新車試乗レポート
更新日:2024.01.26 / 掲載日:2024.01.24

最新ロータリーのお手並み拝見!マツダ「新型MX-30ロータリーEV」公道試乗

新世代ロータリーの実力は如何に?

RE(ロータリーエンジン)復活! そんな理由もあって、大きな注目を集めている「MX-30 Rotary-EV」に試乗する機会が訪れた。純電動モデルに生まれ変わった新世代のロータリーモデルの実力は如何に?

●文:川島 茂夫 ●写真:澤田 和久

MAZDA MX-30 ROTARY-EV 公道試乗インプレッション

フットワークは同車のガソリン車より多少引き締まった印象だ。SUV全体で見ればオンロードスポーティ寄りの走りが楽しめる。

MAZDA MX-30 Rotary-EV モダンコンフィデンス
価格:478万5000円
●主要諸元(モダンコンフィデンス) ●全長×全幅×全高(㎜):4395×1795×1595 ●ホイールベース(㎜):2655 ●車両重量(㎏):1780 ●パワーユニット:830㏄×1ローター(72PS/11.4㎏・m)+モーター(125kW/260Nm) ●トランスミッション:一段固定式 ●WLTCモードハイブリッド燃費:15.4㎞/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ディスク(R) ●サスペンション:ストラット式(F)トーションビーム式(R) ●タイヤ:215/55R18

電動時代のREは発電ユニットとして活用
 MX-30ロータリーEVの第一のポイントは、マツダの象徴だったRE(ロータリーエンジン)の復活だ。

 とはいえ、往年のRX-7などのスポーツカーに搭載されていたような高出力狙いのREの姿はない。MX-30ロータリーEVが採用するPHEVシステムは、シリーズHVをベースとするため、REは高効率の発電機として用いられるのだ。

 搭載しているREは、830ccNAの単ローター仕様で、そのスペックは最高出力72‌PS、最大トルク11.4㎏・mと数値的にはかなり控えめ。通常時の稼働回転数は1500〜4000回転で、さらに大スロットル開度で一気に発電するように制御されるため、普通に走る分にはとても静かだ。

 駆動モーターはラフなアクセル操作でも乗員を脅さず滑らかに反応するタイプ。モーター特有の急激な加速を売りにしておらず、街中でも高速道路でも扱いやすい特性だ。ドライバビリティはマツダ車の中で最も洗練された印象だ。

 そんな理由もあって、かつてのRE車の昂揚感や迫力はないが、エンジン周りの静粛性も高く、縁の下の力持ちに徹したのが、新生REのポイントだ。

 ただ、HV走行での燃費はWLTC総合モードで15.4㎞/ℓ。ミドルSUVのHEVなら20㎞/ℓ超が標準的なので、省燃費という点でREにメリットがあるとは言い難い。半面、満充電航続距離はPHEVでは最大級の107㎞。普段は電動主体で、長距離の時はREで発電しながら走り続けることができる。

 パワートレーンはレンジエクステンダー寄りのPHEVで、しかも発電機はRE。さらにボディも4ドアを名乗りつつも、前後二分割の大型ドア(フリースタイルドア)を採用したボディ形状を採用。まさに独自性の塊みたいなモデルなのだ。

ロータリーエンジンは新開発の8C型を採用。1ローター830㏄の軽量小型タイプで、大負荷(高回転)を効率的に使うことで発電時間を短縮する制御が組み合わされる。
給電口は、普通充電と急速充電に対応。一充電走行距離は107㎞と、街乗りレベルならばBEVとして運用することも可能だ。
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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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