パーツ取付・交換
更新日:2025.10.31 / 掲載日:2018.08.29
タイヤのひび割れは危険?原因や交換目安、対策を徹底解説

走行前、ふと目に入ったタイヤのひび割れ。「まだ走れるだろう」と放置していませんか? 実はその小さなひびが、走行中のタイヤのバーストや操縦性の低下といった重大トラブルの引き金になる恐れがあります。さらに、車検に通らず、タイヤ交換が必要になり思わぬ出費にもつながるかもしれません。
そこでこの記事では、ひび割れの危険性や発生しやすい箇所、発生原因を解説しています。交換の判断基準や寿命を延ばすための対策まで網羅していますので、安全走行を守るためにも最後までチェックしてみましょう。
1. タイヤのひび割れには注意しよう

タイヤのひび割れ(クラック)とは、ゴムの表面に生じる細かい亀裂のことです。軽度の段階では気づかずに使い続ける人もいますが、進行の度合いによっては安全性に大きな影響を与える可能性があります。
そのため、ここでは、ひび割れを放置した場合に考えられる主なリスクをご紹介しましょう。
(1) 走行中のバーストや事故リスク

タイヤのひび割れは放置すると悪化し、内部のコード層(タイヤの骨格部分)まで達すると突然の破裂(バースト)を招く恐れがあります。走行中にタイヤがバーストすると、車をコントロールできなくなり、追突や横転など重大な事故につながります。
2024年度のJAFのロードサービス統計では、「パンク・バースト・空気圧不足」による出動が「高速道路は1位」「一般道路は2位」と報告されていました。
(2) 操縦安定性や燃費性能の低下
ひび割れが進むとタイヤが硬化し、グリップ力が低下します。
その結果、カーブで滑りやすくなったり、制動距離が伸びたりし、急ブレーキをかけてもこれまで以上に長い距離が必要となります。空気圧の低下と重なると転がり抵抗が増加し、燃費の悪化にもつながります。
(3) 車検不適合の可能性
表面上の小さなひび割れであれば許容範囲とされることもありますが、ひび割れが深くコード層に達していると「安全を損なう状態」と判断され、車検に通りません。この場合は使用を続けられず、タイヤの交換が必要になります。
2. タイヤのひび割れが発生しやすい箇所
タイヤのひび割れはどこにでも発生するわけではなく、とくに負荷が集中する部位に現れます。代表的な箇所は以下の3つです。
(1) トレッド面

トレッド面は、路面に直接触れる部分で、ブレーキ性能やグリップ力に直結します。
(2) 側面(サイドウォールやビード部)

側面(サイドウォールやビード部)はゴムが薄く変形が大きいため、内部のコード層に到達しやすい箇所です。進行が早く、パンクやバーストに直結します。
(3) ショルダー部

ショルダー部は、トレッドとサイドウォールの間の部分で、空気圧不足や荷物の過積載によってひび割れが発生しやすい箇所です。軽度なひび割れでは問題ありませんが、進行するとバーストする危険性が高まります。
3. タイヤのひび割れが起こる原因
タイヤのひび割れは、ゴムの経年劣化だけでなく、紫外線や空気圧が高すぎる・低すぎるといった外部環境、さらに車の使用状況にも影響を受けます。ここでは代表的な原因を取り上げるので、ご自身の使用状況と照らし合わせて確認してみましょう。
(1) 経年劣化とゴム硬化
ゴムは年数が経つと油分が抜け、柔軟性を失って硬化します。その結果、細かな割れが出やすくなり、温度変化や車体の重さによる負担で亀裂が広がっていきます。
走行距離が少なくても、製造年数が経過すれば同じように劣化し始めてしまうのです。
(2) 紫外線・熱・オゾンなどの外的要因
紫外線やオゾンは、ひび割れを発生させる大きな原因のひとつです。とくに高温環境では劣化の進行が加速します。
また、屋外駐車や日差しが片側に偏る場合、左右でひび割れの進み方に差が出ることもあります。そのため、夏場や高速走行後はとくに注意しましょう。
(3) 空気圧不良・過積載・運転習慣
タイヤの空気圧が不足すると側面(サイドウォール)が大きくたわみ、押しつぶされたように変形します。この状態が続くと、タイヤに過度な負担がかかり、ひび割れの原因となります。
また、荷物の過積載や急ハンドル、急ブレーキといった操作も、タイヤに大きな負荷を与え、劣化を早める原因になります。一方で、空気圧が高すぎると接地面がタイヤ中央部に偏り、そこから局所的に摩耗や劣化が進む点にも注意が必要です。
(4) 洗車やタイヤワックス
硬いブラシでタイヤを強くこすると、表面の保護成分が削られて劣化が進みます。また、石油系溶剤を含む油性ワックスも劣化の原因になります。
タイヤに付着した汚れは水洗いで落とし、水性タイプのワックスを使うなら少量にとどめましょう。
(5) 使用頻度の低さ・保管年数
車を動かさない期間が長いと、走行時ににじみ出る老化防止剤がタイヤ全体に行き渡らず、表層が乾いて割れやすくなります。
さらに製造からの年数が長いタイヤは、未使用でも硬化し始めています。
4. タイヤを交換する判断基準5つ

タイヤは消耗品であるため、次の5つを基準に交換時期を見極める必要があります。
1. 摩耗具合
2. 使用期間
3. 走行距離
4. 目視
5. 強度
それぞれの判断方法については、下記の記事でくわしく解説していますので、こちらをご覧ください。
5. タイヤの寿命を延ばす対策
タイヤの寿命を少しでも長く保つためには、日常の使い方やメンテナンスが欠かせません。基本となるのは次の3つです。
1. 適切な空気圧を保つ
2. 定期的にローテーションを行う
3. ダメージを与える運転をしない
これらを意識することで、ひび割れや摩耗の進行を遅らせられます。さらにくわしい対策については、こちらの記事をご覧ください。
6. タイヤに関することはグーネットピットにご相談ください
タイヤは車の安全を支える重要な部品です。ひび割れを放置すると、走行安定性の低下や燃費の悪化を招くだけでなく、最悪の場合、走行中に突然破裂する「バースト」を引き起こし、重大な事故につながる恐れがあります。
車検にも通らない恐れがあるため、ひび割れに気づいたら早めに専門家へ相談しましょう。
グーネットピットでは、タイヤの専門知識を持ったメカニックが、みなさまの愛車の状態を丁寧に診断し、最適なタイヤ選びから交換、メンテナンスまでトータルでサポートいたします。安全で快適なカーライフのために、ぜひお気軽にご相談ください。

