新車値引き情報
更新日:2023.10.26 / 掲載日:2023.10.26

X氏の値引き大作戦 強気のハスラー特別仕様車から12万円引き!

夫婦の危機!? 二男が救う! ブランド力で選ぶべきじゃね? 強気の軽・特別仕様車を攻略!!

【プロローグ】 23年前、思いもよらぬ双子の誕生でクルマの買い替えを迫られ、夫が愛読している月刊自家用車のX氏に立候補。値引き交渉術をしっかり伝授してもらい、激戦を演じた結果、大幅な値引きを獲得してセレナを購入しました。

 時は過ぎ、いまや双子の兄弟は社会人となります。

 そして、あのときのセレナは……なんと今も現役! 我が家のファーストカーとして元気に活躍しています。

 しかし、走行距離は15万8000km、いよいよ買い替えの時が来た……と思いきや、クルマいじりが趣味で、無類の節約家でもある我が夫は「23年間もかわいがってきたクルマだ。最後を看取るまで乗り続ける!」と気合を入れています。

 で、今回、クルマを1台増やすことになりました。

 狙いは「維持費の安さ」と「使い勝手の良さ」を優先して軽自動車。ただし、現段階で“誰のためのクルマか?”がはっきり決まっていません。

 双子の一人(二男)が勤務地でクルマが必要となり、私が日常の足として使っているノート(12年落ち)を譲るか、はたまた軽自動車を買い与えるか? 迷った状態での商談開始となってしまいました。

 候補車はクルマに詳しい主人と相談した結果、別記のモデルを選びました。ちなみに息子は当世の若者らしくクルマには興味がないようで「走ればいいから」などといっています。

【7月15日(土)】 いざ出陣!
 まずはダイハツへ。出迎えてくれたのは若いお兄さん、優しそうな笑顔で交渉しやすそう。

 試乗後、商談開始。
「現在、クルマは2台あるんですが、息子が就職してクルマが必要となったので1台買い増しすることになりました。タフトの見積もりをお願いします」

「車庫証明は自分でやるから費用はカットね。納車のときは取りに来るから納車費用もカットしてください」

 提示してきた値引き条件は、
▼タフト 車両本体/付属品の値引き合計4万1998円

「ダイハツはワンプライス方式で販売しています。これ以上の値引きはできません」

 作戦会議で松本さんから「東海地区のダイハツは“ワンプライス”という言葉を使って値引きを抑える売り方をしてくる傾向があります」と聞いていましたが、やっぱりね(笑)。

 続いてスズキ。ハスラーを試乗。遊び心満載で、若い人に人気があるというのもうなずけます。マイルドハイブリッドのおかげなのか、ノンターボでも非力感はありません。夫も納得したようすです。

 ところでダイハツとの商談でも感じましたが、セールスさんはあまり売り込みに熱を入れてきません。今の時代、熱く売り込むのはおせっかいで嫌がられるっていう風潮なのかな?

 時計を見ると6時を回っています。値引き交渉は後日ということにしました。

 なお、あとで気がついたのですが、この店は正規店ではなく、サブディーラーでした。セールスさんの対応がよくなかったこともあって、これ以上の商談はやめることにしました。

【7月21日(金)】 夫が仕事を早めに切り上げて帰宅。二人で日産A店へ出向きました。

 デイズに試乗。ターボなしでもそれほどストレスは感じません。セールスさんはとても感じのいい人で、いきなり好条件を提示してくれました。

▼デイズ 車両本体/付属品の値引き合計18万2470円

【7月22日(土)】 午前中、ホンダA店へ。夫は人生初のマイカーがホンダ車だったため愛着があるらしい。私は初ホンダです。

 N-WGNの見積もりを出してもらうと、総額は177万円を超えました。

「最近は軽自動車っていってもかなり高くなりますね」

「私は駆け引きする気はありません。値引き額はスパっと出しますよ」

 しかし、いっこうに値引きを提示してきません。どうやら「決めるといわなければ、はっきりした数字を提示しない」という売り方のようです。

 お昼を食べて、自分たちの充電を完了。日産B店へ。さっきのA店とは経営の違うお店です。じつは23年前のX氏のときにも商談しましたが、セールスさんのノリがいまひとつで、結局、別の日産でセレナを購入しています。今回は果たして……。

 応対してくれたのは色白の肌のキレイなお兄さんで、とてもやさしい。この人から買ってもいいかなーの雰囲気です。

 デイズの値引きなしの総額は149万円と出ました。

「値引き、どれくらい頑張ってもらえますか?」

「逆に、ご希望の数字をおっしゃっていただけますか?」

「他社は20万円くらい引いてくれそうですよ」

「……ということは、支払い総額130万円ですね。上に掛け合ってきます」

 しばらくして戻ってきました。

「137万円が限界です。これ以上出すと赤字になってしまいます」

▼デイズ 車両本体/付属品の値引き合計12万2000円


熱く売り込むのはおせっかい? 残り1台……焦ったら負けです

【7月23日(日)】 今日は県境を越えて日産C店へ。23年前、セレナを購入したお店です。そのときの担当セールスさんはすでにいませんが、整備士さんたちがとても親切で面倒な頼みも嫌な顔せずに引き受けてくれるので、今でも大事にお付き合いをしています。

 接客してくれたのは女性セールスさん。つけ爪が石つきでキレイ。派手過ぎず品がある感じ。話をしてみると、とてもしっかりしています。

「デイズをお値打ちに買いたいと思っているんですよ、モデルチェンジ前なので、大幅な値引きを期待してきました」

「いくらなら買っていただけますか?」

「見積もりの総額は150万円と出ていますよね。ここから25万円くらい引いてもらえれば本気で考えますよ」

「少々お待ちください」

 いったん奥に引っ込んで、しばらくして戻ってきました。

「上司に相談したんですが、ご希望の数字にすると赤字になってしまいます。目一杯やって11万円引きです」

▼デイズ 車両本体/付属品の値引き合計11万円

「Xさん(在庫表を開いて)これは本来お客様に見せるものではないんですが、ご希望の赤は残り1台です。すぐに決めないと売れてしまいますよ」

「在庫が多く残っているシルバーを選べば、もっと値引きが出せますか?」

「色を変えても同じです。11万円が限界なんです」

 う~ん……モデル末期にしてはお値打ち感がありません。

 在庫がなくなるかもしれませんが、焦って買うことはしたくありません。まだまだじっくりクルマ選びを続けます。

 帰りに美味しいイタリアンランチを食べて充電、完了(笑)。

【7月29日(土)】 午前中、夫がひとりでマツダへ。ハスラーとの競合を伝えて「お盆前には決めたいのでギリギリのところで見積もりを出してもらえませんか?」と迫ったそうです。

▼フレアクロスオーバー 車両本体/付属品の値引き合計15万7530円

「付属品を増やせば、もっと上乗せは可能ですよね」

「はい、どんどんサービスできますよ」

 夫いわく「手ごたえあり!」。

 午後からふたりでダイハツに出向いて2回目の商談。前回のタフトの値引きは約4万2000円。夫がハスラーとの競合を伝えて揺さぶりをかけましたが、セールスさんはのってきません。結局、タフトは値引き約4万2000円で終了です。

【7月30日(日)】 スズキA店へ。

 本命のハスラーに試乗。とてもいい感じ! 夫も気に入った様子です。毎日乗るなら、このハスラーのように気持ちが上がるクルマがいいですね。後ろの荷物入れがプラスチックなので安普請という感じがしますが、土のついた農具を乗せても拭き取れるので便利かな(趣味は農業/園芸です)。また、色は赤よりベージュツートーンのほうがオシャレに見えてきて、こちらに傾いてきました。

 セールスさんは若いまじめそうな女性で、メカの話にもきちんと答えてくれます。

▼ハスラー 車両本体/付属品の値引き合計11万8272円

 値引き条件はほどほどですが、特別仕様車なのでお買い得感があります。支払い総額は160万円となっていました。

 昼食後、先週訪れたホンダA店へ。前回、セールスさんは「駆け引きはしない。スパっといく」っていっていたけど、今回は「いくらなら買ってもらえますか?」と探りを入れてきました。

「20万円ですね」

「N-WGNから20はとても無理です。ギリギリ二桁(10万円)です」

▼N-WGN 車両本体/付属品の値引き合計10万円

 あれ? 駆け引きなしでスパッとはいきませんね。

 続いてマツダへ。先日、夫がひとりで商談したお店です。対象はハスラーのそっくりさんフレアクロスオーバーで、前回の条件は約16万円引きと頑張ってくれています。夫は「まだまだいけそうだ。本気で商談したらドカンと安くしてくれる」と熱く語っています。

 セールスさんはマスクで顔半分が見えないけど、光が当たると黒目が茶色に見えて、目がキレイ。きっとイケメン!?

▼フレアクロスオーバー 車両本体/付属品の値引き合計18万7530円

 値引き額はスズキより大きくなっていますが、ハスラーはお買い得な特別仕様車なので、装備・仕様の違いから支払い総額はマツダのほうが逆に2万円ほど高くなっています。

 隣県に越境してスズキB店へ。担当は若い、ころっとした、かわいらしい男性です。

「他店とも商談しています。お盆前には決めたいのでギリギリを出してください」

▼ハスラー 車両本体/付属品の値引き合計9万6000円

 支払い総額はスズキA店とほぼ同レベルの161万円。ハスラーには“160の壁”が立ちはだかっています。

 近くのホンダB店にも寄ってみました。店長さんが応対してくれたので、夫がこれまでの経過を伝えると、

▼N-WGN 車両本体/付属品の値引き合計15万円

 さすが店長さん、本社に掛け合ってギリギリの数字を出してくれました。気持ちが傾きましたが、態度を保留。


“160万円の壁”に挑め! 印鑑を武器に仕掛けたが……

【8月5日(土)】 1週間、じっくり考えた結果、狙いをハスラーもしくはフレアクロスオーバーに絞り込みました。

 まずはスズキA店へ。前回の条件は約12万円引きで、支払い総額は160万円でした。

「そろそろ決めたいと思っています。ギリギリの数字を出してください」

「上司に相談したんですが、JスタイルⅡは特別仕様車なので値引きはほとんどできないんです。前回の160万円がギリギリ限界です」

 まさかの上乗せなし……。
 特別仕様車は通常、5万円引き程度で売っているようです。
 次はマツダです。

 ここで問題が発生。クルマいじりの好きな夫が「もしもフレアクロスオーバーを買ったらナビの配線図を渡してもらえますよね」と訊ねました。スズキではOKをもらっていたので念のための確認です。

 ところがどっこい「配線図はお渡しできません」。

 えーっ! 理由を訊くと「マツダ車は基本的にメンテナンスをディーラーに任せてもらう。お客様には触らせない」という決まりらしい。マツダに傾いていた夫は意気消沈……値引き交渉にも熱が入らなくなったようでひとまず退散しました。

 我が家に戻って家族会議。

 夫は“配線図”問題で冷や水をかけられてしまいましたが、まだ「最後の商談でハスラーより10万円くらい安くさせてフレアクロスオーバーに決めよう」という気持ちが残っています。一方、私は「ハスラーって名前は魅力的で気持ちが上がる。ベージュツートーンがよく似合う、おしゃれな雰囲気も好き」と思っています。

 夫婦で堂々巡りをしていたら、今回のクルマ選びに関わっている二男がひょっこり帰省してきました。

 そこで、意見を訊くと、

二男「フレアクロスオーバーって、どこのクルマ? えっ、マツダで売ってる、ハスラーのそっくりさんかあ……10万円くらいの違いなら本物を選んだほうがいいんじゃね? 軽自動車なら、やっぱりスズキだよ。ブランド力のあるほうを選ぶべきじゃね? 売るときの値段にも差が出るんじゃね?」

 さすがメルカリの達人、クルマに興味がなくても的確なことをいいます。夫はこれに背中を押されたようで「目が覚めた、吹っ切れた。よし、ハスラーでいこう!」


【8月6日(日)】 スズキB店へ。ここは隣県の販売店ですが、県内店より我が家に近くて便利です。夫は「この店には整備ピットが5つあり、整備スタッフが7人もいる。客のクルマを屋根付き車庫に入れているのも評価できる」といっています。たしかに「お客様ファースト」で「アフターサービスは万全」という感じがします。夫婦の意見は「いい条件が出たらここで買おう!」で一致しました。

 店に着くと、夫は「ハスラーをもう一回見せてください」といって、最後のチェック。担当セールスさんそっちのけで、あちこち調べまくっています。ちと恥ずかしい。

 商談の席につくと、今度は質問攻め。セールスさんもハスラーのオーナーとのことで、カタログではわからない、細かいことまでしっかり教えてくれました。夫も「ふむふむ」と納得しています。

「ほかのスズキもいい値段を出してくれていますが、セールスさんの人柄やお店の姿勢、雰囲気を考えると、正直、こちらで買いたいと思っています。だから、もうひと頑張りしてください」

 しかし、提示してきた条件はスズキA店と同じ支払い総額160万円です。

「158万円なら決めます。ほら、こうして印鑑も用意してきました」

「上に相談させてください」(しばらくして戻ってきて、小さな細い声で)「すみません、もう限界なんです」

「ちょっと夫と相談させてください」

 セールスさんが席を外したところで、さして必要性を感じないトレーマットなど約1万8000円分の付属品を外し、かわりにETC(セットアップ料を含めて約2万5000円)を追加することにしました。これで、再度見積もりを依頼します。

 最終的な条件は、車両本体値引き8万7070円、付属品(3万8940円)値引き3万3000円で、支払い総額は160万7040円。

 セールスさんの困り果てた表情を見ると、これ以上迫ることはできません。来店前にもっと慎重に検討し、最終交渉に臨めば160万円になったかも……と思いつつ契約しました。

 その夜、夫が「契約祝いだ。ビールを飲むぞ!」といったとたんに携帯が鳴る。今日からインドネシアに遊びに行く三男からでした。「電車を乗り間違えて、飛行機に乗れんかった~」。

「え~っ!」疲れ果てていた私たちは強烈なとどめを刺されてしまいました(安心してください。翌日、航空券を買い直し無事出国できました)。

 なお、購入したハスラーは、今のところ私が使う予定ですが、二男のことだけに、駐車場に入れておいたハスラーが突然、ノートに入れ替わっている日が来る予感も……。

購入データ
SUZUKI ハスラー
JスタイルⅡ
From愛知県
トータル値引き 12.0万円
値引き採点 5
車両本体と付属品(3万8940円)から合計約12万円引き(値引き率7.2%)。割安な価格設定の特別仕様車で車庫証明/納車費用はカット、付属品は必要最小限を評価して特上クラスと判定した。


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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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