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2021年05月22日 12:57スズキ アルトワークス RS/Z エンジンOH他25 油圧を考察 長野県安曇野市
今回は警告灯が点灯してしまう油圧について考察していきます。
始動後30分位でしょうか、法定速度内での走行中、信号待ちの度に警告灯が点灯。
整備書にはエンジン回転が4000回転の時に270kpa「キロパスカル」又は2.8kgf/㎤「キログラムヘイホウセンチメートル」以上あることが油圧良否の基準となっているため、信号待ち時のアイドリング回転である1000回転時の油圧では良否の判断は出来ないということになります。
ちなみにkpaやkg/㎠を記入したのは追加メーターの単位がbar「バール」だったからです。barはスズキの整備書に使われていないので天気予報のイメージしかありませんが、平成初期までの整備書はkg/㎠、平成中期以降の整備書はkpa「kg/㎠」で圧力の単位を記載しています。
上記の油圧の通りkg/㎠とkpaでは数値が違いますが、kpaをmpa「メガパスカル」に変換すると単位が違うだけでbarと数値が同じとなるので、次は工場で使用しているkpa単位の油圧計を用いて比較していきます。
アイドリング時の油圧。
最初の写真よりも油圧が高い「0.25barから0.60bar」理由は油圧計を取り付けている間エンジンを止めていたことによってオイルが冷却され粘度が上がったからです。
追加メーターが0.60barの時、工場の油圧計は120kpaでした。
kpsをmps「メガパスカル」に変換し1.2mpaと読ませていただきます。
単位の違いのところで説明した様に本来であれば工場の油圧計は0.60mpaが正解「同圧」ですが、追加メータのほぼ倍である1.2mpaになっている理由は取り付け場所の違いによるものです。
整備書による油圧測定はオイルプレッシャスイッチが装着されている場所からです。
F6Aはシリンダブロック裏側にオイルプレッシャスイッチが装着されていたのですが、K6Aはオイルポンプケース側面「エンジン正面」に装着されているため、追加メーターのセンサーと位置的には非常に近いですが、細い油道の途中に設けてあるプレッシャスイッチとは対照的に、油道というより広場のようなアタッチメントに設けたセンサーが拾う数値の方が低いのも何となく理解出来ます。
オイルの流れを表にしたモノです。
オイルプレッシャスイッチはオイルクーラーを通過しロアクランクケース内でシリンダブロックに向かうのとは別経路上「表中央の十字路」近くに設けてあります。
つまりオイルポンプから圧送されて始まる油圧が、追加メーター用センサーが設けてあるオイルフィルター部よりも、遠くにあるオイルプレッシャスイッチの方が油圧が高いという逆転の状態になっている事から、少なくとも狭い広いによって油圧に変化があることが判明しました。
念のために整備書通り4000回転時の油圧も比較。
結果は追加メーターが4.3barで工場の油圧計が4.7mpaでした。
2.7mpa以上が正常である事しか記載されていないため、機能的な不具合はないと判断する他無いというのが今回の結論です。
また潤滑が必要な箇所へ向かう油道「オイルプレッシャースイッチ上」であれば追加メーターの警告灯が点灯する0.60bar「0.60mpa」位まで下がる事は無いと判断出来そうなので、気にすることは無いということも今回のもう一つの結論です。
どちらの計器も正常に作動していることを大前提に話を進めたので、もしどちらかに不具合があれば数値の差も数値そのものも違う結果になる可能性はあります。
余談ですがスズキ現行のアルトワークスに搭載されているR06エンジンの油圧は4000回転時に2.5mpaです。僅かな差ですがクランクシャフトによって回されているオイルポンプの圧力が下がるということはフリクションロス「抵抗」が低減されるためパワーアップも可能ですが、間違いなく低燃費を狙った仕様です。
続く。
対象車両情報
初年度登録年月 | 平成10年 | メーカー・ブランド | スズキ |
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車種 | アルトワークス | グレード | RS/Z |
型式 | GF-HA22S |