BMW 330e F30 ｜バッテリー交換したのに「バッテリー消耗」のメッセージが出る【徳島 プレミアムカーセンター】徳島 香川 淡路島｜車検・点検・修理のグーネットピット

徳島市よりご来店のBMW 330Eのお客様

先日、当店にてメインバッテリーとサブバッテリーの交換をご依頼いただいたのですが、
「数日経つとバッテリー消耗の警告が表示されるとのことで再度ご来店いただきました。

前回の整備後にも関わらずご不便をおかけし、大変申し訳ございません。

実は、バッテリーを交換していても電源系のコンピュータが完全にスリープに入らず、電力を消費し続けてしまうケースがまれにあります。
しかし今回のお車は 330E（ハイブリッド車）。
12Vバッテリーに加え、高電圧バッテリーも搭載されているため、症状の切り分けが少し複雑です。

まずは症状の確認と、故障診断機によるチェックを進めていきます。

BMW専用テスターで故障コードを確認したところ、
「高電圧バッテリー過放電」の故障コードが検出されました。
つまり「高電圧バッテリーの残量が極端に低い」という状態です。

メーター上でも確かに HV バッテリーの残量が少なく表示されていました。
ということで高電圧バッテリーの充電を実施。

しかし、充電を行っても警告の消灯や状態の改善は見られません。

故障の原因を調べていく中で、気になる点が。

キーOFF後のシャットダウン中にも関わらず、
12Vバッテリーに常に14V超の電圧がかかっている（充電され続けている）状態でした。

330Eのシステムを再確認したところ、

①12Vバッテリーが減ると、高電圧バッテリーから補充電される
②一定時間後、充電は停止する

という制御になっています。

つまり車両側では、
①「12Vバッテリーが空だ」と判断
②高電圧バッテリーから充電を開始
③しかし高電圧側も電力が減少
④結果として 高電圧側も“空”と判断される

という流れになっていると推測できます。

ということで、12Vバッテリーが“空だ”と判断される理由を突き止める必要があります。

12Vバッテリーが空になる原因としては以下の3つが考えられます。
① 暗電流が異常に高い（ECUがスリープしない）
② バッテリーセンサー不良で誤った情報を送っている
③ そもそも12Vバッテリー本体の不良

この順番で原因を切り分けていきます。

サーキットテスターで暗電流を測定したところ、
測定できないほど低い電流が流れていました。

どこかのコンピュータが起き続けている可能性は低いと判断。

次に、当店代車（同モデル）のバッテリーセンサーと交換して様子を見ます。
しかし 症状は変わらず。

仮のバッテリーを装着して動作を確認したところ…

・警告メッセージ → 消失
・故障コード → 検出なし

すべての症状が改善されました。

つまり原因は、
先日交換した12Vバッテリー本体の初期不良でした。

取り付けていたのは BMW純正バッテリー。
バッテリー本体の保証で新品へ交換させていただきました。

交換後は警告も出ず、各システムも正常に作動しています。
これで安心してお乗りいただける状態となりました。

バッテリーの初期不良は非常に珍しい事例ですが、
今回の診断で貴重な経験を得ることができました。

作業後はしっかりと試運転を行い、問題がないことを確認して納車いたしました。

この度はご入庫いただき誠にありがとうございました。
またのご来店をスタッフ一同心よりお待ちしております。



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