- ミッション・駆動系修理・整備
- スバル サンバートラック
2017年03月20日 16:164WD入らない?
"リヤタイヤが滑って動けない" と言ってチェーンを取り付けた状態で入庫しました。 詳しく話を聞いてみると凍った雪道でリヤタイヤが空転してしまうのでチェーンをまかないと動かないとの事 メーター内の4WDランプは点灯しているとの事だった。
四駆に入っていないと判断し点検していくがスイッチの操作に連動してメーター内のランプは点灯・消灯するし、故障しやすい切替用のソレノイドバルブも作動は良好、切替をするためのダイヤフラムも機密・作動ともに良好だった。ドレーンよりオイルを抜いてみるとキラキラ光沢のある汚れたオイルがでてきた時 "なぜ こんなに金属粉が混じっている? なにが削れている?” と疑問に思いフィラボルトの穴から内部を確認してみると動いていると思っていたトランスファリングギヤが切替操作で動かないことが確認出来た。
トランスファ上部にあるカバーを外してみると原因が判明しました。
リングギヤを動かすためのシフトフォークが破損して半分しかなくリングギヤから外れていました。
写真では組直したためリングギヤにはまっていますが作動させると下側に外れてリングギヤを作動・保持する事が出来なくなり四駆に入らないとなっていたのです。オイルに混じっていた金属粉は破損した部品半分が他と接触しながら動いていたために削れたものと考えられます。他のギヤに嚙みこまなかったことはラッキーでした。
修理書で手順を調べていると脱着しなくても交換出来そうと思い作業にかかることにしてみました。
フロント駆動用ミッドシャフトを分解取り外した写真です。
中央に見えるシャフトがトランスファーギヤになり、これを抜くと交換作業が可能になります。
丸いゴムパッキンみたいなものがダイヤフラムでこの先にシフトフォークが組付いています。これと トランスファーギヤシャフトを取り外すとシフトフォークを交換することができます。
知恵の輪のように部品を内部に入れ取り外したギヤシャフト等を組み付けて作業完了です。四駆切替操作及びロードテストで異音等の発生がない事をチェックして納車しました。
今回は本来トランスミッションを脱着・分解して行う作業でしたが、事前の手順確認の時点で車上での作業が可能であると判断出来た事により修理費用・時間を抑えることが出来ました。
今後もこの様なケースはあり得る事と思います。最善を尽くしたいと思います。
対象車両情報
メーカー・ブランド | スバル | 車種 | サンバートラック |
---|---|---|---|