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2023年06月13日 18:12自動車・モータースポーツ雑記 第3.5回「ル・マン24時間耐久レース2023 決勝を振り返って」

6月に入って天候に恵まれない日々が続く今日この頃。前回の記事で触れた通り、今年2023年に記念すべき100周年を迎える第91回ル・マン24時間耐久レースは6月10日の現地時間16時・日本時間23時に決勝のスタートを迎え、6月11日の同じく現地時間16時にチェッカーを迎えました。日本と同じように目まぐるしい天候の変化に振り回され、時には13㎞に及ぶコースの一部だけ局所的に雨が降る等難しいコンディションの中行われた決勝はここ数年例を見なかった程に荒れ、スタートを切ったときには総勢62台いたマシンはレース終了時には40台にまで減るほどのサバイバルレースとなりました。そんな中総合優勝を飾ったのは、50年振りのル・マン復帰となるフェラーリの51号車。復帰初年度でありながら、終始圧倒的なペースでレースを支配しました。

前回の記事で触れた通り今回のル・マンでは最高峰であるLMHクラスのうち4車種に対しハンデウェイトによる性能調整が実施されましたが、フェラーリに課せられたハンデはトヨタに次ぐ24㎏。しかし実際にはそれを感じさせない快走を披露しました。また、WECの開幕三戦の様子からトヨタにレースペースで劣ると言われていたフェラーリでしたが、いざレースが始まってみればトヨタのレースペースを上回りつつも安定した走りを見せ、それを24時間維持できる信頼性も持ち合わせていました。デビューからたったの四戦でここまでル・マンを戦えるマシンに仕上げてきたことは驚愕に値します。トヨタとのハンデウェイトの差は13㎏ありますが、それが無くても互角の勝負を展開出来ていたことでしょう。

50号車は途中で首位争いから脱落しましたが、その50号車すらもトヨタに対しプレッシャーを掛けるために戦略的に有効活用し51号車の首位を盤石のものとします。このあたりの巧さは流石、耐久を戦い慣れたAFコルセといったところでしょう。唯一、マシンの不安要素としてピット時の再始動のトラブルがありました。トヨタがもし終盤のスピン無しに付いてきていれば、このトラブルによって51号車が首位を失っていた可能性は大いにあります。

対するディフェンディングチャンピオン・トヨタは8号車の一台のみが2位完走。フェラーリの後塵を拝し6連覇を逃します。信頼性の高さは相変わらずだったもののスピードはやや精彩に欠き、また夜の間に二台のうちより良い位置に付けていた7号車が激しい追突を受けリタイアに追い込まれてしまうなど不運が重なった結果、レース時間の半分を消化する前に戦略的自由度を大きく失うこととなってしまいました。それでも残った8号車が終盤にかけて果敢なプッシュを見せ一時は首位の51号車に手が届くか?というところまで追い上げたものの、タイトロープを渡るような限界ギリギリのアタックは遂に破綻。残り2時間を切ったというところでアルナージュのブレーキング時にリアがスナップ、そのままスピンを喫しタイヤバリアに接触してしまいマシンは小破。予定外のピットでの修復を余儀なくされます。この瞬間にフェラーリとの一騎打ちは事実上決したと言っていいでしょう。

とはいえ、待ちに待った“実態のあるライバル”がようやく目の前に現れ、トヨタにとっても絶対に負けられない戦いだった今年のル・マン。プッシュせずに2位に甘んじるなどという選択肢は彼等には無かったでしょう。来年の雪辱戦に期待したいです。

キャデラックはほぼトラブルフリーで安定して走り切った2号車が3位でフィニッシュ。LMDhマシンの最上位を獲得した他、大きなトラブルに見舞われた他の2台についても修復を果たし完走(しかも3号車は4位!!)と圧倒的な信頼性・堅牢性を見せつけました。LMDhの前身とも言えるDPiも同じくLMP2をベースとした規定なので、その経験値が彼等のマシンの強さに繋がっているのかもしれません。3台並んでのデイトナフィニッシュにはグッときた人も多いことでしょう。

LMH参戦3年目となるスーパープライベーター、グリッケンハウスはフェラーリの50号車に次ぐ6位・7位でフィニッシュ。メーカーワークスが多くひしめく今年のル・マンに於いて、独自開発のマシンで戦いこの順位は立派と言えるでしょう。

プジョーは天候不順の混乱に乗じ一時首位を走るなど地元ファンを沸かせますがクラッシュ等で大きく後退、結局93号車の8位が最上位に終わります。

今回最も不甲斐ないワークスチームはポルシェでした。ハンデウェイトを受けた4車のうち最も軽い3㎏の重量増ながらレースペースは振るわず、またワークス全車に大きなトラブルが発生し夜を迎える前に優勝争いから脱落。その殆どは信頼性の問題で、かつての耐久王の姿は見る影もありませんでした。最上位は5号車の16位。これは下位クラスであるLMP2のマシンにも劣る結果です。ポルシェ唯一の見せ場と言えば、プライベーターのJOTAが一時首位を走ったことぐらいでしょうか…。

ヴァンウォールもといバイコレスは、自身のル・マン最長走行時間を更新した直後にエンジンから白煙を立ち上げストップ。またも完走ならずと残念な結果に終りました。とはいえポルシェとトヨタそれぞれの一台には勝ったとも言えるので、彼等としては大金星なのではないでしょうか。

年に一度の、長いようで短い24時間の祭典は今年も終わりを迎えました。今年輝きを放ったチームも対照的に散々たる結果だったチームも、一年後にはより力を付けてル・マンに挑むことでしょう。そんな中、トヨタがどんな戦いを見せるのか?そして雪辱を果たし、5連覇の王者としての威厳を見せつけることができるのか?次のル・マンが今からもう待ち遠しくて仕方ありません。

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