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2022年02月26日 17:35BMW M3 車検・納車整備

BMW M3 車検・納車整備

BMW M3…社内のモデルコードから通称”E46”と呼ばれるこの三代目がデビューしたのは、西暦2000年のことでした。”M”のバッヂには特別な意味が含まれています。今回は、少し歴史の話をしましょう。
M3の歴史の始まりは1986年、”E30”と呼ばれる二代目3シリーズまで遡ります。この初代M3は、当時グループA 規定車両で争われたDTM(Deutsche Tourenwagen Meisterschaft:ドイツツーリングカー選手権)を制する為に生まれた純粋なモータースポーツホモロゲーションモデルでした。コンパクトな車体に高回転型の直列4気筒エンジン「S14」を搭載した軽量なFRスポーツセダンで、内部からボディパネルに至るまで徹底した走りへの最適化が図られた結果、ベースの3シリーズとの共通部品は殆どありません。
実戦への投入は翌1987年。その動力性能は極めて高く、メルセデスの190E 2.3-16、フォードのシエラRSコスワース、ボルボの240ターボといった強豪がひしめく中、エリック・ヴァン・デ・ポールのドライブで投入初年度からDTMのドライバーズタイトルを奪取。

BMW M3 車検・納車整備

その後はDTMに留まらず世界各国のグループA規定のツーリングカーレースやラリーで活躍し、全日本ツーリングカー選手権でも多くのプライベーターに愛されました。
91年にE30M3の生産が終了し、約1年の空白を置いた後、92年に三代目”E36”3シリーズをベースとした新しいM3がデビューします。
コンペティションの為に生まれた純血のサラブレッドだった先代とは異なり、二代目M3はどちらかと言えばラグジュアリースポーツ寄りのキャラクターを与えられました。搭載エンジンは先代の軽量な4気筒から打って変わって3.0L直列6気筒のS50B30に改められ、車重は1.4t超えと重くなりましたが、300馬力に迫る最高出力を発揮しよりパワフルに。後期モデルでは3.2LのS50B32にスープアップされ、エンジンパワーは自然吸気ながらリッターあたり100馬力超えを達成。
また、後期モデルではMTの他にモータースポーツで培われた技術をフィードバックしたシングルクラッチのセミAT「SMG」を市販車初搭載しましたが、こちらは低速域で半クラッチの制御が非常にギクシャクしたり、故障も頻発し評判は芳しくありませんでした。

このE36M3もまたDTMへのワークス参戦を画策されており、93年に施行される新車両規定”クラス1”に合わせて開発されたテスト車両も作られましたが、ホモロゲーションの獲得に関してオーガナイザーと揉めた末にお蔵入りに…
DTMから身を引いたBMWはE36の主戦場を専ら318iをベースとした”クラス2”規定のツーリングカーレースに据えましたが、その一方でM3GTやM3GTRといったM3ベースのホモロゲーションモデルも幾つか生み出されます。これらのホモロゲーションモデルは北米のIMSA-GTやドイツのADAC-GT、更には国際自動車連盟が主催するFIA-GT等といった各地のGTカーレースで活躍し多くの勝利を収め、生い立ちこそ違えどこの二代目M3が先代のサラブレッドの血を確かに引き継いでいることを証明してみせました。
E36M3の生産は98年に終了しますが、その二年後にいよいよ今回の主役、”E46”M3が世に放たれます。

BMW M3 車検・納車整備

E30からE36へのモデルチェンジとは異なり、E46は先代からキープコンセプトで進化を遂げました。搭載されるS54エンジンは排気量こそ先代の後期モデルと同じ3.2Lですが、最高出力は343馬力と実に20馬力以上も向上し、1.6tに迫る重量級の車体を僅か5.1秒で100km/hまで加速させます。また、スキッドパッドでの旋回Gは1Gに迫らんばかりの0.89Gを発生。コーナリングに於いても優れた運動性能を示しました。
E36同様SMGの設定もありますが、こちらも改良が施され信頼性が向上。シフトスピードもより速くなりました。
歴代M3の例に漏れず、E46もまた発売から間を置かずモータースポーツへ投入されます。BMWワークスが選んだ戦場は北米・ALMS(アメリカン・ル・マン・シリーズ)。70年代のIMSAに3.0CSLで殴りこんで輝かしい戦績を収めて以来、北米はBMWにとって重要な市場でした。
しかし、E46の初陣は決して順調ではありませんでした。重く・長く・そして重心の高い直列6気筒エンジンでは、純スポーツカーであるポルシェ・996と渡り合えるほどの充分な運動性能を確保出来なかったのです。

BMW M3 車検・納車整備

2000年のALMSをGTクラス3位で終え苦汁を舐めたBMWは、打倒996を目標に据えたALMSスペシャルなM3の開発に着手。その結果生まれたのが、E46 M3 ”GTR”でした。
このマシンの最大のトピックはなんといってもその心臓部でしょう。BMWのお家芸とも言えるインライン6は降ろされ4.0L・自然吸気のV型8気筒に改められましたが、この「P60B40」と呼ばれるエンジンは基本設計からBMWのモータースポーツ部門で開発され、潤滑方式にドライサンプを採用した純然たるレース専用ユニットだったのです。
重心・重量配分が改善され更には450馬力の強力なパワーを手にしたM3GTRは狙い通り996と互角以上に渡り合って見せ、ヨルグ・ミューラーのドライブによって10戦6勝の圧倒的強さで2001年のALMS GTクラスチャンピオンに輝きます。
その一方で、M3GTRの存在は物議を醸しました。市販車に同一型式のエンジンを持たないM3GTRは完全なるプロトタイプレーシングカーで、ホモロゲーションを取得していないのではないかと他のエントラントから不満の声が上がったのです。

当時ALMSにおけるGTクラスのホモロゲーションの獲得には、当該シーズンの車両規定が発行されてから12ヶ月以内に最低2大陸においてロードバージョンが販売されていることが義務付けられていました。BMW側は、デチューンしたP60B40を搭載したロードゴーイングバージョンのM3GTRを後出しで10台市販するとしてこれに対応(但し実際に生産されたのはたったの6台だった上に、内3台は試験用のプロトタイプであったと言われています)。
しかし翌2002年にレギュレーションはより厳格化し、100台のロードカーと1000基の同型エンジンを生産しなければペナルティ無しでの参戦は不可能となりました。当然、事実上レーシングエンジンであるP60B40をそのような基数生産して採算が取れるわけがありません。M3GTRを締め出すためと言っても過言ではないこのレギュレーション変更によりBMWはALMS撤退を余儀なくされ、たった一年の短い王朝は幕を閉じる形となってしまいました。

こうして一度は活躍の場を奪われたM3GTRでしたが、その後2003年にドイツ国内の著名な耐久レース・ニュルブルクリンク24時間耐久レースに投入され復活、2004年と2005年に同レースの連覇を果たします。また、2004年にはベルギーのスパ24時間耐久レースに於いてもクラス優勝、総合順位でも6位に食い込む活躍を見せました。
このようにレースでの活躍期間は決して長いとは言えなかったM3GTRでしたが、それにも関わらずある一件を切っ掛けに多くの人々の記憶に強く残る一台となります。2005年に米・エレクトロニック・アーツ社から発売されたレースゲーム、「ニード・フォー・スピード:モストウォンテッド」に於いて同車のコンペティションモデルがパッケージの表面を飾るカバーカーとなり、ゲームの劇中に於いても印象的な活躍をしたのです。
これによってM3GTRの存在はディープなモータースポーツファンやカーマニアのみならず、このゲームをプレイした多くの人々にも認知され、特に幼少期や青春時代にモストウォンテッドをプレイした世代にとっては特別な思い入れのある一台となったのでした。

BMW M3 車検・納車整備

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…さて、本題に入っていきましょう。
今回は納車前の車検整備ですが、見ての通りウィンカーレンズのステーが割れてプランプランになってしまっています。

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こちらは新品レンズに交換。しかし、1ヶ所で固定されていてなんとも心許ない造り…

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エンジンオイルとオイルエレメントも同時交換。今回の使用オイルは日産のエンデュランス 10W-50。規定油量は5.5Lとなります。

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缶を見るとフランスの著名な耐久レース・ル・マン24時間耐久レースを戦ったR33 LMに使用されたオイルから得たフィードバックで開発されたと何やら誇らしげに謳ってありますが、肝心なR33 LMの成績は1995年が10位、1996年が総合15位とあまり誇れるものではないような…?
とはいえ完走は果たしているので、耐久性に関してはお墨付きといったところでしょうか。

BMW M3 車検・納車整備

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オイルエレメントはインナー式ですが、近年のプラスチックケースのタイプとは違い、アルミの蓋を真ん中の細長い一本のボルトで押さえつけて固定してあります。
蓋のみならずボルトの方にも小さなパッキンが使われているので、こちらもきちんと交換しましょう。
ハウジング内に残ったオイルもきちんと吸い出します。

BMW M3 車検・納車整備

余談ですがE46M3のタコメーターはレッドゾーン/イエローゾーンがバックイルミネーションで表示されており、暖気状態によってイエローゾーンが変化し「ここまでなら回していいよ!!」と教えてくれるようになっています。私の車にもこんな親切機能が欲しい…と思いましたが、LEDが切れたら面倒臭そうなのでやっぱりいらないですね。

対象車両情報

初年度登録年月平成14年メーカー・ブランドBMW
車種M3グレードM3クーペ
型式GF-BL32

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