先代と比べて少し大きくなり、車重も増したエボXだが、そこはよりトルクフルになった新エンジンがカバー。レッド表示は7000回転だが、4B11ターボは7500回転手前まで鋭く、力強く吹け上がる特性を備え、刺激的な加速パフォーマンスを提供してくれる。で、その性能をフルに引き出すのがツインクラッチSST。Sスポーツモードの自動変速や、パドル操作による手動変速は電光石火のレベルで、サーキットやワインディングでもまったく痛痒感はない。
もちろん5MTにはよりダイレクトに操る楽しさがあるが、高性能車においても2ペダル化は世界の流れ。たとえ奥さんや息子がAT免許でも購入の障害にはならず、スポーツ&Sスポーツモードではランエボのスゴイ走りを存分に味わい尽くせるのだからありがたい。ちなみに、ノーマルモードでの自動シフトは十分にスムーズで、AT感覚でラクに乗ることができる。
では、ハンドリングは? ランエボというと電子メカが注目を集めるが、今回は前後重量配分適正化やボディ剛性強化、トレッド拡大を含むサスの進化といった基本のレベルアップが大きな効果を発揮。サスがいい仕事をするようになったから、ヨーレートフィードバック制御やASC(挙動安定化メカ)を新採用した高度な電子メカがより生きるという図式だ。VIIからIXまでのモデルは意思の疎通がむずかしく、クルマに合わせたドライビングを要求されたが、今度のエボXは人車の対話をしながら走りを組み立てられる。より速く、よりコントローラブルに、そしていちだんと操ることが楽しくなった!
(文:森野恭行 写真:犬塚直樹)
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