故障・修理
更新日:2019.10.31 / 掲載日:2019.10.31

絶滅危惧種スバルサンバーを快走仕様!「第23回 外装パーツ塗装 【本塗装編】」

前回では下地塗装としてプライマーとサフェーサーを塗装して本塗装のための下地を作った。今回は本塗装になるが、せっかくエアガンを使うので、缶スプレーでは販売されていない色にしてみた。

ところが思った色が出なかったりとベースカラーに四苦八苦。DIYペイントならではのちょっと色っぽいサンバーカラーに仕上げてみた。

SUBARU Sambar TV1 app.K (2007)

下地作りが仕上がりのすべてのキモ。特殊塗料で七変化!

 実はまだ色が決まっていないので、サンバーはいろんなところが外されたまま3か月目に突入している。早く色を決めて塗らないと、いつまでも事故車のようなルックスでなんとも格好悪いのだ。車体色が薄いブルーなので、赤や黄色などの反対色だと浮いた感じになってしまうし、車体色が反映するようなカラーを考えていた。エコ的にグリーンとか、ボディ同色とかである。勇気を出して紫なんかもいいかなと思いつつK-Advance三浦氏に相談したところ「楽しい色ありますよ。紫とかピンクに見えるやつ」となにやら魅惑的なお言葉。

純正色などは缶スプレーにもあるので、せっかくなら特別配合色で塗装したいなということもあり、その楽しい色というヤツを見せてもらうと、なにやら白濁した液体だが、見本を見る限り下地のブルーが透けつつ紫やピンク、果てはグリーンにも見えたりするのだ。商品名は「エキショー・メイプル」というもので、液体だけ見るとドロッとした白色なのだがよく見ると何か液体に浮遊している。

とりあえずカタログ見本にあるブルーを仮にベースカラーとして塗って、その上に「エキショー」を重ねてみると、確かに紫のようなピンクのような色が出てきている。だが真正面から見ると安っぽいブルーなので、もう少し変化が出て全体が締まる色というところから試行錯誤が始まった。

純正色の少しだけブルーを濃くしたものだと、メタリックが入っているのでほとんど変化なし。明るい色だとかなり「エキショー」で塗りつぶすくらい厚くしないとダメなようだ。

数種トライして、かなり濃いめのブルーにしたら、軽く「エキショー」を吹いただけでみるみる色が変わり紫が見えてきた。こりゃイケる!で決定。

下地サンディングは昔のように水研ぎではなくドライサンディングが主流とのこと。乾燥時間などを考えると塗装にかかる時間が大きく短縮されたという。

エアガンも低圧のものが業務用として流通しているのでDIYでもコンプレッサーさえあれば誰でも気軽にチャレンジできる。ホビーとして塗装が自分でできる時代がやってきたということだ。

第23回 外装パーツ塗装 【本塗装編】

サフェーサー仕上げのあとは塗装に向け「足付け」作業をしていく。樹脂パーツは型整形されているので平面に見えても実は凸凹がかなりある。

全体に細かい切削目を付けて塗装の食い付きをよくしていくのが目的だ。

平面出しは目視ではやりにくく、昔は黒塗装を軽くしたが、ドライサンディングが主流になってからはドライコートという黒色チョークなようなものが3Mより発売されている。

黒い部分がなくなればサンディング終了となる。

サンドペーパーはソフトタイプの#320→#600に細かくして仕上げる。

裏に#600スコッチブライトを当てると曲面などになじみやすい。

ドライサンディングはエアブローが基本。頻繁に切削粉を飛ばして表面の荒れた部分に粉が残らないように作業するのがポイントだ。

色決めはサンプルシートの配合によって指定色を数種混ぜ合わせていく。サンバーの純正色はなんと10色ほどの混合で作られていた。

「謎の浮遊物体」七変化の正体はShow UPの「エキショー・メイプル」。粉状のものが発色している模様。

ユニークだが180グラムで6600円と高価!

最近は低圧タイプのガンが主流で、家庭用コンプレッサーでも十分に塗装できる。左から恵宏製作所スプレーマンNEO-77はノズル0.8ミリ。

プロ御用達だ。アネスト岩田LPH-50はノズル1ミリ。

明治機械製作所F110はノズル1.3ミリ。これはエキショーに使用した。

俗にいうソリッドブルー。特殊な配合なしにShowUPのカタログにある色をとりあえず見本プレートに塗装してみた。かなり青い。

カップに入れる塗料は必ずろ紙を使用。

エキショーをひと吹きしてみたが、見た目にはほとんど変化がない。もうひと吹きか(汗)。

エキショーを塗布し、太陽光で確認すると、光の当たり方で確かに紫やピンクは出るが、フラットなブルーがかなり安っぽい見え方に。

もう少し高級感をと、純正色にわずかにブルーを足してエキショーを塗ってみたら、メタリックの場合ほとんど変化が出ずこれは断念。

薄いブルーがダメと判断して数種のブルーを調合してエキショーを塗布。

かなり濃いブルーだと下地を生かして変化も大きいことが判明。

いよいよ本塗装になるが、冬場は湿度が低く樹脂パーツは静電気でホコリを吸いやすいので、必ず湿ったマイクロファイバーウエスを使って拭う。

そして写真中のように軽く全体に塗料をかけて、そこから本塗装を行う。

軽く乾燥させて4回塗装で全体を隠蔽する。

塗装ガンのエアは1.5キロほどで塗料はダイヤル1.5回転が目安。距離は20~25センチほど。塗装法は缶スプレーに似ている。

3回目の後で表面を確認し、ホコリなどで塗料がたまった部分を触指確認する。# 1500サンドペーパーで軽く均して4度目を塗装。

エキショーは塗装のあとで研磨ができないのでここでも静電気を除去。イオナイザーというイオン発生器をエアガンで吹き付ける。

エキショーを軽く吹き付けてみると、みるみるうちにブルーがムラサキに変わるのが分かる。軽く2度塗りで色味を決定することに。

不思議なムラサキが発色。平面だと上の写真のブルーに見えるが、光の具合でいろんな色が見え隠れする。シックでハデという表現か。

エキショーだけでは半ツヤになってしまうので最終仕上げでウレタンクリヤを2回ほど塗装。もうピカピカ! 装着に期待倍増だ!

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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