中古車購入チェックポイント
更新日:2020.04.08 / 掲載日:2016.03.18
マツダ アテンザ セダン(2015年1月~) 中古車購入チェックポイント
マツダ アテンザ セダン (2015年1月~)中古車購入チェックポイント
参考車両:25S L パッケージ(DBA-GJ5FP)
初度登録:2015年1月
追加装備:〈メーカーオプション〉DVDプレーヤー+TVチューナー〈ディーラーオプション〉ナビゲーション用SDカードPLUS
■全体のチェックポイント
2012年11月に発売した3代目[GJ型]が、2015年1月に大幅改良したモデル。「アテンザ」は、先進技術を採り入れたマツダの最上級車で、快適装備も充実しているが、「L パッケージ」は安全装備を満載しているのも注目ポイント。車体まわり・室内・装備の状態はもちろん、走行関連機能や運転支援機能の具合も要チェック。
走行機能や運転支援機能に及ぶ影響にも注意する
1.外見の様子から探っていく
1.外見の様子から探っていく
まずは、外装に異常がないか車体まわりを観察する。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどをチェック。細部では、先端部やフロントガラスの飛び石傷にも注意する。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部、グリル、フォグランプカバーなどに損傷がないか見て、ずれていないか立て付けもチェック。下側にあるタイヤディフレクター(空気整流板)の破損などにも注意。フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、奥のタイヤハウス内、内側のフェンダーライナー(泥よけカバー)などもチェック。
3.関連部の状態もチェック
3.関連部の状態もチェック
ドアは、外面だけでなく、内側(特にパネル接合部)も修理跡などがないか見る。ドアを外して修理/交換していないかヒンジ部をチェック。ドアキャッチ(ロックの受け金具)やピラー(柱)など、車体側も異常がないか調べる。
4.車体の内側も調べる
ボンネットは、内側やヒンジ部もチェック。フェンダーは、カバーがあるが、エンジンルーム側に腐食(錆)や修理跡がないか見て、固定状態も調べる。同時に、車体パネルもチェック。最前部にあるシュラウド(ラジエターサポート)および関連部品なども、要チェック。
5.後部のチェック
後面も、バンパー、トランクリッド、コンビネーションランプ、フェンダーなどをチェック。下側のマフラーなどの損傷にも注意。
トランクリッドは、開閉具合をチェックし、内側や取り付け状態もチェック。開口部も、溶接やシーラー、塗装の異常に注意しながら修理/交換跡などがないかチェック。フェンダーやピラーなど関連部のほか、後方から強い衝撃を受けると波及することがあるルーフも、歪みや波打ちなどがないか見る。
6.下側にチェックポイント
車体側面下部は、サイドシル(車体の梁)に被せているサイドスカートに傷や破損などがないかチェック。重要なのは、サイドシルのほうだ。下側を覗いて、損傷、腐食、修理/交換跡などがないか必ずチェック。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)もチェック。
7.損傷の程度も確かめる
ドア開口部は、乗り降りによる傷や簡易補修跡などにも注意しながらチェック。マスキング跡があれば、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確認。
左リアフェンダーは、フューエルリッドおよび給油口周辺も、修理跡などがないかチェック。
8.タイヤとホイールをチェック
8.タイヤとホイールをチェック
タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷や割れ、欠けなどがないかチェック。異常摩耗を起こしていれば、サスペンション不良のほか、車体が歪んでいる疑いもあるので要注意。
アルミホイールは、塗装の傷みや剥げ、リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意しながらチェックする。
9.床下も覗いてチェック
9.床下も覗いてチェック
車体パネルや補強部材、カバーなど車体部品。マフラーやサスペンションなどの機能部品類も、傷、歪み、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、広がり範囲と腐食の進行状態を調べる。
★損傷の有無と修理・交換歴を確認
「アテンザ セダン」は、マツダの新世代[SKYACTIV]技術を全面的に採用した4ドアセダン。2015年1月の改良でシグネチャーLEDランプ付のLEDヘッドランプ/LEDリアコンビネーションランプを採用。フロントLEDフォグランプ、LEDウインカー付電動格納式ドアミラー、[SCBS F *1]&[AT誤発進抑制制御 *2]、バックカメラ(ナンバープレート上側)などを全車標準装備。
25S/XD「L パッケージ」は、フロントLEDシグネチャーウイングイルミネーションや19インチ高輝度塗装アルミホイールを標準装備。フロントガラス上部にフォワードセンシングカメラ([ALH *3][LAS *4][LDWS *5][DAA *6][SBS *7]共用)、フロントエンブレム裏側にミリ波レーダーセンサー([SBS *7][MRCC *8][DRSS *9]共用)、フロントガラス上部に近赤外線レーザーレーダーセンサー([SCBS F *1][AT誤発進抑制制御 *2][SBS *7]共用)、リアバンパー内側左右にレーダーセンサー([BSM *10][RCTA *11]共用)、リアバンパーに超音波センサー([SCBS R *12][AT 誤発進抑制制御 *13])とリアパーキングセンサーが付いている。
車体まわりは、衝撃吸収構造などにも注意したいところだが、外装だけでなく、走行機能にダメージがないか確認したい。車体の骨格部を事故修理しているのは修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換している個所がないか販売店に聞いてみよう。
*1:[SCBS F]スマートシティブレーキサポート前進時
*2:[AT誤発進抑制制御]前進時(AT車)
*3:[ALH]アダプティブLEDヘッドライト
*4:[LAS]レーンキープアシストシステム
*5:[LDWS]車線逸脱警報システム
*6:[DAA]ドライバーアテンションアラート
*7:[SBS]スマートブレーキサポート
*8:[MRCC]マツダレーダークルーズコントロール
*9:[DRSS]車間認知支援システム
*10:[BSM]ブラインドスポットモニタリング
*11:[RCTA]リアクロストラフィックアラート
*12:[SCBS・R]スマートシティブレーキサポート後退時
*13:[AT誤発進抑制制御]後退時
★足まわりの状態にも注意
タイヤ/ホイールに異常があると、ハンドルに振動が出たり、直進性が悪くなる。走行安定制御システムなどが正常に作動しないことがある。事故による衝撃だけでなく、縁石に強くぶつけたりしても、車両の安定性を損なう。いずれにしても、サスペンション、ステアリング、ブレーキなどは密接な関係があることにも注意したい。
室内の状態と装備機器の機能動作をチェックする
1.隅まで細かくチェック
室内は、汚れや傷、損壊などがないかチェック。ボックスやポケットなどは内部も見る。シート表皮の染み、破れ、穴。本革部分の擦れ、剥げ。内装パネルの傷、浮き。ボックスリッドやエアコン吹き出し口などの可動部破損などにも注意しながらチェック。
後席も、アームレストの出し入れや6:4分割シートバックの折り畳みなども試しながら、シートからドア、床、天井までチェック。トランク内も、傷みなどがないか見る。
2.追加装備の機能も確認
ヘッドライト、ウインカー、ワイパー、ミラー、テール/ブレーキランプなど保安装置。パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど基本的な装備。キーレスエントリーの機能とドア/トランクリッドの解錠・施錠具合などをチェック。
フルオートエアコンの調整・設定、[マツダ コネクト]の通信、ラジオ・CD・ハンズフリーフォン・機器接続なども、各機能およびスイッチ操作機能などの具合をチェック。「L パッケージ」は、パワーシートやシートヒーター、サウンドシステムなどもチェック。参考車両は、オプションで追加しているAV機能やナビ機能も正常か確認したい。
★細部の具合は販売店で点検
センターディスプレイ&コマンダーコントロール・[マツダ コネクト]インターネット接続機能、AM/FM・CD・ハンズフリー・Bluetooth・外部接続ハブ(USB端子/AUXミニジャック/ナビゲーション用SDカード専用スロット)・バックガイドモニター、ステアリングオーディオスイッチ、運転席/助手席独立調整フルオートエアコン+リアベンチレーター(風向調整式)、アドバンストキーレスエントリーシステムなどは全車標準装備。25S/XD「L パッケージ」は、運転席(シートメモリー機能付)/助手席パワーシート、運転席/助手席/後席シートヒーター、Boseサウンドシステム+11スピーカー、合成皮革ニーレストパッド、パーフォレーションレザーシート地(背もたれ前面/シート座面/サイドサポート部内側が本革)などを標準装備。参考車両は、メーカーオプションのDVDプレーヤー+地デジTVチューナーを装備。ディーラーオプションのナビゲーション用SDカードも追加しているのでナビ機能が使える。
いずれにしても、チェックする現車のグレードと装備内容を販売店でまず確認。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、細かいところは販売店で調べてもらおう。特に電装機器に異常がないか注意したい。
走行機能と運転支援システムの具合を必ず確認
1.エンジンをかけてみる
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、アドバンストキーレスエントリーシステムおよびプッシュボタンスタートシステムの機能を確認。表示灯・警告灯、メーター・インジケーター・ディスプレイなどの表示も見る。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転支援機能もチェック
マニュアルモード付6速ATは、各レンジへのシフト具合をチェック。可能なら、走行時のオートマチック動作やシフト制御、マニュアルモードのシフト具合と各ギヤの制御具合もチェック。
アイドリングストップのエンジン自動停止・再始動・作動停止[i-stop OFF]、減速エネルギー回生i-EROOP、車両安定制御[DSC&TCS]の作動・停止[DSC OFF]、上り坂発進補助[HLA]などの作動具合もチェック。
「L パッケージ」は、多数搭載している運転支援システムや衝突回避システムなど安全装備の機能もすべて正常か確認したい。
とはいっても、異常や故障などを判断するのはまず無理。販売店で厳密に点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう
「25S」は、2.5L[PY-VPR型]エンジン、アイドリングストップ[i-stop]、減速エネルギー回生[i-ELOOP]などを搭載。AT車は、マニュアルモード付6速AT(ブリッピング制御・キックダウンスイッチ・自動シフトポイントコントロール)+ステアリングシフトスイッチ(Dレンジ時ダイレクトモード)などを装備。電動パーキングブレーキ[EPB]、ヒルローンチアシスト[HLA]、[EBD]付[4W-ABS]+ブレーキアシスト、電動パワーステアリング、横滑り防止[DSC]&駆動輪空転防止[TCS]、[SCBS・F *1]&[AT誤発進抑制制御*2]、アクティブドライビングディスプレイ、インテリジェントドライブマスター[i-DM]、アドバンストキーレスエントリーシステム&プッシュボタンスタートシステム+エンジンイモビライザーなどは全車に標準装備。「L パッケージ」は、運転支援・衝突回避システム(注記*3~*13)なども標準装備している。
各機構の構造などはともかく、それぞれの機能に異常がないか確認したい。とりあえずエンジンルームの様子だけでも見て、走行関連各部の詳しい整備状況は販売店に聞いて確認。車両の購入を決めるなら、走行に関わる部分をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●フルモデルチェンジして2012年11月に発売した3代目「アテンザ(GJ型)」シリーズ。「セダン」と「ワゴン」の基本的な仕様装備設定は、ほぼ共通。ガソリンエンジン車の2.0L[G2.0]「20S」と2.5L[G2.5]「25S」はマニュアルモード付6速AT(6AT-M)、ディーゼルエンジン車の2.2L[D2.2]「XD」は6AT-Mと6速MT、全車に2WD(FF前輪駆動)を設定。2013年11月に装備設定を一部変更。G2.5搭載車の燃費を向上。
●2015年1月に大幅改良し、仕様装備を一部変更。D2.2搭載車に4WDを新設。電動パーキングブレーキやインターネット接続機能[マツダコネクト]などを全車に装備。機能を向上した運転支援装備を採用(グレード別設定)している。
センターディスプレイ&コマンダーコントロール、AM/FM・CD・Bluetooth・バックカメラ、ステアリングオーディオスイッチ、前進時スマートシティブレーキサポート[SCBS F]&AT誤発進抑制制御(MT車はSCBS Fのみ)などを全車標準装備。
「セダン」の「20S/XD」は、クルーズコントロール、アダプティブフロントライティングシステム、17インチアルミホイール(AT車)、19インチアルミホイール(XD MT車)などを標準装備したスタンダードタイプ。「プロアクティブ」は、アダプティブLEDヘッドライト、レーンキープアシストシステム&車線逸脱警報システム、ブラインドスポットモニタリング&リアクロストラフィックアラートを追加装備。「L パッケージ」は、プロアクティブの運転支援機能に加えて、後退時スマートシティブレーキサポート、スマートブレーキサポート&マツダレーダークルーズコントロール、ドライバーアテンションアラート、リアパーキングセンサーなども装着。フロントLEDシグネチャーウイングイルミネーション、運転席/助手席パワーシート、運転席/助手席/後席シートヒーター、19インチ高輝度塗装アルミホイールなどを標準装備している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
20S | DBA-GJEFP | 6AT-M | FF |
20S プロアクティブ | DBA-GJEFP | 6AT-M | FF |
25S L パッケージ | DBA-GJ5FP | 6AT-M | FF |
XD | LDA-GJ2FP | 6AT-M・6MT | FF |
LDA-GJ2AP | 6AT-M・6MT | 4WD | |
XD プロアクティブ | LDA-GJ2FP | 6AT-M・6MT | FF |
LDA-GJ2AP | 6AT-M・6MT | 4WD | |
XD L パッケージ | LDA-GJ2FP | 6AT-M・6MT | FF |
LDA-GJ2AP | 6AT-M・6MT | 4WD |