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更新日:2022.02.28 / 掲載日:2022.02.28

ETC2.0とは?従来との違い・導入するメリットと使い方を解説

ETC2.0とは?従来との違い・導入するメリットと使い方を解説

ETCといえば、高速道路の料金を自動で決済できるシステムを思い浮かべるかもしれません。

しかし、ETCの機能は進化しています。カーナビやスマートフォンなどと連動し、さまざまなサービスを利用できるETCも登場しており、ETC2.0と呼ばれます。

ETC2.0は道路の渋滞情報や災害情報などをスピーディーに受信できるなどの特徴がありますが、従来のETCとどう違うのか、よくわからない場合も少なくないでしょう。

そこで今回は、ETC2.0が従来のETCとどのように違うのかをはじめ、ETC2.0のメリットや導入方法などを解説します。

ETC2.0とは?

ETC2.0とは?

ETC2.0は高速道路の料金決済だけでなく、渋滞などの道路情報と連動してさまざまなサービスを受けることができる、次世代型のETCです。

全国各地の高速道路に設置された通信アンテナであるITSスポットと、ETC2.0に対応する車載器やカーナビが双方向通信することで、多彩なサービスを利用できます。

ETC2.0の双方向通信技術は「DSRC」と呼ばれるもので、高速かつ大容量のデータを取り扱うことで、さまざまな情報を効率よく取得できるのが特徴です。

ETC2.0と従来サービスとの違い

ETC2.0の機能は、従来のサービスであるVICS(Vehicle information and Communication System)との類似点が多いです。

VICSはカーナビなどに道路交通情報を発信するサービスであり、FM多重放送・光ビーコン・電波ビーコンの3種類のメディアが用いられてきました。

ETC2.0がVICSと異なる点は、従来よりも高速かつ大容量の通信が可能なことです。

通信機能の向上により、従来のサービスと比べて、受信できる道路交通情報の範囲が拡大(最大1,000km)しています。

より広い範囲の交通情報を得られるようになったことで、事故や渋滞が発生した際などに、最適な迂回路を発見しやすくなりました。

また、高速道路の全体図などに用いられる簡易図形が複数提供されるようになり、必要な情報を視覚的に把握しやすくなっています。

いつから?導入が本格化した背景

平成28年(2016年)の4月にETC2.0の運用が本格的に開始されました。従来の利用者が抱える不満を解消し、ETCのさらなる機能強化を目指して導入されました。

豊富な位置情報や渋滞情報を活用して高速道路をスムーズに走行するだけでなく、周辺施設への立ち寄りが容易になることで、地域への経済的な効果も期待されています。

国土交通省の統計によれば、令和3年9月の時点でETC2.0を導入している車の台数は、約212万台です。

ETC2.0の利用率は令和3年9月の時点で27.4%であり、車4台のうちおよそ1台は、ETC2.0を導入している計算になります。

従来のETCは使えなくなる?

現在のところ、従来のETCが使えなくなりETC2.0に一本化される動きはありません。

国土交通省の統計によれば、令和3年9月の時点でETC2.0の利用率が27.4%であるのに対し、ETC全体の利用率は93.5%です。

ETC全体の普及率の中では、ETC2.0の割合は半分にも達していないことから、本格的な一本化はまだ先のことであると考えられます。

ただし、従来のVICSの通信方法のうち、電波ビーコン(2.4GHz帯)を用いたサービスは、令和4年(2022年)3月31日に停止されることが決まりました。

今後は情報提供サービスを受信するには、ETC2.0のITSスポット(5.8GHz帯)に一本化されるため、ETC2.0の普及が加速する可能性があります。

ETC2.0を導入すると何が変わる?4つのメリット

ETC2.0を導入すると何が変わる?4つのメリット

ETC2.0を導入すると、従来のETCとどのように変わってくるのか、ETC2.0のメリットを具体的に解説します。

渋滞回避:迂回路の取得が容易になる

ETC2.0を導入すると迂回路の取得が容易になり、渋滞を回避しやすくなるのがメリットです。

高速道路のサービスエリアやパーキングエリアなどには、最新の渋滞情報や気象情報などを受け取れる、「ITSスポット」に対応した駐車スペースがあります。

ETC2.0を導入してITSスポットを利用すると、広範囲の交通情報を素早く入手できます。

ETC2.0対応のカーナビゲーションがあれば、情報に基づいて最適のルートを選択してくれるので、渋滞を回避しやすくなるのがメリットといえるでしょう。

一時退出:再進入の料金が同じになる

ETC2.0を導入すると、一定の要件を満たした場合に、一時退出や再進入にかかる料金が同じになるのがメリットです。

高速道路の休憩所が遠い場合、いったん高速道路から退出して道の駅で休憩したくなる場合がありますが、一時退出・再進入に料金がかかるのがデメリットでした。

ETC2.0を導入して一定の時間内に対象の道の駅を利用した場合、一時退出・再進入の料金がかからないサービスが導入されたので、道の駅を気軽に利用しやすくなっています。

注意喚起:災害情報を音声で受け取れる

ETC2.0を使用すると、災害が発生した際に、音声による注意喚起を受け取れるのがメリットです。

運転中に災害が発生すると、ETC2.0を通じて「地震が発生しましたので速度を落としてください」などの注意メッセージが提供されます。

運転中は振動で地震などの災害に気づきにくいですが、注意喚起を受けることで、災害への素早い対応が可能になります。

圏央道(新湘南バイパスを含む)の割引

ETC2.0を使用すると、圏央道(新湘南バイパスを含む区間)について、割引が適用されるメリットがあります。

割引の対象区間は、圏央道(茅ヶ崎JCT~海老名JCT、海老名~木更津JCT)と、新湘南バイパス(藤沢~茅ヶ崎JCT)です。

割引が適用されるには、以下の条件を満たさなければなりません。

車載器にETC2.0を搭載した車で、ETCが導入されている入口インターチェンジまたは出口インターチェンジに入り、ETC無線通信を使用して走行する。

噛み砕いていえば、車にETC2.0を搭載し、ETCの機能を使用してインターチェンジを利用するということです。

条件を満たして圏央道を利用した場合、料金が高速自動車国道の普通区間と同様の基準(普通車24.6円/km)に割引されます。

例えば、普通車で圏央道の「大井松田~相模原」間を走行した場合、本来の料金は1,500円ですが、割引が適用されると1,390円です。

ETC2.0を使うには何が必要?

ETC2.0を使うには何が必要?

ETC2.0を導入したいけれど、どうやって使えばいいかわからない、という場合もあるでしょう。そこで、ここではETC2.0の使い方を解説します。

ETC2.0を使用するには、ETC2.0に対応している車載器(ETCカードを使用するための機器)が必要です。

車載器に搭載するためのETCカードも用意しましょう。車載器はETC2.0に対応している必要がありますが、ETCカードは従来のものでも問題ありません。

渋滞情報や災害情報などETC2.0の機能をフルに活用したい場合は、対応するカーナビやスマートフォンを搭載すると、より便利にETC2.0を活用できます。

ETC2.0を使用するには対応する車載器が必要ですが、使用するには車両に機器を設置して、配線などを調整しなければなりません。

機器や配線に詳しければ自分で車載器を設置することも可能ですが、詳しくない場合は、どうやって設置すればいいのか心配になることもあるでしょう。

ディーラー・カー用品店・整備工場などに依頼すれば車載器を車に設置してもらえるので、ETC2.0を取り付けるのに不安がある場合は、業者に依頼するのがおすすめです。

グーネットピットなら地域ごとに最寄りの整備工場・業者を検索できるので、近場でスピーディーにETC2.0を導入できます。ぜひ利用してみてください。

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今後期待できるETC2.0のサービス

今後期待できるETC2.0のサービス

ETC2.0のサービスとして渋滞情報や災害情報などが導入されていますが、新しいサービスが今後も増えていく予定です。

そこで、今後導入される可能性があるETC2.0のサービスについて見ていきましょう。

まず、渋滞を避けるルートを選択して走行すると、通行料金が割引されるサービスがあります。

首都圏や都市部を中心に、多くの高速道路において渋滞の発生が問題となっています。

ETC2.0のサービスとして渋滞情報の発信がありますが、渋滞を回避するルートを選択して走行すれば、高速道路における渋滞の解消に役立つといえるでしょう。

そこで、渋滞を避けられるルートの選択を促進するために、割引サービスを導入することが検討されています。

次に、高速道路で一時退出・再進入をした場合に、料金を一律にするサービスが予定されています。

現状では急用や給油などで一時退出をした場合、再進入をすると料金が発生してしまいますが、料金が一律になれば、高速道路をより手軽に利用しやすくなるのです。

そのほか、駐車場の料金をETCで決済したり、フェリーに乗船するための車両確認を簡素化したりなど、さまざまなサービスが検討されています。

まとめ

ETC2.0は料金決済だけでなく、道路情報と連動してさまざまな役立つサービスを受けることが可能な、次世代型のETCです。

全国の高速道路に設置されたITSスポットと双方向通信することで、高速かつ大容量のデータを受信できるのが特徴といえます。

広域の渋滞情報を受信して最適な回避ルートを選択したり、災害発生時に音声で注意を受けて車の速度を落としたりなど、さまざまなサービスを受けられるのがメリットです。

ETC2.0を導入するには、対応した車載器を車に設置しなければなりません。

車載器の設置には配線などの知識が必要ですが、グーネットピットで検索して最寄りの整備工場に依頼すれば簡単にETC2.0を導入できるので、ぜひご検討ください。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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