- HA22S エンジンOH他
- スズキ アルトワークス
2021年04月29日 16:25スズキ アルトワークス RS/Z エンジンOH他4 長野県安曇野市
今回は部品発注の作業風景です。
車検も兼ねているため、ざっと全体を点検した結果、ラジエータとロアアームボールジョイントのブーツは交換です。
ラジエータは入庫時から独特の甘い香りがエンジンルームから漂っていました。
ウォーターポンプやホース類を点検し滲みがなかったので、ラジエータのアッパータンクをバンパーが外れて見やすくなった表側を点検。見事に滲んでいました。
基本、純正部品を使用しますが、ラジエータはびっくり価格なため、社外新品を発注。
社外といってもラジエータも含めあらゆる部品はスズキで作っているのではなく、製造会社さんで作った物をスズキが買って生産ラインで組付けているため、今回のコーヨーさんもメーカーに売っている会社が生産しているラジエータなので何の問題もありません。
検品の精度というか基準がスズキなどのメーカーの方が高いかも知れませんが、同等品を包む外箱にスズキの品番があるかないかで金額が違うのは何とも面白い話です。
ラジエータ同様にロアアームのブーツにも社外新品が存在しているのですが、ドライブシャフトブーツ・ステアリングラックブーツにエンジンのヘッドカバーガスケットなどは純正部品同等と感じるのですが、ロアアームとタイロットエンドのブーツは明らかに純正の方が肉厚なため、長く乗るコト「乗れるコト」を前提にワークスを作る時は高額でも純正のブーツを使用しています。
ちなみに今回のワークスより古い旧規格時代の13インチ用ブレーキキャリパOHキットも社外新品が存在していますが、スリーブが組み込まれる筒の中に装着されるOリングに違いがあります。
社外品はキレイな丸型のOリングですが純正は凸凹型のOリングです。Oリングの全周でスリーブと接触する社外品と比べ、実質半分程度の面積でしか接触しない純正品の方が明らかにスリーブの動きが滑らかで軽いです。
ちょっとした事ですが、純正部品のこだわりに嬉しい気持ちになります。
シリンダーボーリング・クランクシャフト再生研磨・シリンダーヘッド面研・バルブガイド打ち換え等々エンジン再生他、クルマ屋さんが困った時の駆け込み寺的な存在であった金属加工屋さんに20代の頃勤めていた事と、スズキの販売店であるため小さなOリング1つでもパソコン上で部品発注出来るコトから、大好きなワークスやセルボは自社でエンジンのOHをしています。
ここからは部品図を見ながら、OHに必要な部品などを紹介していきたいと思います。
エンジンの部品図全体を旧規格ワークスと見比べてみると部品点数の少なさにちょっとびっくりします。コストダウンもあるとは思いますが、より洗練された感じです。
先ずはシリンダヘッドです。
基本的にガスケットやOリング等のゴム部品は全て交換します。
スズキは旧車乗りにとって非常に良心的なメーカーです。
ちなみに今回の部品発注で販売終了していた部品はゼロです。
次にシリンダーブロックです。
ここではオイルクーラーのガスケット・ボルトのOリングを発注します。
次にオイルパンです。
ストレーナ・レベルゲージのOリング発注です。
次にエンジンマウントです。
リヤ側が切れていて交換した経緯があるため、バラしていく過程で交換の有無を見極めたい部品の1つです。
2人で作業するようになったこともあり意思疎通のため見極め部品に丸印を付けています。
次にタイミングチェーンです。
F6Aとの決定的な違いの1つであるベルトからチェーンへの進化?
油道のコレステロール化による異音が全くないので、チェーンはもちろんガイドのダメージ「摩耗」も少ないのでは?と予想していますが、ここも要確認部品です。
いよいよ心臓部のクランクシャフトです。
エンジンの圧縮圧力低下の原因の1つがピストンリングの張力減衰です。
今までの経験からシリンダー内径の摩耗は0.20㍉前後だと予想し、0.10㍉大きいサイズのマーク1ピストン・リング他を発注します。
K6Aのクランクシャフトメタル「親メタル」は5種類用意されているので、バラした時に確認し適正なサイズを使用します。
カムシャフトブロックです。
エンジンの圧縮圧力低下の、もう1つの原因がバルブとシートの密着不良です。
今までの経験から再研磨と擦り合わせでいく予定です。
ここではステムシールとスプリングを発注します。
この型からカムシャフト軸にメタルが採用。
VVT機構によるモノだと思いますが、これも発注します。
インテークマニホールドです。
ガスケットはもちろんですが、PCVバルブ回りも確認して劣化が著しい様なら交換します。
スロットルボデーです。
インテークマニホールド内外の汚れが激しい場合はスロットルボデーを外し清掃します。
ターボチャージャです。
ガスケットは交換です。
インタークーラー・ABVのホースは要確認です。
エキゾーストマニホールドです。
ガスケットは交換、酸化が激しいのでボルトも要確認ポイントです。
マフラーです。
ガスケットは交換。
酸化で折れてしまったフランジボルトと縮んでしまったスプリングも交換です。
燃圧が正常だったのでレギュレータは見送りますが、交換しておいた方が良い部品ではあります。
フューエルホースは要確認です。
デリバリパイプです。
Oリングやクッションは交換します。
インジェクターはスズキスポーツさんの285ccです。
サードさんの300ccの12穴を試してみたい感はあります。
オイルポンプです。
VVTが組み込まれた事によって部品点数が増えてます。
しっかり洗浄していきます。
続く
対象車両情報
初年度登録年月 | 平成10年 | メーカー・ブランド | スズキ |
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車種 | アルトワークス | グレード | RS/Z |
型式 | GF-HA22S |