中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.24 / 掲載日:2016.03.11
日産 エルグランド ハイウェイスター 中古車購入チェックポイント
日産 エルグランド ハイウェイスター (2014年1月~2015年4月) 中古車購入チェックポイント
参考車両:250ハイウェイスター(DBA-TE52)
初度登録:2014年12月
追加装備:〈メーカーオプション〉カーウイングスナビゲーションシステム+CD一体AM/FMラジオ+後席エンターテイメントシステム+アラウンドビューモニター+ナビ協調変速機能+ETCユニット、右側オートスライドドア
■全体のチェックポイント
関連部や走行機能のダメージにも注意してチェック
1.外見の様子から探っていく
1.外見の様子から探っていく
まずは、車体のバランスを見ながら外装に異常がないか観察する。前面は、バンパー、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷にも注意。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部、グリル、フォグランプカバーなどに損傷がないか見て、ずれていないか立て付けも調べる。同時に、ヘッドランプやボンネットなどもチェック。
フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、奥のタイヤハウス内、内側のフェンダーライナー(泥よけカバー)なども、修理跡がないかチェック。
3.関連部も慎重にチェック
3.関連部も慎重にチェック
フロントドアは、外面だけでなく、内側(特に縁のパネル接合部)もチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部も見る。ピラー(柱)やサイドシル(梁)など車体側もチェックする。
4.車体の内側もチェック
ボンネットは、内側やヒンジ部をチェック。フェンダーも、カバーで覆われているが、エンジンルーム側に腐食(錆)や修理跡がないか見て、取り付け状態も調べる。同時に、車体パネルもチェック。最前部で左右に繋がっているラジエターサポートおよび関連部品なども、要チェック。
5.後部のチェック
後面も、バンパー、バックドア、コンビネーションランプ、フェンダーなどをチェック。ルーフスポイラー、ガーニッシュ、ナンバープレート、リフレクターなど付加部品の状態にも注意。
バックドアは、開閉具合とロッドダンパーの効き具合をチェックし、内側やヒンジ部もチェック。開口部も、溶接やシーラー、塗装の異常などに注意しながら修理/交換跡などがないかチェック。
リアフェンダーのレールカバー/レール、ピラー、ルーフなど、関連部の異常にも注意したい。
6.スライド動作にも注意
リアスライドドアは、開閉時のスライド動作やオートクロージャーの具合をチェック。ドアの外側と内側、上・下・側部のブラケット(ドアの支え金具)とローラー、車体側のレール(スライドさせる溝金具)なども異常がないかチェック。オートスライドドアは、電動機構、ワンタッチアンロック、挟み込み防止機能などもチェック。
7.下側に要チェックポイント
ドア下部に装着しているサイドシルプロテクターに損傷や修理跡などがないかチェック。車体側のサイドシル(車体の梁)周辺も、必ずチェック。床下側のパネル接合部にも注意して、損傷、腐食、修理/交換跡などがないか調べる。ステップ部(サイドシルの上側)も、フェンダーやピラーとの接合部あたりにも注意しながらチェックする。
8.タイヤとホイールをチェック
8.タイヤとホイールをチェック
「ハイウェイスター」は、225/55Rタイヤ&18×7.5Jアルミホイールを標準装備。タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび、欠けなどがないか見る。異常摩耗を起こしていれば、サスペンション不良のほか、車体の歪みなどにも要注意。タイヤの状態によっては、車両安定制御VDCなどが正常に作動しなくなることにも注意したい。アルミホイールは、塗装の傷みや剥がれ、リム(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、強い衝撃による歪み(変形)や割れなどにも注意しながらチェックする。
9.床下も覗いてチェック
9.床下も覗いてチェック
車体パネルや補強部材、カバーなど車体部品。マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、歪み、破損、修理/交換跡などがないかチェック。水漏れ、オイルやグリスの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、範囲と腐食状態をチェック。
★損傷や修理/交換歴の有無を確認
「エルグランド」は、3列シート大型ミニバン。2014年1月にマイナーチェンジした車両は、アッパーグリルとロアグリルを一体化した大型フロントグリルを採用した前面が特徴。左側ワンタッチオートスライドドア、スライドドア/バックドアオートクロージャー、AFS(左右照射可変ヘッドライト)、フロントハロゲンフォグランプ、LEDサイドターンランプ付電動格納式ドアミラー、サイドアンダーミラー(左ドアミラー下部)、LED(ブレーキ)リアコンビネーションランプなどを全車標準装備。
「ハイウェイスター」は、LEDポジションランプ付LEDヘッドランプ、専用フロントエアロバンパー/フロントグリル/クロームモール付サイドシルプロテクター、クリアタイプリアコンビネーションランプ、クリアタイプLEDハイマウントストップランプ、18インチ切削光輝アルミホイールなどを装着。
参考車両は、右側スライドドアを追加しているので、両側スライドドア。アラウンドビューモニターも装備しているので、フロントエンブレム下部/左右ドアミラー/リアナンバープレート上側にカメラ、フロント/リアバンパーにコーナーソナー+センターソナーが付いている。
車体の衝撃吸収構造なども注意ポイントといえるが、外装だけでなく、走行機能のダメージにも注意したい。車体の骨格部を事故修理しているのは修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換している箇所がないか販売店に聞いてみよう。
室内の状態と装備機器の機能動作をチェックする
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、内装材に汚れや傷、損壊などがないかチェック。ボックスやトレーなどは、内部も見る。シート表皮の染み、破れ。本革部分の擦れ、剥げ。装飾パネルの割れ、浮き。フック類の破損。ボックスリッドやエアコン吹き出し口、収納式カップホルダーなどの可動部破損にも注意しながらチェック。
2.後部まで念入りに調べる
前席だけでなく、2列目席、3列目席、後部ラゲッジスペースも、シートからドア、床、天井まわりまでチェック。6:4分割セカンドシート(8人乗り)やストラップ式6:4分割可倒サードシートの機能など、シートアレンジも試しながら周辺を丹念にチェックする。
3.電装機器の具合を確認
ヘッドライトやウインカー、ワイパー、ミラー、ブレーキ/バック/テールランプなど保安装置。パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な装備。リモコンエントリーの機能および各ドア解錠・施錠具合などもチェック。
フルオートエアコンは、自動調整や各種調整・設定機能の具合をチェック。2列目席の調整機能もチェックする。
4.追加装備の機能も確認
参考車両は、ナビ・AVや後席エンターテイメントシステムなどを追加している。セットで同時装着した装備内容を確認。ナビ、AV、通信、接続などのほか、ステアリングオーディオスイッチ、ハンズフリーフォン、後席リモコンなど、付随・連携する機能がすべて正常か確認したい。
★細部は販売店で点検してもらう
インテリジェントキー・リモコンエントリー機能(全ドア解錠・施錠、オートスライドドア開閉)、プラズマクラスター(空気清浄機能)搭載フルオートエアコン・運転席/助手席/後席独立温度調整機能+2列目席コントロールスイッチ&ディスプレイ、コミュニケーションミラー(格納式ルームミラー)、セカンド/サードロールサンシェード、助手席オットマン、オーディオレス・6スピーカー、ストラップ式左右独立6:4分割可倒サードシート(スライド・リクライニング・センターアームレスト・センターヘッドレスト付)などを全車標準装備。
参考車両「250 ハイウェイスター 8人乗り」は、本革巻ステアリングホイール&シフトノブ、ネオソフィール(合成皮革)/ジャカード織物シート地、6:4分割セカンドシート(スライド・センターアームレスト・センターヘッドレスト・カップホルダー付)などを標準装備。メーカーセットオプションのカーウイングスナビゲーションシステム+CD一体AM/FMラジオ+後席エンターテイメントシステム+アラウンドビューモニター+ETCユニットも追加装備している。
いずれにしても、チェックする車両の装備内容を販売店でまず確認。装備機器の具合は、とりあえずわかるところだけでもチェックし、どこかに異常がないかは販売店で点検してもらおう。
走行機能のコンディションと整備状況を確認する
1.エンジンをかけてみる
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、インテリジェントキーやプッシュエンジンスイッチの機能を確認。表示灯・警告灯、メーターやディスプレイの表示、警告音などにも注意したい。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.制御機能の具合も確認
6速マニュアルモード付CVTは、各レンジへのシフト具合をチェック。可能なら、走行時の自動無段変速および自動シフト、マニュアルモード+・ーシフト、エコアシスト[ECO]、クルーズコントロールなどの制御と動作具合をチェック。参考車両は、追加装備しているナビ協調変速機能もチェックする。
ブレーキ、ステアリング、サスペンションなどのほか、EBD&ABSやVDC/TCSなどの制御機能も、異常がないか確認したい。
とはいっても、正常かどうか判断するのはまず無理。走行各機能は、販売店で厳密に点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう
★正しく点検・整備してもらう
「250」は、2.5L直列4気筒[QR25DE型]エンジン+CVT-6M(6速マニュアルモード付無段変速機)・[ECO]モードスイッチを搭載。クルーズコントロールVDC(横滑り抑止VDC/空転抑止TCS)・[VDC OFF]スイッチ、EBD&ABS+ブレーキアシスト、電動油圧パワーステアリング、アドバンスドドライブアシストディスプレイ・[ENTER]ステアリングスイッチ、インテリジェントキー&プッシュエンジンスターター+盗難防止エンジンイモビライザーなどは全車に装備。参考車両には、ナビ協調変速機能(カーウイングスナビに付属)もある。
各機構の話はともかく、それぞれの機能に異常がないか確認したい。いちおうエンジンルーム内の様子だけでも見て、走行機構各部の詳しい整備状況は販売店に聞いて確認。車両の購入を決めるなら、走行機能をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、パネル接合部を慎重に調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●フルモデルチェンジして2010年8月に発売した3代目E52型「エルグランド」は、2.5Lエンジン「250」・3.5Lエンジン「350」、全車CVT-6M(6速マニュアルモード付無段変速機)、2WD(FF前輪駆動)・4WD、7人乗り・8人乗りを設定。◇2011年11月:装備設定を一部変更。◇2012年12月:一部改良。仕様装備を一部変更。
●2014年1月にマイナーチェンジ。内外装デザイン・仕様装備・グレード設定を一部変更した。左側オートスライドドア、インテリジェントキー&プッシュエンジンスターター、プラズマクラスター搭載フルオートエアコン、本革巻ステアリングホイール&シフトノブ、オーディオレス、6:4分割可倒サードシートなどを全車標準装備。セカンドシートは、「8人乗り」が6:4分割式ベンチシート、「7人乗り」はコンフォタブルキャプテンシートを装備。「250XG 8人乗り」は、キセノンヘッドランプ、スエード調クロスシート地、16インチアルミホイールなどが標準装備のベーシックタイプ。
「ハイウェイスター」は、LEDポジションランプ付LEDヘッドランプ、専用フロントエアロバンパー&グリル、サイドシルプロテクター、18インチアルミホイールなどを装着。「250 ハイウェイスター」は、合成皮革/ジャカード織物シート地などを標準装備。「350 ハイウェイスター」は、両側オートスライドドアやオートバックドアも標準装備。
250/350 ハイウェイスター「プレミアム」は、本革シート、前席パワーシートなどを標準装備。350は、カーウイングスナビ+後席エンターテイメント+ナビ協調変速機能+アラウンドビューモニター+運転支援機能なども標準装備している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 定員 | 型式 | 駆動 |
250XG | 8 | DBA-TE52 | FF |
DBA-TNE52 | 4WD | ||
250 ハイウェイスター | 7・8 | DBA-TE52 | FF |
DBA-TNE52 | 4WD | ||
250 ハイウェイスター プレミアム | 7 | DBA-TE52 | FF |
DBA-TNE52 | 4WD | ||
350 ハイウェイスター | 7・8 | DBA-PE52 | FF |
DBA-PNE52 | 4WD | ||
350 ハイウェイスター プレミアム | 7 | DBA-PE52 | FF |
DBA-PNE52 | 4WD | ||
●その後、2015年4月に仕様装備およびグレード設定を一部変更している。
※当ページでは、特別仕様車およびオーテック仕様車「ライダー」「VIP」などは省略しています。