中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.26 / 掲載日:2014.06.20

ホンダ フィット ハイブリッド (2013年9月~) 中古車購入チェックポイント

  • ホンダ フィット ハイブリッド (2013年9月~) 中古車購入チェックポイント

    ホンダ フィット ハイブリッド

    DAA-GP5
    参考車両:ハイブリッド L パッケージ
    初年度登録2013年9月
    追加装備:<メーカーオプション>ホンダインターナビ+リンクアップフリー+ ETC 車載器、15インチアルミホイール、あんしんパッケージ (2013年9月)

  • ホンダ フィット ハイブリッド

■全体のチェックポイント

2013年9月に発売した3代目「フィット」の「ハイブリッド」車。参考車両にはメーカーオプションも付いている。外装・内装をしっかりチェックし、装備機器の機能や作動状態なども確認。肝心のハイブリッドシステムはもちろん、運転支援機構なども正常か必ず確認。きちんと点検・整備された車両を選びたい。

外装と同時に車体骨格にダメージがないか調べる

  • 1.車体の様子を観察する

    ホンダ フィット ハイブリッド(正面)

  • 1.車体の様子を観察する

     まずは、外装にずれや歪みなどがないか探ってみる。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷などにも注意。

  • 2.周辺も同時にチェック

    ホンダ フィット ハイブリッド(周辺も同時にチェック)

  • 2.周辺も同時にチェック

     バンパーは、角や下部に損傷がないか見て、ずれていないか立て付けを調べる。下にあるフロントロアスポイラーの破損にも注意。
     フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、タイヤハウス、フェンダーライナー(泥よけカバー)などもチェック。

3.車体の内側も見る

 車体前部は、ボンネットも、修理/交換していないかチェック。フェンダーの内側に腐食(錆)や修理跡がないか見て、取り付け状態も調べる。同時にフレームに異常がないかチェック。最前部にあるラジエターサポートおよび関連部なども要注意ポイントだ。

  • ホンダ フィット ハイブリッド(車体の内側も見る1)

  • ホンダ フィット ハイブリッド(車体の内側も見る2)

  • 4.関連部も慎重にチェック

    ホンダ フィット ハイブリッド(関連部も慎重にチェック)

  • 4.関連部も慎重にチェック

     ドアは、外面だけでなく、内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部もチェック。同時に、ピラー(柱)など開口部も修理していないかチェックする。

5.下側に要チェックポイント

 車体側面下部は、サイドシル(車体の梁)を必ず調べる。下側も覗いて、損傷、腐食(錆)、修理/交換跡などがないかチェック。特にパネル接合部に注意。同様に、ドア開口部のステップ部(サイドシルの上側)周辺もチェックする。

  • ホンダ フィット ハイブリッド(下側1)

  • ホンダ フィット ハイブリッド(下側2)

6.後部のチェック

 後面も、バンパー、テールゲート、コンビネーションランプ、フェンダー、リアピラーなどの状態をチェック。テールゲートは、解錠・施錠と開閉の具合をチェックし、全開時にしっかり止まっているか調べる。テールゲートの内側やヒンジ周辺も、修理/交換跡などがないかチェック。開口部も、溶接やシーラーの状態に注意しながら慎重にチェックする。

  • ホンダ フィット ハイブリッド(後部1)

  • ホンダ フィット ハイブリッド(後部2)

  • ホンダ フィット ハイブリッド(後部3)

7.損傷の程度にも注意

 リアフェンダーは、ドア開口部に乗り降りによる傷や簡易補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確認。車体の左側は、フューエルリッドと給油口周辺もチェック。

  • ホンダ フィット ハイブリッド(損傷の程度にも注意1)

  • ホンダ フィット ハイブリッド(損傷の程度にも注意2)

  • 8.ホイールとタイヤをチェック

    ホンダ フィット ハイブリッド(ホイールとタイヤ)

  • 8.ホイールとタイヤをチェック

     標準装備はハイブリッド専用レイヤードフィン形状2トーンホイールキャップ付スチールホイールだが、参考車両はメーカーオプションの15インチアルミホイール。傷や破損などがないかチェック。リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意。
     185/60R15タイヤは、残り溝の深さを点検。傷やひび割れ、欠けなどがないかチェック。接地面の一部が極端に減る異常摩耗を起こしていれば、サスペンションの不具合や車体の歪みなどにも要注意。タイヤの状態によっては、車両走行安定機構の作動などにも影響を及ぼすことにも注意したい。

  • 9.下まわりも覗いてみる

    ホンダ フィット ハイブリッド(下まわりも覗いてみる)

  • 9.下まわりも覗いてみる

     「ハイブリッド」は、フロントロアスポイラー、フロント/リアエンジンアンダーカバー、大型フロアアンダーカバー、リアストレーキ(リアタイヤの空気整流板)、リアサスペンションカバー(S パッケージを除く)などを設置して車体下の空気抵抗を低減している。
     床下を覗いて、車体パネルや補強部材、カバー類、マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。錆は、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、広がり範囲と腐食の進行状態をチェック。

★損傷の有無や修理歴を確認

 「ハイブリッド」の外装は、ブルークロームメッキフロントグリル、ブルーメッキヘッドライト、テールゲートスポイラー、導光チューブタイプLEDリアコンビネーションランプなどが専用装備。3代目「フィット」は、インナーフレーム構造を採用してガセット(補強材)やボルトを排しているが、それはともかく、車体骨格にダメージがないか確認したい。車体の骨格部を修理/交換している車両は修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、修理や交換している部分がないか販売店に聞いてみよう。

ハイブリッドシステムと走行機構の具合を確認

1.起動と制御の具合を確認

 スマートキーとパワースイッチの機能を確認し、パワーシステムの起動具合をチェック。起動時には、表示灯・警告灯類の点灯やディスプレイ表示、警告音などにも注意。わからないことや疑問は販売店スタッフに聞いてみよう。
 可能なら試乗してみたいところだが、走行状態(停車・発進加速・低/中速・加速・高速・減速)における[EV(モーター)・ハイブリッド・エンジン・回生(発電)]ドライブモードの制御に異常がないか確認したい。

  • ホンダ フィット ハイブリッド(起動と制御の具合を確認1)

  • ホンダ フィット ハイブリッド(起動と制御の具合を確認2)

2.運転支援機能もチェック

 「ハイブリッド」のATは、ホームポジションから[R・N・D・L]のシフト操作具合をチェック。駐車またはパワーシステム起動時の[P]パーキングスイッチもチェック。走行関連機能としては、スポーティ走行[S]モードスイッチ、省燃費[ECON]スイッチ、クルーズコントロール[CRUISE]と[SEL/RESET]スイッチ、走行安定機構[VSA OFF]スイッチなどの機能と作動状態もチェックしたい。とはいっても異常を判断するのは難しい、というよりもまず無理。不具合などがないかは販売店で調べてもらうほうがいい。

  • ホンダ フィット ハイブリッド(運転支援機能もチェック1)

  • ホンダ フィット ハイブリッド(運転支援機能もチェック2)

★正しく点検・整備してもらう

 3代目フィット「ハイブリッド」は、1モーターハイブリッドシステムSPORT HYBRID i-DCDを採用し、1.5Lアトキンソンサイクルi-VTEC エンジン+高出力モーター内蔵7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)+リチウムイオンバッテリー内蔵IPU(インテリジェントパワーユニット)を搭載。VSA(ABS+TCS+横すべり抑制)、電子制御ブレーキアシスト、ヒルスタートアシストなど、運転支援機構も付いている。「あんしんパッケージ」装着車は、シティブレーキアクティブシステム(低速域衝突軽減ブレーキ+誤発進抑制機能)も含んでいる。
 各機構の構造などはともかく、整備状況を販売店に聞いて確認。車両の購入を決めるなら、きちんと点検・整備してもらうようにしよう。

室内の状態と装備機器類の機能・作動をチェック

  • 1.隅まで細かくチェック

    ホンダ フィット ハイブリッド(隅まで細かくチェック)

  • 1.隅まで細かくチェック

     室内は、内装材に汚れや傷、破損などがないかチェック。シート表皮の染み、擦れ、しわ、破れなどにも注意。床や天井の状態もチェック。ボックス類は、内部の状態もチェック。ボックスリッドやエアコンルーバーなどは、可動部の破損にも注意したい。

2.後部まで念入りに調べる

 前席と後席のシートアレンジもチェック。「パッケージ」装着車は、6:4分割可倒式リアシートのチップアップ&ダイブダウン機構なども試しながら周辺をチェック。カーゴスペースも傷みなどがないかチェックするが、右側のリッド内(工具・ジャッキ・タイヤパンク応急修理キットを収納)や床のカーゴリッド下(停止表示板入れ)などの様子も見ておきたい。

  • ホンダ フィット ハイブリッド(後部まで念入りに調べる1)

  • ホンダ フィット ハイブリッド(後部まで念入りに調べる2)

  • 3.装備機器の作動を確認

    ホンダ フィット ハイブリッド(装備機器の作動を確認)

  • 3.装備機器の作動を確認

     ヘッドライトやウインカー、ブレーキランプなど保安装置。パワーウインドウの開閉やドアロック、室内ランプの点灯など基本的な部分の作動状態をチェック。スマートキーによる各部の動作も確認。フルオートエアコンは、特に冷房の効き具合に注意し、調整・設定を試してみる。
     メーカーオプションの「インターナビ+リンクアップフリー+ETC車載器」装着車は、ナビ、AV、有線/無線接続、スマートフォンのサウンド再生やハンズフリー通話、静電式タッチパネル、オーディオリモコンスイッチなどの機能をチェック。リアカメラのビュー映像やナビ連動ETCなど付随機能も正常か確認。地図更新や緊急通報などインターナビのサービス内容も確かめておくといいだろう。

★細部は販売店で調べてもらう

 参考車両は、「L パッケージ」を装備し、メーカーオプションも追加している。車両をチェックする際は、装備内容を販売店に聞いて確認。装備機器類の機能は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、どこかに異常などがないかは販売店で細かく点検してもらうようにしよう。特に電装機器の具合に注意したい。

■最初に車両の現状を確かめる

 中古車両をチェックする際は、現物を見て「年式(登録年月日)・仕様・グレード」を確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。

目利きはココを見る!

  • ホンダ フィット ハイブリッド(車輌の情報をみる)

    「車両の情報」を見る
    ●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。

  • ホンダ フィット ハイブリッド(車輌の情報をみる)

  • ホンダ フィット ハイブリッド(立て付けを見る)

    「立て付け」を見る
    ●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。

  • ホンダ フィット ハイブリッド(立て付けを見る)

「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。

  • ホンダ フィット ハイブリッド(取り付け状態を見る)

    「取り付け状態」を見る
    ●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。

  • ホンダ フィット ハイブリッド(取り付け状態を見る)

  • ホンダ フィット ハイブリッド(接合部を見る)

    「接合部」を見る
    ●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。

  • ホンダ フィット ハイブリッド(接合部を見る)

■今回の車両のプロフィール

●フルモデルチェンジして2013年9月に発売した3代目「フィット」。車体構造を変更し、内外装デザインを一新すると共に、新開発のエンジンやトランスミッションなども投入。快適性や質感、燃費性能、安全性能も向上している。
仕様タイプは、1.3L エンジン+CVT/5速MTのベーシックな「13G」、1.5L エンジン+CVT/6速MTには上級装備の「15X」とスポーティな「RS」、1.5L エンジン+モーター内蔵7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)+リチウムイオンバッテリー内蔵パワーユニットを搭載した「ハイブリッド」。それぞれに設定した「パッケージ」で装備を選択するようになっている。
「ハイブリッド」は、専用の外装・内装を装着し、車両接近通報装置、エコアシスト、マルチインフォメーションディスプレイ、フルオートエアコンディショナー、スマートキーシステム&パワースイッチ、一体可倒式リアシートなどを標準装備。
「Fパッケージ」は、LEDドアミラーウインカー、チップアップ&ダイブダウン機構付6:4分割可倒式リアシート、高熱線吸収/UVカット機能付プライバシーガラス(リアドア/リアクォーター/テールゲート)などを装備。
「L パッケージ」は、F パッケージの装備に、LEDヘッドライト・オートレベリング/オートライトコントロール機構付、本革巻ステアリングホイールなどを追加し、コンビシート&専用インテリアを装備。
「S パッケージ」は、L パッケージに準じる装備に、RSサイドシルガーニッシュ/リアバンパー/テールゲートスポイラー/シート&インテリア&ステンレス製スポーツペダル、フロントバンパー内蔵LEDポジションランプ、フォグライト、7速マニュアルモードパドルシフト、16インチアルミホイールなどを追加装備する。

■参考車両と同時期の仕様グレード設定

グレード型式シフト駆動
ハイブリッドDAA-GP57ATFF
F パッケージDAA-GP57ATFF
L パッケージDAA-GP57ATFF
S パッケージDAA-GP57AT-MFF

●当初は2WD(FF前輪駆動)車を発売し、同年12月から4WD車(RSを除く)を追加している。

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グーネットマガジン編集部

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