故障・修理
更新日:2020.07.28 / 掲載日:2020.07.28

線キズを磨き落とす DIYボディリペア3

 悪意のこもった10円パンチのような深いキズ溝は本格的な補修が必要となる。しかし、子供のイタズラで文字や絵をかかれたなど、爪が軽く引っかかる程度ならコンパウンドで磨けばたいていは消せる。凹凸を伴っていたとしても白いスジが消えるだけでもかなり立たなくなる。なお、コンパウンドとは「研磨剤」のことで、補修作業ではノンシリコン・ノンワックスタイプが扱いやすくオススメ。また、研磨剤の粒子のサイズの違いから細目/極細といった種類がある。が、メーカーによって表記はバラバラ。本編で表記した「細目」は、小キズ消しや補修塗装後の研磨キズの除去といった「目消し用」。「仕上げ用」と表記されたコンパウンドが細目を使用した後の研磨に使う「極細」に相当する。

キズ溝に沿って10回擦り、拭き取って何度も確認!

乾燥すると固くなるワックススポンジを用意。柔らかくなるまできれいな水に浸し、水が滴り落ちなくなる程度に絞る。「細目」のコンパウンドを小指の先くらいの量をスポンジに絞り出す。キズ溝の形状に沿わせるように動かして、おおまか磨き落とす。キズ面以外には力を入れ過ぎないよう、同じ場所を10回を目安に擦ったらウエスで拭き取ってキズの状態を確認。まだ、目立つようならコンパウンドを少量つけ、再度磨いて確認……の繰り返しで少しずつ落としていく。

3M/ウルトラフィーナ コンパウンドプレミアム 5949 コンパウンドHG 5969

プロユースのノンシリコン・ノンワックスの液状コンパウンドで、5949は「目消し・肌調整用」、5969は「仕上げ用」となる。ホームセンター等でも入手しやすい製品として、同じく3Mの「ハード1(細目相当)/ハード2(極細相当)」という組みあわせでもよい。

乾燥すると固くなるワックススポンジとはPVAフォームまたはセルロース系のスポンジのこと。保水性に優れるためコンパウンドの乾燥による削れ過ぎを抑制でき、キメが細かくてキズがつきにくい。近年、あまり見かけなくなったが見つけたら確保しておきたい。

多孔質体のPVAフォームまたは セルロース系のワックススポンジ

目立たなくなったら縦横の繰り返しで磨く

キズが薄れて目立たなくなったら、縦横の繰り返しで直線的に、補修面全体を均等に磨いていく。この磨き作業も縦横それぞれ10回を目安に擦ったところで拭き取って確認の繰り返しで、キズ溝に沿って磨いたことで生じた渦巻き状のキズが薄まるまで磨く。キズは消えたもののもやってしまったら、仕上げに艶出しだ。

マイクロファイバークロス

洗車の水分やワックスの拭き取り、ガラス磨き、磨き作業の拭き取り等々、カーメンテナンス全般に重宝する、普通の繊維では落ちにくい汚れを容易に落とすことができる超極細繊維のマイクロファイバー製のウエス。モノタロウで20枚入パック品が959円(税別)で手に入る。

仕上げ用コンパウンドに切り替えて艶を出す

スポンジをきれいな水に浸し、揉み洗いして染み込んだコンパウンドを洗い流す。ノンコンパウンドタイプであれば、油分が染み出してベトベトになることなく、きれいに落とせる。「極細」のコンパウンドをスポンジに絞り出す。研磨面を磨く面に2から3回ポンポンと軽く押し付けa、コンパウンドをスポンジに均等に付着させる。縦横それぞれ10回を目安に擦ったところで拭き取って確認の繰り返しで、ムラなく艶が出るまで磨き上げる。

ドアノブ周辺の引っかきキズもコンパウンドで磨き落とせる

乗車時、必然的に手をかけるドアノブの周辺には爪先がふれやすく、それが原因で無数のスジ状キズに覆われやすい。このようなドアノブ周辺の細かな擦れキズも、コンパウンドを利用すれば簡単に磨き落とすことができる。キズは浅いため最初から「極細」でOKで、スポンジが入らない狭い箇所は、指先にウエスを巻いてコンパウンドをつけ、指を押し込むように磨けばよい。そして、ウエスで拭き上げれば、この通りきれいさっぱり落とせる。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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