とトヨタ広報部がつい口を滑らせてしまうほど、クラストップを走るフィットをライバル視するモデルといっていい。そのフィットとどう違うのか!? かなり気になるところだが(その詳細は38ページから)、まずは初のFMC、2代目ラクティスの“ウリの部分”をチェックしていこう。
55mm低くなってどっしり感
全3タイプのモデルは顔違い スタンダードなGとX。レピスはヘッドランプとグリルに一体感をもたせたデザイン。Sはヘッドランプやグリルにスモーク加飾を施している
新型ラクティスを目にした瞬間、「変わってないような変わったような……」とあやふやな感想をもったが、じっくり見るにつけ「変わったんです!」と声を大にしていいたくなった。まずフォルム。全長3995mm(+40)、有効室内長2690mm(+55)と大きくなったが(※カッコ内は初代との差)、全高は1585mmと55mmも低くなり、初代からのワンモーションフォルムにどっしり感が加味された雰囲気。空気抵抗(CD値)も、初代の0.313から0.300と向上し、空気抵抗に優れたフォルムであることを数字が証明している。四隅いっぱいにあるタイヤも特徴的。それにより踏ん張り感が強調され、キビキビとした走りの予感。フィットをはじめとするコンパクトカーにはこの辺は求められているだけに、手抜かりはないだろう。さらに、直線を鋭角に組み合わせたシャープな印象のヘッドライトや立体感のあるフロントバンパー&グリルのデザインはなんだか思いきりいいぞ。既存の子離れ層に加え、新たにヤングファミリー層をも取り込もうというひとつの現われとみた。エンジンは1.3Lと1.5Lと初代と同じで、トピックは1.5L。従来型と同じ1NZ-FEエンジンを最適化することで2WD車が20.0km/L、4WD車が18.4km/Lという低燃費を実現。そして全グレードがエコカー減税対象車なのだ。
クラストップのラゲッジ
通常ラゲッジ状態でも73cmのスーツケース3つがこのようにムリなく入る!
そして新型ラクティス、ウリの代名詞はズバリ室内空間。「室内とラゲッジの広さと使い勝手を徹底的に強化しました」とチーフエンジニアの三浦清克氏が強調するように、フィットを意識した室内を練りに練って作りあげた感がビンビン伝わる。室内長1875mm、室内高1310mm、室内幅1420mmはいずれもクラストップレベル。身長177cmの担当が座っても前席、後席ともにゆとり充分。前後座席間は初代より短くなったが、前席の裏側を薄型化することで後席の足元は広くなった。また、後席の座り心地がいいと思ったら、シートのサイズが初代よりサイズアップ! シートバック高とクッション長ともに30mm長くなり、窮屈な思いはまったく感じさせない。こんなに広い座席空間がありながらラゲッジも広いのが武器。5名乗車時のラゲッジ容量は、429Lで堂々のクラスナンバー1。5人で旅行の時も、荷物の量は気にする必要なし。満足するのは広さだけでなく、使いやすさも。ラゲッジ側面にあるレバーをかる~く引くだけでパタンと後席が前に倒れる仕組み。わざわざ後席に回らなくてもラゲッジにいるだけで操作ができるというわけ。ありそうでなかった便利な機能だ。ざっくり特色をあげただけでも、魅力充実の新型ラクティス。ライバルと目される大人気フィットの牙城を崩せるのか!? 次ページでは「フィットを超える部分」を探ってみたッ!HVも加わって人気に拍車がかかっているのがホンダフィットだ。10月の販売数が1万4034台(HV車含む)という売れっぷりのそのフィットに、満を持してガチンコ勝負を挑むのが新型ラクティス。手強いライバルを超える部分はあるのか!? 重箱の隅をつついて、利点はないかと探ってみた。
ミリ単位でも勝ちは勝ち!?
「トヨタの福祉車両まるごと体験会」 写真のラクティス福祉車両も試乗&体験できるイベントが12月13日(月)13時~、東京のMEGA WEBにて開催。入場無料
フィットより勝る部分をあげると、大きくは、「室内空間の広さ」「便利なシート操作」「1.5L 4WD車の燃費のよさ」の3つがフィットに勝る点といえそうだ。が、ミリ単位の細かいところで勝っていることも確かで、その象徴が室内幅。ラクティスはフィットより全長が95mm長いぶん室内長が50mm長いのはわかるが、全幅は1695mmと同じながら室内幅は5mm広い。「コンパクトカーの世界では5mmの差が大きいのだ」と声高に叫びたいが、ちょっとむなしいかも……。
後席の操作性が◎
通常のラゲッジ状態。クラスナンバー1の積載量。任せなさい!
お次はラゲッジ。5名乗車時、フィットより7Lぶんも多く積めるんだから、これは大きいアドバンテージだ。はて7L? とすぐにサイズ感がピンとこないが、20cm四方ほどの段ボール箱ひとつぶんと思ってもらえればいい。それが積めるか積めないかの差だ。う~ん、微妙な勝利だが、その努力に拍手!そして、2WD車の後席は6:4分割のチルトダウン機構シート。レバーを引くだけで簡単にシートが倒れ、広大なラゲッジになる。ここまではフィットと同じだが、ラクティスはラゲッジの両側面にレバーがあるので、その場でシート操作ができる。後席側へ一度行ってレバーを引いてからラゲッジに戻るフィットとは手間が違うぞ! と息巻いても、単に物臭な人が喜ぶだけという気がしなくもない。フィットを超える部分は確かにあったが、正直もの足らない気がする……。大丈夫か、ラクティス。応援しているぞ!