故障・修理
更新日:2023.06.01 / 掲載日:2023.06.01

SUBARUサンバーを快走仕様!「車上エンジンオーバーホール大敢行!」4

前回まででバルブステムシールが原因か?のオイル下がりを解決したが、やはりオイルが減る。という事はオイル上がり?と思い、18万キロお疲れのピストンリング交換してみようとパーツを検索してもらったら、もろもろ最後の在庫があったので、思い切ってピストンやコンロッドまで交換することに。徹底バラシが始まったぞ。

■ Photo&Text Masahiro Kan ■ 取材協力 (株)不二WPC 

SUBARU サンバー 1995年式V-KV3
SUBARU サンバー 2007年式LE-TV1

 シリンダーヘッドは冷却水パイプ、エキマニ、インマニを外す作業。結構ボルト点数が多いので、種類別に分けておくことを勧める。

 排気系は熱でボルトナットが固着や劣化している可能性が高い。できれば新品を用意しておきたい。

 シリンダーヘッドが外れるとようやくピストンを抜くことができる。クランク側からピストン裏側頭部を長いドライバーなどでコンコン叩いていくとリングが露出して急に軽くなるのがわかるはずだ。

 外したピストンを観察すると、焼け具合は全く問題ないが、リングはオイルリングだけが固着していて回らず、それによって燃焼室にオイルがわずかに入っていたようだ。俗にいうオイル上がりである。下がりはステムシール交換で解決している。

 メタルも当たりは綺麗だが、やはり走行距離が伸びているせいもあり、金属対金属で若干だが削れている。要交換だ。

ピストンの状態は良さそうだが、問題はオイルリング……

シリンダーにはオイルを含浸させたウエスを突っ込んでおき、ヘッドガスケットを剥がしていく。左右にノックピンがあるので注意。
スクレーパーでシリンダーブロックに残ったガスケットを丁寧に剥がしていく。力を入れず、撫でるように丁寧に時間をかけて。
ヘッドのエキゾースト側。カーボンスラッジ堆積はブローバイが多いサンバーの宿命だ。しかしそれにしても、3番のカーボンてんこ盛りは酷い。
外したピストンの状態は非常に良く、光の具合で黒く見えるが、全体に綺麗である。これならリングとメタル交換だけでもOKだ。
ピストンはスカート部分の減りが気になった。オイルたまり加工の線状部分が消えかけていた。オイルリングは固着多々あり。
コンロッドも綺麗なオイル焼け色で、フルフローの小端部も動きはスムーズだ。再使用も考えてしっかりマーキングを残しておく。
メタルを確認すると、カジリを発見。冷間始動時などは油膜がなくなり金属同士のしゅう動になるので、長年の使用で徐々に発生したのだろう。
キャップメタル側にもいくつかカジリがあった。しかし、たぶん18万キロ以上無交換だから「よーく働いてくれました!」な心境だ。
メタルをよく確認してみると、なぜか短い。もしや動いたか?と思ったが、反対側を見ると面イチである。当時はこんな仕様なのか?
キャップ側は少し長めで、片側が飛び出しているのがわかる。こういう仕様もあるのかと思ったが、ほかの部品も同じようになっていた。
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