車のエンタメ
更新日:2018.11.14 / 掲載日:2016.04.27
クルマ業界は異種対決が流行中!?

人間ってつくづく「勝負」が好きな生き物だなぁと思う。スポーツもゲームもたいていは勝ち負けを決めるものだし、スポーツ観戦をしているだけでアドレナリンやドーパミンがドバドバ出ちゃうっていう説もあるくらい。
さて、今回ご紹介するのは「クルマ」を主題にした対決、それも異種対決。
まずはジャガー「XJ」とドローンの対決!
舞台は、中国の広東省南部にある珠海国際サーキット。ハリウッド映画のカースタントで活躍するドライバー、マーク・ヒギンスがステアリングを握るXJを、世界大会でチャンピオンに輝いたパイロット、ジェホン・リーが操るドローンが追跡する。コンテナのなかに隠れたり、古い立体駐車場のようなところに入って行ったり……。「執拗に追いかける」という表現がピッタリなドローンはどこか不気味で、アクション映画を観ているような気分になってくる。
最後はサーキットのストレートでXJがぐんぐん加速してドローンを突き放すんだけど、だったら最初から狭いところに逃げないでスピード勝負をすればよかったのでは?なんて思うのは無粋でしょうか。
ジャガーは、昨年の12月には小型のジェットエンジンがついた羽を背負って空を飛ぶ「ジェットマン」ことイブ・ロッシーと対決も公開。
元F1ドライバーのマーティン・ブランドルが駆るXJRは、アルミニウムのボディに550ps/6500rpm、最大トルク69.3kg-m/3500rpmを発生させる5.0L V8スーパーチャージドエンジンと8速ATを搭載しており、最高時速280km/hを記録する。対するイブ・ロッシー氏の「パワーレッド・ウィング」は、カーボンファイバー製のウィングにジェットエンジン「Jet-Cat P200」を4基搭載、最高時速は300km/h。
ホバリングするヘリコプターから、ジェットマンがテイクオフ。砂漠を貫く直線道路をXJRが疾走し、その上空をジェットマンが飛んでいく。高度の差がありすぎてどちらが先にチェッカーフラッグを通過したかはよくわからないのだが、どちらもかなりのハイスピードで迫力は感じられる。
ジェットマンは、2013年初頭にイギリスの自動車情報番組『Top Gear』でもクルマとの対決を行っている。フィンランド出身のラリードライバー、トニ・ガルデマイスターが駆るシュコダのラリーカーと、8マイル(約13km)のコースでの勝負。ラリーカーはアップダウンありダートありのコースを走り、ジェットマンはコースをなぞるように上空を飛ぶ。どちらが先にスタート地点に戻ってくるか……。
ラリーカーとジェットマンが乗ったヘリコプターがスタート地点に並び、スタートの合図と同時に、ラリーカーは走り出し、ヘリコプターは飛び立っていく。スタートが同時なら、ラリーカーがゴールを駆け抜けるのとジェットマンがゴール地点に降り立つのとどちらが早いかで勝負が決まるため、決着もじつにわかりやすい。ラリーカーに同乗した司会者リチャード・ハモンドの絶叫まじりの実況も必見。
最後は、コンテナが積まれた貨物輸送基地らしき場所で行われた、人(パルクール選手) vs ラジコンカー vs メルセデス・ベンツ「C300 クーペ」の異種レース。
パルクールとは、走る、跳ぶ、登るなどあらゆる動作を駆使して、壁や段差、溝など障害をもろともせずに移動していくスポーツで、コンテナにスルスルと登ったりコンテナからコンテナに軽やかに飛び移ったり、超人的な技を繰り出しながらゴールを目指していく。ラジコンは軽さコンパクトさを活かし、スピード感あふれるコーナリングを見せ、狭い隙間を抜けていく。C300 クーペは、土煙をあげながらコンテナの間を走り抜ける。
パルクールの選手も、ラジコンも、C300 クーペも、それぞれに魅せてくれるんだけど、ルールもコースも不明なので、レースと思って見ているとちょっと消化不良気味に。とくにパルクールの選手は「そこ、ふつうに走ったほうが速いんじゃない?」というところが散見されて、技がスゴイだけに残念な気分になってしまった。次作は、もうちょっと設定までつくりこんでほしいなぁ、と期待します!