車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2020.04.23 / 掲載日:2018.03.22

【気になる中古車試乗判定】ジャガー XE

ジャガー XE

2016年モデル ジャガー XE

一般ユーザーが乗っている使用過程車をテストすることで、新車ではわからない実力をチェックするのがこのコーナー。売れ線中古車の本当のトコロを厳しい目線でインプレッション!果たしてその結果やいかに!?

文●竹岡圭、九島辰也、グーワールド
写真●グーワールド

今月の中古車は ジャガー XE

DETAIL CHECK 1

  • ジャガーのラグジュアリー感に最新のテクノロジーをプラス

    ジャガー XE コックピット

  • ジャガーのラグジュアリー感に最新のテクノロジーをプラス

     エクステリア同様に、ジャガーらしいラグジュアリーな雰囲気を漂わせるインテリア。後輪駆動であることをアピールする太いセンターコンソールには、電子式のシフトレバーを搭載。最新世代のモデルにふさわしく、前走車との車間距離を維持してくれる高性能なクルーズコントロールも採用する。

DETAIL CHECK 2

  • セダンでありながらもスポーツカー的な乗車姿勢

    ジャガー XE 内装

  • セダンでありながらもスポーツカー的な乗車姿勢

     スポーティな走りに対応するサポート性に優れたフロントシート。まるでクーペのようなシルエットを採用しているにも関わらず、リヤシートでも大人が充分快適に過ごせる空間を確保。また、上級グレードになると、ムードランプなど、さらなる上質感の演出も行われる。

DETAIL CHECK 3

  • ジャガーのセダンで初めて分割可倒式後席を採用

    ジャガー XE ラゲッジスペース

  • ジャガーのセダンで初めて分割可倒式後席を採用

     全長4680mmというミドルクラスのボディに対して、トランク容量は415Lを確保。また、分割可倒式のリヤシートをジャガーとして初めて採用したのもXEの特徴。後席を倒せばフラットな荷室が出現するため、長尺物の搭載など多彩なライフスタイルにも対応する。

DETAIL CHECK 4

  • 2L直4ガソリンターボを中心にクリーンディーゼルも用意

    ジャガー XE エンジン

  • 2L直4ガソリンターボを中心にクリーンディーゼルも用意

     エンジンにはアイドリングストップ機能に加えて、ブレーキのエネルギーを有効活用してバッテリーを充電するなど、とくに市街地での燃費向上に配慮。今回紹介している2Lガソリンのほかに、可変容量ターボを採用した新世代のクリーンディーゼルもラインアップする。

新世代ジャガーを牽引するスポーツサルーン

自動車ジャーナリスト(竹岡 圭・九島 辰也)

九島 スポーツカー的なドラポジはジャガーの伝統だね

竹岡 最近のジャガーは若いひとが乗っても似合うと思う

激戦のDセグメントに送り込まれた意欲作

編集部●気になる中古車を実際に試乗することで、その実力をチェックしようというのがこのコーナー。今回は、イギリスの名門ブランドであるジャガーから発売されているミドルクラスのセダン、XEが登場です。お借りした車両は2016年モデルで、グレードは「ピュア」、走行距離は1万7000kmとなっています。

九島●2年3カ月でその走行距離ってことは、まさに一般的なユーザーの使用状況に近い個体だ。

竹岡●ジャガーって輸入車のなかでも独自のポジションを築いているというか、なんかイメージいいよね。ドイツ車ほど普通じゃないんだけど、マセラティほど極端でもなければ、ボルボほど落ち着いてもなくて、上品な印象だし。昔は、年配の紳士じゃないとクルマに負けちゃうような雰囲気もあったけど、最近のモデルは若いひとが乗っても似合うものが増えてきたように思える。

九島●もともとジャガー自体が、超高級ブランドと同等の性能をよりリーズナブルに提供するっていう立ち位置でスタートしているのね。だけど、相手がアストンとかベントレーだったものだから、ジャガー自体も普通のひとにとってみればかなりの高級車だったんだよね。だけど、現在はハイブランドもラインアップをより身近な方向に増やしてきているでしょ。だからジャガーも昔より身近な存在になってきているというのは言えるんじゃないかな。

編集部●たしかに、XEのデビュー時には、「クラス初のアルミを多用したモノコックボディ」というアピールをしていました。

竹岡●あくまでもハイブランド目線なわけね。そこも、同セグメントのライバルたちと違うと。

九島●あと、そもそもXEは、ラグジュアリースポーツっていうキャラクターだから。そこがメルセデスやBMWと違うところで、オンリーワンの魅力。たとえばドライビングポジションなんかも、足を前に投げ出すようなジャガー独特のフォームにするとしっくりくる。昔、XK120(1948年~1954年)に座ったときにも同じような感じで、つまり、ジャガーの伝統。そうやって座れってクルマが言ってくるんだよ。あとで試乗のときに確認してみて。

竹岡●そうなんだ!格好いいと言えばさ、エンジンをかけると自動で出てくるシフトセレクターもそうだよね。こういったギミックって、ともすると子供っぽくなりがちだけど、そこは流石ジャガー、オシャレです。

九島●インテリアのデザインもXJのテイストを上手に取り入れてる。そんなところも上級ゆずり。

編集部●ここでXEの概要を簡単に説明しますと、エンジンはガソリンが2L直4ターボ(200馬力、240馬力)と3L V6スーパーチャージャー(340馬力)。そしてディーゼルが2L直4ターボ(180馬力)。トランスミッションはいずれも8速ATになります。

九島●今回のクルマは「ピュア」だっけ。というと、エンジンは2Lターボの200馬力ね。

竹岡●ガソリンの「ポートフォリオ」が240馬力のハイパワー版で、「S」がV6搭載なんだよね。

編集部●ありがとうございます。それでは試乗をお願いします。

自動車ジャーナリスト(竹岡 圭・九島 辰也)

編集部●さて、試乗から戻ってきたお二人に感想を伺いましょう。いかがでしたか?

九島●XEをドライブしたのは久しぶりだったけど、ジャガーらしさを感じさせるクルマだね。

竹岡●ドライビングポジションの件なんだけど、たしかに言うとおりだった!いつもどおりのドラポジを取ろうとすると、ちょっとハンドルが手前すぎるのね。そこで少しシートを後ろ気味にして、足を前に伸ばすように座ったら心地よくて。あぁ、やっぱりジャガーはスポーツカーなんだって思いました。

編集部●後ろから見ていて感じたんですが、お二人とも運転姿勢が格好よく見えるんですよ。まさにスポーツカー的な雰囲気で。

竹岡●乗り心地もそう。けっこう素直に路面の段差を伝えてくるし、その辺もスポーツカー的だった。

編集部●エンジンのパワー感なんかはどうでしたか?

九島●XJにも積んでる2Lターボだからね。まったく問題なし。

竹岡●そうだね。個人的にはジャガーのV6スーパーチャージャーは好きだけど、中古車が少ないだろうし、流行のディーゼルでいいんじゃないかな。最近はSUVのFペースが人気だけど、オーソドックスな高級車という意味ではXEっていいクルマだよね。XFよりも全幅がせまいから、女性でも扱いやすいし。

九島●せっかくスポーツカー的なクルマなんだから、ボディカラーで遊んでもいいのかもしれない。赤なんていいと思うよ。それから、このクラスにしてはレザーシートのクルマが多いはずだから、そういうところにもこだわって探したいね。

※ナンバープレートはハメ込み合成です。

ジャガー XE レビュー評価

ジャガー XE

人気自動車ジャーナリスト(と編集スタッフ)によるジャガー XEの評価をまとめます。

※各項目に対して10点満点評価。

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭のコメント

  • 自動車ジャーナリスト 竹岡 圭

    歴史と伝統のあるジャガーを身近にしてくれるXE。ドライバーがスタイリッシュに見えるというのもこのクルマのいいところで、女性にもオススメです。

  • 自動車ジャーナリスト 竹岡 圭

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
●人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2017-2018 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

ポジショニング 9点

 500万円を切る価格で購入できるジャガーとして、すごーく話題になりましたよね。とはいえ、十分高級価格ではあるんですけど(笑)。ひと昔前までのジャガーは本当の大人しか乗れない車種でしたが、最近はSUVクーペなど、カジュアルに乗れるものも増えてきました。そんななかで、あえてのセダン。正統派ジャガーの入門編としてアリな選択だと思います。

装備 8点

 グイーンと上昇してくるシフトセレクター、ワクワクしますよね。オマケに扱いやすいんです。私は身長160cmなんですけど、私のポジションだとシフトレバーを上から掴めるスポーツサルーンって意外と少ないんです。大抵の場合シフトレバーを横から操作するカタチになるんですが、そうなると力もいるしやりにくい。これは機能と美の両立です。

走り 9点

 あれ?もう少ししなやかじゃなかった?と、この個体では正直感じましたが、全体的にはスポーツカーメーカーが作ったセダンらしい、スッキリとした味わいがXEの特徴。ひと昔前のちょい悪オヤジじゃないですが、落ち着きすぎてないところがこのモデルの最大の魅力。でもアクは強くなく、動きに品があるので、乗っていて気持ちがイイんですよね。

自動車ジャーナリスト 九島 辰也のコメント

  • 自動車ジャーナリスト 九島 辰也

    ジャガーのクルマは、たとえサイズや形が変わっても、スポーティというテイストは不変。そこがライバルとの違いであり、XEの強みでもある。

  • 自動車ジャーナリスト 九島 辰也

自動車ジャーナリスト 九島辰也
●長年にわたり男性ファッション誌や一般誌などでも活躍し続ける自動車ジャーナリスト。その知見は広く、プライベートでも各国のクルマを乗り継ぐ。

ポジショニング 9点

 価格帯に対して格上の技術と性能を投入することで、マーケットに強いインパクトをもたらす手法は、ジャガーならではのもの。かつてXタイプでこのマーケットに挑戦したときはフォードのプラットフォームゆえにFFベースだったが、今回は彼らのオリジナル。ゆえに後輪駆動であり、車体にアルミを多用することで軽量かつ高剛性を両立させている。

装備 8点

 いわゆるDセグメントのクルマではあるが、デザインイメージはもっとハイグレード。それもそのはず、彼らには超高級サルーンであるXJを長年作り続けているノウハウがあるからだ。それゆえに販売の現場でも、ベースグレードより上級モデルばかり売れるという話を聞いたことがある。なので、今回試乗したファブリックはかえって希少かもしれない。

走り 9点

 同じクラスのライバルと比較すると引き締まった足まわりを持つXE。それもそのはず、ジャガーはスポーツカーブランドなのだ。そして、そんな走りを生み出すためにモノコックボディにアルミを多用したりというようなワザも使う。エンジンは、ガソリンでもディーゼルでも、どちらでもお好みで。ターボによるパワフルな加速が味わえる。

グーワールド編集部

ライバルの多いセグメントにジャガーが満を持して投入した意欲作。市場に流通している物件数はあまり多くなく、また価格も高めですが、魅力的な存在です。

ポジショニング 9点

 500万円クラスのセダンといえば、輸入車のなかでも人気かつ実力派の多いセグメント。そんな激戦区にジャガーが投入したXEは、上級モデルゆずりのラグジュアリー感たっぷりのデザインとハイテク装備で独自の立ち位置を獲得しています。中古車の物件数はライバルに比べて少ないですが、そこもいい意味で希少価値につながっているのかもしれません。

装備 9点

 インテリアに溶け込むマルチメディアシステムやメーターパネルの12.3インチ液晶、そして高度なドライバーアシスト機能など、ドイツ車顔負けのテクノロジーを採用しているのもXEの特徴。ジャガーのラインアップのなかでも新しい車種だけに、自動ブレーキや車線逸脱警告機能など、最先端の安全装備を備えており、長く愛用できるのも嬉しいところ。

走り 9点

 快適性や安全性と同等以上に優れた運動性能を実現するためにハイテクを導入しているXE。なかでもボディに軽量なアルミを採用しているのがポイントで、これにより走る、曲がる、止まるすべての動力性能を引き上げています。さらに、トルクベクタリングも採用しており、まるでスポーツカーのような俊敏な動きを実現しています。

ジャガーの血筋を色濃く感じさせるスポーティなドライブフィール

ジャガー XE

モデル主要変遷(ジャガー XE)

2014.10「XE ファーストエディション」を発売
2015.06「ピュア」、「プレステージ」、「ポートフォリオ」「R- スポーツ」、「S」を発売 ←今回の中古車
2017.08一部改良

2016年 ジャガー XE ピュア(8速AT)

全長×全幅×全高4680×1850×1415mm
ホイールベース2835mm
車両重量1600kg
エンジン直4DOHCターボ
総排気量1998cc
最高出力200ps/ 5500rpm
最大トルク32.6kg m/1750-4000rpm
サスペンション前/後ダブルウィッシュボーン/インテグラルリンク
ブレーキ前後Vディスク

中古車参考価格帯
290万円~600万円(2014年~2018年 ※全グレード)

※ナンバープレートはハメ込み合成です。

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グーネットマガジン編集部

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グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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