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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.04

5人、7人、8人乗りを自由に選ぼう フリード誕生!!

【本記事は2008年7月にベストカーに掲載された記事となります。】5月29日に登場したニューモデル、ホンダフリード。これまでのモビリオ&モビリオスパイクの後継車という位置づけのクルマである。ボディサイズは全長4215mm、全幅1695mm、全高1715mmで5ナンバーサイズに収まっているが、見た目にはけっこうボリューム感があり、全幅は1750mm程度あるようにも感じられる。モノフォルムのスタイルにまとまっていて、なかなかスタイリッシュなのだ。こりゃあ、モビリオの反動だな。モビリオは四角張ったフォルムでデザイン的にはあっさり路線。モチロンそこが狙いだったのだろうけど、あまりにも「モノ」的だったんだな。それに対してフリードはまっすぐに伸びるルーフにより、室内空間を確保しつつも、思いのほかに傾斜のついたAピラー、そしてAピラーから同じ角度で直線的につながるボンネットフードのラインがスッキリしつつもスタイリッシュにまとまったボディラインを作り出している。ちょっと初代ベンツAクラスを思い出させるスタイルだ。

注目の室内空間は、5人、7人、8人乗り!!

7人乗り仕様の3列目、乗り降りが楽

7人乗り仕様の3列目、乗り降りが楽

さてさて、フリードの注目ポイントはなんといっても室内空間。2列シートの5人乗り仕様と、3列シート車の設定があり、3列シート車はセカンドシートが左右独立キャプテンシートタイプとなる7人乗りと、セカンドシートがベンチシートとなる8人乗りがある。つまり、フリードには5人乗り、7人乗り、8人乗りの3タイプの乗車定員の仕様が設定されているということだ。アンダー2Lクラスの3列シート車で、乗車定員が8名というのはフリードのほかにはない。旧モデルとなるモビリオの乗車定員は7名だった。サードシートが3人掛けとすることが難しいからというのがその理由なのだが、フリードは5ナンバーサイズの全幅で見事にその問題をクリアしている。ホンダならではの低床フラットフロアを生かしたパッケージングと、スペース効率を追求したH型トーションビームタイプのリアサスペンションなどにより、サードシートの横方向の広さを確保することができたのだ。室内幅は1440mmを確保しているのだが、モビリオの室内幅は1390mm、ストリームが1460mmなので、フリードの室内幅の広さがご理解いただけるだろう。

驚きの室内空間!! 2列目は超リラックス

5人乗り仕様のリアは足元も充分広い

5人乗り仕様のリアは足元も充分広い

全長わずか4215mmというコンパクトなボディにもかかわらず、3列シートを成立させているフリード。モビリオでもそうだったし、シエンタやキューブキュービックなどのコンパクト多人数乗車カーがそうであるように、サードシートは完全にエマージェンシーで、通常は2列シートとして使うモノ、といった、ある種の割り切りが必要だと思っていた。が、フリードは2列目に普通に座った状態でも、サードシートに大人が充分座れるスペースを確保しているのだ。そりゃあ、ステップワゴンクラスのような余裕はないけれど、「なんとか無理して」といった感じではない。身長176cmの編集部梅木が座ってもそう感じたのだから、もうちょっと小柄な女性なら、長距離ドライブでも充分不満なくこなせそう。また、座面前後長、シートバック高ともに充分なサイズが確保されていて、座り心地もいい。特にシートバックは肩口まで高さがあるため、ゆったりと座ることができるのがうれしい。コンパクトサイズのボディだと、どうしてもサードシートの収納性などを考えて、シートサイズが小さくなってしまうことが多い。しかし、フリードのサードシートは、充分実用的だということが確認できた。セカンドシートに2タイプあるのがフリードのポイント。7人乗り仕様車のセカンドシートは左右独立のキャプテンシートタイプとなる。この2列目シートが非常に具合がいい。通路側には肘掛けもついているし、なんといってもシートのサイズがゆったり大型でリラックスして座ることができるのだ。シートのサイズはほぼフロントシートと同じで、セミバケット形状も同じ。しっくりと体を包み込んでくれるので、長距離ドライブでもラクチン。このセカンドシートは200mm幅で前後スライドするので、サードシートを使わない時は最も後ろにスライドさせることで、足元スペースに大きな余裕を作ることができる。また、このキャプテンシートだと、サードシートへの移動も常時ウォークスルー可能でとっても使い勝手がいいのもうれしい。8人乗り仕様車ではこの2列目が3人掛けベンチシートタイプとなる。また、2列シート5人乗車仕様の「フレックス」も同じタイプのシート。フリードのスペース効率をフルに活用したいというのであれば8人乗りを選ぶのがいい。セカンドシートの居住性だけを比較すれば7人乗りのキャプテンシートに軍配が上がるけど、ベンチシートならではの使い勝手のよさというのもある。例えば赤ちゃんのおむつの交換などでは、ベンチシートの使い勝手がうれしいもの。この2列目ベンチシートは、サードシートへの乗り降りのため、ワンタッチで前倒させることができるようになっているほか、6対4分割で畳むこともできるようになっている。5人乗り仕様の「フレックス」は8人乗り仕様のサードシートがない状態とまったく同仕様となっている。

低床フロアで乗降性バッチリ、荷物の積み下ろしもラクチン

5人乗り仕様の荷室は広大。低床で搬入もラクチンだ

5人乗り仕様の荷室は広大。低床で搬入もラクチンだ

フリードのプラットフォームはホンダならではの低床フラットフロア。スライドドアの開口部はワンステップフロアで床面高390mm。小さな子供でも無理なく乗り降りできる高さとなっている。これならお年寄りの乗り降りでも安心。フロアは前部から後部に向かって緩やかな上り傾斜となっている。これは、セカンドシート下に燃料タンクが配置されていることと、2~3列シートにかけて前方視界を確保するために、少しずつ着座位置を高くしているためもある。それでも荷室フロア高は480mmと低く、大きく重たい荷物の出し入れ時にものすごく使い勝手がいい。5人乗り仕様車の荷室容量は715Lでクラストップレベル。大型自転車をそのまま積める余裕がある。

エンジンは1.5L、FFと4WDを設定

エンジンは1.5L、直4のみ。これにCVT(FF)と5速AT(4WD)が組み合わされる

エンジンは1.5L、直4のみ。これにCVT(FF)と5速AT(4WD)が組み合わされる

フリードに搭載されるエンジンはフィットなどにも搭載される直4SOHCの1.5L。最高出力118馬力、最大トルク14.7kgmを発揮する。FF車ではこれまたフィット同様のトルクコンバータつきCVTが組み合わされ、10・15モード燃費は16.4km/L。各グレードに4WDモデルも設定されており、こちらは5速ATが組み合わされることになる。4WDはホンダならではのデュアルポンプを使ったフルタイム4WD。4WDモデルの10・15モード燃費は14.0km/Lとなる。価格は3列シート7人乗りの「G・Lパッケージ」が169万500円、売れ筋となるだろう8人乗りの同グレードが180万6000円、2列シート5人乗りの「フレックス」が163万8000円となっている。

走りはどうだ?値引きはどうだ?

TEXT/渡辺陽一運転感覚は、2代目のフィットやストリームなど、最近のホンダ車に共通する味つけだ。後輪の安定感を最優先したうえで、自然に曲がるハンドリングとなる。モビリオは操舵感が曖昧だったが、フリードは正確性が高いだろう。プラットフォームはフロント側がフィットの発展型、リア側は新たな設計でボディ剛性を高めている。エンジンはモビリオと同じく1.5Lだが、全車がフィットRSと同じi-VTECを採用。幅広い回転域で充分なトルクを発揮する。車両重量が1200kgを超えるからパワフルではないが、力不足も感じない。シートは2、3列を用意するが、一般的な選択は3列仕様。買い得なグレードは178万5000円のG・Lパッケージだ。Gに左側の電動スライドドア、ドアミラーウインカーなど13万円相当の装備を加えながら、価格アップは9万4500円に抑えた。競争力を持たせるためだが、ストリームで主力の1.8Xが180万6000円で用意されることも影響している。G・Lパッケージの価格を装備ぶん高めると、ストリームXより高額になるからだ。注意したいのは3列目。燃料タンクを前席の下に搭載するモビリオの方式を取らず、床が高まった。座面と床の間隔は140mm下まわって膝が持ち上がる。モビリオを145mm上まわるフリードの全長にセンタータンク方式を組み合わせたら、3列目はさらに快適になったはず。その代わりフリードでは、前席から後席への移動が簡単。セパレートシートの2列目を主力に据えたのも、車内の移動性を重視した結果だ。センタータンク方式で移動性を向上させれば満点だったが、フリードが新たな価値を生んだことも事実だ。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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