スーザン“グレイス”史子が上から目線評価！？　「グレイス、私に似て優美ですわ」

【本記事は2015年1月にベストカーに掲載された記事となります。】「ホンダさん、強気ですね？」。そう言いたくなるのは、日本では市場が大きくない“5ナンバーサイズセダン”を投入したから。「グレイス」、やってきましたね！ そんなグレイス以上に強気というか、上から目線で物言うと巷で噂される、スーザン“グレイス”史子がゴージャスな香りをプンプン漂わせ、向こうからやってきたぁ～！

♪タラリラ～リラ～♪ 私、スーザン“グレイス”史子。ホンダがフィットベースの肝入りセダンを作ったというんで、山越え谷越えやってきたんだけど、その「GRACE」とやらは、いったいいずこに……？　あらっ、もしかしてコレ？ あまりに周囲に溶け込んじゃっていてぜんぜんわかんなかったわ～。ハイブリッド車なのに、超絶ジミ！ ゴージャスな私には似合うはずがないじゃな～い。しかも編集部のBさんがジャンケンに負けたせいで、一番ジミな色になっちゃって（専用色のゴールドブラウンメタリックと後で知ったけどね）。まぁいいわ、「GRACE」って名前は、なかなかセンスいいもの。私のように、“優美”とか“おもいやり”があるっていう意味でしょ？ ウフフ。

いきなり上から目線でモノを言いまくったけど、このクルマ、よく見れば意外とイイ感じよ。「アッパーミドルセダンの価値観を持つクルマ」として専用設計も多く、お手頃だけど高級車っぽいテイストになっている。まず、ホイールベースをベースのフィットに対し70mm長くし、タイヤを四隅に配置することで、セダンとして堂々としたスタイルに。白いボディカラー限定だけど、真横から見たら「ビーエムかしら？」って見間違えちゃうもの！ 後席も2クラス上のアコードに匹敵する広さで快適。メーターは凹凸を控えた、シンプルで見やすい設計。ホンダ車にありがちなスポーティ過ぎるメーターは勘弁だけど、コレなら許せちゃう。なかでも、グローブボックス上部の革張りには驚いたわ。高級車の本革仕様でよく見かけるようなステッチ仕上げで、うっかり本革だと勘違いしちゃった。それに、一見アルミの削り出し風に見える加飾パネルもなかなか。触れば冷たくないから樹脂ってわかる。だまし絵みたい！？ いいえ～、目の錯覚を利用した立派なデザインよっ！ そのほかにもアッパレな頑張りが随所に。ラゲッジにはこのクラスのハイブリッド車で初のトランクスルーを採用し、ゴルフバッグを入れる時は、そのままリアのバックレストをちょんと突けば倒れるしかけ。しかもフル乗車時でも3つ入っちゃう。お値段以上の価値、あるでしょ。

運転してみると、フィットベースらしいカジュアル感を残しつつも、しっかり安定感もあり、静かで乗り心地もいい。アクセルを踏み込んでみると、加速は想像以上にと～っても穏やか。フィットに比べると40kg重いこともあって、キビキビ感は控えめだけれど、ゆったりとセダンらしい乗り味を楽しみたい、という方にはピッタリじゃないかしら。そんなわけで控えめなキャラはぬぐえないけど、とってもよくできてるの！ 初めは、「イマドキ、5ナンバーのセダンってどうよ？」と思ったけれど、5ナンバーサイズって日本の道にちょうどいいサイズなのよね。都内の一方通行はもちろん、京都や奈良、金沢といった古い街並みを走るのにもラク。それになんだかとっても懐かしい。きっと、昭和の時代に生きた体にしっくりと馴染むサイズ感なんだわ。家族5人で肩を寄せ出かけた楽しい思い出が甦るの。高度成長期よ、カムバーック！ （byアラフォー）。

ハイブリッドなのにあえて、周囲に溶け込むデザインにしたのも、“おもてなし”の表われ。目立つクルマに乗ったら、ちょっとパチンコ屋へ行くのにも、奥さんにこっそりとはいかないものね（ゴージャスな生活を送る私がなぜこんなことを知っているのかしら）。普段の足なら、周囲に溶け込んで、透明人間になれるクルマのほうがありがたいってわけ。駐車場では、毎回見失いそうな控えめ君だけど（笑）、グレイスには一度乗ったら、すっと肌に馴染むような心地よさがあるんじゃないかしら。ちなみにこの服、派手すぎて撮影でしか着たことないのよ。普段は、スッピン＆ジャージの上下で街んなかブラブラしてて。庶民に化けるのも苦労するわ。あぁ～、木枯らしでズラがぶっとんだわっ！！

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