輸入車
更新日:2021.04.06 / 掲載日:2021.04.05

AUDI特集/ニューモデル続々!AUDIが魅せる新しい世界

アウディ e-tron外観

写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2021年5月号の内容です)
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。

アウディがビンテージイヤーを迎えている。主力車種の多くがモデルチェンジによるアップデートを受け、デザインやインフォテインメントシステム、運転支援装備のレベルはそれぞれクラスのトップ水準へと高められている。なにより、精緻なメカニズムが奏であう走りの味わいが電動化により新たな領域に到達していることに驚かされる。アウディは、まさに技術により大きく前進しているのだ。

アウディEVの先進性はどこにある?

文●石井昌道 写真●ユニット・コンパス、アウディ、日本カー・オブ・ザ・イヤー
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。


エンジンがモーターへと置き換わることで、クルマの技術に差がなくなるという意見がある。だが、アウディのe-tronに乗れば、その意見がけっして正確なものではないことがわかる。BEVの特性を得て、アウディらしさをさらに極めたEVモデルを解説する。

アウディの持ち味を電動化が加速させる

 近年のアウディはどのモデルに乗っても洗練度が高い。走り始めた瞬間から軽やかでスムーズそのもの。いかにも機械的な精度の高さを思わせるのだ。数多あるプレミアムブランドのなかでも、いま最も上質な乗り味を提供していると言っても過言ではない。
 それがBEV(電気自動車)ではさらに際立つこととなった。ノイズやバイブレーションがない電気モーターの特性で静粛性が高まり、さらに洗練されることは想像がつきやすいが、それ以外の要素もある。シャシー性能の向上も見逃せないのだ。
 e-tronスポーツバックは、エンジン車のQ5やQ8などと同様のMLB evoプラットフォームを採用。重量物のバッテリーは床下に配置されているので重心が低く、また中央よりなので曲がる力を発生させるのにも有利。エンジン車のミドシップカーのようなのだ。さらに、エンジンはノイズやバイブレーションがあるため、それを乗員に伝えないよう振動吸収性のあるマウントでボディに締結される。アウディのそれは優秀だとはいえ、走行中にエンジンはある程度は揺れていて、それがシャシー性能に影響を与えている。
 同じ車種や同じプラットフォームでエンジン車とBEVを乗り比べればよくわかるが、BEVは格段に乗り味がよくなる。高速道路での抜群の直進安定性、コーナーでの正確なハンドリングなどはエンジン車では出せない領域。e-tronスポーツバックでもそれが如実にあらわれ、最高のシャシー性能が実現されている。以前にドイツ・アウトバーンで試乗したときには、200km/h巡航でも矢のように直進していくのにはおそれいった。
 BEVはアクセルを戻したり、ブレーキングしたときの減速エネルギーを利用してモーターで発電し、それをバッテリーに蓄える回生が効く。エンジンブレーキよりも強い設定が可能でしかも自由にセッティングできるので、さまざまな味付けがあるのが興味深いところだが、e-tronスポーツバックはデフォルトが回生ゼロ。走行中にアクセルを戻してもエンジン車のニュートラル状態で、コースティング(惰性走行)するのだった。
 これがまた洗練感につながっている。たとえば街中で40~50km/h程度まで加速したところでアクセルを戻すと、サーッと転がっていく。そのとき、冒頭で述べた機械的な精度の高さゆえの駆動系のフリクションの少なさが実感され「すごいクルマに乗っている!」ことを噛みしめるのだ。回生を強くしたいときにはステアリングのパドルを操作することで任意に行える。その他、エフィシェントオートというモードにすると、高速道路での巡行時など、前方のクルマに追いついていったときに自動的に回生が効いて車間距離を保つ機能もある。
 e-tronスポーツバックは日本で初のアウディBEVとしてまず95 kWhのバッテリー容量によってWLTCモードで405kmの航続距離を誇る55クワトロ・ファーストエディションが上陸。価格は1346万円と高価だが、71kWh/316kmで1143万円の50クワトロも追加導入。スポーツバックのようにクーペフォルムではなく、ラゲッジルームが広いe-tron(50クワトロ=933万円)も合わせて導入されている。
Profile
自動車ジャーナリスト

石井昌道
内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動運転にも参加する自動車ジャーナリスト。幅広い視野と知見で自動車業界の今を的確にレポートする。

アウディ e-tron スポーツバック

アウディ e-tron スポーツバック 3面カット

アウディ e-tron スポーツバック 55 クワトロ 1stエディション ●全長×全幅×全高:4900×1935×1615mm ●ホイールベース:2930mm ●車両重量:2560kg ●最高出力:408ps ●最大トルク:67.7kgm ●新車価格:1346万円(55クワトロ 1stエディション)

アウディ e-tron スポーツバックのインテリアとバーチャルエクステリアミラー

インテリアのデザインや装備はe-tronシリーズで共通。トランスミッションがないため、センターコンソール部分には収納スペースが用意されている。高解像度カメラとOLEDタッチディスプレイを組み合わせた「バーチャルエクステリアミラー」を採用。夜や悪天候時でも良好な視界を提供する。

アウディ e-tron スポーツバックのシート

インテリアに使われる素材は高品質で上質な雰囲気。フロアがフラットなため、後席足もとのスペースが広々としているのもBEVならではのいいところ。

  • アウディ e-tron スポーツバックのラゲッジルーム

    駆動用バッテリーは床下に搭載されるため、ラゲッジルームには段差はなく、使い勝手に優れる。

  • アウディ e-tron スポーツバックのエンジン

    ボンネットの下には、充電ケーブルを収納するための蓋つきボックスが用意されている。

アウディ e-tron

アウディ e-tronの外観

アウディ e-tron 50クワトロ Sライン ●全長×全幅×全高:4900×1935×1630mm ●ホイールベース:2930mm ●車両重量:2400kg ●最高出力:313ps ●最大トルク:55.1kgm ●新車価格:1108万円(50クワトロ Sライン)

アウディ e-tronのインテリアとエンジン、充電プラグ

インストルメントパネルと一体化されたMMIタッチレスポンスディスプレイにより、フラットで未来的なインテリアを構築。運転支援機能も充実しており、ドライバーの死角をカバーし、衝突回避を支援する。

2020-2021 テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー受賞|新時代のプレミアムSUVとして、その技術を高く評価

2020-2021 日本カー・オブ・ザ・イヤーのテクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したアウディ e-tron

 その年を代表するクルマを選定する2020-2021 日本カー・オブ・ザ・イヤーでe-tronが「テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。選考委員たちは、高度な回生システムを備えた発電&蓄電テクノロジーやそれによる実用的な航続距離を高く評価。また、EVらしいノイズレベルの低さもプレミアムモデルにふさわしいと評された。

速さだけじゃない!アウディRSシリーズの奥深さ

文●石井昌道 写真●アウディ
※写真は一部本国仕様の場合があります。

理想を体現する知的なスポーツモデル

 ドイツ語でRennsport(レンシュポルト=レーシングスポーツ)を意味するRSは、アウディスポーツと呼ばれるサブブランドによるアウディ車のトップパフォーマンスモデルだ。もとをたどると、1983年に登場しWRCラリーで猛威を振るったアウディ・スポーツ・クワトロおよび、モータースポーツ活動やスポーツモデルの開発を担うべく設立されたクワトロGmbHに行き着く。スーパースポーツのR8もアウディスポーツの一員だ。
 アウディスポーツは圧倒的なパフォーマンスと洗練されたデザイン、そして都市にフィットする快適性など、あらゆるシーンにおいて、その性能をいかんなく発揮。アウディの理想を体現するモデルであり、知性のすべてを搭載したIntelligent Super Carを提案するブランドだとされている。最近のアウディは洗練された上質な乗り味が際立っている、と前述したが、スポーツモデルにおいてもそれは揺るがず、だからこそ知性的なのだ。
 昨年11月に日本上陸した新型のRS6アバントとRS7スポーツバックは兄弟車の関係にあり、多くのハードウエアを共有。エンジンは4L V8ツインターボで最高出力600馬力、最大トルク81・6kgmと途方もないパフォーマンスを誇る。
 それに比べれば、少しだけ身近に感じられるのがRS4アバントとRS5クーペ/RS5スポーツバックで、2.9L V6ツインターボは450馬力、61.2kgm。それでも十二分にハイパフォーマンスだ。
 その他、エンジン縦置きFFベースAWDとしては大型SUVのRSQ8(V8)がラインアップ。コンパクトハッチバックのRS3スポーツバック/RS3セダン、コンパクトSUVのRS Q3スポーツバック/RS Q3、クーペのTT RSクーペなどは、直列5気筒2.5Lターボを横置きしたFFベースAWDとなる。
 RSシリーズの元祖は1994年に登場したRS2であり、A4アバントの前身の80アバントをベースとしていたので、RS4アバントは直系の子孫ということができる。ただし、エンジンに関しては直列5気筒だったので、横置き系のほうがDNAは濃いかもしれない。
 そもそもがめずらしい直列5気筒は、他では味わえないビート感があって躍動的だ。1700回転から最大トルクを発揮するから発進時から力強さがあるが、圧巻は高回転域での吹き上がり。低中回転とは違って調律が綺麗に整ってシャープに回りきる。
 V6はフラットトルク型の特性が強調されていて、低回転域で感じた力強さが、中高回転でも同じテンションで味わえる。だから扱いやすくて、常に速さを引き出せる。
 V8の低回転域のトルクは圧巻。東名高速から新東名に入って100km/hから120km/hまで加速するときに、たった2000rpmで速やかに済んでしまうほど。高回転域の吹き上がりも凄まじく、タコメーターの動きを目で追えないほどだ。
 RSシリーズはハイパフォーマンスというだけではなく、洗練されていてデイリーユースでも親しみやすいのが特徴ではあるが、アバントは比較的乗り心地が快適でクーペ系は硬派だったりと、キャラクターに合わせた味付けがなされている。その奥深さを知るのもRSシリーズと付き合う楽しみだ。

アウディ RS 4 アバント

アウディ RS 4 アバントの走行イメージ

アウディ RS 4 アバント(8速AT) ●全長×全幅×全高:4780×1865×1435mm ●ホイールベース:2825mm ●車両重量:1820kg ●エンジン:V6DOHCターボ ●排気量:2893cc ●最高出力:450ps/5700-6700rpm ●最大トルク:61.2kgm/1900-5000rpm ●新車価格:1250万円

アウディ RS 4 アバントの外観とインテリア

RSシリーズの醍醐味を堪能できる人気モデルで、ブリスターフェンダーがトレードマーク。上質なファインナッパレザーに施されたダイヤモンドステッチが室内を演出する。

アウディ RS 4 アバントのメカニズム

セルフロッキングセンターデフを採用したクワトロシステムにより、450馬力、61.2kgmという高出力をロスなく路面へと伝える。電制サスや強化ブレーキもRSならではの装備。

アウディ RS 5 クーペ

アウディ RS 5 クーペの走行イメージ

アウディ RS 5 クーペ(8速AT) ●全長×全幅×全高:4715×1860×1365mm ●ホイールベース:2765mm ●車両重量:1750kg ●エンジン:V6DOHCターボ ●排気量:2893cc ●最高出力:450ps/5700-6700rpm ●最大トルク:61.2kgm/1900-5000rpm ●新車価格:1340万円

アウディ RS 5 クーペのリアカットとインテリア

アウディ RS 7 スポーツバック

アウディ RS 7 スポーツバックの走行イメージ

アウディ RS 7 スポーツバック(8速AT) ●全長×全幅×全高:5010×1960×1415mm ●ホイールベース:2925mm ●車両重量:2170kg ●エンジン:V8DOHCターボ+モーター ●排気量:3996cc ●最高出力:600ps/6000-6250rpm ●最大トルク:81.6kgm/2050-4500rpm ●新車価格:1799万円

アウディ RS 7 スポーツバックのインテリアとラゲッジルーム

上質さと未来的な洗練、そしてスポーティネスが融合したインテリア。ラゲッジルームも標準状態で535Lと広く、大きく開くテールゲートにより実用性が高い。

盤石の体制を敷くアウディ現行モデルラインアップ

文●ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス、アウディ

プレミアムスモールのA1からフラッグシップサルーンのA8まで、あらゆるユーザーニーズに応える盤石の体制を敷くアウディ。ここでは、現行モデルラインアップから、近頃改良を受けたモデルを中心に紹介します。

人気の定番モデルが続々とアップデート

アウディ A4の外観

 いま、アウディのラインアップは近年稀に見る充実ぶりとなっている。定番モデルの多くが改良を受け、デザインやパワートレインが最新仕様にアップデートされたからだ。
 最新モデルの特徴は、品質の高さを感じさせるエッジの立ったデザインで、一部モデルには往年のアウディクワトロをイメージさせるスリットを備えている。
 また、使い勝手に大きく影響するインフォテインメントシステムにも注目。「MIB3」は、センターモニターのタッチ操作や音声入力に対応。これによりメカニカルスイッチを少なくすることが可能となり、インテリアはシンプルでクリーンな印象を手に入れている。
 そして多くのモデルにマイルドハイブリッドシステムが採用されたこともニュース。低燃費だけでなく、発進時のスムーズさにも大きく貢献し、その質感を高めている。

アウディ A4/フルモデルチェンジ級の大幅改良で魅力アップ

アウディ A4の3面カット

 2020年10月にフルモデルチェンジに匹敵するほどの大幅改良を受けたA4。2021年1月には初のクリーンディーゼル搭載モデルが追加された。排気量は2Lで、出力の異なる2モデルを用意。高出力版の「40TDI」は最高出力190馬力、最大トルク40.8kgmを発揮しする。
2021年 アウディ A4 35 TFSIアドバンスド(7速AT・Sトロニック) ●全長×全幅×全高:4760×1845×1410mm ●ホイールベース:2825mm ●車両重量:1530kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1968cc ●最高出力:150ps/3900-6000rpm ●最大トルク:27.5kgm/1350-3900rpm ●新車価格帯:455万円~627万円(A4セダン全グレード)

アウディ A4のインテリアとラゲッジルーム

タッチ操作対応のセンターモニターを新たに搭載。インフォテインメントシステムは最新の「MIB3」で、音声入力にも対応する。

アウディ Q2/最新エクステリアデザインで魅力をさらに引き上げた

アウディ Q2の外観

 日本で最も売れているQシリーズがマイナーチェンジ。エクステリアデザインがスポーティにブラッシュアップされ、新開発の1.5L直4ターボを搭載。低負荷時には2気筒となるシリンダーオンデマンド機能で低燃費を実現している。
22021年 アウディ Q2 35 TFSI アドバンスド(7速AT・Sトロニック) ●全長×全幅×全高:4200×1795×1530mm ●ホイールベース:2595mm ●車両重量:1340kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1497cc ●最高出力:150ps/5000-6000rpm ●最大トルク:25.5kgm/1500-3500rpm ●新車価格帯:394万円~544万円(Q2全グレード)

アウディ Q2のボディカラーイメージ

ボディカラーに新色のアップルグリーンメタリックを採用(写真)。また、「ブレード」と呼ばれるCピラー部分の塗り分けカラーラインアップを一新した。

アウディ Q3/Q3スポーツバック/進化した第2世代にはクロスオーバーモデルも用意

アウディ Q3/Q3スポーツバックの外観

 2020年にフルモデルチェンジを受けて2代目に進化したプレミアムコンパクトSUV。オクタゴングリルなど最新デザインに加え、エンジンや運転支援装備も刷新。新たにボディ形状の異なるクロスオーバータイプのQ3スポーツバックも登場した。
2021年 アウディ Q3 35 TFSIアドバンスド(7速AT・Sトロニック) ●全長×全幅×全高:4490×1840×1610mm ●ホイールベース:2680mm ●車両重量:1530kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1497cc ●最高出力:150ps/5000-6000rpm ●最大トルク:25.5kgm/1500-3500rpm ●新車価格帯:438万円~543万円(Q3全グレード)

アウディ Q3/Q3スポーツバックのインテリア

メーターは10.25インチのフル液晶タイプ。センターモニターはタッチ操作対応で、事故を未然に防ぐ「アウディプレセンス」も全方位的にレベルアップ。

アウディ Q5/ディーゼルやマイルドHVなど多彩なパワートレインを搭載

アウディ Q5の外観

 欧州プレミアムミッドサイズSUVセグメントで長年ベストセラーであり続けるQ5。2021年2月のマイナーチェンジでは、エクステリアデザインをシャープな造形にし、マイルドハイブリッドシステムや最新インフォテインメントを導入した。
2021年 アウディ Q5 40 TDI クワトロ Sライン(7速AT・Sトロニック) ●全長×全幅×全高:4685×1900×1665mm ●ホイールベース:2825mm ●車両重量:1910kg ●エンジン:直4DOHCディーゼルターボ ●排気量:1968cc ●最高出力:204ps/3800-4200rpm ●最大トルク:40.8kgm/1750-3250rpm ●新車価格帯:681万円~788万円(Q5全グレード)

アウディ Q7/威厳とゆとりを感じさせるプレミアム3シーターSUV

アウディ Q7の外観

 上級セダンに匹敵するラグジュアリーなしつらえと、それを上まわる室内空間が魅力のQ7。大きな車体ではあるが、後輪操舵を採用したことで、最小回転半径は5.3mと優秀。3列目は収納可能で、幅広い使い勝手を提供してくれる。
2021年 アウディ Q7 55 TFSI クワトロ(8速AT・4WD・エアサスペンション装着車) ●全長×全幅×全高:5065×1970×1705mm ●ホイールベース:2995mm ●車両重量:2130kg ●エンジン:V6DOHCターボ+モーター ●排気量:2994cc ●最高出力:340ps/5200-6400rpm ●最大トルク:51.0kgm/1370-4500rpm ●新車価格帯:947万円~1020万円(Q7全グレード)

アウディ A5/A5 スポーツバック/よりスポーティなテイストにパワートレインも充実

アウディ A5/A5 スポーツバックの外観

 2021年のマイナーチェンジでは、エクステリアデザインをよりスポーティな仕立てにすると同時に、最新インフォテインメントシステムの導入などインテリアについてもアップデート。初のクリーンディーゼルやマイルドハイブリッドシステム搭載など、パワートレインについても改良を加えた。
2021年 アウディ A5 スポーツバック 35 TDI Sライン(7速AT・Sトロニック) ●全長×全幅×全高:4765×1845×1390mm ●ホイールベース:2825mm ●車両重量:1600kg ●エンジン:直4DOHCディーゼルターボ+モーター ●排気量:1968cc ●最高出力:163ps/3250-4200rpm ●最大トルク:38.7kgm/1500-2750rpm ●新車価格帯:616万円~707万円(A5スポーツバック全グレード)

  • アウディ A5/A5 スポーツバックのインテリア

    最新インフォテインメント「MIB3」はタッチ操作対応の10.1インチ液晶モニターを備え、よりシンプルですっきりとしたインテリア造形に貢献している。

  • アウディ A5 クーペの外観

    新型の識別点は、ハニカムメッシュグリルやボンネットスリット、ボディ一体型サイドスカート。「アドバンス」グレードにはLEDライトなどを標準装備する。

アウディ S8/最新かつ最高の技術を凝縮したアウディのフラッグシップ

アウディ S8の外観

 アウディのフラッグシップセダンであるA8のハイパフォーマンスモデルがS8。最新モデルでは、4LV8エンジンに48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせることで、高性能と低燃費を両立。路面の凹凸を感知する電子制御ダンパーも装備。
2021年 アウディ S8(8速AT) ●全長×全幅×全高:5185×1945×1475mm ●ホイールベース:3000mm ●車両重量:2290kg ●エンジン:V8DOHCターボ+モーター ●排気量:3996cc ●最高出力:571ps/6000rpm ●最大トルク:81.6kgm/2000-4500rpm ●新車価格帯:2010万円(S8)

次世代EVグランツーリスモ誕生[AUDI e-tron GT]

AUDI e-tron GTのイメージカット

文●ユニット・コンパス 写真●アウディ
これまでSUVボディのEVモデルを発表してきたアウディから、本格的なEVグランツーリスモがいよいよ市販化された。その名はe-tron GT クワトロ/RS e-tron GTである。

 これがアウディが考える近未来のグランツーリスモだ。かねてからその存在を示唆してきた「e-tron GT」が、2021年2月にワールドプレミアされた。
 すでに発表されているとおり、ポルシェ タイカンとプラットフォームを共通するモデルで、全長約5m、全幅約2mという大柄なサイズにもかかわらず、全高は約1.4mとかなりのロースタンス。ルーフの傾斜も強く、スポーツカーのようなプロポーションを採用している。このルーフラインはA7スポーツバックよりも17mm低いという。
 パワートレインは前後それぞれに1基ずつモーターを搭載するクワトロ(4WD)で、リア側は2速トランスミッションを介して後輪を駆動。このシステムにより、俊敏な加速と高速走行での航続距離を両立させる。最高速は通常モデルとなる「クワトロ」が245km/h、高性能版の「RS」で250km/h。航続可能距離は487km(通常モデル、WLTPモード)と公表されている。
 生産についても環境に配慮しており、グリーン電力などを活用することで、カーボンニュートラルに近い状態で作られる。これぞ新時代のフラッグシップという内容だ。

AUDI e-tron GTの外観

グランツーリスモならではのダイナミックさとRSモデルの特徴を備えたエクステリアデザイン。オプションでカーボンルーフも用意されている。

AUDI e-tron GTのインテリア

操作系すべてがドライバーに向かってセッティングされているところも、このクルマのキャラクターを表している。ディスプレイは12.3インチ液晶を採用。

  • AUDI e-tron GT発表会の様子その1

    フロア下に800Vのリチウムイオン電池を搭載し、航続可能距離は最大で487km(WLTPモード)と発表されている。最大270kWの急速充電にも対応する。

  • AUDI e-tron GT発表会の様子その2

    e-tron GTは、グランツーリスモならではの快適性と広いインテリア、そして走行性能と環境性能のバランスに配慮したという。

スペイン最強クラブチーム「レアル・マドリード」に電動化モデルを提供/一流選手たちが選んだアウディは?

レアル・マドリードの選手とアウディその1

文●ユニット・コンパス 写真●アウディ

プロスポーツ選手とプレミアムブランドがパートナーシップを結び、最新モデルを提供する例は数多い。スター選手と最新モデルとのマッチングは、まさしくファンに夢を与える最強タッグだ。

スター選手が選んだのは最新の電動化モデル

 国際的なスーパースターたちが今年も新しいアウディを手に入れた。
 アウディは、スペインの強豪フットボールクラブであるレアル・マドリードとのパートナーシップを結んでおり、選手たちの移動手段としてアウディ車を提供している。このパートナーシップはすでに20年もの間続いており、スタジアムに最新のアウディが並ぶ光景はファンにとってはすっかりお馴染みだ。
 ちなみに、選手たちに人気があるのは、SUVのQシリーズ。キーパーのティボー・クルトワや中盤のエースであるトニ・クロース、エースストライカーのカリム・ベンゼマまで、数多くの選手がQシリーズを選択しているのだとか。しかし例年と少々異なったのが、リストに並ぶのがe-ronスポーツバックを含む電動化モデルが多いこと。このあたりは、時代の移り変わりに敏感なスター選手らしいところだ。
 一方でスポーティで高性能なモデルを好むメンバーも。その代表はチームのヘッドコーチであるジダンとキャプテンのセルヒオ・ラモスで、RS6アバントを選択している。
 いずれにせよ、彼らがアウディを気に入っているのは、写真の笑顔を見れば一目瞭然だろう。

  • レアル・マドリードの選手とアウディその2

  • レアル・マドリードの選手が充電する様子

  • レアル・マドリードの選手が運転席に座っている様子

レアル・マドリードの選手へ提供された車両

アウディはスペインのレアル・マドリードに車両を提供している。今年の特徴はウィッシュリストに並んでいたクルマがどれも電動化モデルだったこと。高性能なだけでなく、環境にもやさしい。

デザイン革命を起こしたスペシャルティカーの歴史をプレイバック|アウディ TTの歩みを振り返る[TT HISTORY]

文●ユニット・コンパス
※中古車参考価格、物件相場はグーネット2021年3月調べ。
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。


ロードスターが生産終了し、クーペも現行世代で終わりを迎えるアウディTT。1999年の登場以来22年目を迎え、中古車市場でも手頃な価格で探せるようになった。今回は3世代に及んだTTシリーズの歴史を振り返りつつ、相場動向を探ってみた。

TTの歴代モデルと年数のイメージ図

アウディTTの世代別物件比率

アウディTTの世代別物件比率の表

 世代別の物件比率では、2代目が最も豊富で全体の半数以上を占めている。次いで現行型が3割、初代は2割弱。初代はコンディションのよい物件が減りつつある。

アウディ TT(初代)1999-2006|50万円以下の予算で探せる初代TTクーペ

初代アウディ TTの外観

今見ても色あせない初代のエクステリア。全長4060mm、全幅1765mm、全高1340mmのボディサイズは、現行型よりもひとまわり小さく、市街地の取りまわしも楽々だ。

 99年10月に国内発表された新世代クーペがアウディTTだ。円を組み合わせた個性的な外観は非常に斬新で、世界中から高く評価された。メカニズムは当時のA3と共通だが、当初は225馬力の1.8Lターボ+4WDを採用し、スポーツモデルらしいパフォーマンスを備えていた。その後オープンモデルやFF仕様も登場。今に続くTTの礎を築いた。
 中古車動向だが、物件数は現在でもそれなりに揃っている。ただし大部分は走行距離5万km以上となっており、低走行車は探しにくい。しかし50万円以下の物件が豊富なので、購入の敷居は高くない。グレードは、FFの「1.8T」が最も豊富だが、「1.8Tクワトロ」でも十分探せるはず。なお、6速MT比率は全体の2割程度。一方、ロードスターは物件が少なく、探しにくい状況だが、クーペと同じく相場は下がっている。
中古車参考価格帯:30万円~280万円(98年~06年 全グレード)

1999.10|TTクーペがデビュー
2000.5|TTロードスターが登場
2001.1|FWDモデルを追加
2003.9|3.2LV6モデルを追加
2005.6|クワトロスポーツを発売

初代アウディ TTのリアカット

高速走行時の安定性を高めるリアスポイラーを装着。前後で統一感のあるエクステリアは今見ても秀逸だ。

  • 初代アウディ TTのインテリア

    室内はタイトで、スポーツクーペらしい雰囲気。リアシートを備えるが、大人が快適に過ごすのは難しい。アルミ製パーツもふんだんに用いられている。

  • 初代アウディ TTのロードスター

    [ロードスター]デビュー翌年に追加されたTTロードスターは2シーター。クーペの上品さをそのままに、ソフトトップを採用して気軽にオープンドライブが楽しめる。

3.2LV6にはDSGを初搭載

初代アウディ TTのDSG初搭載した3.2LV6モデル

 2003年9月、初代の高性能バージョンとして3.2LV6モデルが追加された。最高出力は250馬力を発揮し、トランスミッションはアウディ初のDSGを採用したのがトピック。ダイレクトな変速フィールと変速スピードを両立し、以降はSトロニックと名称を変えて現在でも採用されている。中古車は流通数が少ないが、相場は高くない。

アウディ TT(2代目)2006-2015|アルミを用いた軽量シャシーでスポーツカーとしての性能をアップ

2代目アウディ TTの外観

 中古車物件が最も豊富なのが2006年7月に登場した2代目。A3をベースとするのは先代と同じだが、一部にTT専用の設計にしてアルミ製スペースフレームを採用。これにより、よりスポーツカーらしい走りを獲得した。100万円台半ばの物件が充実しており、低走行物件もまだ豊富に残る。グレードは2LターボのFFモデル「2.0TFSI」が充実する一方、初期に設定された3.2LV6は少ない。
中古車参考価格帯:60万円~260万円(06年~15年 TTS、TT RSを除く)

2006.7|2代目TTクーペが登場
2007.6|TTロードスターが登場
2008.9|TTSが登場
2010.2|TT RSが登場
2010.9|マイナーチェンジを実施
2013.2|TT RS Plusが登場

2代目アウディ TTのインテリアとシート

初代と比べてホイールベースは40mm延長され、全長と全幅も大幅に拡大。室内も広くなっているが、後席は実用的ではない。質感はさらに高まり、満足感を与えてくれる。

2代目アウディ TTのロードスター

[ロードスター]2代目も引き続きロードスターが投入された。電動ソフトトップの開閉は、オープンに約12秒を要する。時速50km以下なら走行中でも開閉ができるのも魅力だ。

TTS

アウディ TTS(TT2代目)

 2Lターボを搭載した高性能版。最高出力は272馬力に高められ、外観のデザインも一部専用となる。200万円台前半の予算で探すことが可能。物件が少なく探しにくいのが難。中古車参考価格帯:220万円~330万円(08年~15年 TTS全グレード)

TT RS

アウディ TT RS(TT2代目)

 Tの最上級モデルとして「RS」が登場。2.5L直5ターボを搭載し、デビュー当初は340馬力を発揮。中古車は300万円台の物件が多いが、物件数はそれほど多くない。
中古車参考価格帯:280万円~410万円(10年~15年 TT RS全グレード)

アウディ TT(3代目)2015-|プラットフォームを一新して走りを磨き上げた3代目

3代目アウディ TTの外観

 2015年に3代目がデビュー。全体的にエッジの効いたデザインとなり、アルミを多用したコンポジット構造の軽量ボディを採用することで、先代からさらにスポーツ度が増している。デビュー当初からTTSやロードスターも用意されたが、ロードスターは2020年末に生産終了した。中古車相場は少しずつ下がっており、200万円台前半の予算から探せる。FFモデルのほうが物件は充実している。
中古車参考価格帯:230万円~530万円(15年~20年 全グレード)

2015.8|3代目TTクーペが登場
2017.3|TT RSが登場
2019.4|マイナーチェンジを実施
2020.9|TTロードスターファイナルエディションが登場

3代目アウディ TTのインテリアとシート

3代目の特徴は、なんと言っても「アウディバーチャルコックピット」の導入。写真はTT RSだが、スポーツシートや赤いアクセントのステッチが施されている。

3代目アウディ TTのロードスター

[ロードスター]3代目はクーペと同じタイミングで投入されたロードスター。マグネシウムやアルミを多用して軽量化を図ったルーフを採用。2020年をもって生産が終了している。

TTS

アウディ TTS(3代目TT)

 286馬力にまで高められた2L直4ターボを搭載するTTS。「アウディマグネティックライド」を標準装備する。現行型ゆえ最低でも400万円以上の予算が必要となる。中古車参考価格帯:400万円~700万円(15年~20年 TTS全グレード)

TT RS

アウディ TT RS(3代目TT)

 エンジンは先代同様2.5L直5ターボを搭載するが、最高出力は400馬力に高められた。新車時価格は1000万円近いが、400万円台から探せる。しかしながら物件は多くない。
中古車参考価格帯:410万円~740万円(17年~20年 TT RS全グレード)

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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