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サスペンション・足回り修理・整備 [2020.01.28 UP]

【アライメント調整】アライメントを調整すべき場面や効果は?調整料金も解説

【アライメント調整】アライメントを調整すべき場面や効果は?調整料金も解説

日頃車を運転していて、「ハンドルが取られる、なんか真っすぐ走らない」と感じたことはありませんか?もしかしたらそれは、アライメントが狂っているせいかもしれません。このページでは、「そもそもアライメントとは何か?」から「アライメント調整すべき場面や効果、調整料金」までを徹底解説していきます。

アライメント調整とは?アライメントの構成要素

アライメントは日本語で「並べる、整列、提携」といった意味があります。車におけるアライメントとは、ホイールの整列具合を表します。つまり、ホイールの向きや角度などを調整して揃えることを指します。アライメントの構成要素は主に、キャンバー角、トー角、キャスター角の3つです。細かく言えばキングピン角やスラスト角などもありますが、一般的なアライメント調整では触れないためここでは省略します。これらの角度は製造段階で揃えられて納車されますが、ボディ本体や足回りを支えるブッシュの歪みによって少しずつズレてしまいます。それを元に戻すことによって、本来の走りを取り戻す作業が、アライメント調整です。

キャンバー角

キャンバー角とは、車を正面から見たときのタイヤの角度をいいます。タイヤがハの字になっている状態がネガティブキャンバー(-)、タイヤが逆ハの字になっている状態をポジティブキャンバー(+)と呼びます。キャンバー角が極端についていると、タイヤが地面に対して斜めに接地するため異常摩耗の原因になります。一般的には、-0.2~-1.5度程度(ネガティブキャンバー)が正常な範囲です。なお、現代の車は基本的にポジティブキャンバーに設定することはありません。キャンバー角が付いている理由は、コーナリング中にタイヤをなるべく地面に接地させるためです。角度がついていないと、コーナリング中にタイヤがよじれて垂直に接地しなくなってしまいます。そこで、あらかじめ角度をつけておくことにより、コーナリングで傾いた状態で、タイヤが垂直に接地するようになります。もしキャンバー角がついていない(0度)状態で走行すると、コーナリング中にタイヤが均一に接地しないため変磨耗してしまいます。タイヤを均一に接地させるためには、適度な(ネガティブ)キャンバー角が必要なのです。

トー角

トー角とは、車を真上から見下ろしたときのタイヤの向きを指します。他の項目とは違い、角度ではなくmmで表記されます。人間の足に例えると、内股がトーイン(+)、がに股がトーアウト(-)です。キャンバー角と同じで、トー角も極端についているとタイヤが異常摩耗する原因になります。トー角は0度か若干のトーインが一般的です。トー角がついている理由は、直進安定性を向上させるためです。また、キャンバー角によって発生する、タイヤが進行方向に向かって内側もしくは外側に進もうとする力を、制御する意味もあります。例えば10円玉を転がすと傾いたほうに曲がっていきますが、キャンバー角はこれと同じ作用を引き起こします。トー角を調整することでこの作用を打ち消し、タイヤが直進するようにしているのです。

キャスター角

キャスター角とは、車を真横から見たときのサスペンションの角度です。バイクのフロントフォークをイメージすると分かりやすいと思います。
キャスター角は前輪(操舵輪)のみに存在する角度で、後輪にはキャスター角の設定はありません。また、他の項目とは違いマイナス側の設定は存在しません。これはフォークが逆向きに折れているバイクがないのと同じです。キャスター角は一般的に2~4度くらいの範囲でつけられます。キャスター角が付いている理由は、トー角と同じで直進安定性を向上させるためです。厳密に言うと、「ハンドルが自然に真ん中に戻ろうとする力を発生させるため」とも言えます。ハンドルから手を離すと勝手にセンターに戻ろうとするのは、実はキャスター角が付いているおかげなのです。キャスター角を大きくすると、ハンドルが勝手に真っすぐになる力が大きくなり、直進を保つのが楽になります。その代わり、ハンドルを切ったときに重くなるデメリットがあります。キャスター角を小さくした場合は、上記と逆になり、直進安定性は悪化しますがハンドルは軽く切れるようになります。

アライメント調整とサイドスリップ調整は違うの?

アライメント調整はよくサイドスリップ調整と混同されますが、これらは似て非なるものです。それぞれの違いを簡単に説明すると、サイドスリップ調整はトー角のみの調整を指します。一方のアライメント調整は、トー角以外にキャンバー角やキャスター角など全体を調整することを指します。サイドスリップ調整は簡易的なアライメント調整といったイメージです。まずはサイドスリップ調整を行い、それでも何らかの症状が出るようであればアライメント調整を行うと良いでしょう。

アライメントが狂っているときの症状

アライメントが狂っているときの症状

アライメントが狂っているときの代表的な症状は、以下の通りです。

・ハンドルが取られる、ブレーキを踏むと車が曲がっていく
・ハンドルのセンターがずれている
・車が真っすぐ走らない、フラフラする
・タイヤの偏摩耗や内減りが起きている
・曲がりにくい・曲がりたい方向にうまく進まない
・特定のスピードでハンドルが振れだす

このような症状が見られる場合、アライメント調整が必要です。単純に走りづらいだけでなく、事故の元にもなるため、アライメントが狂っていると感じたらすぐに調整しましょう。

アライメント調整で得られる効果

アライメント調整で得られる効果は、基本的に上記の問題の解決です。一般的にはメーカー指定の既定値に調整しますが、サーキットを走る方など、こだわりがある場合は、アライメントを好みの値にセッティングすることもできます。例えば、キャンバー角を少し多めにつければ、コーナリング時のグリップ増加が期待できます。また、トー角を多めにつければ、直進安定性の向上が期待できます(もちろん限度はあります)。速く走るためにアライメント調整をする場合は奥が深いので、調整はなるべくノウハウのあるお店に依頼することをおすすめします。

【注意!】車種によって調整できる範囲が異なる

アライメント調整はキャンバー角・キャスター角・トー角の3つを合わせるのが基本ですが、車種によっては調整できる範囲が限られる場合があります。例えば、リアサスペンションがトーションビーム方式の車はリアのトー角やキャンバー角が調整できません。しかし、だからといって4輪のアライメント測定をする意味がないわけではありません。なぜなら、リアのトー角やキャンバー角のズレを考慮してフロントのアライメントを決めることによって、トータルで車が真っすぐ走るようにセッティングできるからです。しかし、あまりにもアライメントが狂っている場合は、フロントを調整しても調整しきれない場合があります。調整の効かないトーションビーム方式でそうなった場合は、リアアクスルという部品を交換することで修正できます。なお、前後ダブルウィッシュボーンの車など、調整範囲の広いサスペンション形式の車はその限りではありません。

アライメント調整はどんな場面で行うべき?

アライメント調整はどんな場面で行うべき?

普段アライメント調整をする場面はなかなかありませんが、アライメント調整はどのような場面で行うべきなのでしょうか?その例をご紹介します。

・縁石に強く乗り上げた
・足回りの部品を交換したとき(車高調など)
・事故を起こしてしまったとき
・一度もアライメント調整をせずに3年以上経過している場合
・意図的にハンドルを曲げないと真っすぐ走らない場合
・タイヤが偏摩耗・異常摩耗しているとき

上記に該当するような症状が見られたら、アライメント調整が必要です。縁石に乗り上げる、事故を起こす、車高調を入れる(足回りをいじる)などは自分でも気づきやすいですが、経年劣化によるアライメントのズレはなかなか気がつきにくいものです。アライメントは経年劣化によってもズレが生じるため、特に何もなくても3~5年に一度はアライメントを測定することをおすすめします。

アライメント調整の方法は?

アライメント調整の方法は?

アライメント調整はミリ単位での細かな調整が必要になるため、アライメントテスターという専用の機械を使って調整するのが一般的です。ただ、簡易的な方法であればDIYで調整することもできます。それぞれの調整方法について、以下でご紹介します。

業者の調整方法

前述の通り、業者はアライメントテスターという専用の機械を使って調整します。アライメントテスターはホイールに専用の機械(ターゲット)を取り付け、カメラで読み取ることでアライメントの数値をモニターに表示します。アライメント調整は非常にシビアなので、モニタリングしながら調整できるこの方法は精度が高いというメリットがあります。また、全てのアライメント測定値を一度に見られるので、トーションビーム式などの調整不可能な足回りの車でもトータルで合わせ込みやすいメリットもあります。

DIYで調整する方法

専用の機械を使わずにアライメント調整をするのは非現実的に思えますが、もちろん目で見てアライメント調整をするわけではありません。「糸・水準器・重り」を使って測定していきます。測定さえできれば、後はどこをどう調整すると角度が変わるのかさえ理解していれば、アライメントを調整できます。それでは、DIYでアライメント調整をする手順を見ていきましょう。

※よくわからないまま作業をすると悪化する可能性があるので、整備に自信がない場合は業者に任せることをおすすめします。

①タイヤの空気圧を全て揃える

空気圧が揃っていないと車が傾いて正確にアライメント調整できないので、4輪とも合わせておきましょう。

②ホイールに水準器をあてキャンバー角を確認する

③左右のキャンバー角を揃える

まずは測定したいホイールの中心に重りをつけた糸を垂らします。糸の支点によって測定結果が変わってしまうので、「フェンダーから糸を垂らす」というようにルールを決めておくといいでしょう。

④ホイールの上側と糸の距離を定規やノギスで測る

ホイールとの距離が遠ければキャンバー角が大きい、ホイールとの距離が近いほどゼロキャンバーに近いということです。

⑤左右で差があった場合、調整して角度を揃える

一般的なストラットタイプのサスペンションであれば、サスペンション上部の取り付け位置を動かすことでキャンバー角を調整できます。微妙な調整は難しいので、ゼロキャンバーに設定するのが無難です。

⑥トー角を確認する

トー角は糸の距離で測定します。ホイールの前側と後ろ側にそれぞれ、左右を結ぶように糸を張ってください。糸の長さを測り、前後の差でトー角を測定します。例えば前側の糸が1450mm、後ろ側の糸が1460mmであれば左右5mmずつのトーインと判断できます。一般的にトー角は0か若干のトーインに設定されているので、その範囲内に合わせておきましょう。なお、この方法では左右のトータルしか測れないので、左右独立してトー角を合わせることは基本的にできません。あくまで簡易的な測定として利用してください。

アライメント調整の料金と時間

アライメント調整の料金と時間

アライメントの料金は、アライメント測定に調整箇所あたりで料金が加算される場合と、アライメント測定と調整料金が込みの料金体系となっている2パターンが多く見られます。また、国産車、外車、車種や駆動方式によっても料金は変わります。料金相場の目安を表にしたものが以下です。

料金アライメント測定調整アライメント点検のみ
(調整箇所1箇所に付き2,000円)
軽自動車14,800円12,800円
FF19,800円14,800円
FR19,800円14,800円
4WD24,800円16,800円
輸入車29,800円19,800円

アライメント調整の作業時間は、測定と調整で合計60~180分程度かかります。

アライメント調整を受ける際の注意点

アライメント調整を受ける際は、以下のようなことに注意してください。

①予約が必要

アライメント調整は時間のかかる作業なので、調整を依頼する場合は基本的に予約が必要です。

②車検不適合車は作業不可

アライメント調整に限らず、基本的にどのカー用品店やディーラーでも車検不適合車は作業を断られます。

③社外品装着車も作業不可の場合あり

社外品を装着したことで、うまくアライメント調整ができなくなる場合があります。その場合は作業を断られることもあるので、予約時に確認しておきましょう。

④ホイールの形状によっては作業不可の場合あり

ホイールの形状によっては、アライメントテスターに必要なターゲットが取り付けできない場合があります。その場合は作業不可になってしまうので、ホイールを社外品に変えている方は予約時に確認しておきましょう。

⑤事故車はアライメント調整をしても完全に直らない場合がある

アライメントで調整できる範囲には限界があります。大きな事故で車体がひどく歪んでしまった場合、調整しても修復は不可能だと考えたほうがいいです。

まとめ

アライメントは見た目には分かりにくいものですが、少しのズレでも走行に影響を及ぼします。縁石に強く乗り上げたときや足回りのパーツを交換したときなど、明らかな原因がなくても経年劣化によって少しずつアライメントはズレていきます。定期的にアライメントを点検・調整し、ベストなセッティングで気持ちよく運転しましょう!

グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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