中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.07 / 掲載日:2009.03.18

日産 シルビア 中古車購入チェックポイント

  • 日産 シルビア 中古車購入チェックポイント

    日産 シルビア

  • 日産 シルビア

■全体のチェックポイント

シルビア S14は、スペシャリティカーを基本にしながら、FR(後輪駆動)にこだわったスポーツ性能でクルマ好きが注目していた2ドアクーペだ。中古車は、98年の最終型からでもすでに5年を経過しているので車体の疲労に注意。小さな凹みの板金修理や部分的な補修など、車体表面の塗装状態も念入りに観察しよう。エンジンやサスペンションといった走行機能系も、走行距離と点検整備や消耗部品交換などの記録を参考にしながらチェック。また、サーキット(スポーツ走行)仕様とかドリフト(後輪を滑らせて走る)仕様などに改造された車両も多い。改造の有無と合わせて車体各部をチェックしよう。

  • 1.全体の雰囲気を見る

    日産 シルビア (正面)

  • 1.全体の雰囲気を見る

    少し離れて車両全体を見てみよう。車体表面の色艶をはじめ、車体が歪んだり傾いたりしていないかチェックしよう。ナンバープレートは曲がっていないか? 左右のヘッドライトの色は同じか? バンパーは車体とずれていないか? 車体の切れ目の隙間(チリ)は真っ直ぐか? 一部だけくすんでいたり、艶が違って見えたら、その部分を修理したことも考えられる。

  • 2.エンジンルーム内の様子をチェック

    日産 シルビア (エンジンルーム)

  • 2.エンジンルーム内の様子をチェック

    中古車ショップの店頭に並んでいる車両のエンジンルーム内は、クリーニングされている場合と現状のままの場合がある。一見きれいに見えても、細部を観察してみよう。まず、ゴムホースやベルトの劣化など、消耗部品を点検。オイルのにじみや汚れにも注意。周囲と比べて新しく見える部品は、交換している。整備手帳の記録を参考にすると、トラブルが発生した箇所や修理などの経緯がわかるはずだ。また、参考車両にはきのこ型エアクリーナーやストラットタワーバー(車体を強化して走行を安定させる改造部品)などが装着されている程度だが、エンジン本体にまで及ぶような過度の改造は一般整備工場では扱えないこともあるので、改造箇所も探って把握しておこう。

  • 3.側面のダメージを推測する

    日産 シルビア (ドア ヒンジ)

  • 3.側面のダメージを推測する

    車体側面のドア部分に大きな損傷を受けると、ドア自体を交換してしまうことも多い。交換の際は、ドアを支えている金具(ヒンジ)のネジを脱着するので、ネジの状態をチェックしよう。左右のドアを見比べて、片方だけネジの頭に傷が付いていれば、工具を使ったと考えられる。ただし、ドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともあるので、ネジを脱着したように見えても、必ずしもドアを交換しているとはいえない。

  • 4.前部をぶつけるとダメージ跡が残る

    日産 シルビア (ラジエターサポート)

  • 4.前部をぶつけるとダメージ跡が残る

    ボンネットを開けて、フロントグリルの後ろにあるラジエターサポート(エンジンルームの一番前で左右に渡してある部品)を見てみよう。これは、前部をぶつけると簡単にダメージを受けるので、修正あるいは交換することが多い。左右のフェンダーとの接合部も、不自然なところはないか点検しよう。

  • 5.フェンダーの状態を読む

    日産 シルビア (フェンダー)

  • 5.フェンダーの状態を読む

    フェンダーを固定しているネジの頭の塗装に傷があるのは、工具を使ってネジを脱着した跡。つまり、フェンダーを交換、あるいは修理したと判断できる。フェンダーに手を加えても事故車(修復歴車)扱いにはならないが、フェンダーが無傷なら大きな事故は起こしていないと推察できる。

  • 6.ボンネットから推測

    日産 シルビア (ボンネット)

  • 6.ボンネットから推測

    事故などでボンネットにダメージを負うと、新しいボンネットと交換することも少なくない。ボンネットを支えている金具(ヒンジ)を固定しているネジを脱着した形跡があったら要注意。事故の修理でボンネットを交換した可能性が高い。まれにエンジンの修理などのためにボンネットを脱着することもあるが、その場合は整備記録簿に記録が残っているはずだ。

7.トランクリッドのヒンジ周辺をチェック

トランクリッド(トランクの蓋)は、後部をぶつけるとダメージを受けやすい。修理や交換したかどうかの目安として、リッドを支えている金具(ヒンジ)と周辺をチェックしよう。まずは、リッドがしっかり閉まるかどうか確かめてみる。そして、ヒンジを固定しているネジを脱着した形跡がないか点検。車体側のヒンジの付け根に板金した痕跡や周辺に歪みがないかも見てみよう。

  • 日産 シルビア (トランクリッド1)

  • 日産 シルビア (トランクリッド2)

  • 8.継ぎ目とその周囲を観察

    継ぎ目とその周囲を観察

  • 8.継ぎ目とその周囲を観察

    ドアを開けると、ドア開口部の下に鉄板の継ぎ目がある。リアタイヤ周辺の車体にダメージを受けると、修理のために継ぎ目から鉄板を剥がすことがある。一度鉄板を剥がすと、元と同じ状態には戻らない。それは、継ぎ目部分の溶接の状態を見ればわかる。車体の左右を見比べれば、違いがわかりやすい。

  • 9.色と隙間を見る

    色と隙間を見る

  • 9.色と隙間を見る

    車体にダメージを負って外板(車体の外側のパネル)の修理や交換をする場合は、再塗装あるいは新しい外板部品を塗装することになる。しかし、色合わせは難しく、塗装した色調が微妙に合わないこともある。隣り合う外板の隙間を「チリ」と呼ぶが、チリを境に色が違っていないかチェックしよう。また、新しい外板部品を組み付ける際に誤差が出ることがある。チリの幅が均一でなければ、どこかの外板を修正または交換した可能性がある。

  • 10.フューエルリッドを外すこともある

    日産 シルビア (フューエルリッド)

  • 10.フューエルリッドを外すこともある

    フューエルリッド(給油口の蓋)は、リアフェンダーを板金修理するために外すことがある。固定しているネジを脱着した形跡がないか点検しよう。また、塗料を調合する際に、フューエルリッドの色を参考にするために外すこともある。取り外した形跡があれば、再塗装するなど、他の部分を修理したことも考えられる。

  • 11.隙間が合っていない

    隙間が合っていない

  • 11.隙間が合っていない

    外板(車体の外側のパネル)を交換修理した時などは、隣り合うパネルがずれてチリが狂う(隙間の間隔が均等にならない)ことがあるが、参考車両は、ボンネットの位置がフェンダーの面から下がっている。この場合、フェンダーやボンネットを交換したためにチリ(隙間)が合わなくなっていると考えられる。

  • 12.トランクの底も見落とさない

    日産 シルビア (トランク)

  • 12.トランクの底も見落とさない

    トランクルームの床下に収納されているスペアタイヤを外してみよう。床の歪みなどから、後部をぶつけた大きな事故の跡を発見できることもある。塗装に違和感があったり、周囲に貼り付けてあるパッドを剥がした形跡があれば、車体後部を修理している疑いがある。また、水が溜まっていたり、水が溜まっていたような跡がある場合は、水漏れの原因を突き止める必要がある。車体が歪んで雨水などが浸入することもある。

  • 13.床下を覗いてチェック

    日産 シルビア (床下)

  • 13.床下を覗いてチェック

    参考車両の床下を見ると、サスペンションやアーム類、マフラーなどが交換されて、かなり改造していることがわかる。バランスのとれた有効な改造なら歓迎してもいいだろうが、取り付け状態や部品自体のへたり具合をチェックする必要があるかもしれない。また、セッティング(走り方に合わせて各部を調整する)によってクルマの動きが変わるので、改造車は必ず試乗して確かめよう。ただし、改造車は事故車も多いので、改造部分に気を取られることなく、車体全体をしっかりチェックしよう。

■点検記録簿の内容と時期に注目

  • 書類

    整備手帳などに記入された記録にも目を通して、メンテナンスの状況をチェックしよう。整備工場が記入する記録簿以外にも、ガソリンスタンドやカー用品ショップでオイル交換などをすると、記録シールを貼ったり、カードなどを記録簿にはさむこともある。車体や車検証ケース内も探ってみよう。いずれにしても、定期点検整備を受けて、消耗部品を交換するなどの詳細な記録が残っている車両ば、走行距離が伸びていても走行機能部分には大きな問題を抱えていないと推測できる。

  • 書類

シルビアのコンディションはここで見極める!

  • 1.トラブルを事前に察知する

    トラブルを事前に察知する

  • 1.トラブルを事前に察知する

    キーを捻って、エンジンを始動してみよう。異音が聞こえたり大きな振動が出ているようなら、トラブルを抱えている可能性がある。実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽って、スムーズに回転が上下するか試してみよう。また、ステアリングホイール(ハンドル)も観察してみよう。手が触れる部分のへたりが目立つ車両は、過走行か運転が乱暴だった可能性が高い。

  • 2.タイヤから推測する

    タイヤから推測する

  • 2.タイヤから推測する

    走行距離とタイヤの減り具合を見てみよう。高年式車で走行距離が少ない場合は、極端にタイヤの一部がすり減っている偏摩耗に注意。アライメント(タイヤの取り付け角度)が狂っているだけなのか、あるいは事故で受けたダメージなどで車体が歪んでしまったのかを確かめる必要がある。また、タイヤの接地面だけでなく角や側面まですり減っていたら、激しい走り方をしていたと推測できる。その場合は、車体やエンジン、サスペンションなど各部に負担をかけていると判断できるし、走行に関わる部品などの消耗も進んでいるはずだ。また、メーカー純正以外の太いホイールとタイヤ、あるいはサスペンションを交換している(たいていは色が付いた目立つ部品が付いている)改造車は、専門家に相談したほうがいいだろう。

  • 3.トランスミッションは試走してチェック

    トランスミッションは試走してチェック

  • 3.トランスミッションは試走してチェック

    マニュアルトランスミッションは、できれば試走して、1速からシフトアップ&ダウンを繰り返して、スムーズにギヤチェンジできるかどうかをチェック。同時に、クラッチの切れ具合もチェック。スムーズに断続できるか試してみよう。扱いが悪いと1万kmに満たない走行距離で消耗し、滑っていることもある。

■今回の車両のプロフィール

1993年10月~1998年12月に発売されたシルビア S14型は、走りを楽しむクルマ好きに人気がある。FR(後輪駆動)車に2リッターエンジン(SR20型)を組み合わせて、フロント・ストラット+リア・マルチリンクのサスペンションを採用。仕様バリエーションには、J’sとQ’s、ターボのK’s、3タイプが設定されている。参考車両は、前期型のK’s。96年からは、吊り目形のヘッドランプや派手なエアロパーツを採用するなど、さらにスポーツイメージを高めている。市場に出回っている中古車はK’sがほとんどで、改造車が多いのも特徴だ。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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