ハマーＨ２　 異音、パワー不足修理、整備 プロペラシャフト交換｜車検・点検・修理のグーネットピット

今回ご入庫いただいた車両はハマーH2です。異音がして、パワーがなくなったとのこと。まず初めは試運転です。そこでの症状確認と再現性の確認がこの先の整備、修理に必要になってきます。

まず思い当たったのがプラグと、イグニッションコイルです。試運転で症状が出ました。40キロ超えたあたりからコトコトカタカタ聞こえてきます。お客様から聞いていたパワーがないと言われていたのが異音とともに体感できました。
ですが、アイドリングや空ぶかしは絶好調。
あれ？？これはもしかしてと思い強めにアクセルを踏んで60キロまでスピードを上げると、かなりフロアの下あたりからガタガタ聞こえくるようになりました。

早速会社に帰り、ジャッキアップです。
いきなり見つけてしまいました。
サビの汁が出てます。これは緩んでいる、もしくは緩みかけている状態で走行を続けて鉄同士が擦れて錆びている状態です。
一旦タイヤを接地させて締め込んでみます。

やはり締まります。緩んでいました。念の為全輪タイヤを外して足廻りの緩みを確認後増し締めしておきました。

そこはさておき、問題のガタガタを探しにジャッキアップした車両の下に潜り込んでいきます。すると怪しいやつを見つけました。
それがこいつです。プロペラシャフトです。

赤いサビの汁が出ているところが、プロペラシャフトのユニバーサルジョイントと言われるベアリングの入ったジョイントです。このユニバーサルジョイントのベアリングはニードルという細い鉄の棒が多数並べられた筒の中にグリスが入っていて中の棒がクルクルと回ることによって抵抗なく回ることができるようになっているベアリングです。
このニードルベアリングは水分や油切れに弱く、給油や防水が絶対的に必要なんですが、乗用車系のプロペラシャフトには給油をするグリスニップルがないことが多いです。貨物車には大抵ついてます。

写真では動きが見えないので伝わりにくいですが、手の力で動いてしまうほどのガタがありました。

ガタが出ていたのは前側、ミッションに繋がる方のユニバーサルジョイントでしたが、後ろ側もうっすらサビが出てきています。

ここで部品の手配をしました。納期は2週間。お客様には大変長くご迷惑をおかけしましたが、純正の部品がいいと言われたこともありこの納期でご理解いただきました。

写真では少し見づらいですが、対策品になったのか前後ともにグリスニップルが付いていました。これで故障のリスクが少し減ります。

交換作業完了です。もちろんですがガタもないですしカチッときています。

ジョイントのベアリングには多少グリスは入っていますが、念のためにグリスアップしておきました。完成です。
そして毎回ドキドキの完成後試運転です。最初になった時と同じように走ります。ガタはないか、異音はないか、エンジンパワーは伝わっているかなど感覚ではありますが感じながら運転します。
症状なし。再現性なし。完治です。今回の故障診断からの修理はこれで完了です。


小さな故障が大きなトラブルになることはよくあることです。今回のように少しの違和感、フィーリングの変化や異音など何かございましたら、何なりとお申しつけください。お見積もりから作業までスピード感を持ってご対応させていただきます。

今回はご入庫いただき誠にありがとうございました。

足廻りが緩んでいたこともお客様にはしっかりお伝えして、タイヤの空気と同じようにたまに確認していただくようお伝えさせていただきました。

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