- その他修理・整備
2017年08月31日 13:23京都 北区 ブレーキ修理 キューブ
キューブ ブレーキの異常でレッカー搬入でご入庫です。
お伺いすると、
走行中いきなりブレーキが効かなくなりあわや前の車に衝突寸前のところで
なんとかサイドブレーキを引き停止したとのこと。
慎重に運転し近くのガソリンスタンドに入り見てもらったが原因不明で
レッカーで運ばれご入庫いただきました。
運ばれてきた時に車を動かしてみると問題なくブレーキはしっかり効いています・・・
よくお話を聞いてみると朝からブレーキが引きずっているような違和感を感じられていたとのこと
これでだいたいの見当はつきました。
リフトアップし、タイヤを回してみると前輪のタイヤが回らない
バラしてみると判明
フロント左のブレーキキャリパーのピストンが固着しブレーキペダルを放してもブレーキが掛かりっぱなしの状態でした。
どうやらブレーキが掛かりっぱなしのため
高温になりブレーキオイルが沸騰し液中に気泡が発生したため
ブレーキが効かなくなってしまったようです。
いわゆる「ペーパーロック現象」です。
しかもさらにお話を伺うと、
ここ数年はご自信でユーザー車検に行かれていたようで
メンテナンスなど全くされていなかったらしく
ブレーキオイルも4年くらいは交換されていないとのことでした。
その為ブレーキオイル内の水分量の割合が高くなり、
沸点が下がり沸騰しやすくなっていたことも要因として考えられます。
ちなみにレッカーで工場に搬入された際に問題なくブレーキが効いていたのは
走行していないためブレーキの温度が下がり液内の気泡が無くなったため通常通り
ブレーキが効く状態に戻ったと思われます。
それでは修理にかかります。
まずはばらしたキャリパーピストン↓
↑やはりサビだらけ
ピストンを抜くのにかなり苦労しました。
先にも述べたように
ブレーキオイルを長く交換しないでいると液内の水分量が多くなります。
そのためブレーキオイルが触れている金属部分はサビが生じやすくなります。
このサビが固着の原因です。
余談ではありますが、
ブレーキオイルの交換は工賃込みでも数千円で済みます。
その数千円を出し惜しみしてしまうと結局今回のような高額修理につながってしまい
しかもあわや大惨事になるところでした。
ですので、
やはり車検ごと(2年毎)のブレーキオイルの交換は絶対にされるべきだと思います。
さて、作業に戻ります。
↓掃除後のピストン
↑綺麗になりました。
つづいてキャリパーのオーバーホール
これでブレーキの固着(引きずり)はなくなりました。
あとは異常に磨耗してしまったパッドの交換とローター研磨
組み付け後ブレーキオイルの交換
念のためリアブレーキのO/Hもお勧めしましたが、
予算的にとりあえずとのことでしたので
点検と調整をし作業完了です。
試運転し
ブレーキ快調、異常無し
納車時お客様より、
「次からは車検もメンテナンスも全てお願いします。」
というお言葉をいただきました。
ありがとうございました。