ホンダフィットハイブリッドの概要と歴史をまとめてみた

フィットハイブリッド ＧＰ１～４系は、ベースとなるガソリンエンジンを搭載する2代目「フィット」をベースに開発され、2010年10月のマイナーチェンジに併せて誕生しました。

ガソリンエンジンを搭載するベースとなる「フィット」とは外観上の差別化がはかられています。クリアブルー塗装やメッキ加飾を施したフロントグリルやヘッドランプ＆リヤコンビネーションランプ、リヤライセンスガーニッシュなど、より先進的でクリーンなイメージを強調する専用デザインが採用され、空力特性を配慮したフルホイールキャップなどの装備が特徴です。

立体的で力強いフロントバンパー、2本のキャラクターラインが走るスポーティなボンネットフードが特徴のフロントマスク、踏ん張り感のある前後のフェンダーとのびやかで躍動感のあるキャラクターラインが走るサイドビュー、クリアレンズを採用したリヤコンビネーションランプや厚みのあるメッキ加飾のリヤガーニッシュを持つ、モダンなリヤビューなど、初代フィットのボディフォルムを踏襲しながら、より洗練された質感の高いエクステリアデザインを採用しています。

室内空間は初代モデルからさらに高効率ユーティリティスペースを推し進めた、ホンダ独自のクルマづくりの基本思想である「M・M思想（マン・マキシマム／メカ・ミニマム）」をコンセプトにデザインされました。

ハイブリッドシステム用バッテリーやモーターなどを荷室下へ収納するとともに、ガソリンタンクをシート下に配置する「センタータンクレイアウト」やワンアクションで簡単に操作可能な後席ウルトラシートのなどの採用と相まって、大人5人が快適に移動できる広々とした室内空間を実現しています。

奥行きのある低く構えた2トーンのスラントした圧迫感のないインストルメントパネルの意匠や視認性の高い機能的なスイッチやエアコン表示に加え、ハイブリッド専用のエコアシスト表示機能のついたブルー照明3眼メーターなど、モダンで洗練されたインテリアデザインを採り入れています。

大きなガラスエリア、視界性を高める三角窓やドアミラーの取付け位置の工夫などに加え、身体を優しく包み込む上質なシートからのボディの見切りも良く、コンパクトなボディサイズを活かした、運転のしやすい快適なドライビング環境を提供しています。

搭載するパワートレインはホンダ独自のハイブリッドシステム「IMA（インテグレーテッド・モーター・アシスト）」に、i-VTEC機構付1.3L直列4気筒エンジンもしくはi-VTEC機構付1.5L直列4気筒エンジンが用意され高伝達効率、CVTとの組み合わせになります。

1.5Lエンジンには、よりダイレクトでトルクバンドを積極的に使ったスポーティドライブを提供する6速マニュアルトランスミッションが用意され、CVTも7スピードモード・パドルシフト付となります。

車の横滑りなどを予防し挙動を安定させる「VSA（車両挙動安定化制御システム）」や制動性を高め、万一の際の衝突回避性能を向上させる「EBD（電子制御制動力配分システム）付ABS」、ディスチャージヘッドライトなどのアクティブセーフティ装備、頚部衝撃緩和フロントシートや運転席用＆助手席用SRSエアバッグシステム+前席用i-サイドエアバッグシステム（助手席乗員姿勢検知機能付）+サイドカーテンエアバッグシステム（前席/後席対応）などの「パッシブセーフティ装備」が設定され、高い安全性能を備えています。

ボディタイプ：ハッチバック
乗車定員：5名
駆動方式：FF
ボディサイズ：3900×1695×1525mm（全長×全幅×全高）
室内サイズ：1825×1415×1290mm（室内長×室内幅×室内高）
タイヤサイズ：（前）175/65R15 84S（後）175/65R15 84S
エンジンタイプ：LDA型　水冷直列4気筒SOHC16バルブ+モーター
排気量：1339cc
最高出力：88ps(65kW)/5800rpm
最大トルク：12.3kg・m(121N・m)/4500rpm
使用燃料：無鉛レギュラーガソリン
JC08モード燃費：26.0km/リットル
車両重量：1130kg
価格：1,590,000円
自動車税：年間34,500円 ※

※自動車税は2018年2月時点で参照したものとなります。

■初代 ホンダ フィットハイブリッド GP1/4系の主なグレード・オプション・カラーバリエーション

・主なグレード
「ハイブリッド」「ハイブリッド・スマートセレクション」「ハイブリッド・ナビプレミアムセレクション」。

・主なオプション
前席用i-サイドエアバッグシステム（助手席乗員姿勢検知機能付）+サイドカーテンエアバッグシステム（前席/後席対応）、ディスチャージヘッドライト（HID、ハイ/ロービーム、オートレベリング/オートライトコントロール機構付）、Hondaスマートキー、本革シート＆インテリア、本革巻CVT/AT セレクトレバー/MTシフトノブ、運転席＆助手席シートヒーター、Hondaインターナビ＋リンクアップフリー、15インチアルミホイールなど。

・カラーバリエーション
クリスタルブラック・パール、フレッシュライム・メタリック、プレミアムディープモカ・パール、プレミアムイエロー・パールII、ピュアブルー・メタリック、アラバスターシルバー・メタリック、ミラノレッド、アズールブルー・メタリック、プレミアムホワイト・パールなど。
（発売時期・グレードにより異なります）

フィットハイブリッド ＧＰ５～系は、より世界のコンパクトカーのベンチマークとして確固たるポジションを築くことを目標に掲げ、2013年9月に誕生しました。

5ナンバーサイズの扱いやすいボディサイズ・広々とした室内空間・環境に配慮した優れた燃費性能・洗練されたボディスタイルなど、先代モデルまでのフィットの優れた特徴を踏襲しつつ、パワートレインやボディなどクルマの根幹となる基本コンポーネンツを完全に新設計しています。

ホンダの新たなデザインコンセプト「EXCITING H DESIGN!!! （エキサイティング H デザイン!!!）」を具現化し、驚きのあるホンダらしいダイナミックで人々を惹きつける先進的なボディデザインを採用しています。

先代モデルのフロントマスクからリヤフールエンドまでのびた軽快なワンモーションフォルムを受け継ぎながら、クロスフェードモノフォルムエクステリアデザインを実現しました。5ナンバーの限られたサイズの中にも踏ん張りの効いたワイド＆ローを強調する安定感・躍動感を融合させたスポーティでパワフルなボディフォルムが特徴です。

レーシング車用をイメージさせる大きな開口部を持つウイング形状の大胆なフロントバンパー、ホンダの新しいフロントデザインアイデンティティである「ソリッド・ウイング・フェース」を採り入れた未来的なフロントグリルと一体化したヘッドランプを持つ、個性的なフロントマスクです。

ソリッドで張りのある硬質な面構成の中にも、彫りの深い立体的なキャラクターラインが躍動感あるサイドビューを演出しています。

ボリュームのあるリヤフェンダーから一体となったリヤセクションは、サイドのキャラクターラインから続く鋭角で個性的なリヤコンビネーションランプやクロームメッキ仕上げの施されたリヤライセンスガーニッシュをはじめ、専用形状のテールゲートスポイラーやフロントバンパーと共通した左右に大きな開口部を持つリヤバンパーなど、エモーショナルで先進的な意匠を採用しています。

先代モデル同様に「センタータンクレイアウト」を採用した、開放感のある広々とした快適な室内空間はそのままに、ロングドライブでも疲れの少ない骨格のしっかりした、素材にこだわり丁寧な作込みにより優れた掛け心地を提供するシートを採用しています。

センターパネルをドライバー側へ傾け、機能性や操作性を重視したコックピットデザインなど、上質で洗練された居心地の良いインテリアデザインが特徴です。

また、スマートフォンのような直感的な操作を実現した、ナビゲーションシステムやエアコン操作パネルに静電式タッチパネルを採用するなど、フラッシュサーフェス化を徹底的に施すことで、シンプルながら未来的でソフィスティケートされたモダンな意匠を採り入れています。

さらにリヤサスペンションの構造変更や新シャシーの採用により、リヤシートが後方寄りに移動し、ホイールベース長の拡大と相まって、足元スペースや前席とのタンデムディスタンスに大きな余裕が生まれ、より後席の居住性が向上しています。

搭載するパワートレインは一新され、アトキンソンサイクルi-VTEC機構付 1.5L直列4気筒DOHCエンジンに高出力モーターと7速DCT（Dual Clutch Transmission：デュアルクラッチトランスミッション）、高性能リチウムイオンバッテリーを組み合わさっています。

新開発プラットフォームの採用によるボディの軽量化やハイブリッドシステムの高効率化により、先代モデルと比較して、大幅な燃費性能の向上がはかられています。

また、走行状態に応じてモーターのみで走行する「EVドライブ」、エンジンへの負荷の少ない高速道路を一定のスピードでクルーズする際の「エンジンドライブ」、追い越しや登坂道の走行やスポーティドライブなどより出力を必要とした際にエンジンをモーターが力強くアシストする「ハイブリッドドライブ」の3つのドライブモードから最も効率の良いもモードを自動選択し、経済性の高いスポーティドライブを提供します。

電動サーボブレーキの採用により、より効率的な減速エネルギー回生を実現し、より一層の燃費向上に寄与しています。

サスペンションはジオメトリーの変更や剛性強化、ダンパー特性の最適化により、ロールを抑えた優れたハンドリング性能と快適な乗り心地を両立しています。

2代目モデルでは、新たに高い走行安定性と経済性を提供するフルタイム4WDがラインナップされています。

ミリ波レーダーと単眼カメラで車の前方を監視し、衝突軽減ブレーキや車線維持システムなど8つの先進機能からなる先進運転支援システム「Honda SENSING」の設定をはじめ、先進の予防安全技術である車両挙動安定化制御システム「VSA（車両挙動安定化制御システム）」やヒルスタートアシスト機能、急ブレーキ時に後続車へ注意を促す「エマージェンシーストップシグナル」の標準装備など、高い安全性能を備えています。

ボディタイプ：ハッチバック
乗車定員：5名
駆動方式：FF
ボディサイズ：3955×1695×1525mm（全長×全幅×全高）
室内サイズ：1935×1450×1280mm（室内長×室内幅×室内高）
タイヤサイズ：（前）185/60R15 84H（後）185/60R15 84H
エンジンタイプ：LEB型　水冷直列4気筒DOHC16バルブ+モーター
排気量：1496cc
最高出力：110ps(81kW)/6000rpm
最大トルク：13.7kg・m(134N・m)/5000rpm
使用燃料：無鉛レギュラーガソリン
JC08モード燃費：36.4km/リットル
車両重量：1080kg
価格：1,635,000円
自動車税：年間34,500円 ※

※自動車税は2018年2月時点で参照したものとなります。

■2代目 ホンダ フィットハイブリッド GP5/6系の主なグレード・オプション・カラーバリエーション

・主なグレード
「ハイブリッド」「ハイブリッド・Fパッケージ」「ハイブリッド・Lパッケージ」「ハイブリッド・Sパッケージ」。

・主なオプション
LEDヘッドライト（ロービーム、オートレベリング/オートライトコントロール機構付）、あんしんパッケージ（シティブレーキアクティブシステム、前席用i-サイドエアバッグシステム+サイドカーテンエアバッグシステム）、Honda インターナビ＋リンクアップフリー+ETC車載器、ナビ装着用スペシャルパッケージ、電動格納式リモコンカラードドアミラー、高熱線吸収/UVカット機能付プライバシーガラス（リヤドア/リヤクォーター/テールゲート）コンフォートビューパッケージ（親水/ヒーテッドドアミラー、フロントドア撥水ガラス、熱線入りフロントウインドウ）、15インチタイヤ＆アルミホイールなど。

・カラーバリエーション
クリスタルブラック・パール、ミッドナイトブルービーム・メタリック、ルーセブラック・メタリック、アトラクトイエロー・パール、ビビッドスカイブルー・パール、ブリリアントスポーティブルー・メタリック、プレミアムブルーオパール・メタリック、ライトベージュ・メタリック、アラバスターシルバー・メタリック、アトラクトイエロー・パール、ティンテッドシルバー・メタリック、ミラノレッド、プレミアムホワイト・パールIIなど。
（発売時期・グレードにより異なります）

フィットハイブリッドは、世界のスモールカーマーケットを牽引する、ホンダのグローバル戦略車フィットをベースに、ホンダ独自のハイブリッドシステムを搭載する5ドアハッチバックスタイルのハイブリッドモデルです。

ホンダ独自のユニークな「センタータンクレイアウト」の採用やハイブリッド機構を荷室下に配置するなど、フィットの特徴でもある使い勝手の良い広々とした室内はそのままに、ハイブリッドモデルならではの優れた静粛性、低速から胸のすく爽快な加速性を実現し、モーターのみEV発進や先進のアイドリングストップ機構の採用と相まって、優れた省燃費性能を提供する人気のモデルです。

今後もホンダを牽引する走りと経済性のバランスを追求した、スモールカーとして進化が期待されます。