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日産 シーマの狙い目グレードや特徴と価格相場を紹介
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中古車購入[2017.12.02 UP]
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ベストカー【本記事は2010年5月にベストカーに掲載された記事となります。】 4ドアのコンパクトカーが20万円で販売される! そんな衝撃的なニュースとともに登場したインドのタタ社製ナノ。 昨年3月にインドのムンバイで発表されたナノの価格は、工場出荷価格が10万ルピー(約21万円/1ルピー2.1円で計算)、デリーでの店頭販売価格が11万5361ルピー(約24万2300円)という世界最安車なのである。 ナノは、最近インドで台頭しているという年収10万ルピー前後の新中間層が買えるクルマとして、開発に着手したのだという。ちなみに当時の最安値は、マルチスズキの「マルチ800」で、価格は20万ルピー(約42万円)だった。鈴木修会長は、当初「10万ルピーのクルマは非現実的」と発言していたのだが、実際にナノを見て、危機意識を強くしたという。 注文殺到により、なかなか日本上陸を果たせなかったナノだが、ついに取材が実現! そこで、自動車評論界の重鎮、三本和彦氏にインド製激安車の実力をチェックしてもらった!
みなさんこんにちは、三本和彦です。今回は、編集部よりインド製のコンパクトカー「タタナノ」を見てほしいという依頼がありました。そこで、実際にその完成度とパッケージングをこの目で確認してきました。 20万円の激安車として話題になったナノですが、日本自動車部品工業会が所有するこのナノは、まさにベーシックグレードと呼べるもので余計なものがなにも付いていないという感じでした。 光沢のない白い塗装のボディに樹脂製バンパーを装着している様は、まるで営業車のようです。しかも、よく見ると左のミラーもありません。ホイールも鉄製ですし、外観の装備は、必要最低限といった感じです。
でも、けっこうスタイルはいいな、というのが第一印象でした。なんでもイギリスにあるタタのデザインチームが手がけているそうなんですが、洒落たデザインで、ジウジアーロを彷彿とさせます。よく、彼が韓国やインドに行っている、なんて話も聞きますので、ひょっとしたらどこかで関わっているのかもしれません。 外板のプレスもたいしたもので、わりときれいに仕上がっていると思います。 タタ・モーターズが独自開発のクルマの生産を開始したのが’98年と聞きますから、ナノもまだ黎明期のクルマといえるでしょう。日本の黎明期のクルマ、例えば昭和25年に登場したダットサンセダンなんかと比べたら、はるかにきれいにできてます。Cピラーに埋め込まれたテールランプも、出っ張らずに収まっているのはさすがです。 ワイパーは1本ですが、拭き取り面積は広そうです。ブレードのゴムが抜ける構造になっているので、交換も低価格でできるでしょう。
タタナノの重量は600kgですが、見た目ではかなりしっかりと作っているように見えます。しかし、いいことだけではありません。例えば、ボンネットは、裏にリブまで入って、かなり頑丈ですが、逆に衝撃を吸収する構造になっていないので、歩行者と衝突した時に保護することができません。またワイパーやフロントウィンドウも、歩行者保護を考慮しているとは思えないですね。 リアエンジンなので、フロントにはスペアタイヤとラゲッジルームしかないのですが、ここの構造を見たかぎりでは、クラッシャブルゾーンとして機能するとは思えません。むしろ頑丈すぎてショックを吸収せず、キャビン側を変形させる可能性すらあります。 安全性で一番気になるのは燃料タンクです。外には給油口がいっさいありませんが、それもそのはず、給油口はボンネットの中にあるのです。これもコスト削減の一環なのでしょうが、ボンネットを開いた右下にキャップの付いたノズルがあって、ここに給油するようになっています。当然燃料タンクもフロントにあるので、衝突時は怖いですね。燃料もれで引火でもしたら、目も当てられません。ここは、早急に対処してほしいポイントですね。 ドアはかなり薄いです。軽自動車よりも薄いドアなので、側突などへの対処も、かなり弱いと思われます。ただ、ドアを閉めた時の音はいいですね。しっかりとした、重々しい音がする。これは、ドアストッパーの素材などでチューニングするのですが、かなりうまく音を作ってます。
ドアを開けてシートに座る。当たり前のことですが、ナノはこれが実に自然にできます。かがんだり、頭をぶつけたりすることなく「スッ」と着座可能なのです。これだけ自然に座ることができるクルマは、国産車でもなかなかありはしません。 フロントシートの座り心地はまあまあですが、剛性は低そうで、衝突時に乗員をしっかりサポートできるのか心配です。運転席側のみが20cmほど前後スライドするようになってまして、助手席は固定式です。 室内高を計測したところ1260mmあり、ワゴンR(1275mm)のようなハイト軽とほぼ同じだけ確保されています。着座しますと、握り拳1.5個ほどの頭上高がありました。 ステアリングは直径が約40cmとちょっと小ぶりですがしっかりとしています。ただしアシストはないので、軽量なボディでも、女性はつらいかもしれません。感心したのはシフトフィールです。4速のシンプルなMTですが、リアにあるミッションへのリンクがよくできてるんでしょうね。手応えがいいです。 インパネはシンプルそのもので、センターメーター式を採用しています。視認性はいいとはいえませんが、必要最低限は満たしています。 リアシートは、ほとんど緊急用という印象でした。スポンジが薄く、まるで板の上に座っているようで、荒れた道を走るのはつらそうです。体重の軽い女性や子供を想定しているのでしょう。室内幅は1170mmあるので、大人ふたりが座るのに問題ありません。 アイポイントが前席より高く、前がよく見える半面、天井とのクリアランスが小さくなり、握り拳0.5個ほどの空間しかありません。足下スペースは30cmほどあり、充分です。 エンジンは、リアシートのすぐ後ろにあります。ちょうど三菱iと同じ場所です。ここに直列2気筒の624ccエンジンがおさめられています。整備性はかなり悪そうです。 驚いたことに、ラジエターはエンジンルームの中、エンジンの真後ろにあります。たたでさえリアエンジンは冷却が厳しいというのに、リアドア後ろの細い導風口からの風に頼っているようなので、オーバーヒートが心配です。
まだ、ナノを走らせたわけではありませんが、インドの新しい工場で生産が開始されたばかりのクルマとしては、かなりよくできていると思います。 ただし、世界の安全基準に追いつくためには、まだまだクリアしなければならないハードルがたくさんあり、お金もかなりかかるはずです。ここを解決するには経験のあるメーカーと組んで、指導してもらう必要があるでしょう。 日産も参入を表明しているアジア向け激安車ですが、これが日本市場に入ってくることはむずかしいと思います。安いなりにエンジンが中途半端、シートの座り心地が悪い、安全性が低いなど、製品としての魅力が低く、とても日本で売れるとは思えないからです。 日本には完成度の高い軽自動車がありますし、この中ブルを買ったほうが、同じ低価格でも遙かに満足度が高いです。 タタナノは、デザインやパッケージングにいいところがありますので、日本市場にあうように改良すれば、きっと売れると思います。ただし、それはきっと100万円を超える価格になってしまって、激安車ではなくなると思いますが。
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