中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.29 / 掲載日:2013.12.02
冬のカーライフ読本

今回は、冬のカーライフを快適に満喫するための情報を盛りだくさんでお送りしていこう冬&冬前のメンテ術、快適度が向上するアイテムたちの情報、冬ドライブのレクチャーなど今回の特集を読んで準備をしておけば、この冬を快適に過ごせること間違いなしだ!
冬のカーライフを楽しむための情報を満載してお届け!
まずは冬前や冬の間にやっておきたいメンテ術を紹介。冬のカーライフに不可欠なスタッドレスタイヤについても押さえておいてほしい。冬特有のチェックポイントがある冬のドライブ講座には、モータージャーナリストの竹岡圭さんが登場。そして冬のクルマ探しのターゲットにふさわしい、オススメモデルについても網羅してあるのだ。
Chapter.1 冬&冬前のメンテ術
まずはぜひ愛車に施しておきたいメンテナンスについてチェックしてみよう。むずかしいことは何もないふだんの点検レベルにプラスαで、気づいたことがあれば気軽にショップに依頼してみればいいのだ。もちろん自分でできるならそれもまたよし
ちゃんと準備すれば心配なく冬を過ごせる
「冬のカーライフの準備って言ったって、スタッドレスタイヤに履き替えるだけじゃないの?」と思ってしまったアナタ、そんな人にこそ今回の特集をよ~くチェックしてほしいのだ。スタッドレスタイヤに履き替えるのはもちろんのこと、厳しい寒さや雪などのシビアな気象条件にさらされる冬のカーライフには、じつはさまざまな準備が必要なのだ。
ある日突然雪が降っても困らないためのアイテムや、厳しい寒さのなかでもトラブルに遭わないためにあらかじめ施しておきたいクルマのメンテナンス、複雑な路面状況を見せる冬の路面でも安全に、そして快適に走るためのドライブ術など、冬特有のトラブルを未然に防ぐため、覚えておいてほしいノウハウはいくらでもあるのだ。
今回の特集ではそんな冬対策のための情報をお送りしていこう。まずは冬前に、そして冬になってからも必要なメンテ術をお届けしていく。ただし、メンテ術と言ってもむずかしい作業をDIYでやってほしい、なんて言うつもりはない。いまは、市場にも冬に向けた対策品が多数ラインナップされているので、クルマの状態や自分が住んでいるエリアの降雪量、どの程度の寒さなのかなどを考慮して、必要なアイテムを購入したり、交換が必要なパーツがあればショップに依頼してほしい。要は、みなさんの愛車が冬に対応できるだけの状態にあるかどうかをチェックしてくれればいいというわけだ。
それでは、冬のカーライフを快適にすごすためのノウハウを、とくとご覧になっていただきたい。
Point 1 雪対策
とくに雪に慣れていないエリアに住んでいると対策を怠りがち突然の雪にも慌てないよう、あらかじめ対策をしておきたい。必要なものを揃えておくだけでも、かなり安心できるのだ。
ニーズに併せてタイプも豊富チェーンの用意は確実に!
初雪の翌日、さっそくクルマが動かせなくて会社に行けない、なんてことにならないためにも準備したいのがスノーチェーン。一般的な金属のもの、スパイクを備えたゴム製のもの、布製のものなどさまざまなタイプがあるので、ニーズに合わせて用意しよう。あまりに雪が深い場合などはスタッドレスとチェーンを併用するとより安全だ。

頻繁に降雪エリアに行く予定があるならワイパーも冬用に交換すべし!
頻繁に降雪エリアに行く予定があるならワイパーも冬用に交換すべし!
雪が降っているときは路面状況に注意するのはもちろんのこと、良好な視界を確保することも大切。雪がはげしく降っている場合などは、普通のワイパーだと芯の金属部分やゴムが硬化して正常に作動しないことも。整流効果が高く、なおかつ低温対策されたゴムを使用した冬用のワイパーに交換しておけば、雪のときもしっかり視界を確保できる。
Point 2 冬の寒さ対策
低い外気温が、ほかの季節には見られない不具合を生み出す。でも、ちゃんと対策していれば気を遣うことなくふだんと同じように走れるのだ。
バッテリーは寒さに弱いのが特徴弱っていたらあらかじめ交換を
バッテリーは寒さに弱いのが特徴弱っていたらあらかじめ交換を
クルマのバッテリーは寒さに弱いことを覚えておこう。ふだんの始動時に問題がなくても、冬はバッテリーの不調である日突然エンジンがかからなくなることも珍しくない。クルマにバッテリーメーターがついていればチェックして、弱っているなら本格的な冬になるまえに交換しておこう。メーターがついていなくても、いまは量販店やガソリンスタンドなどで簡単に計測してくれるので、一度チェックしておくといい。
いざというときに!ブースターケーブルのつなぎ方
バッテリー上がりの際は、ブースターケーブルを使えばエンジンを始動できる。まずは故障車のバッテリープラス端子に赤をつなぐ。
つぎに救援する側のクルマのバッテリープラス端子にブースターケーブル赤を。そして、同じく救援側のマイナス端子に黒をつなぐ。
つぎは故障車側にブースターケーブルの黒をつなぐが、バッテリー端子ではなくエンジンブロックなど金属部分に接続しよう。
これで故障車側のセルを回せばOKだ。しばらくアイドリングしたのち、ショップなどに持ちこんで、バッテリーを交換しよう。
冬の寒さに備えてオイルは低粘度のものに!
低温温度の数値が低いほど寒冷地での性能に優れている。 また、高温粘度の数値が大きいほど高温時、高回転時の性能に優れる。
冬の寒さに備えてオイルは低粘度のものに!
冬の寒い時期にオイル粘度が高すぎるものを使用していると、低温下では始動性が悪くなったり、燃費が悪くなったりというデメリットが発生する。ただし車種によって適正なオイル粘度が設定されているので、その範囲のなかでオイル粘度表示の「低温粘度」側を目安に選んでみよう。オイル交換の時期が近づいているなら、ぜひ!
くもりがちなウィンドー、まずは内側をきれいに
冬はクルマの内外での温度差が大きいため、ウィンドー内側がくもってしまいがち。たしかに直接の原因はこの温度差なのだが、ウィンドーが汚れているとくもりやすいということをご存じだっただろうか。ウィンドー内側が汚れていると、その汚れを核に水滴が集まりやすくなってしまうのだ。つぎの洗車のついでに、内側もきれいにしておこう。
意外と忘れてしまうウィンドー内側のそうじ。ガラスクリナーをつけて吹くだけでOK。車内でタバコを吸う場合はとくにやっておきたい。
くもってしまったときは、デフロスターでくもりを取り除こう。エアコンON、外気導入の状態にしておかないと効かないのでご注意を。
静電気対策は安全面でも重要なのだ!
静電気対策は安全面でも重要なのだ!
クルマのドアを開けようと思ったらバチッとくる静電気。あの不快感がイヤなら対策品を利用したい。対策品を使用しない場合は、ドアに触れるまえに手のひら全体でいちどクルマのボディに触ると、体側の静電気が放電されて痛い思いをしなくてすむ。また、静電気は不快なだけではなくセルフスタンドでの事故の原因にもなっている。甘く見ないほうがいいのだ。
いまどきのクルマはアイドリングによる暖機運転は必要なし!
いまどきのクルマはアイドリングによる暖機運転は必要なし!
キャブレターを使用していない現代のクルマでは、冬でもアイドリングによる暖気はしなくてもいいというのが一般的な考え方。とはいえ、暖気がまったく必要ないというわけではない。スタートしてしばらくは、あまりアクセルを開けずにごく普通に運転する、これが暖機運転となるのだ。エンジンが温まるまでは優しく運転してクルマをいたわってあげよう。
雪道を走るなら、いざというときのために対策用のアイテムを常備しよう
けん引ロープはマストアイテム。ブーツ、軍手、ライトなど、外での作業に必要なアイテムも、もしものときにとても役立ってくれる。
雪道を走るなら、いざというときのために対策用のアイテムを常備しよう
たとえスタッドレスタイヤを履いていても、スリップの可能性はゼロになるわけではない。とくにウィンタースポーツやレジャーなどで雪山に行くようなユーザーは、万が一スタックしたときのための対策品を準備しておくに越したことはない。寒い車内で何時間も救援を待つよりも、自分で解決できる道具を常備しておくほうが賢明だ。下の写真のようなけん引ロープや野外での作業に必要なものを用意しよう。セットになっているものも販売されているので、いちどチェックしてみるといいだろう。
雪道を走ったあとは下まわりの洗浄を!
雪道を走ったあとは下まわりの洗浄を!
降雪エリアでは、融雪のために道路に塩化カルシウムなどがまかれている。これは交通安全には有効なのだがクルマのケアという点ではやっかいな存在で、ボディ下まわりのサビを促進させることがある。降雪エリアに行ったあとはすぐボディ下を洗浄しよう。あらかじめコーディングしてしまうという手もあるので、ショップに相談してみよう。
Point 3 凍結対策
冬の厳しい寒さはあらゆるものを凍らせてしまう。当然、クルマにおいても例外はなしだ。冬のカーライフでは「凍結」への対策も必要となる。
フロントガラスの凍結対策には専用ブラシを用意、はっ水処理も効果的だ
寒さが厳しいとき、雪が降ったときなどは、フロントガラスが凍結して前方視界が妨げられてしまう。あらかじめはっ水処理などを施してフロントガラスをきれいにしておくと、走行中ならワイパーだけで防ぐことができるし、雪が積もった際も簡単に雪を落とすことができる。また日常的に雪が降る地方では、雪かき用のブラシが必需品となるので雪の降るエリアに行く予定があるのならば用意しておきたい。

フロントガラスのはっ水処理は非常に効果的なので、ぜひ冬前にやっておきたい。また雪かき用のブラシ&スクレーパーは雪国では必需品。出先でも必要になるので、車内に積んでおこう。
クーラントやウォッシャー液は不凍タイプの対策品に替えておきたい
クーラントやウォッシャー液は不凍タイプの対策品に替えておきたい
冬は、クーラントやウォッシャー液などのいわゆる「液モノ」へのケアも必要だ。いまはロングライフ&メンテフリーをうたった製品が多く、これらを使用していればまず問題はないのだが、交換する機会があるなら低温に強いものを選んでおいたほうがいいだろう。ウォッシャー液に真水を使っているユーザーはご注意を。
本当に寒いときは鍵穴やドアの縁ゴムまで凍結してしまう!対策品を用意しておこう
本当に寒いときは鍵穴やドアの縁ゴムまで凍結してしまう!対策品を用意しておこう
外気温が大きくマイナスを下まわるような厳しい寒さのエリアでは、鍵穴まで凍ってしまうことがある。ウィンターレジャーなどで雪山に行く機会が多いユーザーは、こういったときのために解氷スプレーなどを常備しておくことをオススメする。また、ドアの縁ゴムの凍結防止には、シリコンスプレーが効果的だ。
ワイヤーが固着する可能アリ寒冷地ではサイドブレーキをひかないのが鉄則!
ワイヤーが固着する可能アリ寒冷地ではサイドブレーキをひかないのが鉄則!
ワイヤー式のサイドブレーキでは、ワイヤーのガイドチューブに水分が入り込んでいると、これが凍結してサイドブレーキが解除できなくなってしまうことがある。エンジンと関連がない部分だけに、凍結してしまうとアイドリングをしてもなかなか溶けない。寒冷地で長時間駐車するときは、サイドブレーキはひかないほうがいいだろう。
ディーゼル車は燃料の凍結に注意したい!
ディーゼル車は燃料の凍結に注意したい!
軽油を使用するディーゼル車ユーザーは、燃料の凍結に注意したい。寒冷地では、燃料の流動性が低くなり、フィルター部分で詰まってしまうことがあるようだ。現地で販売されている軽油にはあらかじめ対策がされているので、ディーゼル車で寒冷地に行く際は、現地での給油を心がけるようにしておこう。

Chapter.2
冬のカーライフのマストアイテム! スタッドレスタイヤ講座
雪が積もった道でも寒さで凍結した道でも安全、快適に走れるのはスタッドレスタイヤのおかげ。ここではスタッドレスタイヤの性能と役割を再確認してもらおう。最新スタッドレスタイヤのミニカタログも!
スタッドレスタイヤはなぜ雪道や凍結路でも止まるのか?

特殊なゴムやトレッドパターンが
雪や氷のうえでも滑りにくくしてくれる
路面が凍結したアイスバーンでは、氷とタイヤのあいだに入りこむ水が潤滑剤のような役割をすることで滑りやすくなってしまう。スタッドレスタイヤは、基本的に「サイプ」と呼ばれる細かい溝やゴム自体に吸水性や氷をひっかく性能を持たせることで滑りにくくなっている。またこのサイプや大きなブロックが、積もった雪をしっかりつかむことで積雪路でも滑りにくい。タイヤメーカーはつねに最先端の技術をスタッドレスタイヤに投入している。スタッドレスタイヤは、じつは「先進技術のかたまり」でもあるのだ。
ゴムの発熱を抑えることで、転がり抵抗を低減して省燃費性能が高くなる。いまどきのスタッドレスは燃費性能にまでケアされているのだ。
これはヨコハマ・アイスガード5に採用されている「新マイクロ吸水バルーン」。ゴム自体が吸水し、氷をひっかくという新技術だ。
日本で発達した高性能の冬用タイヤ
積雪路からドライ路面まで、冬のさまざまな路面を快適に走ることができるスタッドレスタイヤ。じつは、とくに日本で発達している冬用タイヤだということはご存じだろうか。
というもの、欧州や北米など、世界の降雪エリアと比較すると、日本の冬は昼夜の寒暖差が大きく、気温によって路面状況が大きく変化するのだ。晴天時のドライ、雪が積もった降雪路、それが溶けたシャーベット、さらに溶けたウェット、それが再び凍りつくアイスバーン、アイスバーンがブレーキによって磨かれたミラーバーンなどなど。スタッドレスタイヤは、これら路面状況で安全、快適に走るために研究、開発されている。輸入タイヤメーカーには「日本専用設計」をうたったものがあるほど、日本の冬の道はシビアなのだ。
これはつまり、裏を返せばそれだけ信頼性が高いと言うこともできる。安全への投資を惜しんではいけない。冬の道はスタッドレスタイヤで安全に、そして快適に走ろう。
また、最近はロングライフをうたったモデルも多いので一概には言えないが、一般的にはスタッドレスタイヤの寿命は3シーズンが目安となる。溝の有無だけでなく、これも交換の目安になることを覚えておこう。
国産タイヤメーカー最新スタッドレスタイヤカタログ
DUNLOP
WINTER MAXX

問合わせ:ダンロップ (0120-39-2788)
価格:オープン
サイズ:135/80R13~245/45R19
氷上性能だけでなく、雪上、ウェット、シャーベット、ドライなどあらゆる路面状況に対する性能を高めた、ダンロップの「WINTER MAXX」。同社史上、もっとも高い氷上性能を誇る一品なのだ。
BRIDGESTONE
BRIZZAK VRX

問合わせ:ブリヂストン (0120-39-2936)
価格:オープン
サイズ:135/80R12~245/40R20
ブリヂストンのスタッドレスタイヤブランド「BRIZZAK」の最新モデル。新たな発泡ゴム、非対称パターンやサイド形状などを採用して、同社従来品よりも氷上&ウェットブレーキ性能を10%向上。
TOYO
GARIT G5

問合わせ:トーヨータイヤ (0800-3001456)
価格:オープン
サイズ:135/80R12~245/40R18
トーヨータイヤのスタッドレスタイヤ「GARIT G5」は、竹炭で吸水力を高めたり、鬼クルミでひっかき力を向上させるなど、環境に優しい天然素材を数多く採用しているところが特徴なのだ。
YOKOHAMA
iceGUARD5

問合わせ:横浜ゴム (0120-667-520)
価格:オープン
サイズ:135/80R12~245/45R19
ヨコハマの最新スタッドレスタイヤがアイスガード ファイブ(iG50)。さまざまな条件下が想定される日本の冬の道で「止まる」ことを使命とし、あらゆる先進技術が盛り込まれた最先端モデルなのだ。
世界にはスタッドレス以外にも冬用のタイヤがあるのだ
日本はスタッドレスタイヤ、欧州はウィンタータイヤ、北米ではオールシーズンタイヤ
たとえばヨーロッパでは「ウィンタータイヤ」と呼ばれる、低温のウェット路および積雪路での操舵や高速走行を重視したタイヤが主流だし、北米ではドライ路面、マッド、スノーなどあらゆる路面で一定の性能が確保されているオールシーズンタイヤが主流。世界では、それぞれ現地の気候に合った冬用タイヤが使用されているのだ。
オールシーズンタイヤ
最近は日本でも、グッドイヤーの「ベクターフォーシーズンズ」など、オールシーズンタイヤが目につくように。急で軽微な降雪時に便利だ。欧州で主流となっているウィンタータイヤは、日本で主流のスタッドレスタイヤよりもより高い速度域を想定して開発されている。
Chapter.3
寒さや雪によるトラブルを未然に防ぐ 冬のドライブ術を竹岡圭さんがレクチャー

ここまではクルマに関する冬対策を紹介してきたが、ここでは「人」が持つべき冬の道への心構えを紹介していこう。
スタッドレスタイヤを履けばいいというわけではない冬の道ならではの要注意ポイントがたくさんあるので、ぜひしっかりとチェックしておいてもらいたい。
Point 1 冬の道の複雑な路面状況にはつねに最大限の注意を!
昼夜の寒暖差が大きい日本の冬の道では、圧雪路やシャーベット、アイスバーン、ミラーバーンなど、さまざまな状態に変化する。そこでは路面状況に合わせて路面μも変わるため、漫然と同じ調子で走っていると危険なのだ。冬の道では、路面の状態を読みながら走ることが大切だ。たとえスタッドレスタイヤを履いていたとしても、このことには変わりはない。必要があればワダチを避けて雪の積もったいいところをねらうなど、路面をよく見ながらより慎重に走ってほしい。

Point 2 たとえ雪山ではなくても注意すべき個所はたくさんある
自分は雪山や降雪エリアに行かないから大丈夫、というわけではない。冬の道は街なかの道でも危険な個所があることを覚えておこう。たとえば、橋の上は地熱が伝わらず風が抜けるため凍りやすい。また、周囲の道がドライでも日陰の部分だけに凍った路面が残っている、なんてケースもある。同じ理由でトンネル内だけに凍結路面が残っていることもある。また、雪のあとの交差点手前では、アイスバーンがブレーキで磨かれてミラーバーンというもっとも滑りやすい状態になりがち。冬は街なかの道でも注意が必要だ。

Point 3 意外に走れてしまう積雪路だけれど 調子にのってしまうのはダメ!

雪が積もった積雪路は、スタッドレスタイヤを履いていれば意外とグリップしてくれる。「ワダチで踏み固められた路面がアイスバーンになっていて不安」という場合、ワダチが浅い場合は積もった雪を選んで走ると意外と走りやすい。ワダチが深い場合はそのままオンザレールで走るほうが安全だ。とにかく、意外と走れるとばかり調子にのるのがいちばん危険。慎重に走るにこしたことはないのだ。
Point 4 クルマの電子デバイスを信頼して走ったほうがいい

ESC(横滑り防止装置)やABS(アンチブレーキロックシステム)など、最近のクルマに搭載されている電子デバイスは高性能化が進んでいる。モータースポーツ愛好者などにはふだんからABSをキャンセルして走っているというユーザーもいるかもしれないが、冬の道では電子デバイスを信頼して走ったほうがいい。クルマが助けてくれる場合もあるのだ。
Point 5 スタッドレスタイヤを過信しない節度ある走りを心がけよう
近ごろはドライ性能、ウェット性能ともにも向上しているスタッドレスタイヤだが、夏タイヤに比べるとやはりグリップ限界は低い。このことをしっかりと覚えておこう。また、スタッドレスタイヤを履くことでビギナーでも雪道などで普通に走ることができるが、まわりに合わせてついついスピードを出してしまうのはとても危険。冬の道は滑りやすく止まりづらいので、「まわりが行ってるから」と自分がコントロールできる範疇を超えてしまうのが、もっとも危ない走り方なのだ。

スタッドレスタイヤは冬の道で安全に走るためのタイヤ。夏タイヤに比べて限界が低いのは当然だ。 また、性能を発揮してもらうためにも空気圧などへのケアも必要。設定値にしておくよう心がけよう。
路面をよく読みつつタイヤの限界を意識して
ここでは、クルマについてだけでなくカーライフ全般について造詣の深いモータージャーナリスト、竹岡圭さんに冬のドライブの注意点についてレクチャーしていただこう。
「冬のドライビングでまず大切なのは、『路面状況をよく読む』ということですね。冬の道は、雪が積もっていたりシャーベットになっていたり、アイスバーンがあったりとさまざまな路面状況があって、それぞれに路面µが変わります。おおまかに言うと、滑りやすい順にアイスバーン、シャーベット、圧雪路となります。
圧雪路は意外とグリップがいいので、雪のいいところをねらって走るというのもひとつの手ですね。もちろん対向車には気をつけてください。
また、いつも以上に『まわりの状況をよく見る』のも大切です。冬の路面は制動距離が伸びがちですし、うしろのクルマが滑ってきたら前に逃げることも考えたい。車間距離は多めにとるようにしましょう。
山道などでは、いま走っている路面がドライでも、先にある日陰だけが凍っているという場合もありますし、街なかでも橋の上やトンネルなど路面が凍りやすい個所があります。いまここが大丈夫だから、ではなくさきの状態も考慮して無理なく走るようにしてください。
『スタッドレスタイヤだとけっこう走れる』とか『まわりのクルマがビュンビュン行ってる』という状況もあるかと思いますが、調子に乗るのは厳禁。
スタッドレスタイヤは夏タイヤに比べて限界が低いです。そしてスタッドレスタイヤを履いていても、グリップの限界を超えては走れません。『急ハンドル、急ブレーキ、急発進』の急の付く動作を避けて、ふだん以上にまわりに気を配ってください。まずは雪が降ってから慌てないように、早めにタイヤを履き替えましょう」
profil 竹岡圭さん
profil 竹岡圭さん
カーライフ全般に造形が深く、雑誌などへの執筆のほか、テレビやラジオでも活躍中。モータースポーツの経験も豊富。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

Chapter.4 冬のカーライフを快適にすごすためのアイテム WINTER CAR GOODS
ここではあると便利な冬のカーグッズを紹介していこう。
冬特有のさまざまなトラブルを解消するためのアイテムを取り揃えてあるので、しっかりチェックして、気に入ったものがあれば手に入れておこう。
PIAA シリコートスノー

問合わせ:PIAA(0570-050-555) 価格:オープン
ふくだけではっ水コーティングができてガラスの凍結を低減してくれるワイパー。芯にはステンレスを採用してタフな構造となっている。いったん購入すれば、あとはゴムだけの交換もできて経済性も高い。
cretom 車種専用ウインドーマスク

問合わせ:クレトム(072-222-7770) 価格:オープン
金具を使わず、吸盤で止めるだけで、霜や降雪からフロントウィンドーをカバーしてくれる便利なアイテムだ。人気モデルを中心とした車種専用品のほかに、汎用タイプもラインナップしている。
CARMATE リモコンエンジンスターターW5000

問合わせ:カーメイト (03-5926-1216) 価格:オープン
業界最小クラスのスタイリッシュなアンテナ内蔵リモコンを採用したリモコンエンジンスターター。リモコンの文字が光ってエンジン始動が確認できる、アンサーバック機能も搭載されている。
CARMATE レジテック&スマホタッチペン

問合わせ:カーメイト (03-5926-1216) 価格:オープン
冬の不快な静電気を防いでくれるだけでなく、スマホやタブレットにはタッチペンとしても使えるという2つの機能を持ったアイテム。放電が目視で確認できるランプも内蔵されていて楽しい。
cretom レスキューセット100

問合わせ:クレトム (072-222-7770) 価格:オープン
ブースターケーブルやけん引ロープ、手袋などがセットになったレスキューセット。あると便利な、バンパーのけん引ロープカバーを外すための道具も入った、いざというときに頼もしいアイテムだ。
cretom けん引ワイヤーロープ

問合わせ:クレトム (072-222-7770) 価格:オープン
緊急時に必要なアイテムを積んでおきたいけど、トランクのスペースを取られるのがイヤという人にぴったりのけん引用のワイヤーロープ。車重を目安に太さの異なる6タイプがラインナップする。
ACDelco メンテナンスフリーバッテリー

問合わせ:阿部商会 (0800-100-4182) 価格:オープン
独自の技術で極寒時にも安定した始動性を発揮するバッテリー。バッテリー液の補充がいらないメンテフリータイプで、充電・交換時を知らせるインジケーターも内蔵。国産車用は20以上のサイズを展開する。
Thule WingBar Edge

問合わせ:阿部商会 (0800-100-4182) 価格:42,000円~49,350円 ※価格は参考価格です
バーエンドがむき出しにならないスタイリッシュなベースキャリア。車両からバーエンドが出ないことで安全性を高めたうえ、ウイング断面のバーを使用して空力性能にも考慮されている。
cretom タイヤカバー

問合わせ:クレトム (072-222-7770) 価格:オープン
外しておいたタイヤを直射日光と風雨から守ってくれるタイヤカバー。屋内に置いておく場所がない場合、非常に有効なアイテムとなる。通気性の高いキープドライタイヤカバーもラインナップする。
Thule ルーフボックスMotionシリーズ

問合わせ:阿部商会 (0800-100-4182) 価格:126,000円~178,500円 ※価格は参考価格です
ウィンタースポーツにも最適なルーフボックス。容量460LのMotion800のほか4サイズがラインナップ。空力にも優れ、取り付けも簡単なうえ、両サイドがオープンして機能的。
Chapter.5 レジャーやドライブに最適な頼もしさ 冬のオススメモデル!

ここでは、この冬にクルマを探すならぜひ選択肢に入れてほしい。冬のオススメ車とその相場情報をお届けしよう。ウィンタースポーツや冬のドライブが楽しくすごせるモデルたちだ。
人気モデルの4WD車相場情報!
冬でも安心感の高い4WD仕様は、じつは多くのモデルに設定されている。
ここでは人気モデルを中心に4WD仕様の平均相場をチェックしてみよう!
なぜ「4WD」がオススメなのか?
路面状況がシビアになる冬の道では、たとえ本格的なシステムではなくても4WDの安定性は大きなアドバンテージとなる。もっとも体感できるのは発進時だろう。4つのタイヤが駆動して安定してスタートすることができる。ただし、2WDに比べると車両の価格が高い、車重が重い、燃費が悪いなどのデメリットがあることも覚えておこう。
トヨタ クラウン(先代)

4WD車中古車平均相場:256万円 2WD車中古車平均相場:231万円
降雪エリアでも上質なセダンがほしいというユーザーに
4WD仕様には、グレード名に「i-Four」がつく先代クラウン。現行モデルが大ヒットして順調に乗り替えも進んでいる、中古車としていまが旬のモデルだ。北国や降雪エリアでも車格のあるアッパーセダンに乗りたいというユーザーには恰好のターゲットとなるだろう。
スバル インプレッサ

4WD車中古車平均相場:106万円 2WD車中古車平均相場:94万円
「AWD」の名称でおなじみのスバルの4WDシステム。NAインプレッサでもその搭載率は高く、約6割が4WDという市場になっている。4WDをねらうなら非常に探しやすいモデルと言えるだろう。ただし、ターボモデルの「WRX STI」の相場は200万円以上に跳ね上がってしまう。
ホンダ フィット(先代)

4WD車中古車平均相場:114万円 2WD車中古車平均相場:112万円
現行モデルが登場したばかりで、これからの市場に期待したいのが先代フィット。通常は4WD仕様は相場が高めなのが欠点だが、先代フィットではその価格差がかなり小さいのがうれしい。積載性も高く、レジャーユースにも耐える。4WDの物件数は2WDに比べるとかなり少なめだ。
スバル レガシィツーリングワゴン (先代)

4WD車中古車平均相場:89万円 2WD車中古車平均相場:–万円
大型化した現行モデルよりも先代を探すユーザーがまだ少なくないレガシィツーリングワゴン。モデルチェンジから4年以上が経過して中古車市場もだいぶこなれている。全車4WDで駆動方式を気にせず探せる。ワゴンの積載性を生かし、レジャーユースでも活躍してくれる。
スズキ ワゴンR(先代)

4WD車中古車平均相場:89万円 2WD車中古車平均相場:75万円
アイドリングストップ搭載車を除くほとんどのグレードに4WDが設定されている。4WD車は全体の1割程度と数が少なく相場も高めだが、日常に使うクルマだからこそ、安心感には予算を惜しまないという考え方もありだろう。4WDでも20km/Lを超える燃費性能も見逃せない。
ホンダ N BOX

4WD車中古車平均相場:139万円 2WD車中古車平均相場:130万円
4WDでも20km/Lを超える燃費性能にも注目!
デビューするや軽トールワゴン市場の勢力図を塗り替えるほどのヒットモデルとなったNBOX。カスタムグレードのモデューロXを除く全グレードで4WDが設定されている。クラスを超えた広い室内は積載性が高く、ウィンターレジャーでも大活躍してくれるはずだ。NAであれば、4WDでも燃費は20km/Lを超えるところも高ポイントだ。
ウィンターレジャーにも最適!人気ミニバン相場情報
人も荷物もたくさん積めるミニバンは季節を問わず人気のジャンル。スキーやスノボに行くもよし、家族で楽しく出かけるもよし!冬のカーライフを楽しく演出してくれるはず
なぜ冬に「ミニバン」がオススメなのか?
ウインタースポーツや年末年始の帰省など、冬は意外と大人数で長距離を移動することが多い。そんなときに最大限に実力を発揮してくれるのが、優れたピープルムーバーであるミニバンだ。大小さまざまなタイプがあり、選択肢が豊富なのもうれしい。
三菱 デリカD:5

中古車平均相場:212万円
4WD率高し。優れた走破性を持つ快適なピープルムーバー
SUVとミニバンのクロスオーバーという唯一無二の存在。家族や友人とのウインタースポーツに行くのにこんなに適したクルマはないだろう。4WD車の割合は約76%というのもこのクルマの本気度を表している。ミニバンがターゲットなら、冬のクルマ探しにおける第1候補と言っても過言ではない。
トヨタ アルファード(先代)

中古車平均相場:126万円
ゆとりのサイズと豪華な内装でロングドライブにも最適なLクラスミニバン。アルファードも先のモデルチェンジから5年がたち、先代の相場はかなり落ち着いているのもうれしい。豪華なインテリアはもちろん、相場の面でも家族が納得してくれるクルマ探しになるに違いない。
トヨタ ヴォクシー

中古車平均相場:178万円
並み居るMクラスミニバンのなかでも、もっとも人気の高い1台となるヴォクシー。適度なサイズ感と使いやすいインテリア、パパも納得のエクステリアなど、人気となる要素をしっかりと備えている。現在、盛んにフルモデルチェンジがウワサされているので、新型の市場への影響を見てからねらいたい。
ホンダ オデッセイ

中古車平均相場:204万円
すでに次期モデルが発表されたオデッセイ。ニューモデルへの乗り替え需要により、この冬から来春にかけての中古車市場の主役となりそう。ミニバン離れした低いボディが生み出す優れた走行性能は冬の道でも力を発揮してくれるはず。ドライバーも楽しんで走れる貴重な存在だ。
日産 セレナ

中古車平均相場:220万円
現行モデルは登場からまだ3年ということで、ライバル・ヴォクシーに比べると高めの相場となっている。しかし、非常に豊富で便利なシートバリエーションは、ファミリーユースを考えているなら一見の価値あり。ビッグマイナーがウワサされているので、そのあとがねらいめだ。
やっぱり安心感が違う!SUV相場情報
多くのモデルが備える本格的な4WDシステムや高い車高、そして積載性。冬のクルマ探しにはやはりSUVは欠かせない存在だ
なぜ冬に「SUV」が安心なのか?
悪路走破性の高いSUVだけに、冬のシビアな路面状況での信頼性は高い。駆動方式もそうだが、高い車高が積雪路などでもメリットとなるだろう。ただしSUVとはいえ油断は禁物。概して車重が重く、下り坂などではより慎重な運転が必要になることを忘れずに。
日産 ムラーノ(先代)

中古車平均相場:126万円
スタイリッシュなクロスオーバー相場がこなれているのも◎
モデルチェンジから5年を経てかなり相場はこなれている。スタイリッシュなクロスオーバーがこの相場なら、ぜひ検討してみたい。ただし、SUVではあるがFFがベースで、4WD仕様車は全体の約3割弱。その点は注意したい。
ダイハツ ビーゴ

中古車平均相場:101万円
正直なところ目立たない存在ではあるが、本格的な走破性能を持った貴重なコンパクトSUVだ。ビギナーや女性でも扱いやすいボディサイズとSUVの安心感を併せ持つモデルは少なく、降雪エリアなどではとても便利に活躍してくれるはずだ。
スバル フォレスター(先代)

中古車平均相場:164万円
国産ミドルクラスSUVを代表するモデル。フォレスターは、スバルのAWDを生かした悪路走破性を持ちながら、スタイリッシュで積載性も高いという冬のクルマ探しの絶好のターゲット。モデルチェンジ後1年あまりでこの値落ち率もうれしいところ。
日産 エクストレイル

中古車平均相場:180万円
ついに後継モデルが発表されたエクストレイル。人気が高く、長らく高めの相場を維持してきただけに、これでいっきに相場が動く可能性がある。いまや希少な存在であるミドルクラスの本格SUV。中古車市場での買いどきはすぐそこまで迫っている。
まとめ
冬のカーライフへの準備が、スタッドレスタイヤだけではないことをおわかりいただけただろうか。雪や寒さなど冬の厳しい条件下では、クルマのありがたさがいっそう際立つはず。そんなシチュエーションのもとでより快適にすごせるのなら、ぜひそれ相応の準備をしておきたいものだ。今回の情報をみなさんの愛車のメンテナンスに生かしてほしいのはもちろんのこと、これらを念頭に置くことで冬のクルマ探しにも役立ててもらえれば幸いだ。今年の冬も、安全にそして快適に冬のカーライフを満喫してもらいたい。
※すべての価格は参考価格です